家が欲しいと計画を始めてから、実際に注文住宅が完成して住むことができるようになるまでには、それなりの時間がかかります。
注文住宅を建てるのなら、かかる期間はもちろん、完成までの流れも把握しておきたいところ。今回はこれから家を建てる方が必ず知っておきたい、注文住宅完成までの期間と流れについてわかりやすくまとめました。
また、様々な事情でできるだけ早く家を建てたいと考えている人のために、短期間で家を完成させるためのコツも解説していますので参考にしてみてください。
この記事がおすすめできる人
- 注文住宅が完成するまでの期間を知りたい人
- 注文住宅が完成するまでの流れを知りたい人
- 住宅ローンの審査に必要な期間が知りたい人
- 注文住宅を短期間で建てたい人
- 着工・竣工におすすめの時期が知りたい人
なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ 注文住宅が完成するまでの期間|押さえるポイントと短くする方法まで
・ 注文住宅の適正な工期とは? 建て主が知っておくべき工期の基礎知識
・ 注文住宅の後悔ポイント21選&失敗を避ける5つの極意
目次
注文住宅を建てるのにかかる期間と大まかな流れ
一般的に注文住宅を建てるのにかかる期間は、1年〜1年半といわれています。まずは注文住宅を建てるのにかかる期間を流れに沿って見ていきましょう。
家が完成するまでには様々な工程が必要となりますが、大まかに以下の5つに分けることができます。
1.計画を立てる(1〜3ヶ月)
家を建てようと考え始めたら、まずはどこでどんな暮らしがしたいか計画を建てましょう。建物自体のイメージはもちろん、立地や間取り、設備などの譲れない条件を洗い出しておくとスムーズです。
また、この段階で絶対に家族で話し合っておきたいのが資金計画についてです。貯蓄額を把握し、頭金はどれくらい用意できるのか、住宅ローンはいくら借りるべきか、しっかり相談しておきましょう。
家を建てるためには、建築費のほかにも付帯工事費や各種申請などにかかる諸費用、引っ越し代、家具代などがかかることも頭に入れておいてください。
2.土地購入・業者探し(2〜3ヶ月)
建物や住みたいエリアがなんとなくイメージでき、家づくりにかける予算が決まったら、次は土地購入です。土地探しは、住みたいエリアの不動産会社に依頼して、希望に合ったものを探してもらうのが一般的。計画の段階で、希望条件を洗い出しておくと良いですね。
また、土地探しと並行して行いたいのが施工を依頼する業者探しです。ハウスメーカー、工務店、設計事務所など様々な依頼先がありますが、住宅展示場や実際に施工した物件を見ながら、希望に合った家を建ててくれるかどうかを検討するようにしましょう。
最初から一社に絞り込むのではなく、数社ピックアップしてプランや概算の見積もりを出してもらってから比較検討するのがおすすめです。
中には土地探しから依頼できる会社もあるため、業者探しから先に行うという方法もあります。
3.契約・設計(2〜3ヶ月)
土地を購入し、依頼する業者が決定したら、いよいよ契約です。一般的にはこの段階で手付金を支払うことになるため、事前に確認して準備をしておきましょう。
設計では、施工会社と打ち合わせを重ね、プランを提案してもらいます。家自体のデザインはもちろん、間取りや必要な設備など、全てがこの段階で決定するため、後悔することがないよう、希望をしっかり伝えて設計をお願いしましょう。
施工会社はプロの視点で提案をしてくれますが、受け身になっていてはなかなかスムーズに話が進まず時間がかかってしまいます。
家族で意見をまとめておくほか、インターネットや住宅雑誌などを参考に希望を明確にしておくとスムーズです。
4.着工〜工事(3〜6ヶ月)
工事の日程が決まったら、近隣への挨拶を事前に済ませておくようにしましょう。
また、着工前には地鎮祭、棟上げまで終了した段階で上棟式(建前)などの儀式を行う場合もあります。地鎮祭や上棟式を行うのであれば、必要なものを準備しておかなければいけません。地鎮祭や上棟式を行うかどうかは施主の判断に委ねられますが、事前に施工会社に相談してみると良いでしょう。
工事期間中は時々現場に足を運び、進行状況を確認しておくと良いですね。その際は、職人さんにお茶やお菓子などの差し入れをするのもおすすめです。
工事期間は、建てる家の大きさや内容によって異なりますが、早ければ3〜6ヶ月が目安となります。
5.竣工〜引渡し(1〜3ヶ月)
家が完成したら、いよいよ引き渡しです。完成した建物がプラン通りにできているかどうか、汚れや傷がないかなどを施工会社の担当者や工事の責任者と一緒にチェックします。
もし不具合があれば、今後どのように対応してもらうのかをしっかり話し合っておく必要があります。その際はトラブルを防ぐためにも書面で確認しておくと安心です。
また、定期点検などのアフターメンテナンスについても忘れずに確認しておきましょう。
土地や建物の登記手続きを行い、それが完了したら土地や建物の所有権を証明する書類と家の鍵を受け取ります。
押さえておきたい住宅ローンの審査に必要な期間とは?
