土地の購入は、エリアによってガラリと勝手が変わります。
たとえば都心部であれば、2019年以降も人口増が続く可能性が高く、限られた土地でいかに満足できる住宅を建てるか、という戦略的な購入ノウハウが求められます。
一方、人口減が続く地方では、ある程度の広さは確保できる反面、生活の利便性をより重視して、慎重に土地選びをする必要があります。
いずれにせよ、その地域の不動産事情をよく知り、自分たちの予算、要望と擦り合わせて土地選びをすることが重要。
このページでは、特に東京にフォーカスして、土地の価格推移や情報収集に活用したいウェブサイト、土地探しのコツなどを解説してみたいと思います。
目次
この記事がおすすめできる人
- これから東京で土地探しをしようと考えている人
- 土地探しを検討しているが、何から手をつけたらいいか迷っている人
- 土地購入時の大まかな流れを知りたい人
- 広さの目安など、土地の選び方のポイントを知りたい人
なお以下の記事でも「土地の購入」や「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ マイホーム計画を立て始めた方へ!流れ・資金・失敗しないためのポイントを解説
・ 狭小住宅を建てる前に!知っておきたい基礎知識
・ 土地購入の基本がわかる!容積率ガイド
東京の土地価格の推移
上記のグラフは、東京都財務局が発表している公示価格の推移です。
2019年現在、公示地価は4年連続で上昇しており、現在も上昇基調であることが伺えます。
詳細資料をチェックしてみると、23区内は前年度からの変動率が7%を超えるところも少なくない反面、区外では1%未満のところも多くあり、2極化が浮き彫りになっている印象を受けます。
ちなみに全国的には、全体の4割以上が上昇した結果に。大都市圏から始まった地価上昇が徐々に地方に影響を与えているようです。
低金利はもちろん、企業の賃上げや消費増税が住宅購入を後押ししている、と考えることもできるでしょう。
オリンピック後はどうなる?
オリンピックが終わったら、都心部を中心に不動産がダブつき、土地の価格も下がる、というような予想もあります。
しかし、人口の一極集中化はまだまだ続きます。日本の人口は減少の一途ですが、都心部の人口は今後も増え続けることが見込まれています。
未来を見通すことは誰にもできませんが、地価が極端に下落する可能性は低いと言えるでしょう。
また、たとえ同じ東京でも、地価の変動率はエリアによって大きく違います。地価の値下がりを見越して希望通りの土地を購入するのは至難のワザ、ということは、知っておくとよいでしょう。
東京都内の土地探しにおすすめのサイト
効率的に土地探しをするには、自分たちのペースで手軽にできる、ウェブ検索がおすすめ。
もちろん最終的には専門家に相談することになるのですが、自分たちの希望をはっきり伝えるためには、あらかじめある程度の相場感や知識を蓄えておくのが効果的です。
以下に、ウェブ上での土地探しに役立つ、代表的な不動産のポータルサイトを紹介します。
各サイトが掲載する東京都内の土地物件数(2019年5月調べ)も併記していますので、ぜひ参考にしてみてください。
SUUMO
画像引用元:【SUUMO】土地探し 宅地・分譲地の購入情報サイト
- 東京都内の土地物件数:9,457件
株式会社リクルートが運営している、不動産の総合情報サイトです。物件の種類、賃貸、売買を問わず、膨大な量の物件情報が掲載されています。
土地探しに特化しているわけではありませんが、エリアはもちろん、価格相場や通勤・通学時間から物件を検索でき、効率的な情報収集が可能。土地の相場感を掴むのに重宝するはずです。
また、住宅ローンのシミュレーションや、専門用語辞典、不動産関連の時事ニュースなど、物件情報以外に、不動産についての情報を横断的にまとめているというのも注目のポイント。
住宅購入のために土地探しをしているなら、定期的にチェックしたいサイトと言えるでしょう。
アットホーム
画像引用元:土地を探す【アットホーム】|土地購入の情報[売地・宅地・分譲地]
- 東京都内の土地物件数:10,564件
高い知名度を誇る、アットホーム株式会社が運営するポータルサイトです。
5万6,047件(2019年4月1日時)もの不動産会社が加盟しており、全国各地の多様な物件情報が掲載されています。
