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注文住宅の適正な工期とは? 建て主が知っておくべき工期の基礎知識

注文住宅の適正な工期とは? 建て主が知っておくべき工期の基礎知識

あなたの理想のマイホームを実現できる“注文住宅”。
夢と希望をたっぷり盛り込んだプランを立てるのは楽しいものですが、

「実際に家を建てるとなったら、オーダーメイドなだけに時間がかかりそう」
「かといって、短期間で建ててもらうと、手抜き工事をされるのでは……」

など、工事期間に関する不安を抱く人も多いのではないでしょうか。

施工会社と正式に契約する前に、平均的な「工期」とはどれくらいか、知っておきたいですよね。

ズバリお答えすると、注文住宅の工期は2〜6ヶ月間で、一般的に住宅の価格と比例します。 高価な家は工期も長く、お手頃価格の家は短期間で完成するわけです。

また、大手ハウスメーカーに頼むか、地元の工務店にお願いするか、 施工会社によっても期間が変わってきます。

そこでこの記事では、施工会社のタイプ別に平均的な工期について解説していきます。 また、施工会社にきちんと工期を守って仕上げてもらうために、建築主側が注意すべきこともお伝えします。

この記事を読めば、無駄にダラダラと工事を延ばされたり、逆に短期間の突貫工事で手抜きをされたりする危険もなく、適正な工期で、きっと満足いく家づくりができるでしょう。

1 注文住宅の平均的な工期は2〜6ヶ月

販売時には間取りやデザインが決まっている建売住宅に比べて、 建築主の希望にそってつくるオーダーメイドの注文住宅は、工事にも時間がかかります。

といっても、長くて6ヶ月程度、短い業者なら2ヶ月以内で建ててしまうところもあるのです。

ここではまず最初に、注文住宅を建てるときの基本的な流れを理解し、 次いで施工会社のタイプ別に工期の違いをみていきましょう。

1-1 注文住宅建築の基本的な流れ

基本的な流れは上図の通りです。

まず、どんな家にしたいか、どの施工会社に頼むか、 住宅展示場などを巡って情報を集め、イメージを固めていきます。

依頼したい施工会社が決まったら、担当者に自分たちの希望を伝え、 基本となる設計プランを考えてもらいます。

これに修正を加えながら、見積もり金額との兼ね合いを調整し、 最終的なプランが決まります。

正式に工事を依頼する契約を結ぶのは、このタイミングです。

契約が済めば、いよいよ工事が始まります。 ここから完成までが「工期」と呼ばれる期間で、注文住宅の場合、2〜6ヶ月程度かかるのです。

  

1-2 施工会社によって注文住宅の工期は変わる

ただ、「2〜6ヶ月」という期間は幅が広すぎて基準になりませんよね。

「2ヶ月で終わる場合と6ヶ月かかる場合の違いって、いったい何?」

そんな疑問を抱くのも当然です。

前述したように、一般的には工期は住宅の価格に比例しますから、 例えば低価格を売りにしているローコストハウスメーカーで建てる場合は、短期間=2〜3ヶ月、 外装も内装も自分好みにこだわってお金をかけ、 設計事務所の建築家と話し合いながらつくる場合は5〜6ヶ月が目安です。

つまり、どんな施工会社に依頼するかによっても、工期に差が出てくると言えます。

そこでこの章では、施工会社別の工期の違いをみていきましょう。

1-2-1 大手ハウスメーカー:3〜4ヶ月

積水ハウス、ダイワハウス、旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)といった大手のハウスメーカーは、 坪単価平均60万〜80万円の家を中心につくっています。 ときには坪単価100万円前後のハイクオリティな注文住宅をつくることもあります。

これら大手メーカーの場合、工期の目安は3〜4ヶ月。

この期間が、大手レベルの品質と技術の高さをキープするための基準と考えてよいでしょう。

ちなみに、各メーカーにより採用している工法もまちまちです。 伝統的な木造家屋、アメリカ由来のツーバイフォー(2×4)、鉄筋コンクリートなど、 工法によっても工期は多少変わりますので、 実際に建てるときには各メーカーに確認してください。

1-2-2 ローコストハウスメーカー:2〜3ヶ月

同じハウスメーカーでも、低価格での施工を売りにしているのがローコストメーカーです。 アイダ設計、タマホーム、アイフルホームなどは、CMでもよく社名を耳にしますよね。

こちらの坪単価は、だいたい30万〜50万円。 中には20万円台でできる場合もあり、大手ハウスメーカーとの価格差は2〜3倍もの開きがあります。

なぜそんなに安いのかと言えば、まず建材の価格を抑えていることと、 人件費を最小限にしていることが大きな理由です。

人件費を抑えるためには、工期を短くして大工さんの稼働を少なくする必要があります。

そのためにローコストメーカーでは、建材をあらかじめ工場でカットしておくなど工夫して、 建築現場での作業をできるだけ少なくする努力をしているのです。

その結果、工期も平均で2〜3ヶ月と短くて済むわけです。

1-2-3 工務店:4〜5ヶ月

地元の工務店に依頼して建てる場合は、メーカーよりも少々期間が長くなります。 大手のように建材を工場で機械加工して持ち込むことができず、 大工さんの人力作業により、現場で加工するためです。

