土地を購入して家を建てるためには、考えるべきことが山のようにあります。
たくさんの情報に立ち向かうときは、思いついたままに行動するのではなく、まず細かいトピックに分けて、1つずつ整理していく方が効率的。
そこでこのページでは、土地購入に関係するお金にフォーカスし、押さえておきたい情報をまとめてみました。これから土地探しを考えている人は、ぜひ参考にチェックしてみてください。
目次
この記事がおすすめできる人
- 土地購入に関係するお金について知りたい人
- 土地と建物にどのように予算を割り振ったらいいのか知りたい人
- 住宅ローンの概要について把握したい人
- 土地価格の見方を知りたい人
- 土地購入に掛かる、土地以外の諸費用を押さえたい人
なお以下の記事でも「家づくり」や「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ マイホーム計画を立て始めた方へ!流れ・資金・失敗しないためのポイントを解説
・ 注文住宅を値引きする方法!マイホームを安く手に入れる「値引き交渉」のコツ
・ 【2019年最新】マイホームの頭金は平均いくら必要?マイホーム購入に必要な初期費用を徹底解説!
土地購入時の予算の決め方
自宅を建てるために土地を購入する際、最も悩ましい事項の1つが、土地と建物にどう予算を割り振るか、ということだと思います。
まだ影も形もない段階から建物の予算を決めるのは難題ですが、ここで曖昧な想定をしてしまうと、後になって叶えたかった住まいのアレコレを妥協しなければならない、なんていうことにもなりかねません。
後になって後悔しないために、予算の見積もりは入念に行っておきたいところです。
1. まずはいくら用意できるのかを把握する
まずは、全体の予算を把握することからスタートしましょう。
家を建てるための予算は、用意できる自己資金と金融機関から借りられる金額の合計で決まります。
自己資金については、単純な貯蓄はもちろん、ご両親等から援助してもらえる可能性についても検討しておきたいところです。
また、金融機関からいくら借りられるか、という点は、金融機関がインターネット上で無料公開している住宅ローンシミュレータを使うのが早道です。
頭金をいくら入れるかや、金利の種類、返済期間等、可能な限り幅広いシナリオを検討して、上限と下限を把握しましょう。
2. 建てたい住宅の広さを決める
全体の予算を把握したら、次は建てたい住宅の広さを考えます。
自分たちの要望を洗い出して、どのくらいの広さがあったら理想の住まいを実現できるか検討されてみてください。
想像だけではイメージが湧かない場合は、この段階で住宅展示場などに足を運んでしまうのも手です。
理想の広さと妥協できる最低ラインの両方を検討し、具体的な坪数を割り出しましょう。
3. 想定するエリアの坪単価を調べる
次は、家を建てたいエリアの坪単価の相場を調べましょう。
こちらについては、大手不動産ポータルサイトをいくつかハシゴし、希望するエリアにある土地の最高価格、最低価格をチェックするなど、まず価格帯を把握することから始めるとスムーズに理解できるはずです。
4. 1〜3の情報から土地に使える予算を割り出す
全体の予算と、建てたい住宅の広さ、希望エリアの坪単価を把握したら、最後にそれらをすり合わせて、土地に使える予算を割り振っていきます。
もちろん、この段階で予算確定、というわけではありません。計算の結果、どうしても予算に収まらないということが、少なからず出てくるでしょう。
その際は、再度1〜3の手順を辿って調整を行います。予算を増やす方法を検討したり、住宅の広さや立地を妥協したりして、落とし所を探っていくわけです。
情報が何もない段階で、いきなり正確な予算を組むことはほぼ不可能です。情報収集の過程で得た事実を元に、現実的な予算を根気よく探っていくことが大切です。
ちなみに、もし自分たちだけで考えるのに不安があるようなら、この段階で家づくりのパートナーとなる会社を決めて相談してしまうのも手です。
住宅ローンの基本知識
土地を購入する際、自己資金だけで賄える人は稀でしょう。また資金効率の面を考えても、低金利時代の昨今は住宅ローンを活用した方がメリットが大きいはずです。
住宅ローンには、大きく分けて民間ローンとフラット35の2つがあります。それぞれについて基本的な知識を見ていきましょう。
