多くの人にとって、家の建て替えは一生に一度あるかないかのことでしょう。
判断材料が少なすぎて、何をどうしたらいいか、そもそも本当に建て替えすべきかなのかどうか、戸惑ってしまいますよね。
情報を集めるにせよ、手掛かりになる基本的な知識がないと、時間を浪費してしまう可能性も。
そこでこのページでは、建て替えに関する基本的な情報にフォーカスし、わかりやすさを心掛けてまとめてみました。
これから建て替えを考えている人は、ぜひ参考に目を通してみてくださいね。
この記事がおすすめできる人
- これから建て替えを考えている
- 建て替えにするか、リフォームにするか迷っている
- 建て替えに掛かる平均的な費用が知りたい
- 建て替えの大まかな流れを把握したい
また、本サイトでは、注文住宅に関する様々な記事を掲載しています。建て替えとは少し違いますが、参考になる情報も少なからずあるはず。ぜひ、本記事と併せてご覧ください!
・ おしゃれ!マイホームデザイン集-外観を決める3つの鉄則とは?
・ 注文住宅コストダウンの方法11個|予算オーバーを防ぐ節約のポイント
・ 注文住宅の後悔ポイント21選&失敗を避ける5つの極意
そもそも建て替えすべき?
建て替えすべきかどうかは、ケースバイケースによって大きく違います。
住み続けるのがいいのか、リフォームで一部を修繕すべきか。はたまた売却して住み慣れた土地を離れるのか。正解は人それぞれでしょう。
ただ、大切なのは、感覚で判断せず、1つひとつの選択肢を、根拠を持って検討することです。まずは、建て替えのメリット・デメリット、リフォームとの違いについて知り、自身のケースに当てはめて、その要否を考えてみましょう。
メリット
- 一から作り直す分、設計の自由度が高い。
- 長年住んでいた経験を元に、自分たちに最適の住まいを形にできる。
- リフォームよりも多額の借り入れができる。
- 助成金制度を利用すれば、省エネに優れる(つまり光熱費が安い)住宅を普通より安く建てられられる。
デメリット
- 場合によっては新築よりも多額の費用が必要。
- 工事期間中は一時的な住まいを探さなければならず、時間も手間も掛かる。
- 家族との思い出が詰まった住宅がなくなってしまう。
リフォームとの違い
リフォームは、すでにある住宅の一部を活かしつつ、不具合が出ている場所や不満のある箇所を作り直す工事です。
費用は数百万円〜数千万円にのぼることもありますが、建て替えより安上がりであることがほとんど。工事も、1ヶ月ほどで完了することが多いでしょう。
ただ、住宅はさまざまな要素が組み合わさって形作られています。一部を直したとしても、数年後にまた別の箇所に不具合が出てしまう可能性も。
じっさい、住宅産業協議会が公表している資料では、屋根や外壁、バルコニー、各種住宅設備といった部位ごとに、定期的な点検やメンテナンスが推奨されています。
リフォームは、点で見ればコストや手間は小さいですが、1回で終わらない可能性があるというのがデメリットと言えるでしょう。
理想のタイミングは?
建て替えの理想のタイミングは、築年数の観点から言えば40〜60年前後と言えます。
目安は築40〜60年前後
国土交通省が平成25年にまとめた資料(期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について)によると、木造住宅の平均寿命は1983年調査で48年。2011年の調査で64年という結果になっています。
これは固定資産台帳の滅失データから算出された数字とのことで、登記されてから建て替え、ないし取り壊しが行われるまでの期間の平均と考えることができます。
建物の劣化だけを考えるなら、築40〜60年程度が妥当な範囲と言えるでしょう。
ただ、これはあくまでも、建物の平均寿命に関する1つの統計データを基準とした場合。たとえば建物が古びるのを待っていたばかりに、不便な老後を送ることになってしまった、というような事態も考えられます。
実際に建て替えのタイミングを考えるときは、建物の劣化だけでなく、家族構成の変化、体力の変化、介護の必要性、等々から、多角的に判断されることをおすすめします。
費用の相場はいくら?
