住宅ローンは、多くの人にとって人生で最も大きな借金です。
しかし家づくりの忙しさに紛れて、十分に検討できないまま手続きを進めてしまうことも少なくありません。結果、返済の重さや、節約できたはずの負担に後悔するケースも。
そうした後悔を避けるには、体験者の声に学ぶのが一番です。このページでは、住宅ローンを組んだ人がどういった点で悔やんでいるのか知るために、20のエピソードをまとめて紹介しています。
住宅ローンで大後悔!身につまされる20のエピソード
一口に住宅ローンといっても、その種類や金利、用意できる頭金、保険・年収等の諸条件など、無数の選択肢が考えられます。
どの金融機関で借りても同じ、と考えて契約してしまうと、おそらく多くのケースで損をしてしまうでしょう。
自分たちにぴったりのローンを見つけるためには、相応の手間が掛かります。たとえば、住宅ローンについての知識を身につけたり、信頼できるプロの専門家に相談したり、といったことです。
ただ、知識ゼロの状態から情報収集を行うのは、あまり効率的ではありませんよね。
以下に住宅ローンで後悔している人のエピソードを紹介しますが、ぜひ「どういった点に注意して情報収集をすべきか」ということを意識して読み進められてみてください。
選んだ住宅ローンについて
家を建てるときは、誰しも心が高揚しているもの。ただ、浮き足立っている状態で住宅ローンを選んでしまい、後悔するケースも少なからず見られます。
頭金不要のデメリットを知っておくべきだった
何かあった時のために手元にまとまった資金を残しておきたくて、頭金を小さくして住宅ローンを組みました。
ただ、頭金が小さいと金利は高くなりますし、当然ながら毎月の負担も増えます。
もしもの時のために確保しておいた資金ですが、根本的な生活が苦しくなるくらいなら、頭金にすれば良かったと思います。
頭金を入れない方が得、というような話も聞きますが、その分を運用して金利以上の儲けを出さない限り、間違いなく損です。
少しでも月々の負担を減らそうと繰り上げ返済していますが、あらかじめきちんと計画を立てておけば、もっとスマートに返済できただろうと悔やんでいます。
金利の種類を知っておくべきだった
現在の日本は金利が低く、この時代に金利の高い長期固定金利を選ぶのはもったいないと考えていました。
今でもその考えは変わっていませんが、変動金利ではなく、10年固定金利を選ぶべきだったと後悔しています。
というのも、FRB(アメリカの中央銀行)が利上げを進めており、ECB(ヨーロッパの中央銀行)も金融緩和を縮小しつつあります。
日本銀行はまだがんばっていますが、近い将来間違いなく金利は上昇するでしょう。
現行の住宅ローンの金利相場を鑑みるに、10年固定金利で住宅ローンを組むのが最善の選択だっただろうと思います。
金利が下がるのを待てばよかった
住宅ローンで後悔していることは、もう少し金利が下がるのを待てば良かったということです。
私たちが住宅ローンを組んだ時は、「もうこれ以上金利は下がらない、上がるしかない」と言われていました。
この状況は、今も変わりませんよね。しかし私たちが住宅を購入から3年後には、金利は1%近くも下がっていました。
数年待ってから住宅ローンを組めば、頭金も増やせたし、金利も下がっていて、月々の負担をもっと軽くできたことでしょう。
当時は最善の選択をしたつもりでしたし、今文句を言っても仕方がないのですが、もし金利の下落を予測できていればと、時々思い出しては歯噛みをしています。
不動産会社に言われるままローンを組んでしまった
ハウスメーカーの担当者に言われたことを真に受けて、勧められた住宅ローンに申し込みました。
しかし後になって、他にもっと有利な条件でお金が借りられる金融機関を知りました。
もしかしたら、私たちの条件では審査に通る可能性が低かったのかもしれません。ただそれでも、選択肢をすべて提示した上で、こちらに選ばせて欲しかったです。
プランを提示された時にこちらが質問すれば良かったのですが、初めてのことで知識が乏しかったのが悔やまれます。
もっと情報収集をして、自分たちに合った住宅ローンの条件をこちらから提示すべきだったと後悔しています。
審査にかかる時間を考慮すべきだった
住宅ローンは、申し込めば当たり前に借りられるものだと考えていました。
しかし、現実は甘くなく…。
金利が低いネットバンクへ申し込みを行ったのですが、年収のためか物件の築年数が古いためか、一次審査にも通らない有様でした。
金利が低い金融機関は審査が厳しい、というのは知っていましたが、自分たちは大丈夫だろうという、根拠のない自信を持っていました。
後から思うと、忙しくて深く考える余裕がなかったのだと思います。
