念願のマイホームを手に入れたは良いものの、あとから「もっとこうすれば良かった」と後悔する人も少なくありません。
特に外観は、家のイメージを決める大きな要素。周囲の人にも見られるところなので力を入れたい部分ですが、内装や間取りに気を取られ、後回しにしてしまうという方も多いのではないでしょうか。
まずは、マイホームの外観で失敗してしまったという人の体験談を見てみましょう。
また、別ページ「おしゃれ!マイホームデザイン集-外観を決める3つの鉄則とは? 」では、おしゃれな外観の実例をたっぷりご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
目次
意外と多い?マイホームの外観で失敗した人の体験談
まわりと比べて地味すぎた
昨年念願のマイホームを新築しました。良い住宅会社に出会うことができ、何もかもスムーズに進み、大満足のはずだったのですが…。
住み心地には一切不満はありません。ただ、気になるのが外観がとても地味だということ。
間取りや内装のデザインにこだわり、予算のほとんどを家の中のことに使ってしまったため、外観にはあまりお金をかけることができませんでした。
我が家がある地域は外観や外構にこだわった家が多く、一軒だけ地味で悪目立ちしてしまっています。
お金がない、ダサいなどと思われているのではないかと、とても後悔しています。
主人の助言を聞くべきでした
新しい分譲地の一角に家を建てました。私は個性的なデザインが好きで、他にはあまり見ない素敵な家を建てたつもりでした。
しかし先日、ご近所の奥様達が我が家を「派手だ」「面白い家」などと笑っているのを聞いてしまい、ショックを受けています。
主人にそのことを話すと「やり過ぎだと言ったけど、全く聞く耳を持っていなかったから」と言われました。
夫の要望は書斎と趣味の部屋が欲しいということだけだったので、デザインはほとんど私が決めました。たまに意見を言われることもありましたが、確かに私の意見を押し通してしまっていたと思います。
主人の意見をしっかり聞いておけば良かったと反省しています。
肝心なところで工務店任せにしてしまい…
雑木林だった土地に家を建てました。周りには建築中の家が多く、全部で20棟ほど建つ予定です。
我が家は一足先に完成しましたが、建築中の家と比べるとどうも一軒だけ異色な感じがしてなりません。外観の色合い、屋根の形、玄関の向きなど、あらゆる面で統一感がないのです。
産まれたばかりの子供を抱えながら、一生懸命家づくりの準備をしましたが、外観についての打ち合わせの時は疲れ切っていて、工務店の方にすっかりお任せしてしまいました。
サンプルも見せてもらったはずなのですが、実際完成した家をみると、全体的にぼやっとしていて残念な感じ。肝心なところで人任せにしてしまったのが、失敗の原因です。
敷地に合わないタイプの窓を選んでしまった
モダンなイメージの外観にしたかったので、取り付ける窓にもこだわりました。選んだのはスタイリッシュな雰囲気の縦長の窓。いわゆる縦すべり窓と呼ばれるものです。
見た目はとても素敵で気に入っているのですが、この窓を選んだのは失敗でした。
というのも、縦すべり窓は外に向かって扉が開く窓です。そのため、敷地に余裕がないと外を歩くときに窓の扉が邪魔になってしまいます。
我が家は窓のすぐ横に駐車場を作りました。敷地が狭いので、窓が空いていると車のドアを開けたときにぶつかりそうになってしまいます。
実際ぶつけてしまったことはまだありませんが、窓を選ぶ時に敷地とのバランスも考えておくべきでした。
塗り直しで余計な費用をかける羽目に
外壁の色を決める際に、色見本帳を見せていただきました。それを見て気に入ったものを選んだのですが、外壁が完成するとイメージとは全く違うものになっていました。
柔らかい印象のベージュを想像していたのに、完成したのは黄土色の外壁。初めて見た時は本当にショックでした。
塗り直すにはお金がかかるため一度は諦めたのですが、やはりこれから何十年もこの色を見て過ごすということを考えると、いてもたってもいられず、家族に相談することに。