建て替えに掛かる費用相場は、おおよそ3000〜3500万円です。
建て替えの費用の内訳は大きく2つあります。
住宅の解体費用と、新築費用です。これら2つの相場を参考に、建て替え費用の目安を割り出して行きたいと思います。
建て替えの費用相場
まず解体の費用ですが、木造の場合は1坪あたり5万円前後が相場と言われています。坪数の平均は35〜40坪ですから、住宅の解体費の目安は175〜200万円前後と考えることができます。
また、住宅の新築に掛かる費用ですが、フラット35を提供している住宅金融支援機構が公表しているデータによると、注文住宅の建築費用の全国平均は2,983万円という結果が。
※画像引用元:2018年度 フラット35利用者調査
施工のしやすさや資材の調達のしやすさ、人件費の高さなど、地域ごとにより誤差はあるかと思いますが、おおよそ3000〜3500万円程度が建て替えの費用相場と考えることができそうです。
コストを節約するポイント
建て替えのコストを節約する方法は無数に考えられます。ここでは、代表的な方法を4つピックアップして紹介します。
家の形をシンプルにする
住宅は、形が複雑になればなるほど、資材や人件費が嵩みます。反対に真上から見たときの形が四角形に近ければ近いほど、コストを下げることができます。
仕切りを少なくする
空間を仕切ろうとすると、それだけコストも膨らみます。
そのため、壁ではなくパーティションにしたり、空間の高さや角度を上手に変えたりすることでプライベートを確保するよう工夫すれば、コストを抑えることができます。
分離発注をする
住宅を建てるときは、ハウスメーカーや工務店を訪れる人がほとんどかと思います。
一見すると1つの業者が家づくりの全てを担当しているように思えますが、実際は請求に中間マージンを乗せて、下請け業者と協力する形で住宅を形にしていくのが主流。
もちろん、中間マージンが悪いというわけではありません。家づくりは複雑ですから、こうした協力体制を敷くのは当然のことです。
ただ、コストを削減する1つの手段として、解体や外構といった独立した工事の業者を、施主の側で別に選ぶという方法も考えられます。
助成制度を利用する
国は省エネに優れる住宅を普及させようと考えており、そうした住宅を建てようとする人に対して、さまざまな助成制度を用意しています。
もちろん住宅性能に優れる住宅は建築費も掛かりますが、省エネによる節約や、売電収入(発電設備を設置する場合)を考えれば、初期投資するメリットは十分あるはず。
省エネ住宅に興味があれば、そうした制度の利用を考えてみるのもよいでしょう。
資金調達はどうする?
建て替えの資金も、住宅を建てる場合と同じく、住宅ローンに頼るのが一般的です。
返済中でも住宅ローンが組める可能性はある
現在住んでいる住宅のローンを完済していれば、そのまま住宅ローンを組めばOK。もし残債が残っている場合でも、新しく借り入れる分と一本化する形で融資してくれる金融機関はあります。
もちろんすべての金融機関がこうした対応をしてくれる訳ではありません。ただ、「残債があるから建て替えできない」わけではない、ということは、知っておくと良いでしょう。
その他のローンはなるべく完済しておくことが大切
ローンを完済しないうちに新たに借り入れようというわけですから、初回に比べて、当然審査は厳しくなります。住宅ローン以外のローンは、なるべく完済しておいた方が無難です。
また、場合によっては親子ローンを検討してみるというのも手。建て替えを検討する場合、融資申込者が高齢であることも少なくありません。
もし二世帯同居が目的の建て替えであれば、親子リレー返済のプランを選ぶことで、融資審査に通りやすくなる可能性があります。
建て替えはどういう流れで進む?
