住宅ローンは、多くの人にとっておそらく人生で最も大きな借り入れとなります。
しかし家づくりでやるべきことは膨大。住宅ローン以外にも、考えることが山ほどあります。
結果、十分に検討ができないまま、勧められたプランに加入してしまうケースも。後からもっと有利条件で借り入れできたことに気づいて、悔しい思いをしてしまうこともあるでしょう。
そんな時に検討したいのが、住宅ローンの借り換えです。借り換えとは、その名の通り、借り入れ先を乗り換えること。
多少の出費は必要ですが、うまくやれば返済負担を大幅に減らすことも可能です。
このページでは、実際に住宅ローンの借り換えを行った人の体験談をまとめ、そのメリット・デメリットを明らかにしていきたいと思います。
この記事がおすすめできる人
- 住宅ローンの借り換えを考えている人
- 住宅ローンの返済負担を減らしたい人
- 借り換えに失敗しないか不安な人
- 借り換えのメリット・デメリットを知りたい人
- 実際に借り換えた人の体験談を読みたい人
なお以下の記事でも住宅ローンの借り換えや金利などについて詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ タイミングを見極めよう!住宅ローンの借り換えで失敗しないために
・ 【最新2019年2月】住宅ローンの金利推移と今後の金利動向を徹底検証!
・ 基本はこれ!住宅ローンの計算方法ガイド
住宅ローンの借り換えに成功した人の体験談
まずは、借り換えに成功した人の体験談を見ていきましょう。
変動金利から固定金利へ、固定金利から変動金利へ。借り換えには様々なパターンがありますが、正解はその人がどういう状況に置かれているかによって変わってきます。
実際に借り換えを経験した人の声を知ることで、自身のケースに最適な選択肢はどういったものなのか、考える一助としていただければ嬉しいです。
5年後に借り換えました
最初にローンを組んだのは、勤め先の会社のメインバンクでした。給料の振込先であるのはもちろん、カードの引き落としなどもその銀行にまとめていて、馴染みがあったからです。
住宅ローンを組んだ時は、どこの金融機関もさほど違いはないように思っていたのです。
しかし周りの話を聞いているうちに、もっと条件のいい住宅ローンがあることを知りました。当初借り入れた住宅ローンは、金利タイプは長期固定金利、返済方式は元利均等返済でした。
当時も金利は低くく、固定金利でも問題ないと思っていたのですが、友人達の見立ててでは、まだ下がる可能性があるとのこと。別の金融機関にも相談してみましたが、変動金利にした方が得だと、友人のアドバイスと同じことを言われました。
自分でも勉強してみた結果、変動金利の住宅ローンに借り換えて繰り上げ返済した方が、返済額が抑えられそうという結論に。
異次元緩和などもあって、借り換えたことで結果的にかなり得ができたと思っています。
ちょっと手間が掛かりましたがやって正解でした
返済残高を3000万円残して借り換えを行いました。結果、月々の返済負担が約10%減り、やってよかったと考えています。
ただ、もしこれから住宅ローンの借り換えを考えているなら、おそらく想像より手間が掛かる、というのを覚悟しておいてください。
少なくとも自分は結構大変でした。まず借り換えのプランを検討するのにも勉強が必要でしたし、借り換えのための書類を用意するのも、働いている身では難儀でした。
また、借り換えたいプランを見つけても、その審査に自分が通るとは限りません。時間も手間も掛かります。
返済負担が軽くなりましたし、返済総額の見込みも当初より低くなったので間違いなくやってよかったのですが、もう1度やれと言われたらちょっと辛いかもしれません。
月々の負担が2万円減りました
最初はろうきんで住宅ローンを組んでいたのですが、返済を始めた後になって様々な情報が入ってきて、一般の銀行の方が返済負担が小さいということを知りました。
住宅ローンに付帯している保険も充実している、ということが決め手となり、借り換えを決意。
当時は家計が本当に厳しくて、月々の負担を数千円でも減らせたらと藁にもすがる思いでしたね。
金利はこれ以上下がらない、と言われていましたが、子供の教育費を捻出するために、固定金利から変動金利へ切り替えることにしました。
