リフォームVS建て替え!知っておきたい7つの違い

リフォームVS建て替え!知っておきたい7つの違い

日本は長らく、20〜30年のスパンで建てては壊す、スクラップアンドビルドという方針で家づくりを行ってきました。

しかし少子高齢化や都心への一極集中、環境リスクに対する懸念などもあって、1つの住宅を長く住み継いでいこうという意識が高まりつつあります。

そうした背景もあり、近年多くの世帯を悩ませているのが、既存の住宅を建て替えるか、それとも部分的にリフォームするかという選択。

双方にメリット・デメリットがあり、なかなか一朝一夕では決断できない問題です。そこでこのページでは、決断の根拠となる事実を提示すること目的に、建て替えとリフォームの違いについてまとめてみました。

この記事がおすすめできる人

  • リフォームか建て替えかで悩んでいる人
  • リフォームと建て替えの違いについて知りたい人
  • それぞれのメリットとデメリットが知りたい人
  • 現在住んでいる家の劣化が気になり始めている人

なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!

工事の内容

家の模型と間取り

まずは、工事内容の違いについてです。

建て替えが、既存の住宅を丸ごと解体して新たに建築するのに対して、リフォームの場合は活かせるところを生かし、ダメージの大きいところ、生活の利便性を高めたいところを部分的に改築します。

そのため、多くの方が想像する通り、リフォームよりも建て替えの方が規模の大きい工事となります。

それぞれどういった工程で工事が進むのか、簡単に見ていきましょう。

建て替えの場合

  1. 依頼先の決定
  2. プランニング
  3. 仮住まい探し&転居
  4. 転居・解体に伴うライフライン等の手続き
  5. 解体&敷地調査・地盤改良
  6. 着工
  7. 引き渡し&新居に伴うライフライン等の手続き
  8. 入居

建物を一度壊して新たに建てるわけですから、工事の作業内容も多く、施工期間も長くなります。

また、施主側も、ただ工事が終わるのを待つだけでなく、二度の引っ越しや登記手続きなど、細々した作業が多いです。

特に引っ越しについては、軽く考えていると思わぬ落とし穴に落ちてしまうことも。

建て替え工事に掛かる期間は半年〜1年と長いですが、賃貸物件を貸す側からしたら、2年も経たずに引っ越される入居者はあまり歓迎できませんよね。

そのため余裕を持って物件探しを行わないと、条件の悪い仮住まいに高い家賃を支払って住まなければならない、ということも考えられます。

工事期間が長い分、自分たちの生活についても、しっかり計画を立てておくことが大切です。

リフォームの場合

  1. 依頼先の決定
  2. 現地調査&ヒアリング
  3. プランニング
  4. 工事着工

リフォームの場合は、キッチン、浴室、トイレ、リビング、居室など、どこを工事するかによって具体的な工事内容は異なります。ただ、どこを工事するにせよ、短くて数日、長くても一ヶ月以上に及ぶことはほとんどないでしょう。

リノベーションに近いような大規模なリフォームをする場合は別ですが、部分的なリフォームであれば、建て替えのように仮住まいを探すこともありません。

そのため、引越しや登記に絡む細々した手続きを避けるなら、定期的に部分リフォームを行い、長く住宅を維持していくというのも、1つの手段です。

費用の目安

天秤にかけられた財布と家

不動産に関連する費用は、総じて高くなりがちです。建て替えとリフォームで一体どのくらい費用が違うのかも、気になるところですよね。

以下に、大まかな目安をまとめてみます。

建て替えの場合

建て替えに掛かる費用は、大きく3つに分けられます。

費用項目費用目安
解体費1坪あたり150〜200万円(木造30〜40坪の場合)
仮住まい関連費100〜150万円(敷金礼金込みで半年)
新築住宅の建築費3,000〜3,500万円

細かい費用は、該当するエリアや土地の状況、施工内容など、諸条件によって大きく左右されます。

そのためあくまで概算ですが、おおよそ3000万円台前半〜4000万円が目安となるでしょう。

リフォームの場合

リフォームの価格も、ケースバイケースによって異なります。

ここでは目安として、国土交通省が工務店・リフォーム会社・量販店等、約40社に対して行ったリサーチを元に算出した平均価格を紹介したいと思います。

費用項目費用目安
タンクレストイレへの交換30〜50万円
システムバス交換60〜150万円
耐震補強100〜200万円
スレート屋根の塗り替え20〜80万円
内窓の設置6〜12万円
壁紙を珪藻土に交換18〜30万円
システムキッチンの交換40〜80万円
畳をフローリングに交換15〜60万円
躯体以外の全面リフォーム500〜2,500万円