土地情報も豊富で、通勤時間や面積、地域、沿線など、さまざまな切り口で検索することが可能。
人気エリアや角地、南道路といったこだわり毎に物件を探せるなど、かゆいところに手が届くサービスを提供しています。
Uターン、Iターンに向いた街の情報や、テレビで紹介された住みやすい街、エリアについてなど、ユニークな特集が定期的にアップされるのも特徴的です。
ライフルホームズ
画像引用元:【HOME’S】土地[売地・宅地]の購入・分譲地の検索
- 東京都内の土地物件数:10,755件
マスコットキャラクターのホームズ君を起用した印象的なテレビCMでもお馴染みの、国内指折りの住宅情報サイトです。
駅・路線や通勤時間はもちろん、車での移動時間などからも物件情報を検索可能。
また、古家ありの土地や建築条件無しの土地、角地など、細かいニーズに特化した物件特集がたくさん用意されているというのも要注目と言えます。
ローンシミュレータや、各地域の平均的な土地価格を閲覧できるサービスなども完備しており、土地探しに役立つ情報をワンストップで手に入れることができます。
YAHOO!不動産
画像引用元:土地の購入・物件探し|Yahoo!不動産
- 東京都内の土地物件数:7331件
その名の通り、検索ポータルとして不動の地位を誇るYAHOO!が運営する不動産情報サイトです。
エリア別や価格別、土地面積別、こだわり別といった代表的な絞り込み検索に対応しているほか、人気エリアランキングやテーマ特集といったコンテンツも豊富。
お役立ちコンテンツの数はあまり多くありませんが、代わりに住まいの専門家が投稿者の質問に答えてくれる「教えて!住まいの先生」というユニークなサービスが用意されており、これまでの質問とその回答を参照できたり、自分で質問を投稿したりすることができます。
一戸建てHOME4U
画像引用元:関東 | 土地の購入なら一戸建てHOME4U
- 東京都内の土地物件数:10,746件
一戸建てHOME4Uは、賃貸、売買の各シチュエーションで、利用者と不動産会社の出会いを仲介するマッチングサイトです。
NTTデータスマートソーシング株式会社が運営しており、戸建て、マンションの物件はもちろん、全国各地にある好立地の土地情報が網羅されています。
ちなみにHOME4Uはブランド名であり、一戸建ての他に不動産売却、土地活用、中古住宅、賃貸経営といったジャンルでも同種のサイトを用意。不動産に関する情報力は折り紙つきと言えます。
住友不動産販売
画像引用元:土地の購入なら住友不動産販売へ
- 東京都内の土地物件数:1057件
住友不動産販売の運営する物件情報サイトです。
SUUMOなどの、業者を横断的に検索できるポータルサイトと違い、物件の数は少なめ。ただ、その分きめ細かい情報がまとめられているのが特徴と言えます。
また、ブランドエリアの情報に強いというのも同社の強み。
東京で言えば赤坂や六本木、麻布十番といったブランドエリアの特集が豊富に掲載されていて、各街の特徴や周辺情報などを把握することができます。
不動産会社が運営しているサービスだけあって、賃貸や不動産投資など、購入以外のシチュエーションなどで末長い付き合いができるというのも魅力でしょう。
東急リバブル
画像引用元:【東急リバブル】土地購入
- 東京都内の土地物件数:1,215件
東急リバブルは、東急グループに所属する、不動産の仲介、販売事業を手掛けている企業。
同名のウェブサイトで、全国から集めたおよそ2万7000件にも及ぶ売買・賃貸物件を検索できるほか、リフォームやレンタル収納、引越しにハウスクリーニングなど、幅広い不動産サービスをワンストップで提供。
ライフスタイルにあった居住エリアをリサーチできるタウンガイド系コンテンツや、無料のFP相談会をはじめとするイベントも定期的に開催しており、住宅購入の頼もしいパートナーになってくれます。
CENTURY21関東
画像引用元:関東の土地購入なら【センチュリー21】
- 東京都内の土地物件数:2203件
センチュリー21は、売買・賃貸に対応した不動産仲介フランチャイズの大手企業。
2018年6月時点の東京商工リサーチによる発表では、不動産仲介フランチャイズ業における店舗数が全国1位に輝いており、その実績は確かと言えそうです。
他の物件情報サイトと比べて土地の取引数が特別多い、というわけではありませんが、細かいこだわり別におすすめの土地物件が特集されているという特徴が。