話し合いの結果、追加費用を支払って塗り直してもらうことにしました。
これから新築する方へ、色見本帳のみで外壁の色を決めるのは絶対にやめた方が良いと思います。
マイホームの外観で失敗してしまう3つの理由
5名の方の失敗談を見てきましたが、マイホームの外観で失敗するには、主に以下の3つの理由があります。
具体的な完成イメージができていない
外観はもちろん、家づくりの全般に言えることですが、きちんと完成イメージができていないと失敗してしまうことが多いようです。
特に外観で失敗が多いのが、外壁の色。失敗談にもあったように、色見本帳だけを見て決めると、イメージしていたものと全く違うという失敗に陥ってしまいます。
小さい色見本で見る色と、実際外壁に塗った色のイメージは大きく異なります。そのため、なるべく大きな見本を見せてもらったり、周辺の家の色を参考にしたりすると良いでしょう。
また窓や外構のデザインなどについても、見た目だけでなく、生活する上で支障はないかという点をしっかりイメージすることが大切です。
内装へのこだわりが強く、外観の優先順位が低い
家を建てるとなると、まず「何部屋必要か」「リビングはどんな作りにしようか」「床の色は何色にしようか」など、間取りや内装について考える方が多いのではないでしょうか。
実際そこで生活することを考えると、家の内部はとても重要です。
しかし、家の外観を疎かにしてはいけません。家の中で過ごすのだから外観は二の次と思っている方も多いようですが、実際家が完成すると1番に気になるのは外観です。
家を新しく建てると、周囲の目も気になります。外観を後回しにしてしまったばかりに、周囲の家と比べて劣等感を感じているという方も少なくありません。
外観は家の顔とも言われるもの。ぜひ細部までこだわって自慢の我が家を完成させましょう。
外観に関する知識不足
家を建てるとなると、インターネットなどを使って家づくりの知識を得る方が多いと思います。
しかし先にも述べたように、外観は後回しにしてしまうことが多く、住宅会社の提案を鵜呑みにしてしまうという方も多いよう。
結果失敗してしまったとしても、提案に対して合意してしまった以上、満足できなかったとしても諦めるしかないという事態に陥ってしまいます。
知識と経験が豊富な住宅会社を選ぶことはもちろんですが、施主側も住宅に関する知識を得ることで、より希望に近い家をつくることができます。
マイホームの外観を決める前に知っておきたいこと
外観を考える際に知っておきたい、デザインの種類・外壁の種類・窓の種類について解説します。
デザインの種類
まずは、家の外観デザインの種類について見ていきましょう。
デザインにはたくさんの種類がありますが、ここでは特に人気のある6つについて解説していきたいと思います。
シンプルモダン
飾り気がなく、現代的なイメージのシンプルモダン。ガラスや金属など、無機質な雰囲気の出る素材を使ったり、直線的で機能的なデザインが特徴です。
また使われている色も、白やベージュ、グレーなどの淡いトーンでまとめられていることが多く、すっきりしたイメージ。シンプルなので飽きることなく、長く住み続けることができます。
流行に左右されることがないため、将来子の世代に家を託したいと考えている方にもおすすめのデザインです。
和風
明確な定義はないものの、昔ながらの日本の家をイメージしたスタイルです。
屋根の形状は切り妻屋根が多く、大きな開口部、長い縁側などが特徴。庭やエクステリアも、和の雰囲気を感じさせる空間を作ると家全体に統一感が出ます。
素材は、木や竹、土など、古くから日本で使われてきた素材。これらの素材は、温かみがあり、日本人なら誰もが落ち着くような雰囲気に仕上がります。
和モダン
日本らしさに欧米のスタイルを取り入れたモダンなデザイン。両方の良さを兼ね備えた新しいスタイルです。
年配の方だけでなく、若い世代の方にも人気があり、最近さらに需要が増えています。
一見すると洋風なデザインですが、木や竹などの自然素材や和を感じるカラーを取り入れることで、印象はガラリと変わります。
また内装にも畳、縁側、土間など和の要素を取り入れることで、どこか懐かしい、日本人に馴染深い空間となります。