参考:リフォームの内容と価格について

どういった工事を選ぶかによって変わってきますが、たとえ全面リフォームを選んでも、建て替えよりはコストを抑えることができそうです。

利用できるローン

計算機を使う女性

建て替えもリフォームも、実行するにはある程度まとまったお金が必要です。キャッシュで用意できる人もいるかもしれませんが、多くの場合、ローンを利用することになるでしょう。

それぞれで利用できるローンについて解説します。

建て替えの場合

建て替えで利用できるローンは、現在住んでいる家の住宅ローンを完済しているかどうかによって変わってきます。

もしまだ残債が残っている場合は、新規で借りるローンに残債を上乗せして1本化する、建て替えローンというローンが主な選択肢となるでしょう。

ただ、建て替えローンは、借入額が大きくなる分、金融機関の審査も厳しくなっています。もし信用に不安がある場合は、頭金をたくさん入れたり、親子名義で借りたりといった融資対策も、考える必要があります。

一方、住宅ローンを完済しているようなら、新たに住宅ローンを組めばOKです。

リフォームの場合

リフォームの場合も、住宅ローンの残債の有無によって、利用できるローンが違います。

残債が残っている場合は、現在返済中の住宅ローンとリフォームで借り入れる分を1本化する、一体型の住宅ローンへの借り換えが可能。

建て替えローンと仕組みは似ていますが、一体型の住宅ローンの金利は、普通にリフォームローンを組む場合より、適用される金利が低い傾向にあります。

リフォームを検討するときは、まず住宅ローンが活用できないかを考え、それが無理な場合に、一般のリフォームローンを利用する、という形を取ると、トータルコストを抑えた形で資金調達をすることができるはずです。

設計の自由度

間取り

せっかくお金をかけて家を改修するのであれば、より快適に暮らせるよう設計にもこだわりたいもの。建て替えとリフォームでは、どちらがより自由に設計することができるのでしょうか。

建て替えの場合

建て替えは、一から全て家を造り直すため、間取りを自由に設計することが可能です。例えば不要になった部屋を削ってその分広々としたリビングに造り変えたり、開放感のある吹き抜けを取り入れたりと、希望に合わせた家を建てることができます。

また間取りだけでなく、柱や梁など普段は目に見えにくい部分の劣化を全て改善することができるという点も大きなメリット。

耐震性や断熱性を高めたいなど、建物全体の構造に関わる性能をアップしたい時にも、建て替えの方がスムーズです。

ただし依頼する業者によっては、間取りやプランに制約がある場合も。こだわりを活かした家にしたいという方は、自由度の高い設計事務所に依頼するのがおすすめです。

リフォームの場合

家の間取りや構造を残して行うリフォームは、様々な点で制約が発生します。

例えば柱や梁、階段などは家の構造上動かせないことがあり、自由な間取り変更ができない場合があります。

もし間取り変更を優先させてリフォームを行ってしまうと、家の強度が損なわれることにもなり兼ねないため注意が必要です。

また、耐震性や断熱性など構造部分の工事が発生すると、多額の工事費用が発生してしまうことも。結果的に建て替えと同じくらいの費用がかかってしまう可能性があります。

自由な設計ができないという点は、リフォームの最大のデメリットともいえます。

どうしても間取り変更や増築など大掛かりな改修が必要な場合には、建て替えにするかリフォームにするか、改めて検討してみることをおすすめします。

工期

カレンダー

一から全て造り直す建て替えと、部分的な改修を行うリフォームでは工期に大きな差が出ます。

建て替えの場合

家を建て替えるには、まず解体作業が必要です。解体作業には1〜2週間ほどかかると考えておきましょう。

また、解体後の地盤調査で地盤が軟弱だと判断された場合には、地盤改良が必要となり、さらに数日工期が延びることになります。

次に、いよいよ建て替えです。家の大きさなどにもよりますが、建て替え工事には大体3〜6ヶ月ほどかかります。

また、同じ規模の家でも依頼する業者によって工期に差が出ることも。大手ハウスメーカーなどある程度決められた選択肢の中から仕様を選ぶ場合は比較的工期が短くて住みますが、設計事務所に依頼して一から細部までこだわった家を建てると、その分工期は長くなります。

建て替えの場合、工事を行っている期間は仮住まいに引っ越さなければいけません。仮住まいがなかなか決まらないと工事を始めることもできないため、出来るだけ早いうちから引っ越し先を探しておくと安心です。

