「せっかく注文住宅を建てるなら後悔はしたくない」「でも決めることが多くて、自分の選択が正しいのかどうかわからない」と迷っていませんか?
「これで本当にいいのだろうか」と迷いばかりが増えてしまって、不安になることもあるでしょう。それでも、家という大きな買い物で後悔するのは絶対に避けたいですよね。注文住宅を建てる際に後悔するとしたら、どういったところで後悔する人が多いのか知っておけば、同じ轍を踏まなくて済むかもしれません。
そこでこの記事では、注文住宅で後悔しがちなポイントを21点紹介します。多くの人が後悔しているのはどのような点なのでしょうか。後悔ポイントを知っておけば、その部分に事前に気をつけることができるようになります。他の人の経験が教訓になって、同じ後悔をしなくて済むでしょう。
さらに、注文住宅で後悔しないために、必ず押さえておきたい全般的な内容を5つ紹介します。注文住宅を建てるプロセス全般を通して外せないものばかり選びました。この5点を忘れずに家づくりを進めれば、大きな後悔が残ってしまうことはないはずです。
この記事を参考にすることで、後悔のない家を建てられるように祈っています。
目次
1.注文住宅で後悔しがちなポイント21選
この章では、注文住宅を建てる際に多くの人が後悔するポイントを21点紹介します。
後悔ポイントは、
- お金の後悔
- 間取りの後悔
- 設備の後悔
- 外装・外構の後悔
- 業者選びの後悔
に分かれています。
後悔のない注文住宅を建てられるように、ご自身の家づくりの中で後悔につながってしまいそうな曖昧な点がないかどうか、以下の21点を参考にして考えてみてください。
1-1.お金の後悔
まず、お金にまつわる後悔ポイントを4つ紹介します。 理想の家と予算のバランスに悩む人が多いです。以下の4点を参考に、ご自身の家づくり予算を改めて検討してみてください。
1-1-1.予算内にきっちり抑える努力をすればよかった
お金に関して多い後悔の1つが、「予算内に抑える努力をもっとすればよかった」というものです。家づくりが進むうちに、当初の予算をオーバーしてしまう人が多いのです。
例えば、
- ローコストで建てられるはずが、さまざまな設備をグレードアップしなければ満足できる家にならず、大幅に予算を超えてしまった
- 予算に余裕があると思ってあちこち凝ったが、地盤改良費がかかると言われてしまい、予算オーバーになってしまった
といった声が聞かれます。
注文住宅の場合、設備の追加やグレードによって費用が大きく変わってきます。絶対に妥協できない部分と節約してもかまわない部分を最初から明確にしておくと良いでしょう。また、家は建物代だけでは建ちません。土地にまつわる費用や手数料、税金などの諸経費も考慮して、余裕を持った予算を組んでおきましょう。
【教訓】
- 妥協できない箇所とそうでない箇所を明確にしておく
- 建物代以外の諸経費を考慮に入れておく
1-1-2.予算を気にしすぎず、本当に満足いく家にすればよかった
1-1-1とは逆の意見になりますが、「予算を気にしすぎず、満足できる家にすればよかった」という後悔も聞かれます。予算を気にしすぎて後悔してしまうパターンです。
例えば、
- 予算が少なかったので、できる限りコストを削減したが、友人の家に遊びにいくたびに「あれがあったらよかった」「これがあったらもっと嬉しかった」などと比べてしまう。もう少し貯金をしてから建てればよかった
- せっかく注文住宅を建てたのに、ムダをすべて削ぎ落としたらシンプルすぎて味気ない。豪華でなくても、もう少し自慢できるような家にしたかった
といった声が聞かれます。
家は一度建てたらすぐに買い替えるものでもありません。せっかく長く住む家なら、節約して不満の残る家にするよりも、少々奮発して満足いく家を建てたほうが後悔は残らないでしょう。すべてを完璧にすることは難しくても、後から変更のきかない箇所にはしっかりお金をかけるなど、メリハリをつけるのも1つの方法です。
【教訓】
- 節約を意識しすぎず、メリハリを付けて予算を使う
- 後から変更できない箇所にはお金をかけておく
1-1-3.オプションをもっと削ればよかった
