住まいが古くなってきたときに考えるのがリフォーム。
リフォームは、剥がれてしまった壁紙を張り替えたり、故障してしまった設備を交換したりなど、より快適に過ごすために行います。
ここでは、リフォームの費用相場や時期、リノベーションとの違いのほか、場所別のリフォームポイント、業者の選び方などを詳しくまとめてみました。
これからリフォームをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
この記事がおすすめできる人
- これからリフォームを考えている方
- リフォームの費用について知りたい方
- リフォームする際の注意点を知りたい方
- リフォーム会社を探している方
なお以下の記事では、間取りやデザインなどリフォームの際にも参考になる内容を詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ 必ず知っておきたい注文住宅の壁紙の選び方と部屋別コーディネート例
・ マイホームのリビング実例集!快適な家づくりを行う5つの鉄則とは?
・ デザインと機能性のバランスで選ぶ!家づくりにおすすめの外壁一覧
そもそも家のリフォームとは
最初に述べたように、リフォームは時間が経つにつれて古びてしまった家の内装や外装、設備を改修するために行います。
まずはリフォームに関する基本的な知識を見ていきましょう。
リノベーションとは何が違う?
家を修理するリフォームですが、それと似た言葉に「リノベーション」というものがあります。どちらも古くなった家に手を加えるという点は同じですが、実はこの2つには微妙な違いがあることをご存知でしょうか。
大まかに説明すると、古びてしまった場所を元に戻すために行われる工事がリフォーム、間取りや内装などを作り変えてより住みやすい家に変えていく工事がリノベーションです。
例えばリフォームは、壁紙の張り替えや外壁のタイル交換、古くなった浴槽の交換など、部分的な改修工事を行い、住まいの原状回復を目的として行われます。
一方リノベーションは、不要になった部屋を減らしてリビングを広くする、家全体をバリアフリー仕様にするなど、ライフスタイルに合わせてより住みやすい家になるよう改善することを目的として行われます。
しかしこの区分は明確に定められているものというわけではないため、業者によっても解釈が異なります。リフォームなのか、リノベーションなのか、ということにとらわれ過ぎず、住まいに対する希望を明確にして、それをきちんと伝えることが大切です。
リフォームにかかる費用の相場
リフォームを考える際に気になるのが施工費用について。リフォームにかかる費用は、施工する場所によって大きく差があります。
また、同じ場所のリフォームでも、戸建てかマンションかによってかかる費用が異なるということも覚えておきましょう。
以下に記載している金額は、数あるリフォーム事例から算出された中心価格帯です。ぜひ参考にしてみてください。
戸建て住宅の場合
- キッチン…100〜150万円
- 浴室…100〜120万円
- トイレ…30〜40万円
- 洗面…20〜30万円
- リビング…100〜150万円
- ダイニング…60〜90万円
- 寝室…60〜80万円
- 玄関…30〜40万円
- 外壁…90〜120万円
- 屋根…50〜100万円
- 外構・エクステリア…60〜90万円
- 駐車場・ガレージ…50〜100万円
マンションの場合
- キッチン…60〜90万円
- 浴室…80〜100万円
- トイレ…20〜30万円
- 洗面…20〜30万円
- リビング…50〜100万円
- ダイニング…30〜60万円
- 寝室…20〜40万円
- 玄関…10〜20万円
- バルコニー・ベランダのリフォーム…20〜30万円
参考:マンションリフォームの費用・相場をチェック|「ホームプロ」リフォーム会社紹介サイト
リフォームに最適な時期
リフォームは、どれくらいの時期を目安に行うべきなのでしょうか。
実はこの時期の見極めがとても大切。最適なタイミングを逃してしまうと、費用面や生活面でたくさんの問題が発生します。
特に、設備の故障や老朽化による不備の場合、時間が経つにつれて修復にかかる手間が増えるため、工事費用が高額に。
また早めに修理しておけば数日で終わるはずだったことも、大掛かりな工事が必要となり、一時的に仮住まいを用意しなければいけなくなってしまうこともあります。
何か不具合が発生した時にはすぐに対処することで、無駄な出費を防ぎ、家族への負担も少なく済ませることができます。
目安として、住宅の築年数別に必要となるリフォーム内容をご紹介します。
築5〜10年
壁紙や外壁の汚れ、ドアの開閉時の不具合など、細かな部分が気になる始める頃です。早めに修理することで費用も安く抑えられるため、まだ使えるからと先延ばしにせず、何か気になるところがあればすぐに対処するようにしましょう。