最終的にはスケジュールに押されて、当初の予定よりも高い金利の住宅ローンを組むこととなりました。金利だけで選ばなければ、もっと有利な住宅ローンを探せたのではないかと後悔しています。
返済負担について
住宅ローンの後悔でもっとも多いのが、返済の負担に関するもの。返済額に対する当初の見通しが甘く、後になって返済額を調整することになってしまう事例がよく見られます。
ボーナスを当てにし過ぎていた
年に2回のボーナス払いを前提に返済計画を組みました。
共働きと言うこともあって順調に返済していたのですが、妻が出産で退職してから少しずつ返済が苦しくなっていきました。
最終的にはどうにもこうにも生活がままならなくなり、月々の返済額を見直してもらうことで事なきを得ました。
当時は順当に考えて返済プランを組んだつもりでしたが、今思うと余裕がほとんどなく、子育てに必要な出費も収入の減少もほとんど考慮していませんでした。
複数のシナリオを考えて一番堅実な計画を選んでいれば、もっと余裕を持った生活ができたのではないかと思います。
頭金を多めにすべきだった
金利が低いため、頭金を少なくして金融機関から借りた方がお得、と言われてそうしました。
しかし頭金を入れた場合と入れない場合では、入れた方が金利は安くなりますし、支払い総額も抑えられます。
万が一のときの余剰資金として蓄えておくにしても、お金があるとやはり使ってしまいますから、資産運用でもしない限りメリットはありません。
節約のコツとして、使えるお金を制限してしまう、というのものがありますが、住宅ローンにも同じことが言えるように思います。
周囲に言われてなんとなく頭金を減らすくらいなら、いっそ全額組み込んでしまった方が最終的には得をするはずです。
家の修繕費を考えていなかった
購入する物件にもよるかと思いますが、我が家の場合、住宅の修繕費がかなり掛かりました。
リフォームも含めて計算すると、軽く数百万円は飛んでいったと思います。
もちろんリフォームでもローンは組めますが、借金はやはり借金。負担が増えることに変わりはありません。
住宅ローンを組むときに将来設計を踏まえてシミュレーションすることが多数派だと思いますが、購入する住宅のメンテナンス(外壁塗装等)をどのタイミングで行うかというのも、しっかり検討されておくことをおすすめします。
もっと収入が増えると考えていた
先輩社員の収入が年功序列で上がっていたため、そうした事実をベースに将来的な収入を予測して返済計画を立てました。
返済期間が短い方が金利も安いですし、支払い総額も抑えられますから、30年で住宅ローンを組んで返済を開始することに。
しかし当初の見込みより収入が増えず、月々の返済負担がバカになりません。
頭金を小さくしたことや、返済期間を短縮したこと。収入の予測を甘く見込んだことなど、後悔していることがたくさんあります。
もっと細かくシミュレーションをして、無理のない範囲で返済計画を立てるべきでした。
返済期間と返済額のバランスを間違えた
40代で住宅ローンを組んだのですが、老後に返済をしたくないばかりに、返済期間を短く設定してしまったことを後悔しています。
返済期間が短いと、その分、毎月の負担が大きくなります。
当初は、返済総額が小さくなるのだからむしろ得だろうと考えていたのですが、浅はかでした。
日々の生活の質を犠牲にして金銭的に得をするより、無理のない負担でコツコツ返済していく方がずっといいと思います。
とにもかくにも、無理をしてでも返済しよう、と考えるのは禁物です。生活の質を踏まえ、複数の具体的な返済プランを立てて検討されることをおすすめします。
返済負担を軽く考えすぎていた
貯金が少なかったため、頭金を小さくして住宅ローンを組みました。
多少負担が大きくなるのは仕方がない、それよりもまず家を手に入れるのが先、と考えていたのですが、もっと返済の負担について慎重に検討しておけば良かったと後悔しています。
というのも、子供に掛かるお金をものすごく大雑把に見積もっていたからです。
両親から援助を得てなんとかやりくりしていますが、1〜2年貯金して、頭金をもう少し入れておけば大分違っただろうと思います。
シミュレーションを慎重にすべきだった
返済期間と月々の返済金額をもっと慎重にシミュレーションすれば良かったです。
どんぶり勘定で、これくらいなら大丈夫だろうと決めてしまったのですが、現在、返済の負担に苦しんでいます。
かといって月々の返済額を軽くすると、返済総額が上がってしまいますし、そもそも身の丈に合わないお金を借りてしまったように感じています。
金融機関やハウスメーカーのスタッフさんとやりとりする中で、この人たちを待たせてはいけない、と変にプレッシャーを感じてしまうこともあるかと思います。
