あなたの家は大丈夫?注文住宅の経年劣化症状と対策を徹底解説

あなたの家は大丈夫?注文住宅の経年劣化症状と対策を徹底解説

どんなにお金をかけて家を建てても、経年劣化は避けては通れない問題。これから注文住宅を建てたいと考えている人の中には、心配している方も多いのではないでしょうか。

経年劣化を完璧に防ぐことはできませんが、あらわれる症状とその対策を理解しておくことで、小さなメンテナンスをするだけで劣化を食い止めることができる場合もあります。

今回はそんな住宅の経年劣化について、詳しく解説していきます。

この記事がおすすめできる人

  • これから注文住宅を建てる人
  • 住宅の経年劣化が心配な人
  • 住宅の経年劣化でお悩みの人
  • 経年劣化について詳しく知りたい人
  • 長期優良住宅について詳しく知りたい人

なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!

・ リフォームローンとは?よくある7つの疑問
・ 注文住宅で良くあるトラブル9選!起こりがちなトラブルを避ける方法
・ 注文住宅の値段相場と建築コストを左右する4つの要因

そもそも家の経年劣化とは

家の画像

経年劣化とは、その名の通り年月が経つにつれて、外壁の色が褪せてしまったり、水回りの設備に不備が出てしまったりすることを意味します。

経年劣化と似た言葉に「通常損耗」がありますが、これは普通に生活をしている上で発生する傷のことです。

例えばテーブルやベッドなどを置いていたことでできた床のへこみや傷。これらは生活する上で仕方なくついたものなので、賃貸の場合は大家の負担となり、原状回復する必要がありません。

築年数別 あらわれやすい経年劣化症状

家を建ててからの年数によって、あらわれやすい症状が異なります。それぞれどんな症状があらわれ、どんなメンテナンスが必要かをチェックしてみましょう。

築5〜10年

まだ築年数が浅いため、それほど大きな劣化は見られません。しかし屋根や外壁は確実にダメージを受けています。これを放置していると、突然大きな劣化に繋がることがあるため、できるだけ早めに対処しておきましょう

この年数であれば、立地によっては屋根や外壁の塗装が剥がれてしまったり、汚れが目立ち始めますが、簡単なメンテナンスで対処できます。

ほかにも雨風にさらされているベランダや屋上の状態もチェックしておくと安心。室内でも水回りは劣化しやすいため、浴室や洗面所などの様子を確認しておきましょう。

築10~15年

太陽光や雨風にさらされている屋根や外壁の劣化がどんどん進行していきます。特に築5〜10年でメンテナンスをしなかった場合は、その劣化具合がはっきりとあらわれているでしょう。

外壁の塗替えのタイミングは、築10〜15年を目安に考えておくのがおすすめ。塗装が剥がれるだけでなく、ヒビなどが入ってしまっている可能性もあるため、一度このタイミングで点検しておくと安心です。

築15~20年

築15年頃までは、主に屋根や外壁の劣化が中心でしたが、この頃になると目に見える箇所以外にも、劣化や破損が生じている可能性があります。

例えば、シロアリ被害や躯体の腐食、給排水管の破損など。これらを放置しておくと、万が一災害などが起こった場合に建物が倒壊してしまう恐れもあります。

あとどれくらいその家に住み続けることができるかを左右する重要なタイミングなので、徹底的に点検し、必要があれば修理を行うようにしましょう。

築20~30年以上

家の寿命は一般的に30年程度といわれています。これまで丁寧にメンテナンスをしていても、リフォームや建て替えを検討しなければいけない状態になっていることがほとんどです。

築20〜30年メンテナンスをせずに放置されていた家は、大掛かりな工事が必要となり、莫大な費用がかかります。

しかし、こまめにメンテナンスをしておけば、このタイミングでの出費を抑えることができるため、まだ大丈夫と思っても手入れをしておくことをおすすめします。

場所別 経年劣化の対策とメンテナンス方法

間取りの画像

次に、経年劣化しやすい場所別に、対策やメンテナンスの方法をご紹介します。

外壁

外壁は、他の部分と比べても劣化が目立ちやすい場所。太陽光や雨風にさらされているため、汚れがつきやすいのです。

そのため定期的に点検をして、汚れた部分や破損した部分があれば清掃や修理をしておくのがポイント。放置して劣化が進んでしまうと、簡単な修理だけでは足らず、外壁を入れ替えなければいけなくなってしまうこともあります。

屋根

屋根も外壁と同じく、過酷な環境にさらされている場所。普段あまり目に付くところではないので放置してしまいがちですが、経年劣化によって、部分的に剥がれてしまったり、コケ・サビなどの問題が発生します。