築10〜15年
キッチン、トイレ、浴室など水回りに不具合が出ることが多いのがこの時期。毎日使う場所なので、完全に壊れてしまってからでは生活に支障が出てしまいます。早めの対処が必要ですね。
また、費用面で余裕があれば壁紙の張り替えも一緒に行うと良いでしょう。
築15〜20年
建物の土台部分や給排水管など目に見えない部分の劣化が進んでいます。もし何か不具合が生じていなかったとしても、プロの手を借りて検査をして必要な修繕を行うことで、これから先も長く安心して住むことができます。
築20〜30年
一般的に言われている住宅の耐用年数は約30年。構造や立地などによっても差はありますが、大規模な修繕や増改築レベルのリフォームが必要となる時期です。
住み始めた時とはライフスタイルも大きく変わっているでしょうから、生活を見直し間取りなどの変更を行うのもおすすめです。
知っておいて損なし!場所別 リフォームのポイント
リフォームは決して安いものではありません。またリフォームの仕上がりによってその後の生活にも影響が出るため、後悔しないようにポイントを抑えておきましょう。
ここでは、失敗しないために知っておきたいリフォームのコツを場所別にまとめました。
キッチン
毎日使うキッチンは、家族の生活の中心ともいえる場所。使い勝手の良さはもちろんですが、楽しく過ごすことができるかどうかも重要なポイントです。
デザインは好みやリビングなどの雰囲気に合わせて選べば良いのですが、リフォームをする際、1番の気をつけなければいけないのが動線設計です。
デザインや設備の入れ替えなどを重視してリフォームをすると、大切な動線設計を見落としてしまいがち。
生活スタイルや家族構成に合わせて動線設計を考えることで、使いやすく、楽しく作業ができるキッチンにリフォームすることができるでしょう。
浴室
浴室は、疲れを癒す特別な場所。一日の終わりにリラックスした時間を過ごすことができるよう、清潔で落ち着く空間にリフォームしたいものです。
リフォームで、バスタブのサイズを大きくしたり、癒しを与えてくれるデザインにしたりすることで、よりリラックス効果を高めることができます。
それだけでなく、考慮しておきたいのがお手入れのしやすさと安全性について。浴室は家族が毎日使う場所なので、汚れやすい場所です。
そのため、汚れがつきにくい素材を使用したり、乾燥機能をつけるなどの工夫が必要です。
また、特に高齢の方やお子さんがいるご家庭では、手すりを設置したり、滑りずらい床材に変えるなど、安全面にも配慮する必要があります。
洗面所
洗面台は、歯磨き・洗顔・化粧・ヘアセットなど、家族が様々な用途で使う場所です。
身だしなみを整えるために使う場所なので、清潔感がとても重要。洗面器にヒビが入ってしまっている場合や、掃除をしても落とせないほど汚れてしまっている場合、鏡やキャビネット部分などに破損がある場合は、リフォームが必要なタイミングです。
洗面台をリフォームする際にチェックしておきたいのが、使い勝手が良いかどうか。毎日家族が使う場所なので、使い勝手が悪いとストレスが溜まってしまいます。
見た目ももちろん重要ですが、サイズ感や収納の使いやすさ、お手入れのしやすさなどを念入りに確認しておきましょう。
また、最近では節電や節水ができる洗面台もあるため、気になる方はチェックしてみると良いですね。
トイレ
トイレも浴室や洗面台と同じように、家族が頻繁に使う場所です。綺麗に掃除するよう心がけていても、長年使用していると汚れが気になる場所でもあります。
まず確認しておきたいのがトイレの広さ。トイレ全体のサイズによって、取り付けることができる便器のサイズが変わってきます。
また、収納を増やしたい、小物などが置ける棚を作りたいなどの要望がある場合も、トイレの広さによってそれが叶えられるかどうかが決まります。
リビング・ダイニング
家族が集まって食事をしたり、くつろいだりするリビング・ダイニング。全員が快適に過ごすことができるよう考えてリフォームしなければいけません。
そのために最も気をつけなければいけないのが動線設計。間取りの変更をする場合には、普段家族がどのように生活をしているかをよく考慮して設計することが必要です。
また、壁材や床材を張り替える場合は、家族がリラックスできる空間になっているかを考えましょう。リフォームした結果居心地が悪いと感じてしまうと、リビングやダイニングで過ごす時間が減ってしまう可能性もあります。
リビングやダイニングは特に、「家族が過ごす場所」ということを念頭にリフォームの計画を立てることが大切です。
寝室
寝室をリフォームする際、最優先となるのはしっかり安眠できる場所にすることです。
気に入ったデザインを取り入れたり、収納を広くしたりするなどの希望を叶えつつ、毎日そこでゆっくり眠ることができるかどうかは忘れてはいけないポイント。
