生活をする上で欠かせない収納。注文住宅を建てるときには、とにかくたっぷり収納を作りたいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし実際に生活をしてみないと、どんな収納がどれだけ必要になるかはイメージしにくいもの。あとから、もっと広い収納にしておけばよかった…などと後悔する方も少なくありません。
今回はそんな失敗を防ぐために、事前に知っておきたい収納の基礎知識について解説していきたいと思います。
目次
この記事がおすすめできる人
- 注文住宅の収納で悩んでいる人
- 収納にこだわった家づくりがしたい人
- これから注文住宅を建てようと考えている人
- 部屋別の収納の作りかたについて知りたい人
- 収納にはどんな種類があるか知りたい人
なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ 注文住宅の値段相場と建築コストを左右する4つの要因
・ 狭小住宅を建てる前に!知っておきたい基礎知識
・ 出向く前に要チェック!住宅展示場の基本ガイド
失敗しない注文住宅の収納の考え方
注文住宅の収納で失敗しないためには、以下の3つのポイントを頭に入れて計画を立ててみましょう。
部屋ごとに収納したいものをリストアップする
間取りが決まったら、まずはその部屋ごとに収納したいものを書き出してみましょう。
キッチンなら、鍋やフライパン、買い置きの食料品、食器など、リビングなら、書類や家電の取扱説明書、リモコンや充電器、掃除用品など、各部屋ごとに収納しておきたいものを全てリストアップします。
ここでしっかり計画を立てておけば、行き場のない物たちが部屋に溢れてしまうということはありません。
生活していくうちに物が増えていくことも想定して、少し余裕を持っておくと良いですね。
動線に沿った収納をつくる
次に、家の間取りと照らし合わせながら、家族の動線を考えます。
朝起きてから寝るまでの家族の様子を思い返しながら、普段どんな動きをしているかをイメージしてみてください。
動線を考えることは、部屋を綺麗に保つことができるかを決める重要なポイント。動線に沿った=片付けがしやすい収納でなければ、部屋は散らかってしまうでしょう。
子供のランドセルは子供部屋に、掃除用品は廊下や洗面所近くになど、ここにあるべきという型にはめる必要はありません。
家族の動線に合った収納はどんなものかを考えてみましょう。
デッドスペースを有効活用する
注文住宅の場合、収納を増やすために、ウォークインクローゼットや納戸などの広いスペースを確保しようとする方が多くいらっしゃいます。
しかし収納を広く取ろうとすると、リビングや寝室など、他の部屋のスペースを圧迫することにもなってしまいます。
注文住宅の収納スペースで重要なのは、デッドスペースをいかに有効活用するかということ。空いたスペースに壁面収納や床下収納、つり棚収納などを設置すれば、ただのデッドスペースを収納として活用することができます。
いくら収納を多くしたいといっても、多ければ多いほど良いというのは間違い。スペースがあると、それだけ物を貯め込んで、部屋は綺麗に保てているけど、収納の中はごちゃごちゃなんてことにもなりかねないので注意が必要です。
部屋別 注文住宅収納のポイント
次に各部屋ごとに、収納づくりのポイントを解説していきます。部屋によって必要となる収納の種類や大きさが異なるため、ご自身の家と照らし合わせながらチェックしてみてください。
リビング・ダイニング
リビングやダイニングは生活の中心になる場所。家族みんなが集まる場所なので、いろいろなものが置かれて、気がつくと散らかってしまっているなんてことが多いのではないでしょうか。
毎日居心地よく生活をするためには、すっきりと片付いたリビング・ダイニングにしたいもの。時間を取って片付けをしなくても、物があるべき場所に自然に収納されるのが理想的です。
リビング・ダイニング収納の1番のポイントは、使う場所の近くに収納を設けるということ。ソファで本や雑誌を読むなら、ソファの近くに造り付け本棚を設置する、などつい置きっ放しにしてしまいがちな物をサッと片付けられるようにしておけば散らかりません。
大きな壁がある部屋なら、壁面収納がおすすめ。壁面収納を活用すれば、リビング・ダイニングで使うものを一気にまとめて収納することができ、部屋を広々と使うことができます。
キッチン
キッチンは、収納したいものの種類が多いのが特徴です。買い置きの食料品、食器、鍋やフライパン、ラップやクッキングペーパーなどの日用品、キッチン周りの掃除用具など、その種類は多岐にわたっています。
