せっかく家を建てるのなら、後悔のないようにしたいもの。特に土地が狭い狭小住宅の場合、細部まできちんとイメージをしておかないと、実際住み始めてから後悔してしまうことも多いでしょう。
今回は、これから狭小住宅を建てようと思っている方や狭小住宅に興味を持っている方に向けて、具体的な失敗例をもとに気をつけたいポイントをまとめました。
そのほか広く見せるための方法や、狭小住宅の基本的な知識についても解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
この記事がおすすめできる人
- 狭小住宅で後悔しないためのポイントを知りたい人
- 狭小住宅を建てようと考えている人
- 狭小住宅に興味がある人
- 狭小住宅のメリット・デメリットが知りたい人
- 狭小住宅の間取りのコツが知りたい人
なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
後悔する前に知っておきたい!よくある狭小住宅の失敗とその対策
家を建てるということは、一生のうちにそう何度もない大きな出来事。「もっとこうすれば良かった」と後悔しないためには、実際に家を建てたことがある人の経験談から学ぶのがおすすめです。
狭小住宅でよくある失敗とその対策についてまとめました。
部屋が狭い
当たり前のことですが、土地の面積が狭い分、部屋は狭くなります。
家を建てた時には小さかった子どもが成長したり、子どもの人数が増えたりすると、その分家は狭く感じ、窮屈になってしまいます。
ただし、子どもを優先して子ども部屋を広くしたり、いくつも用意しておくと、その分夫婦の寝室やリビング、ダイニングなどの共有スペースが圧迫されることになります。
また、子どもが大きくなって家を出た後、夫婦2人で暮らしやすい間取りかどうかも考えておくとよいでしょう。
狭小住宅で間取りを決める際には、今現在だけでなく、10年後、15年後などまで見据えた間取りづくりをするのが大切。
限られた居住空間で、どうすれば長い間家族全員が快適に暮らすことができるかを考えるようにしましょう。
動線が悪い
狭小住宅では、空間が限られている分、動線をしっかり考えておかないといけません。部屋数や部屋の広さを確保することばかりを考えて動線をおろそかにしていたため、実際に暮らしてみたら生活がしづらいという失敗がよくあります。
家を建てた当初はどうにか我慢して生活することができていたとしても、年を重ねるとその我慢が大きな負担になってしまうこともあるため動線はとても重要です。
家の動線には、家事をするための家事動線・お客さんのための来客動線・家族が移動するための生活動線という3つの種類があります。
動線を考える時に大切なのは、実際の生活をしっかりイメージするということ。毎日の家族の動きを分析し、どうすれば快適に日常生活を送ることができるようになるかを考えてみましょう。
収納スペースが少ない
狭小住宅では、各部屋のスペースを確保するために収納が少なくなりがち。しかし収納が少ないとせっかく部屋を広くしても物が散乱してしまい、結局は使えるスペースが狭くなってしまいます。
また、小さなお子さんがいるご家庭では、大きくなるにつれて持ち物が増え、より広い収納スペースが必要になることも。将来のことを考えて収納はできる限りのスペースを確保しておくと良いですね。
狭小住宅では、デッドスペースをうまく活用するのがおすすめ。壁面収納や階段下収納、ロフトなど、間取りを考える際に収納として活用できる部分がないか細かくチェックしてみましょう。
空調効率が悪い
狭小住宅では、部屋を細かく仕切ってしまうと、どうしても一部屋一部屋のスペースが狭くなってしまいます。そのため、間仕切りをなくして部屋数を少なくすることを選択する方も多くいらっしゃいます。また、狭いスペースを少しでも開放的に見せるために、吹き抜けやリビング階段を設ける方も。
しかし間仕切りが少ない分、空調効率が悪くなり、快適な室温を保つことができなくなってしまう可能性があります。またそれに伴って電気代がかさむ心配もあるため注意が必要です。
部屋の広さも大切ですが、家族が日々快適に過ごすためには部屋の温度もとても重要。間取りやエアコンの設置位置によっても改善することができるため、設計の段階で業者に相談してみるのがおすすめです。
室内が暗い
狭小住宅の場合、限られた土地を目一杯活用して家を建てる方が多いでしょう。その分隣家との距離が近くなるため、採光を確保するのが難しくなってしまいます。