また、仮住まいに入りきらない家具や家電などを置いておくトランクルームや物置の確保も必要です。

リフォームの場合

リフォームは建て替えと比べると工期が短いのが特徴です。リフォームの内容によっても異なりますが、多くの場合1ヶ月程度で完了します。

建て替えと比べて工期が短いのは、解体や地盤調査の必要がないから。契約後、準備が整えばすぐに着工することができるので、よりスムーズです。

できるだけ時間をかけずに家を直したいという方にとっては、工期が短く済むのは嬉しいポイントですね。

一方、建て替えと同様、大規模なリフォームであれば仮住まいへの引っ越しが必要です。引っ越しが必要かどうかは早めに業者に確認して、仮住まいの手配を進めるようにしましょう。

リフォームか建て替えかを決める基準

AとBの旗

リフォームか建て替えかを判断する客観的な基準はありません。

予算や、建物の状況、家族のライフプランなどによって、ケースバイケースで最適な選択肢は異なります。

以下に紹介する内容は、1つの判断材料として参考にしていただければ幸いです。

建て替えの場合

建物の老朽化が進み、リフォームでは住宅全体の安全性が確保できない場合などは、建て替えを検討した方が無難です。

建て替えは確かにコストも手間も掛かりますが、家族の安全には変えられません。特に、耐震基準が変わった1981年以前に建てられた住宅は、建て替えの要否は別としても、一度耐震性能をチェックされることをおすすめします。

また、リフォームを検討する場合などで、費用が膨らみすぎてしまった場合も、建て替えた方が将来的なメリットが大きくなる可能性があります。

リフォームの場合

掛かる費用がトータル2,500万円以内に収まる場合は、リフォームの方がコストパフォーマンスが高くなるケースが多いです。

また、家族の思い出を大切に残したい、仮住まいに引っ越すのが身体的・精神的に負担、というような場合も、リフォームで様子を見ながら、最適なタイミングを待った方が無難でしょう。

依頼する業者

家の模型を持つ男性

建て替えとリフォームを依頼する際、どんな点に注意して業者を選べば良いのでしょうか。その選び方について解説します。

建て替えの場合

家の建て替えの依頼先は、大きく分けるとハウスメーカー、工務店、設計事務所の3つです。

  • ハウスメーカー…大手ならではの安心感があり、保証やアフターサービスなどが充実しているものの、比較的費用が高い。
  • 工務店…地域密着型で比較的リーズナブル。しかし技術力は業者によって大きく異なるため理想通りの家づくりができるか見極める必要がある。
  • 制約がないため自由な家づくりができるが、ハウスメーカーと比較すると工期が長く、コストも割高。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、どんな家づくりをしたいかを考えて選ぶようにしましょう。

また、建築会社探しと同時に考えなければいけないのが、古い家の解体をどこに依頼すれば良いかということ。

建て替えを依頼する建築会社が解体作業まで引き受けてくれることもできますが、その場合解体業社に直接依頼をするよりも費用が割高になってしまう傾向にあります。

少し手間はかかりますが、解体業社を別で探して依頼することで、費用を節約することができます。

リフォームの場合

リフォーム工事は、リフォームを専門に行う会社のほか、ハウスメーカー、設計事務所、工務店、家電量販店、水道・電気・ガス会社、住宅設備メーカーなど、幅広い業者が対応しているのが特徴です。

それぞれに得意不得意があるため、リフォームの内容によって依頼先を見極めると良いでしょう。

例えば、家全体のリノベーションや間取り変更、増改築などの大規模なリフォームなら、注文住宅なども手がけているハウスメーカーや設計事務所、工務店に依頼するのがおすすめ。

水漏れ修理や電気の配線工事、給湯器の交換などは、それぞれの専門である水道・電気・ガス会社に依頼すると良いでしょう。

どの業者に依頼するにせよ、これまでどれくらいリフォームの実績があるかは確認しておくべき。それぞれの得意分野が自分の希望するイメージと合うかどうか、公式サイトなどで確認してみてください。

また可能であれば、1社だけではなく複数の業者を比較するのがおすすめです。特に大規模なリフォームを行う場合には、複数の会社にプランを提案してもらうと、より満足度の高いリフォームをすることができます。

まとめ

  • 建て替えに必要な費用の相場は3000万円台前半〜4000万円
  • リフォームに必要な費用の相場は500〜2500万円
  • 建て替え、リフォームともにお金は借りられる
  • 業者を選ぶときは、価格で選ばず、希望イメージを形にしてもらえるかどうかを重視する

建て替えにもリフォームにも、安くないお金が掛かります。家族の将来を左右する重大な決断となりますから、なるべく慎重に事を運ぶことが大切。

今すぐどちらかを決断しなければならない、という特殊な場合を除き、家族全員が納得できるまでじっくり話し合って、後悔しない選択肢を選んでいただければと思います。

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