「自由に設計できる注文住宅をできるだけ安く建てたいけど、どうしたらいいのだろう。」
「家を持つなら、建売住宅より注文住宅がいい。でも、少ない予算で建てられるかな。」
この記事をご覧になっているあなたはそんな疑問をお持ちではありませんか。
注文住宅は多くの人のあこがれですが、高額なイメージがあって手が届かないように思われています。
でも、もし注文住宅を安く建てられて、かつ品質もある程度確保できるとしたら、最高ですよね。
この記事では、徹底的に安さを追求できるよう、注文住宅を安く建てるための7つのステップを伝授します。
さらに、品質を確保するため、安い注文住宅を検討する上で注意すべきポイントをお話しします。
この記事が、あなたの夢の注文住宅実現のために、少しでもお役に立つことを願っています。
目次
1.注文住宅を安く建てるための7ステップ
注文住宅を安く建てるために、以下のことを順にやって行きましょう。
(1)総予算を立てる
(2)こだわりのある点をしぼる
(3)家のコストを安くする方法をおさえておく
(4)安く建ててくれる建築業者を選ぶ
(5)建築業者の設計士と相談する
(6)DIYや自己調達の方が安い設備を削る
(7)追加費用なく希望の家が建つことを確認してから契約する
では、1つずつ詳しくご説明します。
1-1.総予算を立てる
まず、注文住宅建築にかける総予算を立てましょう。
住宅ローンの月々の返済金なども考慮して、総額でいくらまで支払えるのか明確に決めておいてください。
あらかじめ絶対この線を越えてはいけないという金額を決めておかないと、設備や仕様を迷っているうちにどんどん価格が上がっていきます。
たとえば、本体価格1500万円であったはずなのに、魅力的なオプションを勧められて、気付いたら2000万円ということになってしまいます。
建築業者に見積もりを建ててもらうときは、この総予算よりさらに100万円ぐらい低い金額を提示して、その範囲でさらに安くしたいという意思をはっきりと伝えましょう。
<知っておこう>
家を建てる際、家の本体価格以外に付帯工事費(外溝工事など)と諸経費(登記費用など)がかかり、家の本体価格の3割増し程度になります。この総額をすべて予算内におさめなければなりません。
1-2.こだわりのある点をしぼる
注文住宅について、こだわりのある点をしっかりしぼり込みましょう。
注文住宅を建てたい人は、こんな家にしたいという希望やこだわりがあるはずです。しかし、こだわりすぎるとなかなか価格を抑えることができません。
費用をかける部分をしぼりこんで、費用をかけないその他の部分を明確にする必要があります。
たとえば、4LDKは絶対に必要、キッチンは対面式、ウッディでナチュラルな内装にはこだわりたい、というように、これだけはという点を書き出してみましょう。
本当にこだわりたい点は費用が少し多くかかっても仕方がありませんが、それ以外の点は価格重視でいくことをご自身に納得させてください。
1-3.家のコストを安くする方法を知る
どのような家であれば低コストで建てられるのかを知っておくことも重要です。
注文住宅を安く建てられるよう、自分から建築業者に提案し、自分でコントロールすることができるようになるからです。
建築業者が教えてくれなかったからと後で後悔することもなくなります。
家の形、間取り、設備・建材について、それぞれ代表的なコストを安くする方法をご紹介します。できるだけこれらを多く取り入れて、価格削減してください。
①家の形
- 家の形を四角い箱型にする
家の外壁の凹凸をできるだけなくし、外壁の面積を最小限にすると、コスト削減になります。
出典:アーキホームライフ
- 屋根はシンプルな形に
屋根は複雑な形になればなるほど高額になるので、片流れ(片斜面形)や切り妻(単純な山形)のようなシンプルな形にしましょう。
- 総床面積は必要最小限に
当然ながら総床面積が小さいほどコストは減るので、必要最小限の広さにしましょう。
- 2階建てが割安
同じ床面積で建てるなら、屋根が広くなる1階建てや、強い建材が必要となる3階建てよりも、2階建てが 経済的です。
②間取り
- 部屋数を減らし、間仕切りを少なくする
部屋数や間仕切りを減らすと、その分、壁やドアを作らなくてすむので、材料費・工事費を節約できます。
- 和室はやめ、和コーナーにする
本格的な和室は白木を多く使い、洋室より割高になります。洋室の一部に和コーナーを作れば、和の雰囲気も味わえて、和室よりコストダウンできます。
出典:アキュラホームズ
- 水周りを近くにまとめる
キッチン・お風呂・洗面所・トイレなど、水を使う部分を「水周り」といいます。間取りを考える際、水周りを近くにまとめると、配管が少なくてすみコストダウンできます。また、水周りはなるべく1階に置いたほうが、配管が短くて工事も楽なので経済的です。
③設備・建材
- 設備は建築業者が安く調達できるものから選ぶ
キッチンなどの設備は、建築業者に安く仕入れられるルートがあることが多いです。建築業者に確認して、その中から選ぶと品質の良いものを安く付けられます。もちろん、ほかにご自身に良い調達ルートがあれば比較検討してみてください。
- 設備は旧モデルにする
最新の設備は価格が高い上、値引きも期待できません。旧モデルで問題ない場合は、旧モデルを付けてもらいましょう。
-
