【2023年最新版】実用的なビルトインガレージ5選!法規制など徹底解説

【2023年最新版】実用的なビルトインガレージ5選!法規制など徹底解説

車にこだわりがある人がおすすめしているビルトインガレージとは、どのようなものなのでしょうか?

自宅を建築するときに、駐車スペースが確保できなくて悩んでいるという方も多いと思います。このような場合の1つの解決法として、ビルトインガレージを導入するという方法があります。

この記事では実際の導入事例も見ながら、メリット・デメリットなど多角的に考察していきます。ぜひあなたの住宅選びにお役立てください。

また、以下の記事でもビルトインガレージについて詳しく解説しています。

ビルトインガレージとは?

ビルトインガレージとは?

インナーガレージとも呼ばれるビルトインガレージは、建物の1階部分にあるガレージのことです。「ビルトインガレージに興味があるけれど、実際の使用感はどうなのだろう?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。決して安くはない費用がかかるビルトインガレージだからこそ、しっかりとメリットとデメリットを理解したうえで導入を検討したいですよね。

ここでは「そもそもビルトインガレージとはどういうものなのか?」「ビルトインガレージを導入する理由には、どのようなものがあるのか?」など、導入時の法規制も含めて解説していきます。

ビルトインガレージの特徴

主な移動手段が車という場合には、家を建築する時に駐車場をどうするかは大きな悩みのタネになりますよね。

住宅の駐車場は、主に以下の3種類に分類されます。

  • 駐車場…単純な駐車スペース
  • カーポート…屋根と柱だけの駐車スペース
  • ガレージ…壁と屋根で3方向が囲まれた駐車スペース。シャッター付きで4方向が囲まれているものもガレージに含む。

ビルトインガレージはその名前のとおり建物の中に駐車スペースを作るため、3方向(シャッター付きなら4方向)が囲まれた「ガレージ」に分類されます。

駐車スペースを建物の内部に確保したビルトインガレージは、車を停めることができる1階部分の大きな開口部が特徴です。2台、3台と車を停める場合には開口部を広げる必要があるので居住スペースを2階や3階に上げる必要がありますが、自宅と駐車スペースが直結しているという利便性の高さは見逃せないでしょう。

一般的にビルトインガレージは自動車やオートバイの車庫として使われますが、倉庫として活用されるケースもあります。このような用途の広さもビルトインガレージの特徴です。

ビルトインガレージにする理由

ビルトインガレージの導入理由は、各家庭や地域によって変わる傾向にあります。ビルトインガレージは建設コストもかかりますが、都市部などでは、高額な駐車場代を毎月払い続けるコストと天秤にかけて、導入に踏み切るケースもあるでしょう。

あまりにも駐車場代が高額な場合には、長い目で見るとビルトインガレージを導入する方が経済的といえます。また、盗難やいたずらから車を守ることができるので、高級車を所有している家庭などでも、導入する価値はあるでしょう。大切な車を自宅でも眺めていたいという車好きな方にも人気です。

ビルトインガレージのメリット

ビルトインガレージには、どのようなメリットがあるのでしょうか。さまざまな視点から考察してみましょう。

実用性が高い

ビルトインガレージ最大のメリットは、ガレージが建物内部にあるので車が雨や風にさらされないという点です。

荷持の持ち運びや移動の負担が軽減できる

外出時には自宅からすぐに乗車できるので歩く距離が少なく、移動時の負担軽減にもなります。高齢者や子どもがいる家庭の場合、自宅内からそのまま外出できるというメリットは大きいでしょう。車を降りた時点で、すでに建物の内部なので、雨天時の買い物など、荷物が多いときにも便利です。

居住スペースからガレージの中へ直接出入りできるように設計すれば、移動がより容易になるので、車からの荷物の出し入れも楽になります。このように、設計の段階で日常生活における動線を意識すれば、メリットはより大きくなるでしょう。

セキュリティの強化にもつながる

庭などに設置するカーポートと比べれば、セキュリティ面も強固です。シャッターを閉めて鍵をかければ、夜間でも盗難やいたずらに遭う心配がありません。カーポートと違い全体が壁で囲まれているので、横殴りの風雨からも車を守ることができます。

敷地を有効活用できるのも、ビルトインガレージのメリットです。特に都市部では、限られた敷地のなかで駐車スペースと居住スペースを確保する必要があるので、ビルトインガレージの導入で、居住スペースを確保しながら駐車スペースの屋内設置が可能になります。