しかし、使う場面を想像して収納場所を選べば、それほど難しいことはありません。キッチンは毎日使う場所なので、どこに何をしまったら使いやすいか、スムーズに物を出し入れするにはどんな収納が便利か、など想像しやすいはずです。
キッチンの収納は、吊り戸棚や造り付けの食器棚、床下収納などその種類もさまざま。実際に使うシーンをイメージして選んでみてください。
トイレ
トイレに収納するものは、トイレットペーパーや掃除用品など数が限られているため、他の場所と比べるとそれほど大きな収納は必要ありません。
トイレはいつでも清潔に保ちたい場所なので、衛生的に考えても、不要な物はなるべく置かないようにするのがおすすめ。特に床には何も置かず、全てしまって置けるように収納を設置した方が良いでしょう。
以前はトイレの収納といえば吊り戸棚が一般的でしたが、最近は便器の後ろ側や横川の壁に収納を設けることも増えてきているようです。
背が低い方や小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、吊り戸棚よりも、壁に設置された収納の方が、物を取り出しやすいので便利。
片付けたいものや使い勝手を考えて選んでみましょう。
洗面所・脱衣所
洗面所や脱衣所は、比較的狭い場所であるにも関わらず、意外と物が多い場所なので、収納にも気をつけなければいけません。
タオルや洗濯洗剤などのほか、洗剤や歯ブラシなどの買い置き、洗濯干しに使う洗濯バサミ、化粧品など、細々とした物をすっきり収納しておくにはどうしたら良いのでしょうか。
洗面所・脱衣所は、大きな収納スペースを確保するのは難しいため、デッドスペースをうまく活用することがポイント。
洗濯機の上に戸棚を取り付けたり、壁の部分を壁面収納にするなど、活用できるスペースがないか検討してみましょう。
玄関
玄関収納といえば、収納したいのは靴。しかしそれ以外にも、鍵などの小物類、傘やコートなど、外出時に必要な物をしまっておくスペースがあると便利です。
スペースがしっかり確保できる場合は、ウォークインスタイルの靴収納がおすすめ。たっぷり収納できるので家族の人数が多い方でも綺麗に収納することができるでしょう。
また、玄関は綺麗に保つことができるため、来客時に慌てる心配もありません。
ゴルフなどのスポーツ用具や、ベビーカー・自転車などを使う場合は、玄関に収納スペースを確保しておけば、汚れを室内に持ち込んでしまう心配もありません。
玄関に収納したいものはそれぞれなので、何を収納しておきたいかをリストアップして考えてみましょう。
寝室
寝室は1日の疲れを癒す安らぎの場所。物で溢れかえっている寝室では、ゆっくり休むことができません。
寝室収納は、できる限りコンパクトにするのがコツ。寝室に洋服や身の回りの品を収納するのはとても便利ですが、収納が増えることでその分どんどん物も増え、落ち着かない部屋になってしまいます。
収納は必要最低限に抑え、そこに入るだけの物を持つことを徹底しましょう。
夫婦で共同の寝室を使っている方は、2人分の洋服や小物などをしまっておかなければいけません。一般的なクローゼットでは物が入りきらないという場合は、ウォークインクローゼットがおすすめです。
扉をつけてベッドからは見えないようにしておけば、寝室をすっきりと保つことができます。
子供部屋
子供部屋収納で念頭に置いておきたいのは、時が経つにつれて、収納する物が変化するということ。
小さなお子さんの場合は、洋服のほか、絵本やおもちゃなどを収納しておくスペースが必要です。細々したものが多いため収納方法に工夫は必要ですが、それほど大きな収納は必要ないでしょう。
しかし小学生、中学生と年齢があがるにしたがって、学校で使う教材や部活動の道具など、だんだん物が増えてきます。洋服のサイズも大きくなりかさばるため、大きな収納スペースが必要です。
子供部屋の収納を考えるときには、将来を見据えて計画を立てることが大切。お子さんが小さいうちは無駄なスペースになってしまうかもしれませんが、将来のことを考えて余裕を持って収納スペースを確保しておくと安心です。
どれが便利?知っておきたい収納の種類
収納したい物の種類や設置する場所によって、ふさわしい収納のかたちは異なります。家の間取りをイメージしながら、ぴったり合う収納の種類を探してみてください。
クローゼット
主に衣類の収納に使われるクローゼット。洋室に設置されることが多く、衣類をしまうためにハンガーパイプが取り付けられています。
サイズはそれぞれ異なりますが、奥行き50cm〜60cm程度のものが一般的。これは衣類の幅に合わせて作られています。間取り図では、「CL」と表記されます。
クローゼットの中には、ウォークインクローゼット(「WIC」) 、ウォークスルークローゼット(「WSC」)と呼ばれるものもあります。