「オプションをもっと削ればよかった」という後悔もよく聞かれます。契約後にオプションが追加された結果、想定よりも費用が高くなってしまって慌てる方も少なくありません。
例えば、
- いろいろオプションを追加したものの、生活し始めてみると要らないものが多かった
- 業者のおすすめに沿って設計や設備などを決めたら、想定よりもかなり高くなってしまった。言いなりにならずもう少し絞り込めば良かった
といった声が聞かれます。
素敵だと思うオプションをすべて追加したらきりがありません。実際に暮らしてみないとわからない部分もありますし、手間もかかってしまいますが、自分たちの生活に本当に必要なものどうか、オプションは1つ1つ精査して決めましょう。
【教訓】
- オプションを安易に追加しない
- 自分たちの暮らしに必要なものかどうかよく検討する
1-1-4.住宅ローンの借入額をもっと減らせばよかった
家が建ってしばらくしてから生じる後悔ポイントが、「住宅ローンの借入額をもっと減らせばよかった」というものです。想像よりも返済がきつかったという声が多く挙がるのです。
例えば、
- 借入額で背伸びをしすぎてしまって、毎月の返済が負担になっている
- ボーナスも含めた返済計画を立てたが、転職によってボーナスが大幅に減ってしまった
といったような声が聞かれます。
住宅ローンは、無理なく返済できる額にとどめるのが基本です。それでも、ボーナスが減ったり、失業したり、人生では何が起こるかわかりません。すべてに対処できるとは限りませんが、例えばボーナスを想定しない予算を立てるなど、できる限り余裕を持った返済計画を立てる必要があるでしょう。
【教訓】
- 住宅ローンは無理なく返済できる金額におさめる
- 想定外の事態に対応できるように、返済計画に余裕を持たせる
1-2.間取りの後悔
ここでは、間取りにまつわる後悔ポイントを4つ紹介します。 実際に住み始めてから後悔ポイントが多発するのが間取りです。以下の4点を参考にして、後悔の残らない間取りづくりに取り組んでみてください。
1-2-1.焦らずじっくり検討すればよかった
間取りを決めるにあたって、「もっとじっくり検討すればよかった」と後悔する人が多いです。業者とのやり取りの中で、間取りをゆっくり考えられなかったという声があるのです。
例えば、
- 業者に急かされてしまって、十分考えずに間取りを決めてしまったが、後から変えたい箇所がたくさん出てきてしまった
- プロの意見は正しいはずと思って、業者からの提案を反映させた間取りにしたが、住み始めてから自分の意見をもっと反映させればよかったと思った
といったような声が聞かれます。
間取りに時間がかかれば、それだけ家の完成も遅くなりますが、一度家を建ててしまうと、間取りは後から変更することができません。また、たしかに業者はプロですが、完成した家に住むのは自分たちです。こちらもしっかり情報収集して少しでも知識を身につけ、どのような家にしたいのか希望をはっきり持っておかなければならないでしょう。
【教訓】
- 情報収集をして知識をつけておく
- どんな家にしたいのか、希望を明確にしておく
1-2-2.部屋をもっと広くすればよかった
「部屋をもっと広くすればよかった」という後悔の声も多いです。設計図の上では十分な広さだと思っていても、「実際に暮らし始めたら部屋が狭かった」と感じるケースがあります。
特に多い声が、
- 家具を置いたら狭く感じた
というものです。
モデルハウスなどを見学して同じ広さの部屋を作ったとしても、モデルハウスには必要最低限の家具しか置かれていないことが多いため、実際に生活すると狭く感じるケースが多いです。部屋の用途を明確にして、部屋ごとに必要な家具までしっかり考えた上で、部屋の広さを決めるようにしましょう。
【教訓】
- 部屋の用途をはっきりさせておく
- 部屋ごとにどんな家具が必要なのか考えてから部屋の広さを決める
1-2-3.部屋数を増やせばよかった/減らせばよかった
部屋の数も、多くの人が後悔するポイントです。「もっと増やせばよかった」という声も「もっと少なくてよかった」という声も、どちらも聞かれます。