メンテナンスや修理を行わないと、雨漏りやすきま風、最悪の場合屋根が崩れてしまうこともあります。

定期的に状態を見て、塗装や葺き替えなど、必要なメンテナンスを行いましょう。

雨樋

雨樋の耐用年数は、一般的に20年程度といわれています。しかし劣化の進み具合は住んでいる地域によっても異なるため、特に雨が多い地域は注意が必要です。

雨樋の劣化を防ぐためには、定期的に塗装し直すのがおすすめ。寿命を伸ばすためにも、数年に1度は状態をチェックしてメンテナンスを行いましょう。

柱や梁

意外と劣化しやすい柱や梁。特に直射日光が当たる部分は注意が必要です。直射日光によって色褪せてしまった場合は、オイルステインなどの塗料を使って保護してあげましょう。

また、湿気が多い場所では、柱や梁にカビが生えたり、腐ってきたりすることがあります。木が腐るとシロアリなどが発生する原因にもなるため、早めの対処が必要です。

壁紙・クロス

壁紙・クロスは、時間が経つと直射日光や手垢などが原因で黄ばみが出てくることがあります。また次第に剥がれてきたり、破れてしまうことも。

耐用年数は5〜10年といわれていますが、普段のお手入れによってその年数は大幅に変わります。そのため、汚れを拭き取ったり、換気をして空気を入れ替えたりするなど、毎日の積み重ねが大切です。

フローリング

気をつけているつもりでも、フローリングの劣化を防ぐのは難しいもの。テーブルや椅子などの家具で傷をつけてしまったり、次第に艶がなくなり色褪せてしまったりします。

フローリングの張り替えは大掛かりな作業です。そのため、なるべく長く使うことができるよう、日頃のお手入れに加えて、定期的にワックスがけなどを行うのがおすすめです。

水回り

キッチン、浴室、トイレなどの水回りは生活の中でも使用頻度の高い場所。放っておくとすぐにカビやぬめりが発生してしまいます。

汚れを放置していると、トイレの水漏れや洗面所のひび割れなど、大きな被害に繋がってしまう恐れがあります。

特に水回りは、経年劣化症状がひどくなる前に早めのメンテナンスが大切。定期的に専門業者に相談して、点検をしてもらうと安心です。

住宅構造別にみる住宅の寿命

リビングの画像

家の寿命は、住宅の構造に大きく関わるもの。それぞれの寿命にどれくらい違いがあるのか見ていきましょう。

木造(W造)

比較的建築費用が安く、古くから日本人の生活を支えてきた木造住宅。一般的に木造住宅の寿命は、30年程度といわれています。

ただし、木造住宅は30年程度しか住めないというわけではなく、中には日々のメンテナンスのかいあって、築50年経過しても住むことができる家もあります。

30年はひとつの目安にはなりますが、実際どれくらい住むことができるかはメンテナンス次第ということになります。

鉄骨造(S造)

鉄骨造の建物の寿命は、約60年といわれています。木造に比べるとかなり長いと感じる方も多いでしょう。

しかし、どれくらい住み続けられるかは、木造住宅と同じくメンテナンス次第。メンテナンスを怠っていれば、木造住宅よりも寿命が短くなってしまうこともあります。

鉄骨造の最大の敵はサビ。鉄は水に弱く、雨や結露などが原因でサビてしまい、建物の強度を下げてしまうことがあります。

そのため、できるだけサビの発生を防ぐことが鉄骨造の家に長く住み続けるためのポイントです。

鉄筋コンクリート造(RC造)

その名の通り、鉄筋とコンクリートを使って建てられる鉄筋コンクリート造。2つの材料を組み合わせて使うことで、住宅の強度を高めているのが特徴です。

木造住宅、鉄骨住宅と比べると、最も寿命が長いのがRC造。適切な維持管理を行えば、100年以上住み続けられるともいわれています。

繰り返しになりますが、これはあくまで定期的なメンテナンスをきちんと行っていた場合。怠っていれば、30年程度でも住むことができない状態になってしまう場合もあります。

経年劣化を楽しむために取り入れたい素材

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経年劣化というと、古びてしまったり、壊れてしまったりと嫌なものに思われがち。しかし、時間の経過によって味わいが増していく姿を楽しむのも良いものです。