そのため、設計の際には、窓の大きさや高さ、設置する場所をしっかり考えておかなければいけません。
どうしても採光を確保できない場所がある場合は、寝室やトイレ・お風呂など過ごす時間が短い場所があたるように設計すると良いですね。
逆に、リビングやダイニングなどは優先的に光が入りやすい場所を選ぶのがおすすめです。
また、狭い部屋はそれだけで室内が暗く感じてしまうこともあります。照明の明るさや位置を工夫したり、明るい色の壁紙や家具を選んだりすると良いでしょう。
隣家の音が響く
隣家との距離が近いことによる失敗例は、採光の問題だけではありません。
時に重大なトラブルにもなってしまう音の問題。しっかりと防音対策をしておかなければ、隣家の音が響いてくるだけでなく、こちらの生活音や会話が漏れてしまって迷惑をかける事になる場合もあります。
もし隣に家がない場合でも、隣接している道路を通る車の音や人の話声などが響いてくることも。
快適な生活を確保するためには、依頼する住宅会社に相談をして防音対策をしっかりしておくと安心です。
考えておくべき狭小住宅の注意点
狭小住宅は、その性質上いくつか注意しなければいけないポイントがあります。これを知っておかないと、いざ住宅会社に依頼してからこんなはずじゃなかったと後悔する可能性もあります。
一生に一度の家づくりで妥協しないためにも、まずは狭小住宅ならではの注意点を頭に入れておきましょう。
駐車スペースを確保するのが難しい
特にお子さんがいるご家庭などでは、車や自転車などを交通手段として利用している方が多く、駐車スペースは必須と考えている方も多いでしょう。
しかし狭小住宅では、家の広さを優先するために、敷地内に駐車スペースを確保するのが難しくなってしまう場合があります。
住宅密集地ではなかなかちょうど良い場所に駐車場の空きがなかったり、賃料が高額だったりすることも少なくありません。
そのため、家の広さを確保することを優先して駐車場は別に借りるのか、家を多少狭くしても駐車スペースを敷地内に設けるのかを事前に考えておく必要があります。
3階建てになることが多い
小さな敷地でも必要な部屋数や広さを確保するために、3階建てとなるケースが多い狭小住宅。
階数を増やせばそのぶん室内を広く使うことができますが、階段の昇り降りをしなければいけないため、高齢の方には少し負担になってしまうかもしれません。
3階建ての間取りを考える際には、実際の生活をイメージして、どの部屋を3階に設けるべきかを考えましょう。高齢の方の寝室や来客のための応接室などは3階には適しません。
間取りに制約がある
狭小住宅では限られたスペースを上手に使って、部屋数や部屋の広さなどの要望を形にしなければいけないため、妥協しなければいけないポイントも出てきます。
また、快適な生活をするために重要な採光や風通しなどの問題をクリアするために、間取りだけでなく、窓やドアの位置などにも制限がある場合があります。
スムーズに進めるためには、家族でしっかり話し合って譲れないポイントを決めておくのがおすすめです。
家の形が制限される場合がある
土地は、都市計画法という法律によって用途地域が決められています。この法律によると、第一種低層住居専用地域に定められている土地では、建てられる住宅の高さに制限があります。
高さ制限のある土地に2階建以上の家を建てる場合には、各階の天井高を低くして設定された範囲内に建物全体の高さを収めなければいけません。
狭小住宅の場合、天井高が低くなることでより一層家の中が狭く感じてしまう心配があるでしょう。
また、近隣の採光や風通しを確保するために、天井部分の形を架空の斜線に沿って削らなければいけなくなることも。それによって外観や間取りに影響が出ることもあります。
狭小住宅でも空間を広く見せるための方法
スペースが限られている狭小住宅。少し工夫するだけで空間を広く見せることができます。
部屋ごとの仕切りを減らす
家族構成やライフスタイルによって必要な部屋数は変わると思いますが、できるだけ間仕切りを減らすことで、ひとつひとつの部屋を広くすることができます。
どうしても仕切りが欲しいのであれば、収納家具や光を取り込むことのできる刷りガラスなどの素材を使うと良いでしょう。
また、仕切りだけでなく廊下を作らない間取りにすれば、そのぶん各部屋を広くすることができます。
地下室をつくって部屋数を増やす