例えば、
- 少ないよりは多いほうが良いと思ったが、物置になってしまっている部屋があるので少なくてよかった
- 大きな部屋を1つ作って中央で仕切れるようにしたが、最初から部屋を分けたほうが使い勝手が良かった
といった後悔があります。
住んでみないとわからない点もあるでしょうし、将来的に家族が増えたり減ったりすることもあるでしょう。しかし、家は一度建てると長く住むことになります。将来的な家族構成や部屋の用途を最初にじっくり考えてから部屋数を決めることが大切です。
【教訓】
- 部屋を作るなら用途を最初に考える
- 将来的な家族構成の変化も考慮する
1-2-4.生活動線を考慮すればよかった
「もっと生活動線を考慮すればよかった」という後悔もあります。動線を十分考えた間取りにしなかったために、暮らし始めてみたら不便が生じるのです。
例えば、
- 洗面室とトイレに向かう廊下が狭く、朝は家族みんながぶつかり合ってしまう
- トイレが玄関の近くにあるため、来客があると他の家族がトイレを使いづらい
といった声が聞かれます。
間取りを決める際は、設計時に家族全員の動きを図面に書き込んで、生活動線を確認してから決めることをおすすめします。また、生活動線だけでなく、家事動線を考慮に入れることも大切です。家事動線を考慮しないと、毎日の家事負担が大きく、暮らしにくい家になってしまいます。
【教訓】
- 家族全員の動線を図面に書き込んで確認してから間取りを決める
- 家事動線も考慮に入れる
1-3.設備の後悔
間取りと同様、暮らし始めてから後悔する人が多いのが設備です。ここでは後悔ポイントを7つ紹介します。 生活に大きくかかわる部分ですが、設計・建築中に気づきにくい部分でもあります。以下の7点を参考にして、目の付け所をしっかり押さえて家づくりを進めましょう。
1-3-1.コンセントの数と場所をもっと考えればよかった
暮らし始めて後悔する人が多いのがコンセントです。「もっとたくさん設置すればよかった」「場所を考えればよかった」という声が多いです。
具体的には、
- コンセントの数が足りず、延長コードがないと家電が使えなくて不便
- 家具を置くことを考えずにコンセントを配置したので使えなくなってしまった
といった事例があります。
意外と気づかない箇所かもしれませんが、電化製品やモバイル機器など、コンセントが必要な機器はご家庭にたくさんあるはずです。「この部屋ではどんな家電を使うだろうか」「この部屋にはどこに家具を置こうか」など、具体的に部屋の用途をイメージしたうえで、コンセントの数や配置を決めていく必要があります。
【教訓】
- 部屋の用途を具体的にイメージする
- 置く予定の家具や家電を考えたうえでコンセントの数や配置を決める
また、以下の記事では注文住宅におけるコンセント配置計画についてより詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
1-3-2.収納をもっと作ればよかった
「収納をもっと作ればよかった」という後悔も多いです。新居で生活し始めてから、物をしまう場所が足りないことに気づくのです。
例えば、
- 靴箱のサイズが足りず、玄関がいつも靴でいっぱいになってしまっている
- クローゼットが小さく、洋服が入りきらなかった
といった声が聞かれます。
収納がないと、物をその辺に放置する癖がついてしまい、家の中が片づかず雑然としてしまいます。設計の段階で、どの部屋でどんな物を使うのか十分シミュレーションして、必要な収納を配置するようにしましょう。
【教訓】
- どの部屋で何を使うのか、物の使い場所をシミュレーションする
- シミュレーションに応じて必要な収納を作る
また、収納については以下の記事でも詳しく解説しています。 知っておけば後悔なし!注文住宅収納の基礎知識
1-3-3.暑さ・寒さ対策をもっとしっかりすればよかった
部屋の暑さや寒さも、後悔する人が多いポイントです。日当たりや風通しなど、「もっとしっかり考えて設置すればよかった」という声が多いです。
具体的には、
