東京や大阪など土地の価格が高いエリアで、狭小住宅を建てる方が増えています。
狭小住宅とは、狭い土地や、三角形・くの字型などの変形地に建つ家のこと。
狭い土地や変形地に建てられた家は、居住スペースが狭くなってしまうというデメリットはありますが、もちろんメリットもたくさんあります。
ここでは、狭小住宅の基本的な知識を詳しく解説していきます。
目次
この記事がおすすめできる人
- 狭小住宅に興味がある人
- 狭小住宅を建てたいと考えている人
- 狭小住宅のメリットとデメリットが知りたい人
- 狭小住宅の費用相場が知りたい人
- 都心に住みたいと考えている人
なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・マイホーム計画を立て始めた方へ!流れ・資金・失敗しないためのポイントを解説
・〈1500万円の注文住宅〉20~30坪の施工実例と、予算内で建てるための5つコツ
・注文住宅を安く建てよう!7つのステップと注意すべきポイント
狭小住宅とは
狭小住宅とは、一般的に15坪以下の土地に建てられた家のこと。15坪は大体50平米くらいの大きさで、畳で表すと約30畳分です。
日本は国土が狭く地価が高いという特徴がありますが、狭小住宅なら、土地が狭くても2階建てや3階建てと縦方向にスペースをとることで延床面積を増やすことができ、家族でも広々と暮らすことが可能です。
日本の住宅事情では、限られた土地をどれだけ有効活用できるかが鍵。そのため、高度な建築技術を用いて様々な工夫を凝らした狭小住宅の建築が注目されています。
特に都心部では、狭小住宅を得意とする住宅メーカーが豊富。中には狭小住宅専門で仕事を請け負っている会社もあるようです。
狭小住宅のメリット
狭小住宅の主なメリットは、土地の価格が安い、好立地に建てられる、ランニングコストが抑えられるという3つ。それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
土地の価格が安い
まず1番のメリットとして挙げられるのが土地の安さ。同じ立地条件でも、土地の面積が狭い方が価格は安くなります。
土地の価格を抑えることができれば、その分家自体にかけられるお金を増やすことができるでしょう。
ただし、狭小住宅の場合、土地が狭い分一般的な住宅建設よりも費用が割高になってしまう可能性があるということは頭に入れておきましょう。
例えば足場を組むスペースがない場合や、トラックなどの大型車両を駐車する場所が確保できない場合などは、別途費用が上乗せされることがあります。
好立地に建てられる
都心など立地条件が良い場所は、土地の価格が高く設定されているもの。通学や通勤の都合などで都心の駅近の土地を買いたいと思っていたけど、予算の都合上断念せざるを得なかったという方も少なくありません。
しかし狭小地であれば価格を抑えることができるので、立地条件の良い土地でも比較的住みやすくなるでしょう。
家を建てるなら立地は重要な問題。通学や通勤はもちろん、買い物など生活の利便性が高いかどうかもチェックしておきたいポイントです。
予算の都合で理想の土地を諦めなければいけないと考えている方は、ぜひ狭小地を検討してみることをおすすめします。
ランニングコストが抑えられる
家を建てると、固定資産税と都市計画税などの税金を支払わなければいけません。
固定資産税とは、土地や家屋を所有している人がその課税評価額をもとにして算出された税額を収めなければいけないというもの。
都市計画税とは、都市計画法による都市計画区域に土地や家屋を所有している人が納める税金のことです。
税率は自治体によって異なりますが、小規模住宅用地と呼ばれる200平方メートル以下の土地の場合は、固定資産税・都市計画税共に評価額が下がります。
そのため、一般的な住宅よりも支払わなければいけない税金は少なくて済むというわけです。
また狭小住宅は床面積が狭い分、光熱費や維持費などを抑えることが可能。
交通の便が良い都市部では公共交通機関が充実しているため、車を手放して自動車税やガソリン代などのコストを削減することもできます。
相場はどれくらい?