駐車場代も節約できる

近隣の駐車場代が高額な場合には、多少建設コストがかかったとしても、長い目で見れば経済的に有利となるケースもあります。ただし、地域によって駐車場代やビルトインガレージの建築費は異なるので、導入をする前に、よく検討する必要があるでしょう。

趣味としても楽しめる

趣味としても楽しめる

自宅の中で好きな時に好きなだけ車を眺めていられるというのは、車好きの方にとっては大きなメリットでしょう。自分で車をいじるという方は、整備の道具をガレージの中に置いておくこともできます。ガレージ内の棚や照明などのレイアウトにこだわれば、さらに奥の深い趣味部屋としての活用も可能です。

広い土地でビルトインガレージを導入する場合、ガレージと並ぶようにリビングを設置すれば、ガレージに停まっている車をインテリアとして眺めることもできます。土地のスペースがあまりない場合でも、ガレージ内に椅子や机を設けて読書をしたり、お酒を楽しんだりしながら車やバイクを眺めるという優雅な時間を過ごせるでしょう。

なお、趣味でビルトインガレージを活用する場合には、ガレージ内へのエアコン設置をおすすめします。夏の暑い日や冬の寒さの中でも、快適に車やバイクと過ごす時間を楽しむことができます。ただし、ビルトインガレージは断熱性に優れた「部屋」ではないため、冷暖房の効率は良くありません。電気代を考慮したうえで、エアコンの設置を検討する必要はあるでしょう。

税金が安くなる

ビルトインガレージは、居住スペースよりも固定資産税の評価額が低くなります。これは、ビルトインガレージの面積が、住宅延べ床面積の5分の1までなら住宅の床面積に含まれないと建築基準法で定められているからです。

例えば、同じ3階建ての住宅があった場合、ビルトインガレージのない住宅よりも、ビルトインガレージ付きの住宅の方が固定資産税は安くなります。

自治体によって固定資産税の金額は異なるので、事前の確認は必須です。また、ビルトインガレージの出入り口に電動シャッターを導入するなどした場合には、「豪華な設備」とみなされて固定資産税の課税対象となることもあるので注意してください。

ビルトインガレージの情報収集が一段落着いたら、次は注文住宅の検討を始めましょう。
持ち家計画の資料請求なら、住んでいる地域で自分のわがままな夢をかなえてくれるハウスメーカーを検索でき、一括で資料請求まで行うことができます。
一生に一度となる大きな買い物、妥協せずにたくさんの会社を検討するようにしましょう。

ビルトインガレージのデメリット

いいことばかりに見えるビルトインガレージですが、いくつかのデメリットも存在します。デメリットを正しく理解して、ビルトインガレージを導入すべきかどうかを判断をしていきましょう。

耐久性が下がる

開口部の広さがビルトインガレージの特徴ですが、これが原因で建物を支える部分が少なくなり、強度不足に陥る可能性があります。木造のビルトインガレージ付き住宅は極めて難しいでしょう。軽量鉄骨は間取りの自由度は多少上がりますが、強度面での不安は残ります。耐久性を考慮すれば、ビルトインガレージ付き住宅の建築では、重量鉄骨やRC(鉄筋コンクリート造り)の選択が無難です。

ただし、耐久性が上がるほど、建築コストも高くなるというデメリットはあります。特にRCは基礎工事に時間と手間がかかるため工期が長くなり、費用も高くなりがちです。ビルトインガレージ導入の予算を考えるときには、建物の耐久性による建築費の違いも確認しておく必要があるでしょう。

間取りの自由度が低くなる

敷地の広さにもよりますが、ビルトインガレージを1階に作った場合、通常は1階にあるリビングやバスルームなどのスペースが確保できなくなる可能性があります。キッチンも含めた水回りを2階に設置する必要性に迫られることもあるでしょう。玄関や階段などの場所も、ガレージの位置を決めた時点で、ほぼ自動的に決まってしまうため、間取りの自由度はかなり低くなります。

居住空間が削られる

ビルトインガレージを設置するには、最低でも奥行き5.5m、間口3.5m程度のスペースが必要となります。これらは容積率や建ぺい率に算入されるので、住居空間がその分削られてしまいます。階層を重ねていけば多少改善できますが、階段の上り下りや、建物の全体的バランスに支障が出る可能性は否定できません。

将来の乗り換えを考慮した十分な駐車スペースが必要

ガレージのスペースも、しっかりと検討する必要があります。1台分のスペースしかなければ、車の台数を増やす工事はほとんど不可能です。また、軽自動車に合わせてガレージを作った場合に、大きな車へ乗り換えできないというデメリットもあります。