おかげで月々2万円の節約に成功。家計の危機はまだ続いていますが、最悪の状態は脱せたと思います。
借り換えをして痛感したのは、住宅ローンは長い目で見るだけでなく、その時々で返済に負担がないかを考えるべきだということです。
私の場合、子供が増えた場合の出費を甘く見ていたことで、住宅ローンを見直さざるを得なくなりました。結果的に借り換えをして事なきを得ましたが、最初からもっと慎重に検討しておけばよかったと少し後悔しています。
2年と待たずに変動金利から固定金利に借り換え
今でこそ金利がいつ上がるか、ということばかり注目されていますが、私が住宅ローンを組んだ当初はまだ金利が下がる余地がありました。
そのため、どう転んでもなるべく得できるよう、まずは変動金利のプランを選んで、上がる兆しが見えたら固定金利のプランに乗り換えることに。
そこから2年足らずでアベノミクスが始まり、ちょっと時期尚早かとも思いましたが固定金利のプランに借り換えを行いました。
選んだのは、ろうきんの固定金利です。最初はネットバンク系のフラット35を候補に考えたのですが、審査の厳しさや、手数料等を総合的に検討してみて、一番コストパフォーマンスが高そうなのがろうきんの固定金利だったからです。
借り換えてみた感想ですが、固定金利の安心感は魅力だと思います。変動金利だった時は、金利はいつ上がるだろうという、不安が常に頭の片隅にありました。
固定金利に切り替えた今は、そうした不安がありません。10年固定金利で様子を見てもよかったかも、とも思いますが、金利が下がる可能性はほとんどなさそうですし、個人的には、ベストではなくとも、割とベターなタイミングで切り替えができたのではないかと思います。
変則的に金利を下げることに成功
住宅ローンの借り換えに成功した訳ではないのですが、結果的に年間の返済負担を10万円近く減らすことができました。
何をしたかというと、借り入れている金融機関との金利交渉です。
私は変動金利の住宅ローンを組んでいて、借り換えを検討した当時は、返済開始から10年が経過していました。借り換えを検討した理由は、借り入れ時より金利が下がっているにも関わらず、私の返済負担が変わらなかったからです。
その時まで知らなかったのですが、金融機関が金利を下げる場合、基準金利を下げるのではなく、優遇金利を下げることで数字を小さくします。
基準金利が定価、優遇金利が期間限定の割引、というイメージです。
定価が変わらない訳ですから、いくら見かけの金利が下がっても、既存の契約者はその恩恵を受けられない訳です。
そこで借り換えを決意して話を詰めていった訳ですが、融資残高証明書をもらう段になって、借り入れている金融機関が金利の引き下げを申し出てくれました。
シミュレーションの結果、満足のいく金額に落ち着いたこともあって、借り換えはせずにそのまま返済を続けていくことになった訳です。
住宅ローンの借り換えに失敗した人の体験談
続いて、残念ながら借り換えに失敗してしまった人の体験談を紹介します。
借り換え時にガン特約がなくなってしまって…
借り換えで失敗しました。
元々は保険の手厚い、民間の金融機関が用意する住宅ローンに入っていたのですが、健康だし、少しでも返済負担が軽くなるならと、最低限の保険(死亡保障と高度障害保障)しかないプランに乗り換えたのです。
しかし借り換えてから数年後、ガンの宣告を受けてしまいました。
最初のプランにはガン特約が付いていたため、それまで支払っていたお金が無駄になってしまった格好です。
残債が少なかったことが不幸中の幸いですが、もう少し慎重に検討すればよかったと後悔しています。
予想以上に手間が掛かります
借り換えの手続きはすぐに終わると思っていたのですが、全然そんなことはありませんでした。一番最初に住宅ローンの申請をした時とほぼ変わりません。
なぜか簡単な書類を書くだけでOK、と思い込んでいたので、やるべきことのあまりの煩雑さにちょっと後悔しましたね。
もちろん、将来的に得ができる、というのはわかっているのですが、空き時間をやりくりして書類を揃えたり、銀行員と何度も面談したりしていると、心が荒んでいくわけです。
がっつり引き止められました
他行への借り換えについて、借り入れている金融機関に相談に行きました。
客観的な意見が聞きたかったのですが、期待に反してしつこい引き止めにあってしまいグッタリ。