- 採光を良くしたくて大きな窓を作ったら、夏場は日が当たりすぎて暑く、エアコンも効きが悪い
- リビングに階段を設置したら、暖房を入れても暖かい空気が逃げてしまって寒い
といった声があります。
室内の温度は、採光や風通し、断熱材の使用など、さまざまな要素で変わります。特に、日差しの入り方などは季節や時間帯によっても大きく異なることを知っておきましょう。また、暖気は上に向かって動くため、吹き抜けやリビング階段などは寒くなります。
【教訓】
- 季節や時間帯ごとの日差しの入り方を知っておく
- 暖気が上に向かうことを考慮したうえで設計を考える
1-3-4.窓の位置や設備を違うものにすればよかった
窓まわりに関する後悔も多いです。「窓の位置をずらせばよかった」などといった後悔の声が聞かれます。
例えば、
- トイレの窓の位置が隣の家の居間から見える場所になってしまった
- 大きな窓にしたらカーテンが付けられない
といったものです。
窓を配置する際には、隣の家の視線を考慮する必要があります。トイレの小さな窓であれば、高さを少しずらすだけで隣の家から見えなくなるかもしれません。また、標準的な大きさの窓でなければ、カーテン等は別注になってしまう可能性がありますので、それだけ余分なコストがかかることを覚えておきましょう。
【教訓】
- 家の外からどのように見えるか考慮して、窓の位置や高さを決める
- 一般的な窓のサイズ以外だと、カーテンなどを合わせるために別途費用がかかることを知っておく
また、窓においてはデザインや面積のバランスが難しいので、下記の記事も合わせてご確認いただけるとより深く理解することができます。
1-3-5.壁のデザインや素材を違うものにすればよかった
壁に関する後悔もよく聞かれます。「壁紙を違うものにすればよかった」というもので、デザインや素材に後悔がある人が多いようです。
具体的には、
- デザインで壁紙を選んだら素材が弱かったのか、爪で少し引っ掻いただけで剥がれてしまった
- 白い壁紙を選んだら、サンプルで見た以上に真っ白で落ち着かない
といった点に後悔しています。
壁紙は部屋の中でも面積が大きく、室内の印象を左右します。小さなサンプルやカタログで見るよりも、実際の部屋のほうが明るく見えるという点は覚えておくとよいでしょう。また、色やデザインを重視したくなりますが、素材もさまざまです。家族構成や生活スタイルに合わせて、機能も考慮して選ぶことをおすすめします。
【教訓】
- 実際の部屋では、壁紙はサンプルよりも明るく見えることを知っておく
- 色やデザインだけでなく、素材や機能も考慮に入れる
1-3-6.トイレの場所や数を変えればよかった
意外と多いのがトイレに関する後悔です。特にトイレの場所や数に関して「変えればよかった」と後悔している人が多いです。
具体的には、
- トイレを2階にも設置すればよかった
- トイレがリビングに近いため、特に来客時は音が気になる
といった声が聞かれます。
家族の人数が多い場合、トイレが1つしかないと重なってしまって大変な場合もあります。また、トイレに行くときに階段の上り下りが発生することもデメリットとして考慮しておきましょう。また、トイレの場所についても、「音」という観点も考えて決める必要があります。
【教訓】
- 家族の人数に見合った数のトイレを設置する
- トイレの場所を決める際は「音」も考慮する
1-3-7.防音をしっかり考えればよかった
音に関する後悔も、暮らし始めて気づく人が多いポイントです。「防音をしっかり考えればよかった」と後悔する人が多いです。
例えば、
- 子どもが2階で騒ぐと、部屋の騒音が1階に響いてうるさい
- すぐ隣が駐車場で、窓からエンジン音などが頻繁に入ってきて気になる
といった後悔があります。
防音設備を付けるのは大変ですが、音に関する後悔を防ぐためにできることはあります。例えば寝室やリビングの真上に騒音の出そうな部屋や設備が配置されていないかどうか、駐車場や幹線道路など騒音が入ってきそうな場所の近くに静かに過ごしたい寝室などが配置されていないかどうか、設計段階で確認しておきましょう。
【教訓】
- 騒音の出そうな部屋は、寝室やリビングの真上などくつろぐスペースに配置しない
