つぼを押さえてスッキリ理解!建て替えローンの基本知識

つぼを押さえてスッキリ理解!建て替えローンの基本知識

住宅ローンに比べ、建て替えローンの情報は多くありません。

共通する部分も少なくないのですが、建て替えローンは住宅ローンに比べて審査が厳しく、また利用できるプランの種類も少なくなっています。知は力なりとも言いますし、なるべく有利に物事を運ぶためにも、一通りの基本知識は押さえておきたいところです。

そこでこのページでは、建て替え時の資金調達にフォーカスした情報をまとめてみました。住宅ローンの支払いが残っている住宅の解体・新築を考えている人は、ぜひ参考に目を通してみてください。

この記事がおすすめできる人

  • これから建て替えを考えている
  • まだ返済中の住宅ローンがあり、建て替えで新しく借り入れできるか知りたい
  • 建て替えで利用できるローンを知りたい
  • 建て替えローンを検討する際の注意点が知りたい
  • ローンの審査でどういった点が見られるか把握したい

なお以下の記事でも「住宅ローン」についてお役立ち知識を解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!

建て替えで使えるローンの種類

コインタワーと木の家

全ての金融機関で用意されているわけではありませんが、まだ支払い中の住宅ローンが残っていても、建て替えでローンを組めるケースがあります。

以下が、その代表的な種類です。

建て替えローン

住宅ローンを借りるた時、購入した住宅の抵当権を金融機関に設定しているはずです。この抵当権を外さない限り、住宅を建て替えることはできません。

抵当権を外すためには、当然ながら現行の住宅ローンを完済する必要があります。

そのための方法の1つとして考えられるのが、建て替えローン、または住み替えローンと呼ばれるローンです。

これは、現行のローンの残債と、建て替えのために借り入れた分を一本化するというローン。融資実行のタイミングで残債を清算し、新規借り入れ分に清算分を丸ごと上乗せすることで、返済先を1つにまとめます。

金融機関側からすれば、通常の住宅ローンより借入額が大きくなるわけですから、審査も当然ながら厳しくなります。

一定以上の収入がないと審査通過は難しいのですが、二重に住宅ローンを組む場合と比べて、返済負担を抑えられるというメリットが。可能性がありそうなら、ぜひ検討されてみることをおすすめします。

ダブルローン

ダブルローンは、その名の通り、現行のローンをそのままに、新たに借りられる別のローンです。建て替えではなく、買い替えの際に検討されることの多い住宅ローンですが、参考までに紹介します。

ダブルローンが役に立つのは、今住んでいる家を売りに出し、買い主が現われるまでの間に新居へ引っ越したいケースなどです。

買い主が現れたら、その売却額で住宅ローンを返済。場合によっては、買い主に返済を引き継いでもらうことで、残債をゼロにします。

住宅ローンが残っていても新居のための資金調達ができる、というのはメリットですが、売却が遅れれば遅れるほど二重返済の負担を強いられることになり、また金融機関側が許可してくれなければ、そもそも2つ目のローンを組むことができません。

せっかくの新居での生活を満喫するためにも、ダブルローンを利用する場合は慎重に返済計画を練ることが大切です。

番外・親子リレーローンについて

建て替えローンにせよダブルローンにせよ、通常の住宅ローンより借入額が大きくなります。したがって審査も厳しくなり、他に選択肢がないのに住宅ローンが組めない、という事態に陥ってしまうことも十分考えられます。

そこで検討したいのが、親子リレーローンです。

文字通り、親子名義で借りる住宅ローンで、2人分の信用がある分、借り入れ可能額が引き上げられます。単身で申し込む場合と比べて、審査にも通りやすい傾向があります。

団体信用保険に加入するのはどちら1人ですので、万が一のことがあった場合には負担が1人にのし掛かるリスクがある、という点には注意が必要ですが、選択肢の1つとして知っておいて損はないでしょう。

建て替えローンを組むときの大まかな流れ

フローチャート

一般的な建て替えの流れを追いながら、どのタイミングでローンを申し込むべきかを解説します。

再建築のできる土地かを調べる

建て替えローンを申し込む前にまず行っておきたいのが、そもそも現在の住宅を建て替えられるのかどうかを確かめることです。

土地に建てられる建物には、建築基準法によって条件が課されます。この条件は、土地そのものだけでなく、周辺環境によっても左右されるものです。

住宅を建てた時には問題がなくとも、年月が経過する中で周辺環境が変化し、1度取り壊すと新しく建物を建てることができない状態(再建築不可)になってしまっている可能性が。