また、工務店の規模によっては大工さんがほぼ一人で一軒の家を建てる場合もあり、 そうなるとどうしても時間がかかってしまいます。

ただ、技術力の高い工務店を見つけられれば、工期が長めな分だけていねいに仕事をしてもらえます。 途中で変更したい点が出てきた場合でも、気軽に相談できるので、 「満足いく家ができるなら、工期はそんなに短くなくてもいい」 という人は、工務店を検討してみるのもオススメです。

1-2-4 設計事務所:5〜6ヶ月

注文住宅といっても、ハウスメーカーで建てる場合は、ある程度の基本仕様は決まっています。 そこに自分たちの希望を加えたり、建材をカタログの中から選んだりして、 カスタマイズしていくわけです。

それに対して設計事務所に依頼すると、まったくのゼロから自由に家をつくることが可能です。 完全オリジナルの家になるわけです。

となると、ほかのお仕着せの家にはない特別な間取りや設備、内装などを取り入れるため、 ハウスメーカーや工務店よりも時間がかかるのは当然といえるでしょう。

目安はだいたい5〜6ヶ月。 こだわり度によっては、1年かかる場合もあるのです。

「時間はかかってもいいから、納得いくまでこだわって家を建てたい」 「夢のマイホームづくりに自分も参加して楽しみたい」

という人にはピッタリの施工会社です。

2 工期が標準でない場合 考えられる理由

さて、前述した標準的な工期に対して、実際に家を建てるときに、 期間が長すぎたり短すぎたりすると、不安を感じることでしょう。

「大手メーカーなのに5ヶ月かかるなんて、余分に人件費をとられるのでは?」 「いくらローコスト住宅とはいえ、2ヶ月で家ができるなんて、手抜きなのでは?」

と、施工会社に対する不信感を抱いてしまうかもしれません。

そこでこの章では、工期が標準より短い場合、逆に長い場合、 それぞれによくある事例を挙げてみましょう。

2-1 工期が短くても妥当なケース・そうじゃないケース

<短くても妥当なケース>
  • 基本プランをほぼ生かしていて、変更やオプションが少ない

ハウスメーカーの場合は、注文住宅といっても基本プランがある程度決まっている場合が多いものです。 間取りやデザイン、建材をゼロから決めていくのではなく、選択肢やカタログがあって、 そこから選んで組み合わせていくイメージです。

もしあなたが家を建てるときに、提示された基本プランが十分満足できるもので、 特に変更やオプションを加える必要がなかったとすれば、工事の手間は最小限で済みますよね。 つまり、工期も最短で終了できるわけです。

  • もともと工期が他より短い施工会社である

工期が短いローコストハウスメーカーの中でも、各社ごとに特徴や差があります。 中でも特に工期が短いと評判なのがタマホームなど数社。 通常なら2ヶ月程度で完成するそうですので驚きです。

もし、びっくりするほど短い工期予定を告げられた場合は、 その施工会社の平均工期をインターネットなどで調べてみてください。

  • 工期の短い工法を採用している

大手ハウスメーカーの中でも「ユニット工法」を採用しているところなら、 2ヶ月程度の工期で建ててもらうことも可能です。

この工法は、あらかじめ工場で家を箱型の「ユニット」に分けてつくっておき、 現場ではそれを積み木のように組み合わせていくもので、 現場作業が最低限で済むというメリットがあるのです。

〈悪いケース〉
  • 施工品質を下げている

工期をできるだけ短くして人件費を節約するために、工事の質が下がっている可能性もあります。 俗に言う「手抜き工事」とまではいかなくても、断熱材やクロス張りなどの作業は、 時間をかけてていねいに張ったときよりも雑な仕上がりになっているかもしれません。

2-2 工期が長くても妥当なケース・そうじゃないケース

<長くても妥当なケース>
  • 設計プランをよりよく変更したため工期が延びる

一度設計プランを決定したり、着工したりしたあとで、施工会社側やときには施主自身が、 「もっとこうした方がいいのではないか」と、改善案を思いつく場合があります。

両者が相談した上で、「ではプランを変更しましょう」と合意できれば、 設計をし直したり、新たな建材を発注したりする必要が生じますので、 その分工期が延びるのは当然です。

実際にこういう例はよくあるそうで、よりよい家づくりのための前向きな延長と言えるでしょう。

  • 天候によりやむを得ず工事が遅れる

雨が続く梅雨、台風が集中する晩夏、積雪で生活に影響が及ぶ冬などは、天候のために工期が遅れがちです。 施工期間がこれらの時期にかかっていると、雨や雪で工事自体ができない日も出てきます。

これが理由で工期が延びても、人為的な原因ではないため誰が悪いとも言えませんし、 ここで無理に建築スケジュールを守らせようとすると、手抜き工事に繋がりかねません。

もしこのケースを避けたいならば、天候の影響を受けにくい時期に建築するのがよいでしょう。(梅雨は避けるなど)

