これから住宅ローンを借りようと考えている人にとって必ずと言っていいほど比較検討の対象になるのが「フラット35」です。
フラット35は全期間固定金利型の住宅ローンである上、プランによっては子育てファミリーへの支援として金利を引き下げてくれることもあるのです。
こちらの記事では、初心者がシュミレーションからフラット35の返済計画を立てる助けになるような情報をまとめています。
目次
フラット35はシュミレーションで計画を立てよう
全期間固定金利型の住宅ローンとして有名な「フラット35」。
その返済計画を立てるには、公式サイトのシュミレーションツールを使えば簡単です。まずは公式サイトのシュミレーションツールでできることを見てみましょう。
フラット35のシュミレーションでできること
フラット35公式サイトのシュミレーションツールを使用すれば、様々な試算を行うことが可能です。
例えば新規借入を検討している人のために、5秒でできる「クイックシュミレーション」が用意されていて、3種類の試算を実施できます。
1つ目の試算は「借入金額から毎月の返済額を調べる」というもの。
こちらは具体的なマイホーム購入の予算がある程度わかっている方向けのシュミレーションで、どれくらいの借入金額を何年間のローンで組めば毎月の返済額がいくらになるかを試算できます。
そして2つ目は「現在の年収から借入可能額を調べる」というものであり、収入に応じてどれくらいの借入ができるかを試算してくれます。「住宅ローンを組みたいけどいくらの予算が自分に合っているかわからない」という方は、こちらのシュミレーションがおすすめです。
3つ目は「毎月の返済額から借入可能額を調べる」というもので、毎月支払う住宅ローンの返済額をいくらに設定すればどれくらいの金額を組めるか試算できます。毎月の支払い額がわかれば、賃貸を借りている人は現在の家賃と比較することが可能。無理のない返済計画を立てやすくなります。
同サイトではそれ以外のシュミレーションも用意
こちらのサイトでは、新規借入の方以外に向けた住宅ローンのシュミレーションも行えます。
それは、借り換えを検討している方や返済方法の変更を考えている方向けのものです。それぞれについて詳しく見てみましょう。
住宅ローンの借り換えを検討している方向け
借り換えを検討している方のために、「借り換えシュミレーション」と「返済プラン比較シュミレーション」という2種類のツールが用意されています。借り換えシュミレーションでは現在借りている住宅ローンから新しいプランへ借り換えた時にどれくらいのメリットを見込めるか計算できます。
そして返済プラン比較シュミレーションでは複数の金融機関や、複数の金利タイプの住宅ローンを一括で比較できます。具体的な借り換えたい住宅ローンが決まっていれば話は別ですが、まだどの住宅ローンがいいか決められていない人は方はこちらのシュミレーションを試してみるといいでしょう。
住宅ローン返済中の方向け
住宅ローン返済中の方向けのシュミレーションツールとして、2種類があります。1つ目は「返済方法変更シュミレーション」です。こちらのツールを使用すれば、「毎月の返済額」や「返済期間」などの返済方法を変更した時に総返済額がどう変わるかを試算できます。
そして2つ目が「機構団信特約制度特約料シュミレーション」です。2017年9月30までに申し込んだ方へ適用される「機構団体信用生命保険」に関して、特約料金を試算できます。このように、フラット35の公式サイトでは様々な事例のシュミレーションを実施することが可能なのです。
メリットがたくさん!フラット35とは
そもそも、フラット35とはどういった住宅ローンなのでしょうか。
フラット35が通常の住宅ローンとは一味違ったものである理由と、そのメリットを紹介します。
全期間固定金利型で安心して住宅ローンを組める
住宅金融支援機構が各地の金融機関と提携して提供する住宅ローンがフラット35です。
金融機関によって金利などは少しずつ異なるものの、共通して言えることは「全期間固定金利型の住宅ローンである」というポイントです。全期間固定金利型ということは、契約から完済までの金利が常に一定であるということ。借入時に総返済額がわかるので、返済計画が明確に見通せます。
全期間固定金利型の住宅ローンと対照に位置するのが変動金利型の住宅ローンです。変動金利型の住宅ローンはその名の通り金利が変動することが特徴で、もし金利上昇が起きた時には総返済額も多くなってしまいます。フラット35なら金利が上がっても総返済額は変わらないため、安心して生活できます。
「省エネ性」など高品質な住宅購入のために金利を下げてくれる
通常、民間の金融機関が住宅ローンを提供する際に住宅の性能を評価してくれることは少ないです。
一方、フラット35には「省エネ性」や「耐震性」など性能の高い住宅を購入する際には金利を引き下げてくれる制度が存在しています。例えば長期優良住宅という性能に優れた家を建てれば、フラット35の金利引き下げ制度を利用しやすい上、国から税金の軽減措置を受けることもできます。