ただ、住宅ローンは長くて35年間、返済が続く借金です。周りにどう思われようと、自分たちのためにじっくり検討することをおすすめします。
家族構成の変化について
出産や親との同居で家族構成が変化し、それに伴って家計の支出が増加する、というのもよく見られます。確実な予測はできませんが、あらかじめ想定しておくと、万が一の時にも余裕のある生活が保てるでしょう。
養育費をもっと慎重に考えるべきだった
月々の返済額を数パターンしか検討しなかったことを後悔しています。
単純に返済額の数字を感覚的に判断するのではなくて、ちゃんとした人生設計に基づいて必要な出費をチェックしていくべきでした。
たとえば子供を一人前に育て上げるには2000〜4000万円のお金が必要とされていますが、ざっくりした目安の金額で住宅ローンの返済額を考えると後悔すると思います。
一般的な目安ではなくて、自分たちが望む子育て(たとえばどんな習い事をさせたいか、学校は私立か公立か等)を細かく項目立てて、それに基づいて必要な金額を積み重ねて具体的な出費を計算しておくことをおすすめします。
返済総額を重視しすぎると、日々の生活が苦しくなります。
住宅ローンを組む際は、トータルの返済額を小さくするよりも、月々いくらなら無理のない返済ができるか、という点を重視されてみてください。
非常時の出費を軽く見ていた
そこそこの職場に勤めていたため、都市銀行で比較的低金利の住宅ローンを組むことができました。
当初は無理なく支払えていたのですが、子供が生まれてから状況が少し変わりました。
子供が病弱で、想定以上の出費に家計が圧迫されるようになったのです。子供に掛けるお金は絶対に妥協したくなかったのですが、返済ばかりはどうにもできず、お金を捻出するのに苦労しました。
両親をはじめとする家族の助けがなかったら、行き詰まっていたと思います。
もしものことを考え出したらキリがありませんが、もっと慎重に計画を立てておけば、もう少し楽な生活ができたのではないかと想像してしまいます。
親子ローンの落とし穴に気づかなかった
二世帯住宅を建てるために、親子でローンを組みました。
借り入れ可能額が引き上げられたり、返済期間を長く取れたり、メリットは多いのですが、デメリットも考えておかないと後悔します。
それは、親が亡くなってしまった場合に発生する負担です。
通常の住宅ローンでは、債務者が死亡した場合、残債は住宅ローンを組む際に加入する団体信用保険で賄われます。
しかし親子ローンを組む場合、団体信用保険に加入するのは、親ではなく子です。
子が亡くなった場合は保険が降りますが、親が亡くなった場合は、親の分の負担を子が背負わなければなりません。
あまり考えたくないことですが、住宅ローンは家族の問題です。目を逸らさず、その他の保険等で万が一の事態に備えておくべきだと思います。
その他
住宅購入はポジティブな出来事ですが、将来生活していく中では少なからずネガティブな出来事も発生します。以下に、そういった不測の事態についてのエピソードもまとめてみました。
払い始めた途端離婚…
住宅ローン自体の後悔という訳ではないのですが、新居に引っ越してから間もなく離婚することになりました。
正直なところ、想定外のことでまだ整理ができていません。ただ、もっと慎重に将来のことを考えておくべきだったとは思います。
自分の住宅を持つというワクワク感ばかりが先に立って、返済の負担や、離婚を含めた家族構成の変化について検討しなかったのは失敗でした。
今思えば、返済に35年も掛かる借金なのに、特に不安もなく契約してしまったのが不思議です。
もしかしたら、覚悟と責任感が足りなかったのかもしれません。
手痛い勉強代となりますが、大幅なマイナス覚悟で、住宅を売却することを考えています。
ずっと健康でいられると思っていた
住宅ローンを組むときは考えもしませんでしたが、主人が脳卒中になり、働くことができなくなりました。
幸い命に別状はなく、マヒは残っているものの、一人でも生活できるくらいには回復したのですが、当時は住宅ローンに対する不安が常に付きまとっていました。
保険で得られる額は微々たるものでしたし、それまでの貯蓄を切り崩しながら生活するストレスは凄まじかったです。
どうしようもないことですが、保険や貯蓄、資産運用等をもう少し計画的に組み合わせていれば、少しは違ったのかなと想像してしまいます。
生活レベルを上げすぎてしまった
自分で言うのも抵抗がありますが、高収入で貯蓄も相当額ある状態でマンションを購入しました。
その後、転職を経てさらに収入が上がったのですが、お金があるのをいいことに湯水のようにお金を使うのが習慣化。服や食事だけならまだ可愛かったのですが、高級車にも手を出すようになって、次第に月々の出費が嵩んでいきました。