壁や床は落ち着いた色で統一する、強い日差しが入り込まないようにする、防音性を高めるなどの工夫をすると良いでしょう。
また、快適に眠るためには湿度も重要。調湿効果のある壁紙などもあるため、リフォーム業者に相談してみるのがおすすめです。
和室
一般的な和室リフォームは襖や障子などを張り替えたり、畳を交換したりするもの。襖や障子、畳は時間が経つにつれて劣化するものですから、定期的に交換をしなければいけません。
また、畳を交換する際、普通の畳から琉球畳やデザイン性のある畳に張り替えるという方もいらっしゃいます。
このようなリフォームは、費用も工事期間もそれほどかかりませんが、和室を洋室にリフォームしたいと考えている方は、大掛かりな工事となるため、費用も時間もかかります。
玄関
玄関は家の顔ともいえる場所。経年劣化が著しい水回りなどと比べると、不具合が起きづらい場所ではありますが、時が経つにつれて使いづらくなってしまい、リフォームが必要になる場合があります。
玄関のリフォームで多いのが、バリアフリーリフォーム。家族が高齢になることで、手すりやスロープをつけるなどのリフォームを行います。
また、玄関は収納力も重要なポイント。玄関に靴が散らばっていて来客時に慌てることのないよう、家族全員の靴や靴べらなどの小物をしまっておける収納が必要です。
外観
外観リフォームには、建物の美観を保つことだけでなく、長く住むことができるよう建物の寿命を延ばすという目的があります。
外壁の汚れや塗装の剥がれはもちろん、ひび割れなどが生じてしまっている場合にもリフォームが必要となります。
外壁のリフォームには、外壁塗装、張り替え、重ね張りなどの方法があります。どの作業が必要となるかは、素人目では判断しにくいため、信頼できる業者にきちんと相談することが大切です。
失敗しないためのリフォーム会社の選び方
最後に、信頼できるリフォーム会社の選び方を紹介します。希望通りにリフォームを終えることができるかは、業者選びも重要なポイントです。
リフォーム実績をチェック
最も重要なポイントは、リフォームの実績が豊富かどうかということ。自分が希望しているリフォームの内容と、同じようなリフォームの実績があるかをホームページなどで確認するようにしましょう。
ひと口にリフォームと言っても、小規模な補修をメインに行う会社や、大規模なリフォームを得意とする会社もあります。また、屋根や外壁など専門的な知識が必要となる施工もあるため、その業者が何を得意としているかは確認しておくと良いでしょう。
提案内容をチェック
リフォームする際、依頼する側は様々な要望を持っていると思います。そのため、こちらの要望をきちんと聞き入れ、それに合わせて提案をしてくれる会社だと安心です。
中にはこちらの要望をないがしろにして、意見を押し付けてくるような会社もありますが、それに押し切られてしまうと終わってから後悔することにもなりかねません。
また、家を建てるのと同じでリフォーム完了後のイメージはなかなか湧きづらいもの。カタログやサンプルなどを準備してくれる会社だと、イメージと違ったという失敗も防ぐことができます。
担当者の対応をチェック
リフォームには、細かな打ち合わせが必要です。具体的なイメージをしっかり擦り合わせることができるよう、話しやすい担当者かどうかは重要なポイントとなります。
また、約束の期日を守っているかどうか、質問には誠実に答えているかどうかもチェックしたいポイント。小さなことですが、このような小さな綻びが大きなトラブルに発展する可能性もあります。
業者を選ぶ際には、信頼して任せられる担当者かどうかをじっくり見極めるようにしましょう。
保証・アフターサービスをチェック
もし万が一何かトラブルがあった時に頼りになるのが、保証やアフターサービスです。
工事中に何か事故が起こってしまった場合や、リフォーム完了後何らかの不具合が生じた場合、保険やアフターサービスが充実している会社だと安心です。
実はこの保証をしっかりと確認しておかなかったばかりに、トラブルが発生しても泣き寝入りせざるを得なかったという方も少なくありません。
きちんと要望を叶えてくれるかどうかももちろん大切ですが、その後のサポート体制についてもしっかり確認しておきましょう。
記事の内容まとめ
- リフォームは家の原状回復を目的とするもの
- 費用相場は施工場所によって大きく異なる
- リフォームは最適なタイミングを見極めることが重要
- 業者選びは慎重に
リフォームは、大切な家に長く住み続けるためのもの。費用がかかることはもちろん、その後の家族の生活にも関わるため、慎重に進めたいものです。
リフォーム会社選びも大切ですが、まずはどんな風にリフォームしたいのかを洗い出して、希望を明確にすることが大切です。
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