保証料や繰上げ返済手数料が無料
一般的な住宅ローンでは借り入れの際の諸費用として保証料が必要になります。
しかし、フラット35の場合は保証料が必要なく、さらに保証人を立てる義務もないのです。つまり、フラット35はある程度の基準さえ満たしていれば審査に通りやすい住宅ローンとなっています。
また、住宅ローンと関係の深い「繰り上げ返済」や「返済方法の変更」などの手続きをする場合にも、手数料は無料。繰り上げ返済でどんどん返していきたい人にとっても利用しやすい住宅ローンです。
返済のためのサポート体制が充実
フラット35を提供するのは住宅金融支援機構であるとお伝えしました。
だからこそ、民間の金融機関よりも手厚いサポートを受けやすい環境なのです。契約者の万が一に備えるため、「信機構団信」や「新3大室疾病付機構団信」などが用意されています。さらに、返済方法の変更メニューも豊富に用意されているため、一人ひとりが抱えている事情や悩みに最適な返済方法を提案してくれます。
自分に適しているのはどれ?フラット35のプラン・制度一覧
フラット35で用意されているプランや制度を一覧としてまとめました。
フラット35のシュミレーションを行う際には金利の入力が必要になるので、利用したいプランを考えて金利を確認しましょう。
「金利の範囲」⇒全国の金融機関が提供するフラット35の金利の範囲のこと
「最頻金利」⇒「金利の範囲」の中で最も多くの金融機関が設定している金利のこと
スタンダードなプラン!「フラット35」
まずは最もスタンダードな「フラット35」のプランです。
安定した資金計画を立てたい人におすすめのプランで、後述する「フラット35S」に対応しています。
【2018年12月現在の金利情報】
-
15〜20年の場合
金利の範囲:年1.320%〜年1.980%
最頻金利:年1.320% -
21〜35年の場合
金利の範囲:年1.410%〜年2.070%
最頻金利:年1.410%
20年までの完済を目指す人向け!「フラット20」
「フラット20」は、「フラット35」のうち20年までの完済を目指す人向けのプランです。
短いローン期間を組むことで、より低い金利で借り入れることができます。資金計画や返済に余裕のある方向けであり、後述の「フラット35S」に対応しています。
【2018年12月現在の金利情報】
- 15〜20年の場合
金利の範囲:年1.320%〜年1.980%
最頻金利:年1.320%
長期間での住宅ローンを組みたい人向け!「フラット50」
「フラット50」は、最長50年という長期間の住宅ローンを組むことのできるプランです。
ただしどんな住宅でもこのプランを利用できるわけではなく、申し込めるのは長期優良住宅に認定された住宅のみとなっています。なお、「フラット50」には金利引継特約が付属しているため、住宅ローン返済中にその家を売る時には買主に対して「フラット50」の債務を引き継ぐことが可能です。
また、「フラット35」や「フラット20」との併用も可能であるほか、後述の「フラット35S」にも対応しています。「フラット50」は、様々な使い方のできる住宅ローンとなっています。
【2018年12月現在の金利情報】
- 36〜50年の場合
金利の範囲:年1.770%〜年2.270%
最頻金利:年1.770%
中古住宅を買ってリフォームする人向け!「リフォーム一体型」
「フラット35(リフォーム一体型)」のプランは、中古住宅を購入して同時にリフォームも行う方向けの住宅ローンです。工事の内容や工事費用に制限がないため、リフォームを行う方なら誰でも利用できるようになっています。また、リフォーム後の設備の性能が優れていれば後述の「フラット35S」を利用することも可能です。
【2018年12月現在の金利情報】
-
15〜20年の場合
金利の範囲:年1.320%〜年1.980%
最頻金利:年1.320% -
21〜35年の場合
金利の範囲:年1.410%〜年2.070%
最頻金利:年1.410%
中古住宅を買いリノベーションする人向け!「フラット35 リノベ」
「フラット35 リノベ」は、中古住宅を購入してなおかつリノベーションをする人向けのプランです。
通常のフラット35の金利よりも年間0.5%金利を引き下げてもらうことが可能です。また、自分で中古住宅を購入してリノベーションするだけでなく、リノベーションされた中古住宅を業者から購入する場合にも適用されます。
「フラット35リノベ」には申し込みの期間が2018年4月1日から2019年3月31日までと定められていて、かつ住宅性能に関する条件もあるため、事前に確認しておきましょう。
返済できなくなった時の保証付き!「フラット35(保証型)」
「フラット35(保証型)」は、万が一契約者が返済できなくなった時の保証が付いているプランです。
金融機関が提供する住宅ローンへ住宅金融支援機構が住宅融資保険を付与してくれ、もし返済できなくなったら住宅金融支援機構が金融機関へ保険金が支払われます。ただし、一部の金融機関でしかこのプランは用意されていません。なお、こちらのプランも後述する「フラット35S」に対応しています。