一般的な注文住宅の建築費用相場が2,000〜3,000万円なのに対して、延床面積50平米の注文住宅の建築費用相場は、1,200〜1,300万円程度と言われています。
やはり建築面積が狭い分相場は下がりますが、使用する資材や導入する設備などによっても大きく左右されるため、一概に「狭小住宅は安い」とは言えません。
また家を建てるためには、家自体の建築にかかる本体工事費用のほかに、建物以外の工事にかかる付帯工事費用や、税金などの諸費用を支払わなければいけないことを覚えておきましょう。
狭小住宅を建てる前に知っておきたい注意点
狭小住宅を建てる際には、注意しなければいけないポイントがいくつかあります。
防音対策、駐車スペース、周辺環境という3つのキーワードをもとに、それぞれの注意点を見ていきましょう。
防音対策
狭小住宅を建てる際に、気にしなければいけないポイントのひとつが防音対策について。
狭小住宅は出来るだけ居住スペースを増やすために敷地いっぱいに家を建てることになるため、家に面している道路や隣の家との距離が近くなりがちです。
道路の通行人の話声や車の音、隣家の生活音などが聞こえてくることで生活に支障が出ないよう防音対策についてはしっかり考えておかなければいけません。
また、相手の声や音だけでなく、知らず知らずのうちに自分たちの話声や生活音が他人の迷惑になってしまっていることも考えられます。
せっかく理想のマイホームを手に入れても、気を遣いながら生活をするのは辛いですよね。
防音対策をすることで多少費用がかさんでしまいますが、快適な生活を送るためには欠かせないポイントです。
駐車スペース
車を所有している方、これから購入したいと考えている方は、駐車スペースについても注意しなければいけません。
一般的に乗用車1台分の駐車に必要な面積は、4〜5坪程度と言われています。平米に直すと13〜16平米、畳だと8〜10畳ほどのスペースが必要です。
しかし駐車場を設けると、その分居住スペースは少なくなってしまいます。近隣の駐車場を借りるという手もありますが、駐車場代が余計にかかってしまったり、移動の手間と時間がかかるという懸念点も。
そこでおすすめなのがビルトインガレージです。
ビルトインガレージとは、住宅の1階部分に埋め込まれた駐車場のこと。駐車場上の2階・3階部分は通常通り居住スペースとして有効活用することができます。
また、車をすっぽり収めることができるため、雨や雪、汚れなどから守ることができるというメリットもあります。
周辺環境
狭小地に家を建てる際には、その土地の周辺環境を考慮した予算を設定しておかなければいけません。
というのも、その土地の周辺環境によって建築費が大幅に上乗せされてしまう可能性があるからです。
例えば、土地周辺の道幅が極端に狭い場合。大きなトラックや重機などが入れないことで、施工会社は余分な手間と時間がかかります。
また、資材を置いておくスペースがなければ、近隣にそのスペースを確保する必要があり、別途費用がかかってしまうことも。
コストアップの可能性があるかどうかは、事前に施工会社に確認しておくと安心です。
狭小住宅での間取りのポイント
狭小住宅は、限られたスペースの中に必要な部屋数を入れ込まなければいけないため、一般的な住宅よりも間取りに工夫が必要です。
間取り決めの際に参考にしたい4つのポイントについて解説します。
仕切りを作り過ぎない
狭小住宅はスペースをいかに有効活用するかが大切です。
各部屋を分けるために仕切りは必要ですが、あまり細かく仕切りすぎてしまうと、ひとつひとつの部屋のスペースが狭くなり窮屈に感じてしまうでしょう。
また、細かく部屋を分けることで光を取り込みにくくなり、家全体が薄暗い雰囲気になってしまう可能性もあります。
部屋の仕切りはなるべく少ない方が良いでしょう。スキップフロアを利用して目線をずらすなどの工夫をすれば、別々の部屋にいるように演出することもできます。
どうしても仕切りが欲しい場合は、スペースを有効活用できる収納家具や、光を取り込みやすい刷りガラスなどを仕切りとして使うのもおすすめです。
ロフト・小屋裏収納を作る
狭小住宅で人気があるのがロフトや小屋裏収納です。
狭小住宅を建てる際、土地の建ぺい率や容積率に悩まされる方も多いと思いますが、実はロフトや小屋裏収納は延床面積に含まれません。