民間ローン
民間ローンは、その名の通り民間の金融機関が独自に用意する住宅ローンです。住宅ローンは、名前の通り住宅を購入するために利用できるもの。
土地購入のためだけの利用はできませんが、住宅を建てるという前提であれば、利用が可能です。この点は、後述のフラット35も同様です。
ほとんどの場合、どの金融機関でも住宅ローンを取り扱っています。ただ注意したいのが、審査難易度が大きく違うということ。
一般に金利の低い金融機関ほど厳しい傾向にあります。あくまで一般論ですが、ネットバンク>メガバンク>地方銀行>信金・労金、というような形で審査が厳しくなっていきます。
金利は継続的に発生する負担ですから、より低金利で借りたいと考えるのは人情でしょう。しかし、借入先を吟味するあまり、せっかくの優良物件を逃してしまっては元も子もありません。
なるべく早い段階から複数の金融機関に事前審査を依頼し、いざという時にスピーディに対応できる準備を整えられておくことをおすすめします。
フラット35
フラット35は、住宅金融支援機構という独立行政法人が、民間の金融機関と提携して提供している住宅ローンです。
一般の金融機関が窓口となって手続きを行い、その後に金融機関から住宅金融支援機構へ債権が譲渡されます。
大元は同じなのですが、金融機関によっては独自の特典を付与して利用者の獲得を図っているところもあるため、損のない契約をしたい方は各金融機関のプランを見比べてみると良いでしょう。
民間ローンとフラット35の大きな違いは、金利にあります。民間ローンの多くは変動金利であるのに対して、フラット35は固定金利。つまり、借りてから返済完了までの金利が常に同じです。
金利変動のリスクがない分、見かけ上の金利は高めですが、借入時点で返済総額を把握できるほか、今後見込まれる金利上昇についても不安を感じなくて済むというメリットがあります。
つなぎ融資について
民間ローンにせよフラット35にせよ、金融機関がお金を貸してくれる理由は住宅にあります。
そのため、実際に借り入れたお金が入金されるのは、住宅が引き渡されたタイミングになることが一般的。土地の購入費や住宅建築の着手金等は、手持ちのお金で支払う必要があるわけです。
ただ、金額が大きいこともあり、用意できないケースも少なくありません。そうした際に利用するのが、つなぎ融資というものです。
つなぎ融資は、借り入れを申し込む際に一緒に申請し、融資実行後に清算を行います。金融機関によって、つなぎ融資を利用する際の条件や回数、金額の上限等が違うため、自身のケースで利用できるかどうか、あらかじめ確認しておくことが大切です。
土地価格の調べ方
損のない買い物をするためには、購入する対象が、付けられた価格に見合った価値を持つかどうか、慎重に吟味すること大切です。
土地の購入についても、それと同じことが言えます。
最近はウェブの情報が非常に充実しており、ポータルサイトなどでエリアを絞れば、おおよその相場を把握することができるでしょう。
ここでは、そうした相場感を裏付けるための参考情報として、土地の価格決めの基準となる公示地価と路線価について解説します。
公示地価
公示地価とは、国土交通省が毎年発表している、あるエリアの土地の標準的な価格です。
国土交通省の審議会(土地鑑定委員会)が、諸条件からそのエリアの標準的な地点を定め、2人以上の不動産鑑定士が評価を行って1平方メートル当たりの適正価格を定めます。
これを毎年発表して、土地取引の指針としているわけです。
路線価
路線価とは、1平方メートル当たりの宅地の評価額です。主に土地を贈与されたり、相続したりした場合の税金計算に用いられます。
公示地価は国土交通省から発表されますが、路線価は国税庁によって発表されます。概ね公示地価の8割程度の価格が付けられるため、路線価、公示地価のどちらかの価格が分かれば、お互いのおおよその価格を把握することができます。
公示地価と実際の土地価格との乖離について
公示地価は不動産取引の指針となることを目的としたものですが、実際の土地価格が公示地価とかけ離れていることも少なくありません。
土地に限った話ではありませんが、商品には売主の希望が大きく反映されます。