- 外から騒音が入ってきそうな場所に寝室など静かに過ごす部屋を配置しない
1-4.外装・外構の後悔
外装・外構にまつわる後悔もよく聞かれます。ここでは3つの後悔ポイントを紹介します。 見た目の問題だけではなく、家の使い勝手に直結する箇所がいくつもあります。外装・外構まで後悔なく仕上げられるように、以下の3点を参考にしてみてください。
1-4-1.ベランダをもっと広くすればよかった
外装や外構の後悔で多いものの1つが、ベランダに関する後悔です。暮らし始めてから「もっと広くすればよかった」と後悔する人が多いです。
例えば、
- 外からきれいに見えるサイズのベランダにしたら、狭くて家族全員分の洗濯物が干せない
- 1つの部屋からしかベランダに出られなくて不便
といった声が聞かれます。
ベランダは外から見える場所ですので、見た目がきれいかどうかも確かに気になります。しかし、ベランダで洗濯物や布団を干すことを考えているのであれば、家族の人数などを考慮して、十分なスペースを取ったほうがよいでしょう。
【教訓】
- 見た目だけでなく、ベランダの用途を考えて広さを決める
- 洗濯物や布団を干すのであれば、家族の人数などを考慮した広さにする
1-4-2.車庫をもっと広くすればよかった
車庫の広さも後悔ポイントの1つです。実際に使ってみたら狭くて使いづらく、「もっと広くすればよかった」という後悔が多いのです。
具体的には、
- 十分なスペースがあると思ったが、余裕がなくて車の乗り降りが大変
- 少し大きな車に買い替えようと思ったが、車庫に入らないことに気づいて諦めた
といった声がよく聞かれます。
車の大きさと同じ大きさの車庫があればよいわけではなく、乗り降りや荷物を積むためのゆとりも必要です。また、例えば家族が増えたりして、将来的に大きな車を買う可能性があるのなら、それも考慮に入れて車庫の広さを決める必要があります。
【教訓】
- 車の大きさに加えて、乗り降りや荷物を積むためのゆとりを考えて広さを決める
- 今よりも大きな車を買う可能性がある場合は、それも考慮に入れた広さにする
1-4-3.外壁の素材や色を違うものにすればよかった
外壁の素材や色に関する後悔も多いです。見た目の印象や強度に問題が出て、「違うものにすればよかった」と後悔する人が多いようです。
具体的には、
- 完成してみたら、外壁の色がイメージと違い、トーンが暗くなってしまった
- デザイン性を重視して外壁を選んだら、強度が足りなかったのか、ボロボロと剥がれ落ちてきた
といった声がよく聞かれます。
外壁を決める際に見るサンプルは小さく、実際の家とはどうしても見え方に差が出てしまいます。光の当たり方によっても見え方は変わりますので、太陽光、蛍光灯など、いろいろな光の下でチェックするのも1つの方法でしょう。また、外壁は家を保護する役割もあるため、素材の特徴も考慮に入れる必要があります。
【教訓】
- サンプルをさまざまな光の下で確認して、見え方の違いをチェックする
- 素材の特徴も考慮したうえで外壁を決める
1-5.業者選びの後悔
最後に、業者選びにまつわる後悔ポイントを3つ紹介します。 業者選びは、家を建てている最中も、建てた後も、多くの人が後悔しやすいポイントです。業者は家づくりのパートナーになる大切な立場です。ぜひ以下のポイントを参考にして、信頼できる業者と十分なやり取りをしていってください。
1-5-1.コミュニケーションをもっと丁寧に取ればよかった
業者に関する後悔の1つが、業者とのコミュニケーションです。「もっと丁寧にやり取りすればよかった」と後悔する人が多いです。
例えば、
- 業者側の意見で「これはあったほうがいい」などと、納得できないまま押されて決めてしまった
- 打ち合わせが少なく、コミュニケーション不足から認識の違いが多くて困っている
といった声が挙がっています。
業者とのやり取りを円滑に進めたいという気持ちもあって、「断れない」「プロの言うことなら正しいはず」と妥協してしまうケースや、業者に判断を急かされて後悔するケースも多いようです。完成した家に住むのは自分たちですので、業者と丁寧にコミュニケーションを取り、納得できる判断ができるようにしましょう。