狭小住宅に部屋を増やすための方法として活用されている地下室。
振動や音が漏れにくいため趣味のためのスペースとして活用するのがおすすめ。また、室温や湿度のコントロールがしやすいため、食品庫として使うのにも最適です。
地下室のある住宅は地震や竜巻などの災害にも強いというメリットがあります。
スキップフロア(中二階)をつくる
スキップフロアはいわゆる中二階のこと。床の一部分に段差をつけることで、空間を広く見せることができます。
同じ階でありながら、別の部屋のように使用することができるため、狭小住宅などスペースが限られている場合に便利。
また、スキップフロアの階段部分を収納スペースとして活用することもできます。
吹き抜けや大きな窓で開放感をアップする
狭小住宅の場合、壁の圧迫感をなくすことで空間をより広く見せることができます。
閉塞感を感じる壁を日光がたくさん入る大きな窓に変えることで、そこから見える外の景色によって実際の空間よりも広々と感じることができるようになります。
また、開放感を感じる吹き抜けもおすすめ。吹き抜けがあることで家全体の風通しも良くなります。
知っておきたい狭小住宅の基礎知識
狭小住宅について、知っておきたい基本的な知識を解説します。
そもそも狭小住宅の定義とは
狭小住宅とは、その名前から分かる通り、狭小地に建てられる住宅のことです。明確な定義はありませんが、一派的には15坪以下の土地に建てられる住宅を狭小住宅と呼ぶことが多いようです。
特に土地の価格が高い都心部で多く見られる狭小住宅。床面積を確保するため、2階建て〜3階建てとなるケースがほとんどです。
狭小住宅のメリットとデメリット
後悔することのないよう、改めて狭小住宅ならではのメリット・デメリットを知っておきましょう。
メリット
狭小住宅の1番のメリットは、土地代を抑えることができるということ。土地が狭い分、土地価格を抑えることができるだけでなく、土地の広さによって変わる固定資産税や都市計画税などの税金も抑えることができます。
また床面積が狭い分、光熱費や維持費を安く抑えられるというメリットもあります。狭小住宅の多い都心部では、公共交通機関が充実しているため、税金や駐車場代・ガソリン代のかかるマイカーを持たずに生活することもできます。
デメリット
狭小住宅が建てられるエリアは、住宅密集地であることがほとんど。道が狭く、人通りも車通りも多いため、建築に使う資材の搬入や保管が難しい場合があり、工事費用が上乗せされる可能性があります。
また、スペースが限られている分、理想を叶えるためには間取りに工夫が必要です。ただでさえ時間のかかる間取りづくりですが、限られたスペースをどんな風に使うかをじっくり検討しなければいけません。
多くの狭小住宅が2〜3階建てと縦に長くなるため、地震の際大きな揺れを感じやすいというデメリットも。耐震についてはしっかり住宅会社に相談をしておきましょう。
依頼する業者選びのコツ
狭小住宅を依頼する業者選びで最も大切なことは、狭小住宅の実績が多いかということです。
狭小住宅には色々な制約がつきもの。狭小住宅を多く手掛けている住宅会社であれば、問題を上手く回避しながらより理想に近い家づくりをしてくれるでしょう。
また、こちらの要望を聞くだけでなく、積極的に提案をしてくれる会社がおすすめ。初めての家づくりだとわからないことも多いと思いますが、プロの目線でアドバイスをくれると安心ですよね。
狭小住宅は縦に長い設計になることが多いため、耐震性に力を入れている会社かどうかもしっかり確認しておきましょう。
まとめ
- 狭小住宅で後悔しないためには、実際の生活をしっかりイメージして間取りづくりを行うことが大切。
- 狭小住宅では、間取りや家の形が制限されることがある。
- 狭小住宅は、必要な部屋数や広さを確保するために3階建てとなるケースが多い。住宅の耐震性には注意が必要。
- 業者を選ぶ際には、狭小住宅の実績が豊富かどうかをチェックする。
狭小住宅に限らず、家づくりを行う際には入居後の生活をイメージしながら間取りを考えることが大切。今現在の生活はもちろん、将来的にどんな暮らしになるかを考えておくと、ストレスなく長く住み続けることができるでしょう。
このページでご紹介した失敗例とその対策や狭小住宅の注意点などを参考に、より理想に近い住まいを手に入れてくださいね。
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