性能の高い住宅の場合に金利を下げてくれる!「フラット35S」
「フラット35S」は、性能の高い住宅を購入する人を支援して、対応しているプランの金利を一定期間引き下げてくれる制度です。
具体的な引き下げ金利は年0.25%となっていて、これを利用すれば数十万円の利息を軽減できます。なお、この制度は規定の予算金額に到達した場合終了となるので注意が必要です。
子育てなどを支援!「フラット35(子育て支援型・地域活性化型)」
「フラット35(子育て支援型・地域活性化型)」は、地域の活性化や子育て世代を支援するためのプランです。
これらの取り組みに対して積極的な地方公共団体と住宅金融支援機構が連携し、地方公共団体からの住宅取得への補助金などとセットで「フラット35」の金利を引き下げてくれます。また、「フラット35S」にも対応しているので、併用すればさらに金利は低くなります。
住みかえの際に活用しやすい!機構住みかえ支援ローン
機構住みかえ支援ローンは、住みかえの際に活用しやすい住宅ローンです。
一般財団法人高齢者住宅財団による保証を用いて、住宅借上事業を実施している法人が現在の住宅を借り上げることを前提としています。「フラット35S」に対応しているため、性能の高い住宅へ住みかえればよりお得に住宅ローンを借りられます。
住宅ローンを完済できるか不安な人向け!「フラット35(家賃返済特約付き)」
「フラット35(家賃返済特約付き)」は、住宅ローンを完済できるか不安な人向けの特約付きプランです。
将来もし返済が難しくなったら、一定の条件の上で住宅を住宅金融支援機構と提携する住宅借上機関へと賃貸して、発生する賃料を住宅ローンの返済に充ててくれます。
人によりデメリットもあるので注意しよう
審査に通りやすいことや全期間固定金利型であることがメリットのフラット35。
メリットばかりが際立っていますが、人によってはデメリットもあるので注意しなければなりません。シュミレーションツールでフラット35の詳細を把握したら、他の民間ローンなどと比較してみましょう。
民間ローンの方が金利は低くなる場合も
全期間固定金利型の住宅ローンの中では金利が低めに設定されているフラット35ですが、実は場合によっては民間ローンの方が金利は低くなることもあります。
例えば、勤務先が提携している住宅ローンを利用すれば金利の引き下げを受けられるので、そちらの方が安くなる場合があります。ただし、民間ローンの方が低金利になったとしても、手数料・保証料などの諸費用を含めるとフラット35の方が総支払額は少ないことも。どの住宅ローンが自分に適しているかは慎重に吟味した方がいいでしょう。
頭金が少ない人は金利が高くなるかも
「自分は貯金が少なく、民間ローンは審査に通るか不安だからフラット35にしよう」と考えている場合にも注意が必要です。
フラット35は頭金が少ない場合に金利が高くなってしまうという決まりがあります。具体的な数値としては、住宅価格の1割以上は頭金として用意すれば金利は高くならないため、ある程度の貯金はあった方が安心です。
ただし、フラット35なら諸費用を借りるローンを組むことも可能になっています。 そのため、頭金が足りない場合は住宅ローンを融資率9割まで(つまり1割以上の頭金を用意)にして、諸費用にかかるお金をローンで借りるという選択肢もあります。
フラット35は団体信用生命保険への加入が任意
こちらはデメリットというより注意点ですが、フラット35を利用する場合に覚えておきたいことがあります。キーワードは、「団体信用生命保険」です。
団体信用生命保険とは
団体信用生命保険とは、契約者が亡くなってしまったり高度障害になってしまったりした時に住宅ローン残高を肩代わりしてくれる保険制度のことです。
通常の生命保険だと家族の生活費への保障という扱いになりますが、団体信用生命保険なら住宅ローンへの保障を行ってくれるので安心です。
フラット35の場合は毎年特約料が必要
もし妻が専業主婦である場合などは、夫(契約者)に万が一のことがあった時の負担が大きくなってしまいます。
その負担を軽減するためにも、団体信用生命保険には入っておきたいところ。
ただし、フラット35の場合は団体信用生命保険への加入が任意であるため、加入する場合は別途費用が必要になってしまいます。一方、民間ローンの場合は金利の中に団信特約料が含まれているので、別途費用はかかりません。フラット35を検討しているのであればこの点を頭に入れておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
フラット35には「低金利」「審査に通りやすい」という特徴がありました。
民間ローンの審査に通るか不安な人や変動金利型のリスクが心配な人の力になってくれるのがフラット35の住宅ローンです。シュミレーションから住宅ローン返済の見通しを立て、理想のマイホームを手に入れましょう。
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