ショッピングモールなどの商業施設に併設されている駐車場は、幅2.5m、奥行き5.5mほどが普通です。この寸法で壁に囲まれたビルトインガレージを作ると、狭くてほとんど使うことはできません。

また、平均的な日本車の全幅は1.48mから1.87mほどです。余裕をもってドアの開閉をするなら、幅3.5m、奥行き6mは必要になるでしょう。2台所有の場合は、最低で6.0×6.0=36平方メートルは必要となるでしょう。坪数なら約10坪程度となります。サイズが大きい輸入車は、さらに広いスペースが必要です。

このように、ビルトインガレージ導入では、所有している車や、将来乗り換えたい車のサイズも考慮した設計が重要になってきます。ドアを開けるのにも苦労するような狭さでは、せっかくビルトインガレージを導入しても、出かけるのが億劫になってしまうかもしれません。

ガレージ内への駐車が難しい

このほか、ビルトインガレージは3方向、あるいは4方向が壁に囲まれているので、駐車が難しいというデメリットもあります。場合によっては、建物と車の両方を傷つけてしまうこともあるでしょう。

運転に自信がない方は、ビルトインガレージの導入をよく検討する必要があります。広いスペースを確保できるのであれば特に問題はありませんが、ギリギリのスペースしか確保できないという場合は、小さい車に乗り換えるというのもひとつの手です。

ビルトインガレージの構造上、後からガレージ内の拡張をするのは、ほとんど不可能です。自由度が低い中で、将来の車の増台や生活環境の変化、家族が増えたときの対応など、長いスパンでの利便性を考慮した設計をする必要があります。車を趣味として楽しむために導入したビルトインガレージが、意志に反して活用できなくなってしまわないようにしましょう。

延べ床面積によっては税金が割高に

住宅延べ床面積の5分の1までであれば固定資産税の緩和措置がありますが、5分の1を超えた部分には緩和措置が適用されずに延べ床面積に算入されます。これを避けるために、なんとか5分の1以内に収めようと帳尻を合わせて建築するケースも散見されますが、その結果としてさらに自由度が下がるというデメリットがあります。

固定資産税対策ばかりを考えていると、希望通りの広いビルトインガレージを作るのが難しくなってしまうので、時には、ある程度の割り切りも必要です。

音や振動の問題

ビルトインガレージは建物の内部にあるので、エンジンも建物内部でかけることになります。そのため、普通のガレージ以上に、音や振動の対策をする必要が出てきます。車種や装備しているマフラーにもよりますが、屋内では想像以上に大きな音が響きます。

ビルトインガレージ内で電動工具などを使った作業をする場合も、振動対策が必要になるでしょう。「ガレージの真上がリビング」というような設計なら、特に防音には気を配らなければいけません。

換気にも要注意

完全な屋内空間となるビルトインガレージでは、換気も考慮しなくてはいけません。車の排気ガスなどがビルトインガレージ内に溜まってしまうと健康上の害が生じます。また、空気の流れをしっかり考えた設計をしなければ、居住スペースに排気ガスが流れ込む可能性もあります。これを避けるためには、ガレージ内に空気の逃げ道を作る必要があります。可能であれば、ビルトインガレージ内に換気扇を設置しましょう。

そもそも、ガレージ内でのエンジン稼働は、それだけでも危険です。塗装などを擦る場合には、揮発性ガスによる悪影響も考えられます。換気効果を高めるためには、シャッターとは反対側の壁に換気扇を設置してください。シャッター付近での設置では、外部からの湿気などを吸い込んでしまうため、十分な換気効果が発揮できません。

趣味に利用するときだけではなく、日常生活においても排ガス対策をして、健康面も考慮したカーライフを楽しむようにしてください。

ビルトインガレージに設置したいもの

ビルトインガレージに設置したいもの

単に車を停めるだけではなく、趣味に活用できるのが、ビルトインガレージの大きな楽しみです。ここでは、ビルトインガレージを満喫するためにおすすめしたい、便利な設備を紹介します。

庫内照明

ビルトインガレージは屋内にあるので、シャッターを閉めればガレージ内が暗くなってしまいます。

車の乗り降りや、車の整備、カスタマイズなどをするときに庫内照明があれば、シャッターを閉めた後でも部屋の中にいるときと同じように作業をすることができます。できれば設計の段階で、照明器具を設置するためのコンセントをビルトインガレージ内の各所に設置するようにしましょう。