居住スペースを増やすために、小さくなってしまいがちな収納。ロフトや小屋裏収納をを作っておけば収納スペースとして活用することができます。
またアイデア次第で、収納スペースとしてだけでなく、キッズスペースやシアタールームなど、幅広い使い方ができそうです。
ただし、天井の高さが1.4m以下であること、ロフトがある階の半分以下の面積であること、ハシゴが固定されていないことという3つの条件を満たしていなければいけないということを覚えておきましょう。
収納を工夫する
実は狭小住宅こそ、収納スペースの確保が大切であるということをご存知でしょうか。
狭小住宅の間取りでは、リビング、寝室、子供部屋、水回りなどを優先するばかりに収納スペースの確保が疎かになってしまいがちですが、収納する場所がなくモノが溢れていると、部屋の中が余計に狭く感じられてしまいます。
おすすめは、デッドスペースを有効活用するということ。例えば階段下のスペースや壁面など、よく見てみると収納として活用できる場所がたくさんあるはずです。
間取りをチェックする際には、デッドスペースとなっているところはないか、収納として利用できないかをしっかり確認してみてください。
狭小住宅を建てる際の住宅会社の選び方
理想通りの家を建てるためには、住宅会社選びが重要。狭小住宅を建てる際の住宅会社の選び方について解説します。
ホームページをチェックする
住宅会社には、ハウスメーカー、設計事務所、工務店などの種類があり、その中から希望にあった会社を選ぶためには情報収集が必要です。
まずは気になる住宅会社のホームページをチェックしてみましょう。
特にチェックしておきたいのが、建築事例のページ。狭小住宅の施工実績は豊富か、自分たちの好みのテイストの家を建てられそうかを基準にチェックしてみてください。
また、カタログやインテリア雑誌などを参考にするのもおすすめです。
見学会や住宅展示場に足を運ぶ
気になる会社があれば、ぜひ住宅展示場や現場見学会へ足を運んでみましょう。
住宅展示場の見学の際には、どのポイントを重視して見るかを決めておくのがおすすめです。間取り、素材、デザインなど目的を持って見学すると、自分たちの家づくりに生かせるポイントを見つけやすくなります。
また、住宅展示場ではセミナーや相談会などイベントが開催されていることもあるので、そちらもぜひ活用してみてください。
見学は1日あたり3棟までが理想的です。
現地見学会は、気になる点について質問できるようある程度予備知識をつけておくことで、より有意義な時間を過ごすことができます。
また、施行中の現場では職人さんたちの仕事の様子をチェックすることもでき、会社選びの判断材料にもなります。
複数の会社を比較検討する
最終的に住宅会社を決める際は、複数の会社を比較検討することが大切です。
費用やデザイン性、口コミ評判、担当者の対応など、住宅会社選びには様々なポイントがありますが、最もチェックしておきたのが、狭小地での家づくりにふさわしい会社かどうかということです。
狭小地の場合、狭い空間を広々と見せたり、収納や動線に配慮したりなど、一般的な住宅よりも間取りに工夫が必要となります。
もちろん、自分たちで考えて相談をすることも可能ですが、やはりプロの目線でしっかり提案をしてくれる会社だと安心です。
複数の会社に間取りの提案を依頼すると、比較検討しやすいでしょう。
まとめ
記事の内容まとめ
- 狭小住宅とは、狭い土地や変形地に建てられる家のこと
- 狭小住宅には、土地が安い、好立地に建てられる、ランニングコストが抑えられるというメリットがある
- 相場は1,200〜1,300万円程度
- 狭小住宅の間取りには工夫が必要
- 住宅会社は狭小地に強い会社を選ぶと良い
狭小住宅というと、狭いからその分一般的な住宅よりも安いと考えている方も多いかもしれませんが、小さな家だからこそ費用が割高になってしまうことも。しかしその分、税金などのランニングコストが安く済むというのが狭小住宅のメリットです。
限られたスペースで理想の間取りを叶えることは難しいかもしれませんが、時間をかけて考えることも、家づくりの大切な思い出になるでしょう。
後悔することのないよう、たくさん悩んで、理想のマイホームを完成させてくださいね。
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