ニーズに合わせて、希望に適う土地情報へ簡単にたどり着くことができます。
ノムコム
画像引用元:土地の購入・土地探しならノムコム
- 東京都内の土地物件数:1462件
ノムコムは、野村不動産アーバンネット株式会社が運営する不動産情報サイトです。
同社は他に投資物件に特化したノムコム・プロ、事業物件に特化したノムコム・ビズなどを運営しており、確かな情報網で希望にあった不動産をマッチングしてくれます。
また、高齢者住宅に特化したノムコム60や、子育て世代にフォーカスしたノムコムwithキッズなど、世代や家族構成に合わせて柔軟なサービスを用意。
特にノムコムwithキッズでは、東京近郊の子育て環境をエリア別に調査したボリューミィなコンテンツが用意されていて、すぐに土地を購入する予定がなくても読んで勉強になること請け合いです。
三井住友トラスト不動産
画像引用元:土地を東京(23区)で購入|三井住友トラスト不動産
- 東京都内の土地物件数:689件
三井住友トラスト不動産は、三井住友信託銀行グループに属する不動産会社です。
同グループが全国規模で築いているネットワークを効果的に活用し、幅広い物件情報と確かなコンサルティング能力で多くの利用者から高い支持を得ています。
そんな同社の公式サイトでは、物件情報のほか、東京都内のライフラインに掛かる料金の目安や病院、学校などのエリア情報をふんだんに紹介。
また、不動産鑑定士や一級建築士が解説する不動産業界の動向など、お役立ちコンテンツが盛りだくさんとなっています。
土地探しはもちろん、住宅購入の勉強をする上でもきっと役に立ってくれるはずです。
東京で土地を探すときのポイント
土地探しにこうあるべき、という鉄則はありません。
しかし大まかなセオリーだけでも知っておくと、何から手をつけたらいいのかわからなくて立ち往生することはなくなります。
以下に、土地探しのポイントを解説します。
建てたい住宅のイメージを固める
土地探しを始める前に行っておきたいのが、自分たちが建てたい住宅のイメージを固めることです。
目的は、土地探し、業者探しの大まかな指針を得ることと、情報収集の段階でブラッシュアップしていくための下地を用意すること。
この段階では、予算については深く考えず、家族会議を行って各自が新居に何を望むのかを洗い出しましょう。
具体的に数字が出せればベターですが、広いリビングが欲しい、窓のある自分専用の部屋が欲しい、といったレベルの希望でもOKです。
予算を決める
理想を膨らませた後は、それを現実に落とし込むために必要な情報を集めます。
手始めは予算。
大抵の金融機関では、公式ページに無料の住宅ローンシミュレータが用意されています。年収や希望する金利、借り入れ金額を入力すると、月々の返済額等を算出できますから、まずはこうしたツールを使って予算を決定していきましょう。
ちなみに、当サイトでも大まかな年収別に住宅ローンの借入額をシミュレーションしています。興味がある人はぜひこちらも参考にされてみてくださいね。
候補エリアを絞り込む
予算を固めたら、都内の主要エリアの坪単価をチェックしてみましょう。希望エリアがすでにあればそちらを、なければ、興味の惹かれる土地を中心にエリア情報を収集されてみてください。
大手のポータルサイトであれば、東京都内の人気エリアについての特集コンテンツをほぼ確実に用意しています。何も手がかりがない、という場合は、そういった情報源をまず当たってみると良いでしょう。
その上で、自分たちの予算と希望をすり合わせ、希望エリアを絞り込んでいきます。
物件情報を収集する
建てたい住宅の希望、予算、候補エリアがある程度定まったら、物件情報の収集を始めます。
ポータルサイトで探す、というのもいいですが、この段階で住宅会社を決めてしまい、土地探しを手伝ってもらうのがおすすめです。
というのも、土地は購入すれば自由に住宅が建てられる、というものではないため。都市計画法や建築基準法によって、エリアごとに細かく建築条件が定められており、場合によっては希望の住宅が建てられない可能性も。
土地探しの段階から住宅会社に入ってもらえば、こうしたリスクを軽減することができます。
また、業者によっては値引き交渉を手伝ってくれるところもあり、単独で進めるよりお得に取引できる可能性がある、というのも知っておきたいポイントです。
番外・価格交渉はどこまでOKか?