そんな折にリーマンショックがあり、会社の経営難に伴ってリストラ。転職もままならず、なんとか家だけは守ろうと資産を売却しながら住宅ローンの支払いを続けることになりました。
現在の収入がいつまでも続くと過信せず、堅実に貯蓄をして備えておけばよかったと後悔しています。
夫婦で返済していたため離婚して負担が増えた
共働きで、住宅ローンは8割が私、2割が妻、というような割合で返済していこう計画を立てていました。
しかし返済開始から5年後、私の女性問題が原因で妻と離婚することに。
住宅ローンも子供の養育費も私が支払うこととなり、生活が激変しました。金銭的な負担もそうですが、大切な家族を失ったことは後悔してもしきれません。
無理して分不相応な住宅を建ててしまった
周りに自慢したくて、地域の相場よりも1000万円近く高い住宅を建てました。
同世代と比べて年収は高い方だと思うのですが、返済の負担が大きく、貯蓄が全然貯まりません。
現在子供が1人おり、2人目も欲しいのですが、将来が不安で踏み切れずにいます。
もっと安い家を建てるか、頭金をたくさん入れて月々の返済負担を抑えればよかったと後悔しています。
住宅ローンで後悔する人の特徴
住宅ローンで後悔する人のエピソードに目を通してみると、いくつかの共通点が見えてきます。
以下に、どういった共通点があるのかをまとめてみます。
「いくら借りられるか」という視点で住宅ローンを考えている
住宅ローンを選ぶ際、まず借り入れ可能額を検討する人が多数派でしょう。
しかし住宅ローンは借金です。借りたものは必ず返さなくてはなりません。
いくら借りられるのか、という視点でお金を借りてしまうと、いざ返す段になった時の負担を十分に見通すことができません。
結果として返済が生活費を圧迫し、生活の質が下がってしまうということが考えられます。
住宅ローンを借りるときは、いくら借りられるのかではなく、いくらずつなら負担なく返せるのかを逆算していく方が堅実です。
将来的な収入と支出を現在の基準で考えている
収入と支出は、状況によって変化するものです。
もちろん1つの基準として現在の収入と支出を用いるのは大切なことですが、それだけで月々の返済額や返済期間、借入額等を決定してしまうのは早計です。
少なくとも収入が減るケースと支出が増えるケースを、それぞれ検討しておくことが大切です。
またその際は、具体的に数字を出して、生活の質を犠牲にしない範囲を絞っていきましょう。
金利が低い=魅力的な住宅ローンと考えている
住宅ローンを商品と考えると、金利はその価格と捉えることができます。
一見すると、安い方がお得に思えます。しかしどのような商品にも言えることですが、安いには安いなりの理由があります。
住宅ローンの商品価値は、手元に自由になるお金が増えることにあります。カードで分割払いするのと同じですね。
金利で得をしようと考えると、多くの場合、その自由(手元に残るお金)が犠牲になります。
十分な蓄えがあれば問題ありませんが、そうでないなら、生活費を削らざるを得ない状況に陥る可能性も。
支払い総額では得をするかもしれませんが、その得が必ずしも生活を豊かにするとは限らない、という点は踏まえておきたいところです。
頭金ゼロ=貯金がなくても住宅購入できると考えている
昔は、住宅ローンを組むために2〜4割の頭金を用意するのが一般的でした。
しかし昨今は、条件によっては頭金ゼロでも融資してもらえる可能性があります。
ただ気をつけたいのが、頭金ゼロは決して得をしないと言うこと。
何かしら投資をしていて、住宅ローンの金利以上のリターンを出せるなら話は別ですが、単純に「貯金がないから頭金ゼロで住宅を購入しよう」と考えているなら、注意が必要です。
住宅ローンは借金です。投資目的でない限り、借金は損失です。小さいに越したことはありません。
頭金がないと、それだけ返済額が増え、当然ながら月々の負担も増えます。慎重に返済計画を組み立てておかないと、返済のために生活が苦しくなる可能性も。
頭金がなくても家を借りられる、というのは魅力的ですが、その分返済のリスクが大きくなる、ということは知っておくと良いでしょう。
まとめ
住宅ローンで後悔するポイントは無数に考えられますが、そのほとんどは、ローンを組む前に慎重に返済計画を立てることで避けられるものです。
いくら借りて、いくらずつ返すのか、という、一見単純に見える事柄が、その後の生活の質を大きく左右します。
細かい数字を追いかけるのは手間の掛かる作業ですが、後になってその苦労は必ず報われます。
ご自身たちの人生設計をもとに、妥協することなく慎重にシミュレーションされることをお勧めします。
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