ウォークインクローゼットは、 人が中に入れるクローゼットのこと。1〜2畳程度のスペースにハンガーパイプが取り付けられており、衣類をたっぷり収納することができます。
また、ウォークスルークローゼットは、その名の通り「スルー(通り抜ける)」ことができるクローゼット。広さはウォークインクローゼットとそれほど変わらないものが多いですが、出入り口が2ヶ所あるのが特徴です。
押入れ
主に和室に設置される収納です。一般的には上段と下段に分かれており、寝具などをしまうことができます。
また、寝具のほか、洋服や家電、本やおもちゃなどを収納するのにも便利。クローゼットよりも奥行きが広いため、それをうまく活用すればたくさんのものを収納することができます。
ただし押入れは湿気がこもりやすいので要注意。湿気がたまってしまうとカビや結露の原因となります。
寝具や衣類などを傷めてしまう可能性があるため、すのこや新聞紙を敷いたり、除湿剤を設置するなどの工夫が必要です。
シューズボックス
その名の通り、靴をしまっておくための収納です。
一般的なのは、腰くらいまでの高さがあるシューズボックス。上には写真やお花を飾ったり、鍵などの小物を置いておくことができます。
また、床から天井まで高さがあるトール型や、空いている部分に物を飾ることができるコの字型などの種類もあります。
収納したい靴の量や玄関の広さによって選ぶと良いですね。
また、靴が多くてシューズボックスでは足りない、玄関をすっきり綺麗に保ちたいという方には、シューズインクローゼットもおすすめ。玄関横に設置する収納で、靴のまま入ることができます。
靴だけでなく、スポーツ用品や自転車などを玄関に収納したい方にもおすすめですよ。
パントリー
パントリーとは、いわゆる食品庫のこと。常温保存可能な食品や調味料、調理器具などを収納しておく小さなスペースで、主にキッチンのそばにつくられることがほとんどです。
キッチンの収納だけで足りているという場合はパントリーを設ける必要はありませんが、食品をストックすることが多い方、まとめ買いをする方にはとても便利な収納です。
パントリーを使うことで、キッチンの物を減らすことでき、料理がしやすくなるというメリットがあります。
造作棚
欲しい場所に欲しい大きさの収納をつくることができる造作棚。
設置したいスペースに合わせて寸法を決めて、オーダーメイドで制作するため、無駄なスペースを有効活用することができます。
また、サイズのほか、色味や素材なども自由に選ぶことができるため、インテリアや好みに合わせられるのもメリット。なかなかイメージに合う収納が見つからないという方にもおすすめです。
造作棚には、固定式の棚、可動式の棚、ニッチなどさまざまな種類があります。
床下収納
床下収納は、主にキッチンなどに設置される収納です。
床下はデッドスペースになっていることが多いため、それを生かして、普段使わない調理器具や食品の買い置きなどを収納しておくことができます。
日本では古くからこの床下収納が活用されており、漬物や梅酒など、完成までに時間がかかるものの保管場所として利用されていたようです。
階段下収納
階段下は、掃除用具や日用品のストックを収納しておくのにぴったりのスペース。
家ごとに幅や奥行きは異なりますが、このデッドスペースを有効活用することで、細々したものがすっきりと綺麗に片付きます。
屋根裏収納
最上階の天井と屋根の間に生まれるスペースに設けられる屋根裏収納。「小屋裏収納」や「グルニエ」とも呼ばれています。
一般的にクローゼットに入りきらない衣類や家電、クリスマスツリーなどの季節ものを収納するのに便利。ただし夏の暑い時期は熱がこもってしまうため、温度や湿度に弱いものは収納できません。
まとめ
収納は、ただ単に物がしまえれば良いというわけではありません。目的に合った収納があるべき場所になければ、どれだけスペースを確保しても、うまく活用することができないのです。
実際に生活していく上で、どんな場所にどんな収納があれば便利かイメージして、じっくり計画を立ててみてくださいね。
記事の内容まとめ
- 部屋ごとに収納したいものをリストアップし、動線に合わせて収納を設置すると良い。
- 家の中のデッドスペースを有効活用して収納スペースを確保する。
- 確保するべき収納スペースの種類や大きさは部屋ごとに異なる。
- クローゼットや押入れ、床下収納など収納にはさまざまな種類がある。
プレゼントキャンペーン
今なら相談・見学予約で「ギフト券5,000円分×相談見学社数分」、
資料請求で注文住宅で失敗しない成功マニュアル3つをe-booksでプレゼント!
あなたの夢を叶える
工務店・ハウスメーカーを検索しましょう。