ご存知の通り、住宅ローンを借りるためには金融機関の審査を通過しなくてはいけません。住宅ローンの審査には、事前審査と本審査があります。
金融機関によっても異なりますが、事前審査には1〜7日、本審査には2〜3週間程度かかるのが一般的。しかし書類を準備したり、郵送などのやり取りをしたりする期間も必要なため、実際に審査がおりるまでには、1〜2ヶ月程度見ておくと良いでしょう。
審査が長引いてなかなか結果の連絡がこないと不安になってしまうものですが、時間がかかっているからといって、審査に落ちるという訳ではありません。
できるだけスムーズに審査に通りたい場合には、提出すべき書類を早めに準備することはもちろん、不備がないよう注意するようにしましょう。
依頼先によって異なる注文住宅完成までの期間
注文住宅の依頼先は、大きく分けてハウスメーカー、工務店、設計事務所の3つ。どこに依頼するかによって、住宅完成までの期間が異なります。
ハウスメーカー
積水ハウス、ミサワホーム、大和ハウスなど、CMなどでもよく見かけるのがハウスメーカー。全国に支社や支店を持ち、幅広いエリアで家づくりを行っています。
ハウスメーカーの家づくりの特徴は、間取りや設備がある程度規格化されているということ。一から全て自由に作りたいという方にはあまり向いていませんが、規格化されていることによって効率良く進めることができるため、工務店や設計事務所と比べると最も工期が短いと考えて良いでしょう。早ければ3ヶ月程度で完成する場合もあります。
工務店
地域密着型でフットワークの軽さが魅力の工務店。その地域の風土や気候などを知り尽くしているほか、ちょっとした相談にも親切に対応してくれるのが工務店の強みです。
ハウスメーカーよりも自由度が高く、デザインや間取りにこだわった家づくりが可能。工期の目安は3〜6ヶ月程度と考えておくと良いでしょう。
しかし細部までこだわればこだわるほど、その分工期は長くなります。また、工務店によって進め方や職人の技術にバラつきがあるため、工期については事前にしっかり確認しておくと安心です。
設計事務所
デザイン性の高さや間取りの自由度にこだわる方に選ばれているのが設計事務所です。他にはないオンリーワンの家を建てることができるため、その分完成までに時間がかかります。
また打ち合わせ回数もハウスメーカーや工務店と比べると多くなりがち。設計事務所に依頼する方の中には、数年かけて家を完成させるという方も少なくありません。
設計事務所は、じっくり時間をかけてこだわりの家を作りたいという方におすすめです。
工法によって異なる注文住宅完成までの期間
家を建てる工法によっても、完成までの期間が異なります。ここでは代表的な5つの工法について見ていきましょう。
木造(在来工法)
この工法は、日本の住宅で最も多く採用されている工法。工期の目安は4〜6ヶ月程度です。
柱を建てて梁を水平に渡し、さらに筋交いという斜めの木材を使って補強するという方法で、設計やデザインの自由度が高いのが特徴。また、狭小地や変形地にも対応しやすいというメリットがあります。
木造(2×4工法)
北米から日本に輸入された工法。工期の目安は、3~4ヶ月程度です。
2インチ×4インチの角材と合板を接続して、壁・床・天井などを構成するという工法で、耐震性・耐風性に優れているのが特徴です。
また、システム化が進んでおり、在来工法に比べて職人の手作業の割合が少ないため、工期が比較的短く済みます。
鉄骨造(S造)
鉄製や鋼材の部材を用いた工法のこと。他の工法と比べて建築費用が安く済むほか、工期の目安も2〜3ヶ月程度と短いのが特徴です。
鉄骨造の中でも、使う鋼材の厚みが6mm以上のものを重量鉄骨構造、6mm以下のものを軽量鉄骨構造といいます。
鉄筋コンクリート造(RC造)
柱や梁、壁などの重要な部分に、鉄筋とコンクリートを組み合わせた部材を使用する工法です。鉄筋で枠を組んだ後、その枠の中にコンクリートを流し込みます。
強度が高いのが特徴ですが、工期の目安は5〜6ヶ月と比較的長め。また、他の工法と比べるとコストもかかります。
鉄骨・鉄筋コンクリート造(SRC造)
柱や梁、壁などの重要な部分に、鉄骨、鉄筋、コンクリートを組み合わせた部材を使用する工法です。
鉄筋とコンクリートを使う点は鉄筋コンクリート造と同じですが、それに加えて鉄骨の芯を入れるのがSRC造の特徴。そのため、鉄筋コンクリート造の家よりもさらに強度が高いというメリットがあります。
しかしその分建築コストは高くなり、工期も長くなります。
注文住宅を短期間で建てるためのコツ
様々な事情から、できるだけ早くマイホームを手に入れたいという方も多いはず。ここではそのために施主ができる4つのことをご紹介します。
土地探しをスムーズに行う
家を建てる際、最初の難関となるのが土地探し。予想しているよりも時間が掛かってしまうことが多いようです。
すでに土地をお持ちの場合や、購入したい土地が決まっているという場合はこの工程を省くことができますが、多くの人が注文住宅を建てる段階で土地を同時に購入するでしょう。