【教訓】
- 「断れない」などと妥協せずに、こちらの意見を丁寧に伝える
- 急かされて決めてしまうのではなく、納得できる判断ができるように時間をもらって考える
1-5-2.担当者を変えてもらえばよかった
担当者に対する不満や後悔もよく聞かれます。「担当者を変えてもらえばよかった」という後悔も少なくありません。
例えば、
- プロの視点から少し提案が欲しかったのに、何のサポートもなくて、決断に時間がかかって苦労した
- 突然担当者が変更になり、引き継ぎも行われていなかった。以前から頼りなさを感じていたので、もっと前に変えてもらえばよかった
といった声が挙がっています。
「担当者を変えてほしい」というのは、なかなか言い出しづらいことかもしれません。しかし、家が完成するまで長いお付き合いになりますし、家づくりを大きく左右するパートナー的存在になります。「相性が悪い」「頼りない」と感じたら、思い切って変更をお願いしたほうが、最終的に良い家を作れるでしょう。
【教訓】
- 担当者は家づくりを左右するパートナーだと考える
- 担当者が自分に合わないと感じたら、良い家づくりのためにも変更をお願いする
1-5-3.業者の性質や特徴を見極めてから頼めばよかった
業者を選ぶ段階での後悔もあります。「ハウスメーカーではなく工務店にすればよかった」というように、業者の性質や特徴が自分たちと合わなかったという声が多いです。
例えば、
- ハウスメーカーに依頼したが、外壁の素材の選択肢が少なく、好みのものを選べなかった
- 親戚が知り合いの工務店を紹介してくれたが、完成した家は手抜きのように思えた。自分でハウスメーカーを探せばよかった
といった声が挙がっています。
注文住宅を建てる業者は、ハウスメーカー、工務店、設計事務所などがありますが、タイプごとに性質や特徴が異なります。さらに、個々の業者ごとにも個性があるため、さまざまな業者から見積もりを取り、やり取りをしてから決めると安心でしょう。
【教訓】
- 業者のタイプごとの特徴を知っておく
- 気になる業者があったら、見積もりを取ってやり取りを行い、自分たちに合うかどうか個性を見極める
2.注文住宅で後悔しないためにこれだけは押さえておくべき5つのこと
この章では、注文住宅で後悔しないために必ず押さえておきたいことを5つ紹介します。 注文住宅を建てるうえで外すことのできない重要な内容ばかりです。この5つをしっかり押さえたうえで家づくりをすれば、重大な後悔にはつながらないはずです。 以下を実践していただき、後悔のない注文住宅づくりを進めていってください。
2-1.家と暮らしのイメージを明確に持つ
自分たちが建てたい家はどんなものなのか、建てた家でどんな暮らしがしたいのか、イメージを明確に持っておきましょう。明確であればあるほど、業者にも希望を伝えやすいですし、家づくりがスムーズに進むからです。
間取りや設備などを決めるときに迷っても、家や暮らしのイメージがはっきりしていると、「こういう暮らしをするためには、こちらの設備のほうが合いそうだ」という判断基準になってくれます。判断基準がはっきりしていればいるほど、「こんなはずではなかった」という事態を避けることができますので、最初の段階で、できるだけ具体的にイメージを描いておくようにしましょう。
2-2.注文住宅について勉強しておく
注文住宅について勉強しておくことも大切です。少しでも勉強して知識をつけておけば、自分で主導権を持ってさまざまな判断ができるようになるからです。
家づくりは人生で1度きりという人も多く、家を建てることに関して知識のない人も多いはずです。しかし、注文住宅を建てるまでには、たくさんの決断をしなければなりません。何も知らない状態で家づくりを始めてしまうと、1つ1つの決断をどうしたらいいのか迷いが生じますし、業者に言われるがままに家を建てるしかなくなってしまいます。後悔することがないよう、本やインターネットを使って基本的なことは勉強しておきましょう。
2-3.実際の家をできるだけたくさん見る