北欧風
最近は、インテリアや雑貨などでも北欧ブームが到来しており、外観にもその要素を取り入れる方が増えてきました。
北欧スタイルの家は、シンプル&ナチュラルでありながら、自然を感じる素材感・カラーなどを取り入れた温かみのあるデザインが特徴。
急勾配の三角屋根や、屋根部分につけるドーマー窓、木製のドアなどが北欧スタイルの定番。全体的にかわいらしい印象で、日本の街にも馴染みやすいでしょう。
南欧風
南欧スタイルとは、ギリシャ、スペイン、イタリアなど地中海のリゾート地にある家のイメージです。
南欧スタイルの家といえば、赤やオレンジなどのカラフルな瓦屋根。オレンジと茶色など、2色以上の瓦を組み合わせたおしゃれな屋根も人気です。
また、外壁は白やオフホワイトなど、明るい色が主流。南欧はとても暑いため、白い外壁で太陽の光を反射させ、室内を涼しく保つためなのだそうです。
また、玄関は、外構部分にレンガを取り入れると、より一層南欧らしい雰囲気になります。
カントリー調
主にイギリスやカナダ、アメリカなどの田舎で行われていた古い暮らしをモチーフにしたデザイン。素朴でナチュラルな雰囲気のスタイルです。
ブラウンや白などの色をベースに、木や石、レンガなどの自然素材をふんだんに使うのが特徴。屋根には、オールドテラコッタという瓦屋根を使うことが多いようです。
田舎らしい長閑な雰囲気が魅力的ですね。
外壁の種類
次に外壁の種類について解説していきます。外壁の素材は、見た目はもちろん、住み始めた後のメンテナンスにも関わる重要な部分です。
窯業サイディング
8割がセメント、2割が繊維質・増量剤で構成された板状の外壁材です。現在日本の住宅の約8割がこの窯業サイディングでつくられていると言われています。
1番のメリットはバリエーションの多さとコスパの良さ。
バリエーションが豊富なため施主の様々な要望に答えられるだけでなく、防火性・遮音性など性能面でも優れています。
中には高価なものもありますが、他の外壁材と比べるとリーズナブル。施工費用が安いところも魅力のひとつでしょう。
一方デメリットとして、吸水性が高いため、ひび割れの心配があるということが挙げられます。
金属サイディング
中に断熱材を入れ込み、表面をスチール板で施すサイディングです。大きな特徴は、断熱性の高さ。外気の影響を受けず、室内の気温を保ち続ける効果があります。
また、外壁材に湿気や水分が入り込み凍結してしまう「凍害」にも強いため、寒冷地の家におすすめです。
しかし金属なので、金属板自体の温度変化は激しく、衝撃によって変形してしまうことも。さらに海の近くでは、潮の影響で錆びてしまう可能性もあります。
モルタル
ラストいう網状の金物の上から、水やセメントを融合したモルタルを塗って、その上から塗装して仕上げるという方法です。
サイディングが普及し始める前までは、このモルタルが日本の木造住宅を支えていました。
波模様をつけたり、タイルを貼り付けたりなどデザイン性が高いことがメリット。外壁そのものにデザインを入れることは、モルタルにしかできません。
しかし、モルタル自体には防水機能がないため、防水機能を持った塗装をする必要があります。また、乾燥収縮を起こすことから、ほとんどの場合ひび割れを起こしてしまいます。
ALC外壁
「Autoclaved Light weight aerated Concrete」の略で、日本では軽量気泡コンクリートと呼ばれています。
最大の特徴は、その性能。燃えにくく、地震や揺れに強いため、高層ビルや文化財保存施設などにも用いられています。
デメリットは、防水機能がないということ。モルタルと同じく、塗装による防水が必要となります。水が入ってしまうとひび割れや欠けなどの問題が発生するため、注意しなければいけません。
窓の種類
最後に窓の種類について解説します。
窓の種類は意外と多く、どれを選ぶかによって見た目の印象が大きく変わってきます。
縦滑り窓
窓枠の上下にレールが設けられ、それに沿って外側に滑り出すように開く窓のこと。ドアのように開いた窓ガラスに当たった風が室内に入り込むため、風通しが良いのが特徴です。