金利を引き下げてくれるとも言われましたが、借り換えに掛かる諸費用を考えても、残っているローンを考えたら、私たちが検討しているプランの方がお得でした。
もちろん金融機関によるのかもしれませんが、借り入れ先に借り換えを相談したのは失敗だったと思います。
借り換えではなく、金利を下げてもらえないか、という切り口で相談すべきでした。
不要な保険をつけてしまい後悔
保険の考え方は人それぞれかと思いますが、自分の場合はせっかく借り換えをしたのに、不要な保険をつけてしまったと後悔しています。
というのも、住宅ローンの保険は基本的に残債に対してのものだからです。
つまり病気になりにくい若い頃に適用されればかなりお得ですが、年を取って疾病のリスクが上がった時には、残債が小さい分、手厚い保障とは言えなくなってしまっています。
私はこのことに気づかず、せっかく借り換えをしたのに特約付きの団信がついたプランを選んでいました。
借り換えをする年齢や健康状態にもよるかと思いますが、団信を最小限にして投資性のある保険商材を選んだ方が得だったのではないかと考えてしまいます。
キャッシングローンのせいで借り換え審査に落ちた
1度審査に通っていたため、借り換え審査も問題なく通るだろうと高をくくっていました。
しかし、仮審査の段階で複数の銀行から落とされてしまい、これはおかしいと調査を開始。
キャッシングローンの返済を忘れていたことがあったのですが、どうやらこれが原因のようでした。
自分が調べた範囲では、最大で5〜10年は記録が残ってしまうようです。
軽い気持ちで放置してしまった延滞のせいで、借り換えで節約できたはずの金額をふいにしてしまったかと思うと、悔しくて眠れません。
借り換えに失敗しないために知っておきたいこと
住宅ローンを借り換えると得をする、という印象がありますが、実際に得をするかどうかはケースバイケースです。
失敗を避けるために知っておきたいポイントを以下に解説します。
変動金利と固定金利の違い
国土交通省が発表している統計によると、少なくともここ5年は、変動金利タイプ(固定金利期間選択型含む)を選ぶ人と全期間固定金利を選ぶ人の割合はおおよそ8対1となっています。
金利を見れば変動金利の方が明らかに低い訳ですから、多数の人が変動金利を選ぶというのも頷けることでしょう。 しかし、実際に返済を始めてみると、変動金利のデメリットも浮き彫りになってきます。
例えば以下のようなことです。
返済額が確定しないため、ライフプランが立てづらい。 当初期間が終わってから、金利の負担に苦しめられている。
一方、固定金利の場合、借り入れたタイミングで返済額が確定してしまうため、変動金利につきまとうデメリットからは解放されます。
前述の通り、固定金利にも、金利が割高という難点があります。
どちらを選ぶべきか
固定金利と変動金利、どちらが得か、というのは、明確な答えの出ない問いとも言えるでしょう。
ただ、実際に返済を経験していれば、自身のニーズに合った金利タイプがどちらなのか、何も知識がなかった時よりも柔軟な選択ができるはず。
たとえ最終的に得をできるとしても、返済のストレスを感じながら人生の3分の1以上を過ごしていくのは歓迎できませんよね。
大切なのは、日頃の生活に負担を感じない返済ができるかどうかです。
借り換えの際は、それまでの返済生活を思い返し、最初に選んだ金利タイプが自身のライフスタイルに合っているかどうかをしっかり検討されることをおすすめします。
損をする可能性について
住宅ローンをかりかえる時に注意したいのが、借り換えには諸費用が発生するということです。
たとえば、以下のようなもの。
- 印紙税…2万円(5000万以下の場合)
- 保証料…数万〜数十万(借入額や返済期間によって異なる)
- 事務手数料…2.16%(金融機関によって異なる)
- 抵当権抹消費用…1〜2万円(依頼する司法書士によって異なる)
- 抵当権設定費用…借入額の0.4%+10万円前後(依頼する司法書士によって異なる)
具体的な費用は借り換えを検討する金融機関やプランによっても違ってきますから、実際に話が動き出すまでに掛かる費用を確認し、準備しておく必要があります。
もし余裕がないときは、保証料や手数料の安いプランを選んだり、諸費用分も含めて借り換えをする、という選択肢も考えられます。
