「リフォーム」という言葉を聞いたことがあっても、実際に「どのようなことを意味するのか」知らない方は多いです。
本記事では「リフォームとは何か?」リフォームの意味やリフォームに掛かる費用、リノベーションとの違いを分かりやすく解説します。
費用やリノベーションとの違いを徹底解説!
目次
リフォームとは?
リフォームとは、今住んでいる住宅の経年劣化が目立つ部分や、より良い生活環境にするために住居を改修することです。
例えば、シロアリ被害による家屋倒壊を防ぐため、建物の耐久性を高める実施工事も「リフォーム」です。
また、気分を変えるため、建物の外観を変えたり、内装の壁紙を替えてみるのもリフォームのひとつです。
リフォームはプロの施工業者に依頼するのはもちろん、自分自身で趣味の一環として、いわゆるDIYとして楽しむ方もおられるでしょう。
ただ世間的には、プロに依頼をする工事をリフォームと言い、自ら工事を行う改修工事については「DIY」と呼んで区別することがほとんどです。
なお最近では、地球温暖化や二酸化炭素排出量に関する環境意識への高まりからエコ住宅や省エネ住宅にリフォームする方も多くみられます。また防災意識への高まりから耐震住宅へのリフォームも増えています。
このほか、高齢化社会に備えて自宅の「バリアフリー化」に取り組む方も多いです。
リフォームを推奨する国と自治体の取り組み
社会的に有意義と認められたリフォームには、国や自治体から補助金が支給されるほか、税制上の優遇が受けられます。
欧米や北米では、住まいのメンテナンスを行い、歴史的建造物の保護をはじめ、町並みに対しても「長く住める家」を保護し、古い家にも資産価値が付くような取り組みを行っています。
日本は戦後、「スクラップアンドビルド」を繰り返し、大きな経済発展を遂げましたが、いまや世界的「地球環境保護」の観点から、長期優良住宅を増やす取り組みへとシフトしているのです。
リフォームで安く、暮らしやすい住まいを手に入れよう
中古物件のメリットは、新築物件に比べて、価格が安いことです。
中古物件であれば、少ない予算でも土地・建物が購入しやすく、リフォームすることで新築同様の住み心地が得られます。
実際に、新築と変わらない仕上がりのリフォームや「新築同様の建替工事」は、30代〜40代の若い方、そして定年後の方まで、幅広い層に人気があります。
リフォーム費用の目安
リフォーム費用と言っても、壁紙の張り替え等の簡単なものから、壁や柱の撤去工事を伴う大掛かりなものまでさまざまです。
費用も数万円で工期も1日で終了するものから、工費が1千万円を超え工期も半年近くかかる工事もあるなど「ピンキリ」です。 ここで、リフォームの種類別に「中心価格帯」と工事費用の目安をまとめてみました。
【リフォーム費用の目安】
外壁塗装・外壁工事のリフォーム(中心価格帯:90〜120万円) | 例)150㎡の外壁塗装とシーリング工事・・・90万円 |
屋根の葺き替えリフォーム(中心価格帯:50〜100万円) | 例)66㎡を断熱性に優れた鋼板に葺き替え・・・70万円 |
外構・エクステリアのリフォーム(中心価格帯:60〜90万円) | 例)フェンスとスライド式の門扉を設置・・・80万円 |
駐車場・ガレージのリフォーム(中心価格帯:50〜100万円) | 例)駐車スペースに屋根付きガレージを設置・・・70万円 |
ベランダ・バルコニーのリフォーム(中心価格帯:30〜40万円) | 例)1階の屋根にベランダを新設・・・30万円 |
窓・サッシ(中心価格帯:10〜20万円) | 例)木製建具からアルミ製建具に交換・・・15万円 |
庭・ガーデニングのリフォーム(中心価格帯:100〜150万円) | 例)劣化の目立つ天然木のウッドデッキを人工木に交換・・・120万円 |
キッチン・台所のリフォーム(中心価格帯:100〜150万円) | 例)システムキッチンに交換 ガスからIHへ・・・135万円 |
バスルームのリフォーム(中心価格帯:100〜120万円) | 例)断熱工事と暖房付き浴室乾燥機を設置・・・120万円 |
トイレのリフォーム(中心価格帯:30〜40万円) | 例)洋式便器と小便器を撤去、節水型便器を設置・・・30万円 |
洗面所・洗面台のリフォーム(中心価格帯:20〜30万円) | 例)収納力のあるデザイン性の高い洗面台に交換・・・25万円 |
リビングのリフォーム(中心価格帯:100〜150万円) | 例)キッチンとリビングを一体化し床暖房を導入・・・130万円 |
ダイニングのリフォーム(中心価格帯:60〜90万円) | 例)間仕切り壁を撤去、床材も張り替え・・・65万円 |
寝室のリフォーム(中心価格帯:60〜80万円) | 例)物置状態だった子供部屋をゲストルームへ・・・70万円 |
玄関のリフォーム(中心価格帯:30〜40万円) | 例)古いドアを欄間付きドアに交換・・・35万円 |