そうなると、法律をクリアするための手続きや、そもそも建て替えをやめて買い替えに切り替える、といった選択が必要になり、資金調達どころではなくなってしまいます。

まずは、役所や不動産会社に相談し、建て替えを考えている土地が再建築可能かどうか確かめることをおすすめします。

業者探し&プランニング

業者探しと金融機関探し、どちらを先に行うべきかという厳密なルールはありませんが、自分たちなりにはっきりした根拠がなければ、業者探しを先に行うと良いでしょう。

というのも、工務店やハウスメーカーは、地元の金融機関とコネクションを持っていることが多く、仲介してもらうことで審査が有利に進む可能性が高いからです。もちろん、プランに納得できなければ、別途自分たちで金融機関を選ぶこともできます。

いずれにせよ、業者側は、金融機関から融資が下りなければ何もできません。手続きに関しても、経験豊富なプロが丁寧にサポートしてくれることでしょう。

仮審査の申し込み

見積もりやプランが固まったら、それを根拠に金融機関に仮審査の申し込みを行います。

期間は金融機関により違いますが、概ね1ヶ月以内には結果が出ます。

ちなみにこの時点では、一行に絞り込む必要はありません。金利をはじめとする住宅ローンの諸条件と、自身の信用力の落とし所を考え、第3希望くらいまでの金融機関に審査を依頼すると良いでしょう。

工事請負契約&本審査

業者と本契約を結んだら、金融機関に本審査を申し込みます。晴れて審査に通れば、引き渡し後に融資が実行されることとなります。

ただ、多くの場合、融資実行日までの間に、何回かに分けてまとまったお金を支払うことになります。このため、つなぎ融資という、住宅ローンの前借りのような形で融資を受けることが少なくありません。

金額や支払いのタイミングについてはケースバイケースであるため、申し込みをする金融機関にしっかり資金計画を建ててもらうことが大切です。

用意すべき頭金の相場

コインとお札

頭金とは、ローンを組むにあたって最初に用意するまとまったお金のことです。

具体的な金額の目安については、借入総額の3割程度が目安と言われています。

というのも、昔から「住宅の価値は人が入った瞬間に3割下がる」とされており、入居によって目減りした担保価値を補う目的で頭金を入れていた、という背景があるから。

ただ統計によると、昨今は物件価格の1〜2割程度に落ちており、必ずしも3割が目安とは言えない状況になってきています。

ほとんどの金融機関は、そのウェブサイトで住宅ローンシミュレーション(頭金をはじめとする諸条件を入力すると、完済までの期間や返済額の目安を計算してくれるツール)を公開していますから、そうしたものを活用しながら、ライフプランに合わせて用意する金額を決められると良いでしょう。

頭金なしでもローンは借りられる?

審査は厳しくなりますし、金利負担も増えますが、頭金がゼロであっても住宅ローンを組める可能性はあります。

投資の腕に自信のある人などは、あえて全額を借り入れ、残った元手を住宅ローンの金利以上の利回りで運用していることも。

相応のリスクは伴いますが、きちんとした資金計画があるなら、あえて頭金なしで住宅ローンを利用するというのも戦略の1つです。

ローンを組むときの注意点

ローンを組むときの注意点

同じ金額を借りる場合でも、きちんと根拠を持って返済計画を考えた場合とそうでない場合とで、その後の生活の質に大きな差が出ることがあります。

以下に、建て替えでローンを利用する際に、気をつけたいポイントを紹介します。

無理なく返済できる金額を前提にする

借り入れる金額を決める際に大切なのは、その金額で、自分たちが今後30年以上にわたり無理なく返済できるかどうか、ということ。

一般論で借り入れ額を決定するのは危険です。というのも、たとえ同じ収入であっても、家族構成やライフスタイルによって、月々の支出は大きく異なるからです。

まずは、自分たちが継続して、かつ重荷に感じずに返済できるラインを明らかにし、そこから逆算する形で借り入れ額を計算されてみることをおすすめします。

シミュレーションを妥協しない

ローンの総返済額は、利率だけでなく、選ぶ金利のタイプや返済方式、返済期間、月々の返済額、といった条件で細かく違ってきます。

こういった条件の概略を把握しつつ、細かい数字を確かめていくのは、率直に言ってかなり手間が掛かります。フィーリングで妥協したくなるのも無理のないことでしょう。

しかし、丁寧にシミュレーションを行い、複数のシナリオを見比べてみると、驚くほど数字が違っていることも少なくありません。

数十万単位はもちろん、数百万円単位で結果が変わることもあります。

入念にシミュレーションを行ったからといって、その通りに借り入れや返済ができるわけではありませんが、丁寧に立てた資金計画は、少なからず将来の役に立つはず。借入額を決めるときは、ぜひこうしたシステマチックなアプローチを試してみてください。