センサー付きのライトを導入するケースも多いですが、ガレージ内で趣味として車をいじる機会が多い場合は、センサー付きとは別に、スイッチひとつでオンオフの切り替えができる庫内照明を付けた方が利便性は高くなります。センサー式のライトは基本的に光量が少なく点灯時間が短いため、趣味のサポートとして使用するには物足りなさを感じるでしょう。

収納スペース

ガレージとしてだけではなく、「趣味の部屋」を意識した収納スペースを考えてみましょう。工具やカスタマイズ用品などを乱雑に床へ置くよりも、壁などにきちんとレイアウトして飾れば趣味部屋としての見栄えも良くなります。

サーフボードやスキー、ゴルフバッグなどを整理して収納できる棚の設置や、壁に釘を打って自転車をかけたり、交換用タイヤの保管場所を設けたりすれば、実用的でありながらスタイリッシュな印象になります。

ビルトインガレージのドアの種類

ビルトインガレージ導入の最大の目的は、車を安全に保管することです。シャッターの設置は盗難などの被害から車を守るためにも重要ですが、横殴りの雨や風からも車を守ってくれます。

ビルトインガレージにつけるシャッターにはいくつかの種類があり、化粧枠(シャッターの外枠)から選択することができます。ナチュラルシルバーやブラックなど、枠の色が異なるだけでも印象が大きく変わるので、慎重に選びたいところです。

開閉方式は手動式と電動式の選択ができるシャッターもあるので、枠やシャッターのタイプの組み合わせによっては、選択肢は多彩です。

ここでは、それぞれのシャッターの特徴を見ていきます。

巻き上げ式シャッター

巻き上げ式シャッター

チェーンを使ってシャッターを巻きあげていくタイプです。一般的なチェーンを使って巻き上げていくためにシャッターの開閉時にはかなりの音が出ますが、重さのあるシャッターでも容易に持ち上げることができます。 この方式は巻き取ったシャッターが上部のボックス内に格納されるので、設置場所を選びません。格納するボックスを外につければ、ガレージ内はさらにすっきりとします。 巻き上げ式の欠点は音の大きさと、開閉するスピードの遅さです。深夜や早朝の出入りが多い場合や、住宅街が密集しているエリアでの導入は、あまりおすすめできません。

引用:三和シヤッター工業株式会社「サンオートAD」より

オーバースライダー式

オーバースライダー式

巻き上げ式とは全く異なるタイプのシャッターです。天井に設置されたレールに沿う形でスライドしながらシャッターが収まっていきます。パワーがあるため重たいシャッターでも問題なく開閉できるうえに、音も静かです。 ただし、レールに沿う形となるため、どうしても下り壁(さがりかべ)が必要になってしまいます。ある程度の天井の高さは確保する必要があるでしょう。また、雨が降った後に濡れているドアを開けると、溜まっていた雨水が落ちてくるというデメリットがあります。 オーバースライダー式の場合、車1台分なら問題はないですが、2台分のシャッターを導入する場合には、ガレージの開口部側が耐えられなくなる可能性があります。従って、オーバースライダー式の導入では、シャッターよりも開口部の強度が重要になります。なお、車2台分の広いビルトインガレージに導入する場合には、建具にするという手もあります。

引用:文化シヤッターテクノ株式会社「オーバースライディングドア」より

ベルト式シャッター

チェーンの代わりに、ベルトで巻き上げるタイプのシャッターです。開閉時の音は静かですが、パワーが弱いので重いシャッターには不向きとなります。

ビルトインガレージの情報収集が一段落着いたら、次は注文住宅の検討を始めましょう。
持ち家計画の資料請求なら、住んでいる地域で自分のわがままな夢をかなえてくれるハウスメーカーを検索でき、一括で資料請求まで行うことができます。
一生に一度となる大きな買い物、妥協せずにたくさんの会社を検討するようにしましょう。

ビルトインガレージと法規制

ビルトインガレージを含む建物を建てるうえでは、「建ぺい率」と「容積率」についての理解は欠かせません。ここでは、それぞれの解釈について説明していきます。

建ぺい率と容積率

建ぺい率

「敷地面積に対する建築面積の割合」を建ぺい率と呼びます。建築面積は建坪とも呼ばれますが、これは、真上から建物を見た場合の水平投影面積が使われます。つまり、一般的な「1階が広くて2階が小さな2階建ての建物」の場合、広い1階の面積が建築面積になります。