不安があるようなら、1度金融機関に相談してみるのも良いでしょう。
どのタイミングで検討すべきか
住宅ローンを借り換えるタイミングに厳密なルールはありませんが、一般的には以下のようなケースで、借り換えを検討する人が多いでしょう。
- 借入当初より金利が下がっていて、相対的に損をしている。
- 転職などにより給与が減り、返済が厳しくなる見込みがある。
- 変動金利タイプの住宅ローンを組んでいて、今後金利が上がる可能性が高い。
- 現在は健康だが、万が一に備えて保険を強化したい。
ちなみに、借り換え可能なタイミングですが、1回でも返済していれば、債務者の任意に手続きを進めることができます。
もちろん借り換え先の審査に通る条件が揃っていなければなりませんが、基本的には好きなタイミングで借り換えができる、ということは知っておくと良いでしょう。
プランの選び方について
借り換えプランを選ぶときは、まず金利タイプをチェックするのがセオリー。
返済総額を確実に抑えたい場合は、現在と同じ金利タイプで、なおかつ利率の低いプランを探しましょう。変動金利タイプの場合は、優遇金利が現在のものより大きいものに絞って考えるのがベターです。
また、とにかく現在の支払い総額を抑えたい場合は、固定期間選択型タイプを選ぶのがおすすめ。基本的に固定期間の短いものほど、金利が低くなる傾向にあります。
また、将来的な金利上昇に備えたい、返済額を確定したい、という場合は、全期間固定タイプの金利を選ぶと良いでしょう。
このように、自身のニーズに合わせて、金利タイプから絞り込んでいくのか、住宅ローンを選ぶ際の基本的な流れです。
審査の注意点
借り換えを行う場合に注意したいのが、新規で借り入れる時とは条件が違っているということです。
まず物件の担保価値は確実に下がっていますし、ライフスタイルによっては住宅ローン以外の借り入れも増えていることでしょう。
1度目よりも厳しい目で審査されることは覚悟しておく必要があります。
もし仮審査になかなか通らないようなら、不利な条件(例えばカーローンや教育ローンの返済が残っている)がないかを洗い出し、住宅ローンよりもまずはそちらの整理を優先されることをおすすめします。
もし、住宅ローンの金利よりも高い金利の借り入れがあるなら、そちらを早めに完済した方が返済効率が高まる可能性が高いからです。
番外・借り換えなくても返済額を小さくできる?
住宅ローンの借り換えをする大きなメリットは、返済額を小さくできる点にあります。
しかし、必ずしも借り換えをしなくても、同じ結果を得られる可能性も。
それは、現在借り入れている金融機関と交渉することです。
もちろん必ず成果が上がるものではありませんが、現在の標準的なプランに比べて明らかに不利な条件の借り入れを行なっているなら、返済額を抑えられる可能性は十分にあります。
借り換えには少なくない手間が掛かりますから、自身がストレスに感じなければ、まずは金融機関との交渉に臨んでみるのも手でしょう。
まとめ
記事の内容まとめ
- 借り換えに成功したと感じている人は、「月々の負担を減らせた」「返済総額を減らせた」「金利変動の不安がなくなった」という3パターンに分類できる。
- 借り換えに失敗したと感じている人は、借り換えそのものというより、その過程でつまずいてしまったパターンが多い。
- 借り換えの手続きを進める前に、借り入れ中の金融機関に金利引き下げの相談に行くと、対応してもらえる可能性がある。
- ただし借り換えを借り入れ中の金融機関に相談するかどうかは、慎重に検討する必要がある。
- 借り換えプランを選ぶときは、これまでの返済経験を踏まえ、自身が無理なく返済していけることを前提に選ぶ(金利だけで選ばない)。
住宅ローンの借り換えは、その後の生活の質を左右しかねない重大な選択です。体験者の声は非常に参考になりますが、それ以外の客観的な情報も収集し、自身のニーズにあった損のない選択肢を選ばれてみてください。
このサイトでは、このページの他にも借り換えに関する基本知識などを解説しています。もし興味があれば、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
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