土地探しをスムーズに行うコツは、土地に対する条件の優先順位をしっかり決めることです。
価格、広さ、周辺環境、学校や会社までの距離など様々な条件があると思いますが、全ての条件をクリアする土地に出会うのはなかなか難しいもの。そのため条件に対して絶対に譲れないポイントと、多少妥協しても良いポイントを明確にしておくのが大切です。
工期が早い業者・工法を選ぶ
依頼する業者や選ぶ工法によって、工期は大幅に異なります。
もちろん建てる家の大きさや間取りのレイアウトなどによっても異なりますが、一般的には大手のハウスメーカーが手がける家が最も工期が短く済むといわれています。
また工法に関しては、軽量鉄骨造のプレハブ工法やユニット工法などがおすすめ。建築材料を工場で生産・組み立てして現場でそれを組み立てるという工法なので、他の工法と比べても短い期間で完成させることができます。
営業担当者を見極める
家づくりにおいて、どんな担当者がついてくれるかは意外と重要なポイントです。人によって注文住宅に関する知識量や、対応スピードなども変わってきます。
なるべく工期を短くしたい場合には、知識と経験が豊富なベテラン営業マンが担当してくれると安心です。またできるだけ早い段階で、こちらの要望や質問に対してのレスポンスのスピードをチェックしてみましょう。
積極的に行動する
頼れる担当者についてもらうことも大切ですが、受け身の姿勢でいてはなかなか話が進みません。
最近はインターネットを使えば、家づくりに関する様々な情報を集めることができます。提案を待つだけではなく、どんな家にしたいのか、どんな素材を使いたいのかなど積極的に意見を出し、スムーズに進められるように行動しましょう。
着工・竣工はいつが良い?おすすめの時期とは
引越しまでをスムーズに終わらせるためには、家づくりを行うタイミングも重要です。
引っ越し時期から逆算する
家が完成したら引っ越しをしなければいけません。家族全員分の荷物をまとめて引っ越すとなるとかなり大掛かりな作業になるため、大型連休中などまとめて休みを取ることができるタイミングに引っ越せるようにスケジュールを組むのがおすすめです。
また、引っ越しによって転校が必要になる場合もあるでしょう。その場合には、学期の変わり目に転校できるようにタイミングを合わせてあげると良いですね。
例えば、学年が変わるタイミングで引っ越しをするためには2月に竣工、つまり8〜10月頃に着工するのがベストです。
気象条件による影響を考える
気象条件をもとに家づくりを考えると、一般的に10〜11月に着工し1〜2月に竣工、4〜5月に着工し8〜9月に竣工するのが良いといわれています。
これは季節による気象条件の影響を受けることを避けるため。例えば真冬に家の基礎作りを行うと凍害を受ける可能性が考えられます。また夏の暑さや梅雨、台風など季節ごとの影響を考慮してスケジュールを組めば、思わぬ被害から家を守ることができます。
税金のタイミングを考慮する
家にかかる固定資産税は、1月1日の時点で建物の所有者に対して課税されます。そのため、建物が完成するのが年末になるか年始になるかで、固定資産税に1年分の違いが出てしまうのです。
また、家づくりにおいて減税や優遇制度を利用できる場合がありますが、これも時期によって実施される内容に違いがでることがあります。
いつ着工し竣工すればより大きなメリットを受けることができるかどうか、事前にチェックしておくことをおすすめします。
妊娠中や出産直後の場合
子供が産まれて家族が増えることを理由に家を建てようと考える方も多いでしょう。しかし家づくりには時間も体力も必要。長時間の打ち合わせで疲れてしまったり、工事中の接着剤などのにおいが不快に感じたりなど、妊娠中や出産直後の場合、体への負担が大きくなってしまいます。
また、産まれてすぐの赤ちゃんを連れて引っ越しをする場合、環境が大きく変わることで、赤ちゃんの体調に影響が出てしまうことも。家の完成時期や入居時期が家族にとって最適なタイミングかどうかを見極める必要があります。
まとめ
- 注文住宅の建築にかかる期間は、1年〜1年半が一般的。
- 住宅ローンの審査にかかる期間は、1〜2ヶ月程度。内容によってはさらに時間がかかることもあるため、早めに準備しておくのがおすすめ。
- できるだけ早く家を完成させたいなら、大手ハウスメーカーに依頼すると良い。
- 工法によっても工期は大きく異なるが、それぞれのメリットとデメリットも考慮して選ぶべき。
- いつ完成するのが家族にとってベストか、様々な視点から考えて着工時期を決めると良い。
実際に家が完成するまでには長い時間がかかり、大変だと感じることも多いでしょう。しかし、家づくりは一生に何度もない大きな出来事。ぜひその時間も楽しみながら、憧れのマイホームを完成させてくださいね。
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