また、気密性も高く、窓を閉めている時は室内の熱を逃しません。
横滑り窓
縦滑り窓と同様、レールに沿って窓が外側に滑りだすように開きます。しかしレールは上下ではなく左右についており、シェードのような形で開くのが特徴です。
開けた形状がひさしのようになっているため、窓を開けていても外から家の中が見えにくいのがメリット。そのため、お風呂やトイレなどの窓にぴったりです。
縦滑り窓と同じように、気密性が高いところも人気の理由です。
引き違い窓
従来の日本の家や学校などで使われているのが引き違い窓。窓を開ける時、2枚のガラスがすれ違うように開く窓のことです。
前後に開く滑り窓と違い、引き違い窓は左右にガラスを移動させるだけで開閉できます。そのため、自由なデザインができるという特徴があります。
また、開け閉めがしやすい、開く幅を自由に調節できるというメリットも。一方、気密性が低い、掃除がしにくいなどのデメリットもあります。
FIX窓
開閉できない窓のことをFIX窓と言います。
風を取り入れるという目的ではなく、採光用として取り付ける窓で、階段ホールの天井部分や玄関のドア枠などに取り付けられることが多いようです。
サイズや大きさなど自由にデザインできるため、おしゃれな雰囲気を出すことができますが、開閉できないことによって、外側からの掃除が困難。
窓は意外と汚れが目立つ場所なので、設計の際にメンテナンスのことまで考えておく必要があります。
デザイン性以外に気をつけたい外観選びのポイント
外観はデザイン性のほかにも考慮しなければいけないことがあります。3つのポイントを見ていきましょう。
ご近所の家とのバランス
住宅街に家を建てようと考えている方は、ご近所の家とのバランスを気にしなければいけません。
もちろん、好みのデザインや色を選ぶことは良いことですが、あまりに個性的な外観だと、悪目立ちしてしまう可能性があります。
家が完成したあと、そこに住み続けなければいけないことを考えると、あまりに注目を集めてしまうようなデザインは控えた方が良いかもしれません。
外観を決める前には、まず周囲の家の雰囲気を確認してバランスを考えることが大切です。
プライバシー、防犯面
外観のひとつである窓の配置は、見た目や採光などだけでなく、防犯面にも注意しなければいけません。
デザイン重視で配置を決めてしまった結果、外から家の中が丸見えになってしまったという失敗例もあります。
窓から家の中が見えないよう、塀や生垣などを作るという手もありますが、外から人の気配が全くわからないと、かえって空き巣などの標的になってしまう可能性があります。
見た目にこだわることも大切ですが、プライバシーや防犯面も考慮して、窓の配置や種類を決めるようにしましょう。
メンテナンスのしやすさ
最初はきれいな家も、月日が経てば経つほど劣化していきます。長く住み続けるためには、外壁の塗装や補修など、様々なメンテナンスをしなければいけません。
外観を決める際、意外と忘れてしまいがちなのがメンテナンスについて。これを考えていなかったばかりに、膨大なメンテナンス費用がかかってしまうということも考えられます。
汚れや傷がつきにくいか、部分的な補修ができるか、メンテナンスはどれくらいの頻度で、どれくらいの費用がかかるのか、事前にしっかり確認しておくと良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介した5名の方の体験談以外にも、外観で失敗してしまったという方はたくさんいらっしゃいます。中には、最初からやり直したいと、深く後悔している方もいるようです。
「家は3回建ててやっと満足する」とも言われていますが、事前にしっかり考えて準備をしておくことで、その失敗は防ぐことができます。
特に外観は後回しにしてしまいがちですが、ご近所の方や来客の方から最も見られる部分でもあります。
後悔することのないよう、情報を集め、ご家族と相談をして、ぜひお気に入りのマイホームを完成させてくださいね。
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