この「建ぺい率」は地域によって定められています。例えば、敷地面積100平方メートル、建ぺい率60%の地域なら、建築面積60平方メートルまでの建物を建てることができます。

容積率

容積率とは「敷地に対する建物の延べ床面積の割合」のことです。計算式は下記となっています。

「容積率=延べ面積/敷地面積」

この容積率も、建ぺい率と同様に、地域によって定められています。例えば、容積率100%と指定されている100平方メートルの土地に、1階が60平方メートル、2階が40平方メートルの建物を建てようとした場合、延べ床面積は100平方メートルとなるので、問題なく建築することができます。容積率が100%を超えてしまう延べ床面積の建物を建てれば、違反建築物になってしまいます。

また、建ぺい率と容積率では、「車庫の面積も算入される」という点に注意する必要があります。これは、ビルトインガレージでもカーポートでも同じです。駐車スペースしかない場合には「建物」がないため、建ぺい率、容積率ともに関係がありません。

建ぺい率と容積率の上限は地域によって細かく決められているので、組み合わせによって、建てられる建物が変わってきます。

高級住宅地などでは「建ぺい率30%、容積率60%」とされているのが普通です。この規制値では、よほど広い土地でない限り3階建ての住宅建築は難しいでしょう。なお、マンションなどが立ち並ぶ商業エリアでは、「建ぺい率80%容積率800%」といったケースも見られます。

容積率の緩和

車庫を作る場合に、建ぺい率と容積率の緩和が適用されることがあります。緩和措置の条件は下記となっています。ただし、自治体によっては異なる場合があるので、事前確認は必須です。

建ぺい率の緩和条件

以下の条件を満たした場合、車庫の柱から1メートルまでは建築面積に算入しません。

  • 外壁のない部分が4メートル以上連続している
  • 柱の間隔が2メートル以上
  • 天井の高さが2.1メートル以上
  • 地階を除く階数が1である

容積率の緩和条件

延べ床面積の5分の1を限度として、延べ面積に算入されません。

ビルトインガレージなどの車庫の面積は、延べ床面積の5分の1を上限に延べ床面積から除外して計算します。

例えば、「敷地面積が300平方メートル、全体の延べ床面積が200平方メートルで、そのうちガレージの床面積が30平方メートル」の場合、200平方メートルの5分の1が40平方メートルとなるため、ガレージの床面積30平方メートルはすべて除外して計算できます。

この場合の容積率は「(200-30)÷300×100=56.66%」です。

「敷地面積が300平方メートル、全体の延べ床面積が200平方メートルで、そのうちガレージの床面積が50平方メートル」の場合、200平方メートルの5分の1は40平方メートルなので、ガレージの床面積から40平方メートルを除外して計算します。

従って「(200-40)÷300×100=53.33%」が容積率です。

なお、緩和措置が適用されるのは容積率だけなので注意が必要です。建ぺい率にはビルトインガレージの面積も算入されます。

このように、ビルトインガレージ付き住宅の建築では、建ぺい率や容積率など複雑な問題が絡むため「ガレージの設置は建物ができた後で考える」という方法は、あまりおすすめできません。なによりも、ビルトインガレージは建物と同時に設計、施工した方が全体的な統一感を出せるはずです。

内外装の規制

車庫を作る場合には、内装や改装に使う材料に関しても制限があります。ビルトインガレージやカーポートを問わず、内装に使う材料は必ず防火材料でなければいけません。

木造住宅の場合には、ビルトインガレージの内装にも木を使用して統一感を出したいところですが、木を使っていいのは、天井と壁の面積10分の1以内と定められています。少しでも木を見せてビルトインガレージを演出したいという場合は、建築前に設計士と相談をするようにしましょう。

また、防火地域と準防火地域、22条区域(建築基準法22条指定区域)では外装も制限されています。この防火地域と準防火地域は、火災が発生したときの延焼をできるだけ防ぐため「外壁などに防火性能を備える必要がある」と定められています。建築物であるビルトインガレージを作る場合も規則に従わなければいけません。なお、防火地域や準防火地域のエリアは、都市計画法によって定められています。

防火地域と準防火地域ではない場所でも、延焼を防ぐため屋根に不燃材料を使うことを想定したエリアが「22条区域」です。これは建築基準法で定められており、範囲は自治体が決定します。

いずれにしても、これらに該当する地域では、ビルトインガレージの外壁や屋根に使用する材料に注意する必要があります。自治体によって規則が異なる場合もあるので、建築前に必ず設計士に相談しましょう。