価格交渉については、ケースバイケースでデリケートな判断が必要です。
特に東京の場合、土地の購入希望者が多いため不用意に値下げ交渉をすると購入を断られてしまうことも。
大抵の場合、間に仲介の不動産会社が入るため土地の所有者と直接やりとりすることはありませんが、それでも周囲の土地相場や物件の状態等、値下げについての何らかの根拠を用意して交渉に臨んだほうが無難です。
希望を出す際は、自分が売主だったらどう思うか、ということをまず考えて、話し合われることをおすすめします。
理想的な土地の広さとは
地域や家族構成、ライフスタイルなどによって、理想的な土地の広さは違ってきます。
ここでは、そんな掴み所のない土地の広さを考えるときの基準について解説してみたいと思います。
延床面積は30坪以上が理想
住宅には、住居環境水準というものがあります。
これは、住生活基本法に基づいて定められた、地域ごとに良好な住環境を確保するための指針です。
注目したいのは、その中の「誘導居住面積水準」という項目。
誘導居住面積水準は、幅広いライフスタイルを想定して、豊かな生活を送るのに必要と考えられる住宅の面積水準を指しており、世帯数別に以下のように定められています。
- | 単身 | 2人 | 3人 | 4人 |
---|---|---|---|---|
都市居住型 | 40 | 55 | 75 | 95 |
一般型 | 55 | 75 | 100 | 125 |
※単位は平方メートル(1平方メートル=約0.3坪)
※引用元:住生活基本計画における「水準について」
例えば、東京のような都心で4人家族で暮らす住宅を建てる場合、95平方メートル(30坪)の面積が必要、というように判断できます。
この面積は延床面積(住宅の全フロアの合計面積)であり、土地の面積とはまた別ですが、土地の広さを考える際の大まかな目安にはなるのではないでしょうか。
東京の平均的な坪数
国土交通省が発表している住宅経済関連データ(平成29年度)によると、46都道府県の中で1住宅あたりの延床面積が最も大きいのは富山県で、およそ152平方メートル(=46坪)という結果が出ています。
一方、東京はといえば、およそ65平方メートル(20坪)。
前述の4人家族での誘導居住面積水準を想定すると、少々手狭ですね。
もちろん、予算やエリアによって購入できる土地の広さは大きく変わってきます。
上記は、あくまで理想の数値と平均値。参考にするのは良いですが、最も重視すべきは、自分たちが気持ちよく生活を送れるか、という点です。
現在や過去の居住空間を振り返りながら、自分たちにとっての理想の広さを検討されてみてください。
狭い土地を効率的に使うには
土地を購入するときに知っておきたいのが、狭い土地を効果的に使う方法です。
東京の土地は、単純に狭い上に、密集しています。
そのため、周辺の住環境を保つために、土地に厳しい建築条件が課されているケースも見られます。
特に注意したいのが、容積率というもの。これは、土地全体の面積に対する、延床面積の割合の上限を定めたもので、基準を超えると違法建築物になってしまいます。
ただ、延床面積には特例があり、所定の部分は延床面積にはカウントされません。
制限の中で可能な限り住空間を確保するためには、設計を工夫するほか、この特例を上手に活用する必要があるわけです。
以下に主な特例を紹介します。
吹き抜け
吹き抜け部分には床がありませんから、延床面積にはカウントされません。
そのため、下階の面積を広く取り、上階の一部を吹き抜けとすることで、延床面積の制限をクリアしつつ、開放的な住空間を演出することができます。
ルーフバルコニー
ルーフバルコニーとは、屋根の上に設けられたバルコニー。
容積率にカウントされるのは、壁に囲まれた床ですので、ルーフバルコニーもその対象から外れます。
住宅密集地であっても、日当たりのある空間を確保できるため、家庭菜園や物干しなどに重宝するでしょう。
地下室
地下室を作る場合、住宅の延床面積の1/3までは容積率のカウントから外れます。
つまり、正攻法では2階建までの住宅しか建てられない土地に、実質3階建の建物を建てることができる、というわけです。
普通に2階建を建てるよりもかなりコストは掛かりますが、住空間の確保に難儀するようなケースでは、検討する価値はあると言えるでしょう。
まとめ
- 土地購入は、エリアによって勝手が違う。
- 地価は、東京に限らず、全国的に上昇傾向にある。
- 土地価格の下落を予測して購入するのは困難。予算内でこれだと思える物件を見つけたら、早めに購入しておくのが無難。
- 東京のような都心部では、限られた土地をいかに効果的に活用するかが満足度の高い住宅を建てる鍵となる。
- 場合によっては土地の価格交渉なども行ってくれるため、土地探しの段階から家を建ててもらう住宅会社を決めておくのがベター。
昨今は、ウェブで少し検索すれば膨大な情報が手に入るようになりました。
とはいえ、不動産に関係する情報は難解で難しいものが多く、ある程度の知識がないと読み解くことができません。
自分たちの予算や希望を伝えられるだけの知識を得たら、早めに専門家に相談されてみることをおすすめします。
プレゼントキャンペーン
今なら相談・見学予約で「ギフト券5,000円分×相談見学社数分」、
資料請求で注文住宅で失敗しない成功マニュアル3つをe-booksでプレゼント!
あなたの夢を叶える
工務店・ハウスメーカーを検索しましょう。