たとえば公示地価より高くても、同エリアに土地がなかったり、何か魅力的な施設が近くにあったりすれば、購入してもらえる可能性は大いにありますよね。
相場がどうであれ、売主と買主が合意すれば、商売は成立します。
そのため土地の価格相場を調べる際は、表面的な価格に加えて公示地価等もチェックし、どういう土地が公示地価と乖離しやすい傾向にあるのか、といった裏側にも目を向けられることをおすすめします。
価格の背景にある根拠を把握できれば、きっとより割のいい買い物ができることでしょう。
土地価格の見方
続いて、土地の価格の根拠をどう判断すれば良いかについて解説します。
公示地価や路線価は大まかな目安ですが、具体的な土地の価格は以下のような項目によっても違ってきます。
- 土地の形
- 地盤の状態
- 土地に定められている建築条件
- 接している道路の状態
- 周辺環境
- 周辺の土地の過去の取引事例
土地の価格をチェックする際は、こういった項目と公示地価を照らし合わせて、自身の相場感をブラッシュアップされることをおすすめします。
安いという理由で物件を選ぶのはNG
安い土地には、必ず何かしらの理由があります。無条件で安い土地、というのもなくはありませんが、出会える確率は高くありません。
相場より明らかに安い土地があったら、喜ぶよりも警戒した方が無難です。
安さの理由を明らかにして、それが自分たちにとって重要でないことなら、購入を検討する価値があるでしょう。
たとえば最近は、形の悪い安い土地をあえて購入して、その分設計を工夫することで住みやすい住宅を実現する、というケースも増えています。
単純に安いという理由で購入するのは危険が伴いますが、その危険を明らかにした上で対策できるだけのアイディアがあるなら、話は別です。
都市部の限られた土地にも家を建ててもらうため、狭小地などの設計に特化したハウスメーカーなども登場しています。
希望に適う土地がなかなか見つからない時は、そうした業者に相談してみるのも手でしょう。
値下げ交渉の可否について
「希望に合う土地を見つけたけど予算オーバー…」という場合、値下げ交渉をするという手もあります。
土地の取引は、ほとんどの場合、不動産会社が仲介する形で行われます。仲介会社は基本的には売主側ですが、妥当な範囲であれば値下げ交渉に応じてくれることも少なくありません。
というのも、多くの場合値下げ前提で価格が設定されているから。値下げの許容範囲はケースバイケースですが、下2桁など、端数を切り捨てる形で対応されることが多いです。
もちろん100%交渉が成功するとは言えませんが、値下げしてもらえる可能性もある、ということはぜひ知っておくと良いでしょう。
土地購入に掛かる諸費用
土地の取引は、身近な商品のように、価格分の料金を払えば完了、というものではありません。
売主との間を取り持つ仲介会社へ報酬を支払わなければなりませんし、所有者を切り替える手続きにもお金が掛かります。
土地の価格に比べれば小さいお金ですが、いざという時に手元にお金がない、ということがないよう、あらかじめどういった費用項目があるのかを把握しておきましょう。
仲介手数料
土地購入に関連する諸費用で、最も大きいのが取引を仲介してくれる不動産会社に支払う仲介手数料です。
不動産の仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法で以下のように決められており、多くの業者がこの上限金額(+消費税)で商売を行っています。
取引価格 | 報酬の上限 |
---|---|
200万円以下 | 取引価格の5% |
200万円超〜400万円以下 | 取引価格の4% |
400万円超 | 取引価格の3% |
ちなみに、仲介手数料はあくまで上限であるため、交渉次第では値下げに応じてもらえることもあります。
印紙代
売買契約書や、住宅ローンの契約書に添付するための印紙代です。具体的な印紙税額は、たとえば以下のように、契約書に記載される金額によって決まります。
取引の金額 | 印紙税額 |
---|---|
500万〜1000万円以下 | 1万円 |
1000万〜5000万円以下 | 2万円 |
5000万〜1億円以下 | 6万円 |
1億〜5億円以下 | 10万円 |
住宅ローンの諸費用