ここでは、経年劣化を楽しむことができる4つの素材をご紹介します。

無垢材

丸太から、使用する形に切り出して使う無垢材。ヒビが入ったり、割れたりしやすいというデメリットはありますが、天然の木ならではの風合いが魅力です。

無垢材は経年劣化することで、色が変化します。少しずつ明るくなっていくものもあれば、色が濃くなっていくものなど、その変化はさまざま。

また、使い込むほどに表面が磨かれ、自然な艶が出てきます。深みのある美しい色合いと艶が、無垢材の経年劣化の醍醐味です。

ロートアイアン

棒状の鉄を熱して加工するロートアイアン。ハンマーで叩きながらひねったり曲げたりして、美しいデザインを作り上げます。

その繊細なデザインもロートアイアンの魅力のひとつですが、時間が経つにつれてあらわれる鉄ならではの風合いに魅了されている人も多いようです。

ロートアイアンは鉄なので、いずれはサビていきますが、その自然な美しさを楽しむのも良いですね。

漆喰

漆喰は、壁や天井などに使われる塗料。漆喰には調湿作用があり、夏場の湿気や冬場の乾燥を防いでくれるといわれています。

また、消石灰という燃えない原料が使われているため、防火性にも優れているのが特徴です。

漆喰を使った塗り壁は、時間の経過とともに深みのある色合いに変化していきます。もし汚れがついてしまったとしても、それもまた味わいのひとつとして楽しむことができるでしょう。

石材

主に外壁などに使われることが多い石材。石材はデザイン性が高く、高級感を感じられることがメリットです。

石も漆喰と同じく、時間が経つにつれて色がだんだん濃くなっていきます。自然の力で次第に表情を変えていく姿を楽しむことができます。

時間が経っても安心して住み続けられる「長期優良住宅」とは

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長期間、快適に住み続けることができる「長期優良住宅」。条件とメリット・デメリットについて解説します。

長期優良住宅の条件

長期優良住宅とは、国土交通省が定めた認定基準にクリアした物件のこと。

バリアフリー性、可変性、耐震性、省エネルギー性、居住環境、維持保全計画、維持更新・更新の容易性、劣化対策、住戸面積という9つの条件を全て満たすことで長期優良住宅であると認められます。

メリット

長期優良住宅のメリットについて、簡単にご説明します。

所得税の住宅ローン控除

借り入れを行った住宅ローンのうち、年末時点のローン残高の1%が控除の対象となります。

一般的に控除の対象となる限度額は4,000万円と決められていますが、長期優良住宅の場合の限度額は1,000万円多い5,000万円。控除は10年間適用されます。

所得税の投資型減税

長期優良住宅を建築するのにかかった費用の10%が控除の対象となります。上限は500万円です。

登録免許税の軽減

不動産取得時に必要な登記申請。登記を行う際には登録免許税を支払わなければいけませんが、長期優良住宅の場合は軽減措置を受けることができます。

不動産取得税の軽減

家を新築した際かかる不動産取得税が軽減されます。

新築の場合の不動産取得税は、(固定資産税評価額-1,200万円)×3%。これが長期優良住宅だと、(固定資産税評価額-1,300万円)×3%となります。

固定資産税の軽減

家を新築したり購入したりした場合、一定期間の固定資産税が1/2に軽減されます。さらに長期優良住宅の場合は、その期間が延長されるというメリットがあります。

デメリット

次に、デメリットについても解説していきましょう。

申請にコストと時間がかかる

長期優良住宅の申請には、コストがかかります。行政ごとに多少その金額は異なりますが、目安は5万円〜と覚えておきましょう。

建てるのに時間がかかる

長期優良住宅と認められるためにはさまざまな条件を満たさなければいけないため時間がかかります。一般的な住宅を建てるよりも、数週間〜1ヶ月くらい多めに見積もっておくと良いでしょう。

どれくらい時間がかかるかは、事前に住宅会社に確認しておくと安心です。

建築コストが増える

基準にクリアするためには、その分コストがかかります。どんな工事が必要で、それにどれくらいの費用がかかるのか、しっかり説明してくれる住宅会社を選ぶと安心です。

完成後のランニングコストがかかる

認定基準のひとつに「維持保全計画」という項目があります。それを満たすためには、最低でも10年おきに点検をしなければいけないため、その度にコストがかかります。

建物の状態によってその費用の大小は異なりますが、建ててからもある程度コストがかかると思っておいた方が良いでしょう。

まとめ

住まいと切っても切り離せない関係にある、経年劣化。時間が経つにつれ劣化していくのはしようのないことですが、少しでも長く快適に住み続けるためには、きちんと向き合ってこまめなメンテナンスをしていくことが大切です。

記事の内容まとめ

  • 時間が経過することによって起こる劣化を経年劣化という。
  • 築年数別に劣化の具合が異なるため、早めの対策が必要。
  • 住宅の構造によって劣化の具合が異なる。
  • 使う素材を厳選して、経年劣化を楽しむのもおすすめ。
  • 長く住み続けることができる「長期優良住宅」にも注目。

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