あくまで一般的な話ですが、建て替えをする場合、以下のようなステップを踏むのが一般的です。
業者探し
家を建て替えてくれる業者(ハウスメーカー・工務店)を探します。
このときに大切なのは、フィーリングの合うパートナーを選ぶということ。知名度や口コミ評判も参考にはなりますが、それを基準に依頼業者を決めてしまうと、期待通りの家に仕上がらない可能性があります。
大切なのは、希望・要望を、100%(できれば120%)叶えてくれる、自分たちと感性が近い業者を選ぶこと。設計力やデザイン力はもちろんですが、問い合わせ時のちょっとした対応1つとっても、もし違和感を感じるようなら依頼するかどうかは慎重に判断されることをおすすめします。
ちなみに、時間に余裕があり、かつ余分なコストを削減したい場合などは、先に解体業者を探して、解体が済んでから家づくりのパートナー探しをするケースもあります。
設計の打ち合わせ
新築する住宅の設計について要望を出し、設計を詰めていきます。家づくりの数ある工程の中でも、もっとも楽しいステップの1つです。存分に要望をぶつけましょう。
ちなみに、要望を出すときは、その要望を出す理由まで含めて伝えることをおすすめします。というのも、具体的な要望を叶えるのが不可能な場合であっても、それとは別の手段で、本質的な望みを形にしてもらえる可能性があるからです。
高価な商品を値下げすることはできなくとも、手持ちのアイテムを組み合わせて、それと同じだけの機能を作ってもらえるかもしれません。
遠慮せず、積極的に情報共有されると良いでしょう。
本契約&住宅ローンの申し込み
設計プランが確定したら、本契約を交わして、仮審査に通った金融機関に対して住宅ローンの本審査を申し込みます。
建て替えローンの仮審査申し込み
仮審査のタイミングにこれという決まりはありませんが、人によってはなかなか審査に通らない可能性も考えられます。
仮審査を申し込んだからといって申し込まなければならないわけではありませんから、必要な書類(新築する住宅の図面等)が揃った段階で、早めに目ぼしい金融機関に仮審査を依頼しておいた方が無難です。
仮住まいへの引っ越し&解体・撤去
解体・撤去から入居まで、おおよそ半年〜1年ほど時間が必要です。
新築に入居する際の細々した手続きのことまで考えて、仮住まいを探しましょう。なるべくなら同じ市区町村にした方が、引っ越しや手続きの手間も少なく済みます。
ただ、短期間の入居は賃貸オーナーから敬遠されがち。もし物件がなかなか見つからないようなら、建築を依頼する業者に伝手がないか聞いてみましょう。
地盤調査
解体・撤去が終わったら、その土地に住宅が建てられるかどうか、地盤調査を行います。古い住宅を建てたときに地盤調査をしていたとしても、必ず必要な工程です。
もし強度に問題のある地盤だと、状況に応じて地盤改良の工事を行うことになります。
着工
地盤調査が終わり、問題がなければ、いよいよ着工となります。
引き渡しまでに、新調する家具や設備を選んだり、レイアウトを考えたり、スムーズに住み始められるよう準備を整えましょう。
建て替え時の注意点は?
建て替え時に注意するポイントとしては、そもそもその土地で建て替えることができるのかどうか。また、建て替えたとして、その後、最終的にどうしたいのか。
入り口と出口を意識されることをおすすめします。
建て替えができない土地もある
周辺環境も法律も、時とともに変化していきます。
そのため、住宅を建てたときには問題がなかった土地でも、一度建物を壊して建て替えるとなると、法律的にアウトになってしまう、ということも考えられます。
こういった物件を再建築不可物件と言うのですが、建て替えを行う場合、住宅のある土地が再建築不可に当たらないかどうか、事前に確認しておくことが大切です。
将来のことも考慮して設計を決める
ほとんどの場合、建て替えの目的は、将来の自分たち、ないし自分の子孫たちが快適に過ごせる住空間を造ることです。
そのため、今現在の家族構成や健康状態を前提にするのではなく、将来的な変化も踏まえて設計を詰めていくことが大切。
自分たちの足腰が弱ったり、親の介護が必要になったりといったネガティブな事柄は、無意識のうちに考えるのを避けてしまいがち。
しかし、そのときになって対策を考えるのでは遅過ぎます。時間的にも精神的にも余裕があるうちに、将来に備えておくことが重要と言えます。
デザインや使いやすさだけでなく、開口部の幅や、段差の数、リフォームのしやすさなど、新築のときよりもう1段上に立って、先を見据えた設計を考えると良いでしょう。
まとめ
- 築30年を超えている場合、屋根や外壁、給排水等、複数箇所の大規模なメンテナンスが推奨される
- それでも建て替えより低コストだが、現状に不満があるなら建て替えがおすすめ
- 残債が残っていても、それを一本化する形で借り入れできる可能性がある
- 建て替えに掛かる費用の相場は、3000〜3500万円
- 古い土地の場合、住宅を壊すと新たに建物を建てられない可能性がある
- 建て替えの可否については、事前に確認しておくことが大切
住宅を建て替えるのは、一家の一大事です。とは言え、大切なことは、そこに住む人、住む可能性がある人が、最大限満足できる仕上がりを目指すこと。
予算や時間、情報など、様々な制限があるかと思いますが、まず第一に住む人のことを考えれば、大抵のことは落ち着くべきところに落ち着くはずです。
このページの知識を少しでも活用して、理想の家づくりに役立てていただければ嬉しいです。
プレゼントキャンペーン
今なら相談・見学予約で「ギフト券5,000円分×相談見学社数分」、
資料請求で注文住宅で失敗しない成功マニュアル3つをe-booksでプレゼント!
あなたの夢を叶える
工務店・ハウスメーカーを検索しましょう。