住宅ローンを申し込む際には、手数料や保証料、保険料(団体信用生命保険・火災保険)等を支払う必要があります。
申し込む金融機関にもよりますが、手数料や保証料は高いとそれぞれ数十万円の支払いが発生することも。
いざという時に困らないよう、申し込みを検討する段階で諸費用についてしっかり確認されておくことをおすすめします。
登記費用
不動産を購入する場合、その土地の所有権者(購入者)や抵当権者(土地を買うために購入者がお金を借りた金融機関)を新たに登記しなければなりません。
登記手続きは、必要書類さえ揃えれば自分で行うことも可能。ただ、相応の手間と時間が掛かるため、司法書士などの専門家に代理人となってもらうのが一般的です。
報酬については依頼する事務所にもよりますが、5〜15万円ほどは見ておくと良いでしょう。
忘れてはいけない税金のこと
土地を購入した場合に支払わなければならない税金、不動産取得税と固定資産税について解説します。
余談ですが、消費できるものではありませんので、土地に消費税は掛かりません。
不動産取得税
土地を購入してからしばらくすると、不動産取得税の支払い通知が送られてきます。これは購入後に1回だけ支払う税金で、「購入した不動産の固定資産税評価額の4%」と定められています。
ただ、購入したのが住宅用の土地の場合は、2021年3月31日までは「評価額の2分の1の3%」に軽減されます。
また、その土地にすでに住宅が建っている場合、特例として「(土地1平方メートル当たりの固定資産税評価額×1/2)×(住宅の床面積×2※1)×3%(※1. 上限200平方メートル)」が控除されます。
注意したいのは、こうした制度を使用して税負担を軽減するためには、自ら申告する必要があるということ。
多少面倒ですが、場合によっては100万円以上節約することもできるため、早めに司法書士等の専門家に相談されておくことをおすすめします。
固定資産税・都市計画税
固定資産税とは、毎年1月1日に、固定資産を所有している人に対して課税される税金です。税額は、「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」で算出します。
市街化区域内に土地を所有している場合は、固定資産税とまとめて都市計画税という税金も支払う必要があります。
固定資産税と違い、都市計画税には標準税率がありません。具体的な税率が知りたい場合は、 担当の役所に問い合わせされると良いでしょう。
ちなみに、固定資産税も都市計画税も、居住目的の土地の場合は、広さによって以下のように税額が軽減されます。
区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
小規模住宅地(200平方メートル以下) | 税額×1/6 | 税額×1/3 |
一般住宅用地(200平方メートル超) | 税額×1/6 | 税額×2/3 |
まとめ
- 土地購入時の予算は、用意できるお金、建てたい住宅の広さ、想定するエリアの坪単価、という3つを明らかにした上で、それらを擦り合わせて調整していくとまとまりやすい。
- 住宅ローンには民間ローンとフラット35がある。民間ローンは金利変動のリスクがある分利率が低い。フラット35はその逆で、固定金利の反面利率が高め。
- 土地価格は、国土交通省が毎年発表している公示地価を指針に決定されることが多い。
- ただし具体的な価格は、土地の形や地盤の状態等、その土地ならではの要因で公示地価と大きく異なることもある。
- 土地購入時には、所有権者や抵当権者を登記したり、住宅ローンを申し込んだりするための諸費用が掛かる。
- 土地を購入した後は、不動産取得税、固定資産税、都市計画税、という3つの税金を支払う必要がある。
不動産の取引には、いくつもの法律が関係しています。そのため求められる手続きも複雑で、なかなか取り付きづらい部分も多いです。
とはいえ、動くお金が大きい分、ちょっとしたことを知っているかいないかで、コストが100万単位で変わることも少なくありません。
理解が曖昧な部分はそのままにせず、本やネットで調べるなり、専門家に助言を仰ぐなりして、自分なりに納得した上で手続きを進められることをおすすめします。
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