廊下のリフォーム(中心価格帯:20〜30万円) | 例)助成金を活用してバリアフリー化・・・25万円 |
階段のリフォーム(中心価格帯:10〜20万円) | 例)手すりの設置・・・10万円 |
リフォームとリノベーションの違い
リフォームとリノベーション、どちらもよく耳にする言葉です。何か大きな違いはあるのでしょうか。
実は「リフォーム」と「リノベーション」に、決まった定義や法的な線引きは存在しません。
ただ一般論としてリフォームの方が広い範囲を指し、簡単なインテリアの交換から大規模な増改築までを含めてを「リフォーム」と呼ぶことが多いようです。 一方、リノベーションは中古の住居全体をコンセプトを持って改装し、新たな別の価値観を生み、新築物件にはない魅力を持たせます。
近頃よく聞く「古民家再生プロジェクト」など築100年以上の民家を内側は現代風に住みやすくリフォームし、かつ古さをうまく活かしたものは代表的なリノベーション物件と言えます。
リフォームという大きな枠のなかにその一種としてリノベーションがあると思えばよいでしょう。
なお、リフォームには劣化してしまった住宅の価値を「修復する」という意味もあります。
一方リノベーションは全く別の価値を生みます。
具体的に「リノベーションが価値を生む」例を見てみましょう。
例えば、エコな暖房機器として暖炉を設置するとします。設置工事にともなう煙突の取り付けや防火対策、あるいは間取りの変更などはリフォームと言えるでしょう。
こうした施工にとどまらず、内壁や天井を取り外し、外壁に天然の丸太を使い、家に周りのフェンスを石垣に変更してアルペン風な住まいに改築したとしたら?
それは「アルペン風」をコンセプトにしたリノベーションと言えるでしょう。 こうして、一つの物件に「アルペン風・暖炉のある家」と言う新しい価値観が生まれました。
少し極端な例えだったかもしれませんが、「リノベーションが価値を生む」例についておわかりいただけたでしょうか。
リフォームのメリット
住み慣れた土地、家に住み続けられる事が、リフォームをする一番のメリットです。
建て替えとなると価格の負担もありますが、住み慣れた家の雰囲気はなくなってしまいます。しかし、リフォームには「安心」というメリットがあります。
例えば、今現在住んでる家に不満が無かったとします。
しかし将来の高齢化に備え、階段に手すりを設置する、廊下の段差を解消するなど。「今後も今の家に住み続けていく事」を考えた時に、必要になってくることもあるはずです。
実際に必要に迫られてから対策するのではなく「未来の安心」を先取りする事で安心し日々を過ごす事ができるのもリフォームが持つメリットと言えます。
このほかのメリットには「住居の長寿命化」があげられます。例えば、経年劣化した箇所をリフォーム補修することで、住まいの老朽化を食い止め長期に渡って住み続けることができます。
※ 必要箇所のみへの工事となりますので、改築やリノベーションに比べて低価格で行うことができます。
実際に「短い工事期間」大掛かりな工事を必要としないリフォーム、例えば壁のクロスの張り替え程度だと半日で工事が完了します。
工事期間が短いと、早く新しい環境に住めるだけでなく、建築資材や材料と違い日数分の経費となる人件費、いわゆる職人さんへの日当の削減にもつながり経費削減に役立ちます。
リフォームのデメリット
リフォームのデメリットは改築やリノベーションに比べると「設計の自由度」が少ないことです。実際に、基礎に手を加えられない柱などがあれば、建築に制限が生まれます。
場合によっては、リフォームをすることで資産価値(買い取り価格)を下げることもあります。個人の趣味を色濃く反映させたリフォームの場合(例:奇抜な外壁塗装など)には、売り手が付かないなどのリスクが生まれます。
なおリノベーションに比べて「劇的な変化」を感じないケースもあり、その場合は費用対効果が少ないと感じる可能性があります。
リフォームは信頼できる業者選びが重要
リフォームは「大切な我が家」に手を加えるのですから、施工業者を厳選したいものです。
それ程規模が大きく無いとはいえ、リフォームの仕上がりでこれからの「暮らし方」は変わってきます。
失敗をしないためには、複数の業者にそれぞれ見積書を出してもらう、いわゆる「相見積もり」を手に入れること。
また、単に価格だけではなくアフターサービスなど、将来的な付き合いも考慮して「間違いの無い業者選び」を進めてください。
まとめ
リノベーションは建物全体に手を加える分、自由度もありますが費用は高額になります。リフォームは規模が小さい事が多く、価格も抑えられますが(施工や設計には)一定の制限が伴います。
また、リフォームには「助成金や補助金」をはじめ、税の優遇措置もあるので活用しましょう。
リフォームによって、あなたの住まいが「より良い住まい」になりますように。
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