ビルトインガレージの施工イメージ

お気に入りの車とともに過ごす時間を存分に満喫できる素敵な住宅を紹介します。

それぞれの住宅が個性的でスタイリッシュでありながら、機能性にも優れています。ビルトインガレージが自然に建物の中に溶け込んでいるので、バランスの悪さを全く感じません。

実際の施行例を見ていくことで、ビルトインガレージ付き住宅のイメージが、より現実的になるのではないでしょうか。

インナーガレージ(ビルトインガレージ)のある家

インナーガレージ(ビルトインガレージ)のある家

おしゃれなビルトインガレージ付きの住宅です。リビングは2階にありますが、プライバシーを確保すると同時に、バルコニーから光や風を取り入れることで解放感を存分に満喫することができる作りになっています。バルコニーのサッシはフルオープンなので、多目的スペースとして使うことも可能です。

引用:HERBAR HOUSE「インナーガレージのある家」より

シンプルモダン・鉄骨階段とオープンキッチンの家

シンプルモダン・鉄骨階段とオープンキッチンの家

玄関ホールは吹き抜けで、デザイン窓とビルトインガレージの組み合わせが印象的です。玄関から入れば、和室が見える室内のガラスに鉄骨階段という洗練されたスタイルとなっています。オープンキッチンがリビングの中心部にあり、斬新な印象も与えます。また、存分に趣味の車を楽しむことができる広いガレージには、サンルームから直接移動することも可能で、動線に優れた間取りを実現しています。

引用:HERBAR HOUSE「シンプルモダン・鉄骨階段とオープンキッチンの家」より

スタイリッシュで温かみがある外観も魅力。外壁はホワイト1色ですが、やわらかな印象を与える木目と玄関の目隠しルーバーが特徴です。

吹抜け、鉄骨階段、インナーガレージのある家

吹抜け、鉄骨階段、インナーガレージのある家

大切な車をゆっくりと鑑賞することができるビルトインガレージ付き約40坪のお宅です。 外観は白1色、内装も1階と2階はともにホワイトの床を採用。さらに、扉もすべて白で統一されているため、清潔で明るい印象を与えます。また、吹き抜けのリビングには白の鉄骨階段が設置されています。 シーリングファンが天井に取り付けられているので冷暖房の効率もアップ。2階の廊下には鉄骨の手すりを採用して開放感を与えています。光が差し込むようにサンルームにはガラスの扉を採用、さらに、リビングには床暖房を採用するなど、快適な日常生活を送る設備も多彩です。

引用:HERBAR HOUSE「吹抜け、鉄骨階段、インナーガレージのある家」より

空間をつなぐ家

空間をつなぐ家

床暖房に加えて、24時間換気システムや太陽光発電など最新設備を多彩に採用。1階がビルトインガレージになっているので、LDKは2階になっています。 LDKの和室からバルコニーの床までウッドデッキが敷かれた開放感あるアウトドアリビングが特徴。リビング階段の小屋裏収納の天井に星が描かれたクロスを貼ることで、子どもの秘密基地として使うことができるようになっています。 さらに、家事室には、使い勝手の良いカウンターをつけるなど、機能性とデザイン性に優れた約45坪の住宅です。

引用:HERBAR HOUSE「エコロジア 「空間をつなぐ家」」より

大空間2階リビングの家

大空間2階リビングの家

シンプルモダンなビルトインガレージ付きの 44.5坪の住宅です。

木目調の玄関のドアと、白1色の外観が清潔感を与えます。水回りとLDKは2階に設置。プライバシーを確保しながら、明るくゆったり過ごすことができます。

LDKには開放感を与えるためオープンタイプのキッチンを採用。洗面脱衣室は広々としており、サンスペースも兼ねています。また、トイレや玄関などにはセンサーが反応する照明を導入しています。

引用:HERBAR HOUSE「大空間2階リビングの家」より

まとめ

実用性が高く、趣味を楽しむ場所としても活用できるビルトインガレージ。節税や法規制緩和措置などのメリットもありますが、作りにこだわればコストが割高になるという基本的な部分でのデメリットも忘れてはいけません。ビルトインガレージ付き住宅は、一般の住宅とは構造が異なるため、建築は実績のある工務店と設計士の選択も重要です。

ぜひ、改めて予算や家族の意見を踏まえたうえで慎重な検討をして、納得のいくビルトインガレージを手に入れてください。
以上、「【2023年最新版】実用的なビルトインガレージ5選!法規制など徹底解説」でした。

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