  • 土地から何か調査・対応が必要なものが出る(遺跡、井戸など)

稀なことでしょうが、工事のために土地を掘り返したところ、井戸水が出てきたり、 遺跡らしきものが発掘されたりする場合があります。

そうなると、工事は一時中断して詳しく調査をし、ときには設計プランを修正したり、 追加工事が必要になるかもしれません。

この場合も誰かに責任を問えるものではないので、ゆったり構えて待つか、 待てないならできるだけ工期を短くできるプランを相談するしかないでしょう。

<悪いケース>
  • 人手の手配不足、建材の不足、書類不備など施工会社側のミス

いざ建て始めてみると、当初の予定通りに大工さんのスケジュールを押さえられなかった、 注文した建材が予定通りに届かなかった、行政への提出書類に不備があって時間をロスした、などの理由で、工期が延びてしまう場合があります。

こういったトラブルは施工会社に責任を問うことができます。

3 最適な工期で建てるために やるべきこと

前述のように、工期が短すぎたり長くなったりするにはさまざまな理由があります。 できればこれらを避けて、最適な工期でベストな家づくりをしたいものです。

そこで、最適な工期を守るために、施主側ができること、すべきことを知っておいてください。

3-1 「書面で」引き渡し日を確認する

まず契約の際に、「家を完成した状態で引き渡してくれるのはいつか」を明確にしましょう。

ここで「工期はだいたい3ヶ月くらいでできますよ」といった口約束だけで済ませてしまうと、 いざ遅れが出た場合に、「言った」「言わない」の水掛け論にもなりかねません。

具体的に「○月○日に引き渡し予定」という日付が契約書などの書面に書かれているか確認してください。 もし書かれていなければ、必ず書面にしてもらいましょう。

3-2 遅延した場合の違約補償を確認する

同じく契約書の中に、「もし工事が遅延した場合には、どんな条件でどんな補償をするか」が書かれているかも確認しましょう。

工期が延びると、施主側にはさまざまな損害が生じます。

  • 今まで住んでいた住居を引き払って引っ越してくる予定を組み直さなければならない。
  • 前住居の退去日を決めてしまっていた場合、そこから完成まで新たに賃貸物件を借りるか、  ホテル住まいをするなど、遅延期間分の家賃が発生してしまう。

などです。

そこで、施工会社側に金銭的な補償を求めることになりますが、 あらかじめ契約書に「これは補償しません」と書かれていれば、請求できなくなってしまいます。

補償の内容が納得できるかどうか、事前に確認する必要があるのです。

3-3 進捗スケジュール表をもらう

とはいえ、もちろん工事の遅延を事前に防げればそれがベストです。

そのために、着工前にかならず工事の進捗スケジュール表をもらっておきましょう。

何月何日までに何をするのか、予定を知っておき、 それを元にして、ときどき建築現場をチェックしに行ってください。

「今日から基礎のコンクリートを敷設するはずなのに、まだ型枠もできていない」

など、早めに遅れに気づくことができれば、施工会社と対応を相談することも可能です。

また、工事が遅れていると、現場ではそれを巻き返すために作業を急ぎがちですが、 それにより施工が粗くなったり欠陥が生じたりする危険があります。

あまりプレッシャーをかけすぎないよう注意しつつ、 突貫工事をされないように目を配ってください。

4 まとめ

注文住宅の平均的な工期について、ご理解いただけたでしょうか?

もう一度、この記事の内容をまとめておきます。

●注文住宅の平均的な工期は2〜6ヶ月  → 施工会社により工期は違ってくる

大手ハウスメーカー3〜4ヶ月
ローコストハウスメーカー2〜3ヶ月
工務店4〜5ヶ月
設計事務所5〜6ヶ月

●工期が標準より短い場合は、

 <よいケース・やむを得ないケース>

  • 基本プランをほぼ生かしていて、変更やオプションが少ない
  • もともと工期が他より短い施工会社である
  • 工期の短い工法を採用している

 <悪いケース>

  • 施工品質を下げている

 などの理由が考えられる

●工期が標準より長い場合は、

 <よいケース・やむを得ないケース>

  • 設計プランをよりよく変更したため工期が延びる
  • 天候によりやむを得ず工事が遅れる
  • 土地から何か調査・対応が必要なものが出る(遺跡、井戸など)

 <悪いケース>

  • 人手の手配不足、建材の不足、書類不備など施工会社側のミス  などの理由が考えられる

●最適な工期で建てるために、施主側がやるべきことは、

  • 引き渡し日を確認する
  • 遅延した場合の違約補償を確認する
  • 進捗スケジュール表をもらう  の3つである

これらを心に留めた上で、施工会社が提示する工期が適切であるか判断してください。

あなたの家づくりが、手抜き工事でのちのち不具合が出てしまったり、 だらだらと工事が長引いてなかなか引っ越しできないなどというトラブルに見舞われず、 理想のマイホームを実現できますよう、祈っています!

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