実際の家をできるだけたくさん見ておきましょう。間取り図や写真を見るよりも、はるかに情報量が多く、イメージがわきやすいからです。
最も簡単なのは、モデルハウスに足を運ぶことです。業者の営業担当者などもいるはずですので、気になることをその場で質問することができます。あるいは、最近実際に家を建てた人が親しい間柄にいるのであれば、家に遊びにいっていろいろ教えてもらうのも良いかもしれません。いずれにしても、インターネットなどの情報だけに頼ることなく、実際の家をたくさん見て、自分たちが建てたい家のイメージを固めていくことをおすすめします。
2-4.理想に近い家を建ててくれる業者を選ぶ
自分たちの理想に近い家を建ててくれる業者を選びましょう。1-5でもお伝えしたように、業者ごとに個性があり、特徴や得意分野が異なるからです。
業者には、大きく分けて以下の3種類があります。
- ハウスメーカー
大規模な住宅建設会社です。各地の工務店が下請けになっていることも多くなっています。規模の大きさによる安心感や安定感を重視する方におすすめです。
【メリット】
質の高い住宅を手頃な価格で購入できます。会社の規模が大きいため、自社で建材の大量生産が可能なのです。また、工期も比較的短めです。
【デメリット】
上記のように建材を大量生産して価格を下げているため、個性的な家づくりは難しくなっています。
- 工務店
地域密着型の建築業者です。土地勘がある地域で家を建てる場合など、地元の人たちの評判を参考にして工務店選びができる環境であれば、最善の選択肢となるでしょう。
【メリット】
ハウスメーカーよりも小規模な業者のため、こちらの要望に細かく対応してもらいやすいのがメリットです。ハウスメーカーや設計事務所からも仕事を受注しており、全体的に技術力が高いです。
【デメリット】
基本的には優れた技術力を持っていますが、業者ごとにかなりばらつきがあります。
- 設計事務所
一級建築士または二級建築士の個人事務所です。オリジナリティのあるこだわりの家を建てたい方におすすめの選択肢です。
【メリット】
個々の要望に合わせて設計してくれるため、自分たちの望みをしっかり反映させた個性のある家を建てられます。
【デメリット】
個人の好みを反映できる分、費用が割高になりやすく、工期も長くなりがちです。
さらに、同じ種類の業者の中でも個性がわかれます。
自分たちがイメージする家に近いものを建てた実績があるのかどうか、Webサイトの閲覧や資料請求などを通して把握しておきましょう。また、気になる業者があったら見積もりを取り、実際に担当者とやり取りをする中で相性を見極めることも大切です。
2-5.納得できるまで質問・相談する
業者との打ち合わせでは、納得できるまで質問や相談をするようにしましょう。納得できるまで十分なやり取りをしておけば、「こんなはずではなかった」「こうすればよかった」などの後悔を避けられるからです。
家づくりでは、間取り、内装、設備など、たくさんのことを決めていかなければなりません。わからないことは何となく放置せず、その場で質問して解決していきましょう。また、契約を急ぐあまり、決断を急かす業者もいるようです。打ち合わせの場で慌てて決めると後悔の元になってしまいますので、一度持ち帰って検討する時間をもらうようにしましょう。「なんとなく」を徹底的に排除することが大切です。
3.まとめ
この記事では、注文住宅で多く聞かれる後悔のポイントを、以下の要素に分けて21点紹介しました。
- お金の後悔
- 間取りの後悔
- 設備の後悔
- 外装・外構の後悔
- 業者選びの後悔
また、注文住宅で後悔しないための全般的なコツとして、以下の5点を紹介しました。
- 家と暮らしのイメージを明確に持つ
- 注文住宅について勉強しておく
- 実際の家をできるだけたくさん見る
- 理想に近い家を建ててくれる業者を選ぶ
- 納得できるまで質問・相談する
せっかく建てるマイホームに後悔が残らないことを心から祈っています。この記事がお役に立てたら幸いです。
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