諸費用についても考えておく

住宅の建て替えに掛かる費用は、工事費だけではありません。

金融機関に支払うローンの事務手数料や、各種登記に必要な費用、契約書に添付する印紙代など、随所に細々した支払いが発生します。

一見、大した金額ではないように思えるかもしれませんが、家を建てる場合の諸費用は総費用の10%ととも言われており、少なく見積もっても200〜300万円は必要です。

借り入れを考えるときは、工事費に加えて、この諸費用をどのように賄うかについても、検討しておく必要があります。

利率ばかりを重視しない

金利は、お金を借りるために支払う料金のようなもの。利率が低ければ低いほどお得、と考えてしまいがちです。

ただ注意したいのが、選ぶタイプによっては、返済途中で利率が変わってしまうということ。もちろん下がれば得をしますが、日本は現在、低金利の真っ只中。令和の時代には、遅かれ早かれ上昇していくことが見込まれています。

根拠を持って戦略的に選ぶ場合を別として、ただ利率が低いからという理由で加入するローンを選択するのはやめたほうが無難です。

できれば専門家に意見を聞く

建て替えに限らず、住宅ローンは10年、20年と長期スパンで返済していく借金です。相応の知識がないと、返済計画を練るのも一筋縄ではいかないでしょう。

ライフプランにも深く関わることですから、なるべくなら、フィナンシャルプランナーなどに相談して、プロの意見を参考にされることをおすすめします。

審査に通りやすくなるコツ

ノートPCの分析画面

建て替えローンは、一般的な住宅ローンに比べて借り入れ額が大きくなる分、審査も厳しくなります。審査に通りやすくなる方法があれば、ぜひ参考にしたいですよね。

続いては、審査で特にチェックされるポイントや、審査に通りやすくなるコツを解説します。

審査されるポイントを知って対策する

まずは、銀行の審査でチェックされる主な属性を見ていきましょう。

  • 職業…公務員、大手会社員がもっとも有利で、経営者や自営業、ほか歩合制の職業は厳しく見られます。
  • 勤続年数…長ければ長いほど信用ありと判断されます。1年未満だとほぼ落とされます。
  • 年収…審査にはさほど影響しませんが、借り入れ可能額を大きく左右する要因です。
  • 信用事故の有無…種類によりますが、5〜10年以内に借金返済の滞納があると、ほぼ落とされます。

いずれも簡単には対策できない項目ですが、審査に落ちた場合にこういった情報を知っておくと、将来の指針になるはずです。

また、夫婦共働きの場合は、より有利な条件を持つ方を名義人とすることで、審査に通過する可能性を高めることもできるでしょう。

審査の厳しい金融機関を知る

ひと口に金融機関といっても、いくつか種類があり、審査の通りやすさも違います。

一般に、ネットバンク、メガバンク、都市銀行、地方銀行、というような順番で金利が低くなり、したがって審査も厳しくなる傾向があります。

また、住宅金融支援機構という独立行政法人が用意するフラット35は、個人の信用よりも、建てる(あるいは購入する)住宅の性能の方がより重視されます。自営業や経営者といった不利な属性であっても、比較的審査に通りやすいのが特徴です。

住宅ローンの借り入れ先を選ぶときは、こうした金融機関の特性についても目を向けると良いでしょう。

頭金を多めに入れる

金融機関が見るのは、究極的には、その人がきっちりローンを返済できるかどうかです。身の丈にあった返済額を申し入れれば、少なからず審査に有利に働きます。

そのために有効なのが、頭金を多く入れること。返済総額を抑えることで、足りないかもしれない信用を相対的に補うわけです。

先に住宅ローンを完済する

どうしても建て替えローンやダブルローンの審査に通らないようなら、先に住宅ローンを完済してしまうことを考えましょう。

いっそ住宅を売却して残債を清算し、残った元手をやりくりして新築資金を貯めるというのも手です。

まとめ

  • 住宅ローンの支払いが残っていても、新たにローンを組むことができる
  • ただし完済しないと建て替えはできない
  • 新規借り入れに残債を1本化できる、建て替えローンを選ぶのが無難
  • 借り入れ額を考えるときは、無理なく返済できるかどうかを基準にする
  • 専門家に相談してライフプランを考えておくと返済計画がイメージしやすい
  • 金融機関を選ぶときは、金利だけで選ばず、審査の通りやすさなども含めて総合的に判断する

建て替えに限った話ではありませんが、住宅に関連する資金繰りは、知識があるかないかで、コストが大きく変わってきます。難しい専門用語や面倒なシミュレーションなども求められますが、それだけの手間を掛ける見返りはきっと得られるはず。

妥協せず、丁寧に情報を取捨選択して、可能な限り損のない選択肢を選んでいただければと思います。

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