クロスは量産品から選ぶ 壁や天井に貼るクロスにはいくつかのグレードがありますが、量産品の低価格のクロスにもおしゃれなものがあります。量産品の中から素敵なものを選びましょう。あまり凝ったものより、一般的なもののほうが廃番になることが少なく、将来貼りかえるときも同じもので一部張替えができて経済的です。
-
無垢材にするなら、杉・ひのき・パイン材に
1本の木から寸法分を直接切り出した木材を無垢材といいます。天然木の風合いが好まれ、柱や床を無垢材にすることにこだわる人も多いと思います。無垢材を選ぶときはオーク・ナラ・メープルなどの高級品ではなく、杉・ひのき・パイン材にすると低コストです。節があっても気にしなければ、さらにコストダウンが図れます。
出典:秋山住研
1-4.安く建ててくれる建築業者を選ぶ
①「ローコスト住宅」を検討する
「ローコスト住宅」を建てる建築業者に資料を請求して検討しましょう。
ローコスト住宅は、安さを売りにしています。1-3で説明した家のコストを安くする方法を実践しているものが多く、建材の大量一括仕入れ等の工夫をしてコストダウンを図っています。
注文住宅を安く建てたい人には大変おすすめです。
「ローコスト住宅」で検索すると、ハウスメーカーから地方密着の工務店までたくさん出てきます。コストダウンの方法や家の特徴・品質などを比較して、自分に合いそうな建築業者をいくつか選び、資料を請求してみてください。
中には高耐震・高耐久を特徴としている建築業者もありますので、資料をよく読んで、安くて品質の良いローコスト住宅を建てる業者を選びましょう。
②複数の建築業者にプランと見積もりを出してもらう
ローコスト住宅やその他の資料を見比べて、いくつか(10社程度)建築業者を選んだら、無料のプランと見積もり作成を依頼してください。その際、以下のことを建築業者に伝えましょう。
- 予算
- 土地の情報と希望の注文住宅の概要
- 注文住宅についてのこだわり点(1-3参照)とそれ以外はコスト重視であること
- コスト削減方法のうち実践してほしいもの(1-4参照)
複数の業者からプランや見積もりをとって比較検討することで、同じ予算内であってもより安くて品質の良いものを選ぶことができます。
※検討する際の注意点については、2章を参考にしてください。
モデルハウスがある場合には、実際に見に行ってみましょう。
不明点は建築業者にどんどん質問しながら、プラン・見積もりを比較して、最終的な建築業者の候補を1位から3位までにしぼってください。
1-5.建築業者の設計士と相談する
1位から3位に選んだそれぞれの建築業者の設計士と、見積もりよりさらに価格を抑える方法を相談してみましょう。
建築業者に、3つの業者で迷っていることを伝えれば、丁寧に対応し、交渉にも応じてくれるはずです。
このときが、さらにコストダウンするための交渉のほぼラストチャンスといえるでしょう。
建築業者や設計士と相談して合意した事項については、後のトラブルを避けるため、すべて書面に記載するか、録音しておいてください。
そして、交渉の結果を踏まえて、最終的にどこの建築会社で注文住宅を建てるかを決定してください。
※比較検討する際は、2章の注意すべきポイントを参考にしてください。
1-6.DIYや自己調達の方が安い設備を削る
建築業者が決まり、価格・間取り・設備等のプランが決まった後、さらにコストダウンを狙うなら、DIYや自己調達で安くできるものがないか探しましょう。
照明・エアコン等は、電気屋の安売り(工事付き)を利用すると、自己調達の方が安くなる場合もあります。
DIYが得意な人は、ご自分ができる部分を残しておいてもらって、家の引渡しを受けましょう。建築工事中に作業をするとじゃまになる上、工事に不備があった場合の責任の所在がわからなくなるからです。また、引渡し後、ゆっくり作業をしたほうが丁寧にできます。
その際、その分の工事費を減額してもらうことを忘れないようにしてください。
1-7.追加費用なく希望の家が建つことを確認してから契約する
価格とプランが決定した後、できる限り設備等の細かいところまで建築業者に確認して、追加費用なく希望に沿った家が建つことが明確になってから契約しましょう。
建築開始後、気に入らないところが見つかって設備や仕様を変更すると、どんどんコストアップしていきます。
たとえば、階段の広さや傾斜角度、キッチンの高さなども事前に同様のものを見てシミュレーションしておきましょう。
契約する前にわからない事項については納得できるまで質問し、できるだけモデルハウスやショールームに行って実物を見て確かめてください。
また、設備・仕様等につき建築業者と合意した事項は、すべて書面にするか録音するかして、証拠を残しておきましょう。
2.注文住宅を安く建てるとき注意すべき4つのポイント
注文住宅を安く建てる場合、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
追加費用を払わなくても、安全快適に暮らせるようにするため、これらのポイントは大変重要です。
2-1.耐震性・耐火性・耐風性がしっかりしているか確認する
耐震性・耐火性・耐風性がしっかりしているか確認しましょう。
安く建てる場合でも、安心して暮らすためにはこの3つが必要です。
[耐震性]
耐震等級というのが設けられており、等級1、2、3の3段階で表され、等級が上がるほど耐震性能は高くなります。等級1は建築基準法で定められている耐震基準と同程度の性能があることを表します。等級2は等級1の1.25倍、等級3は等級1の1.5倍の地震に耐えることができます。耐震性能が高いほど安全です。
[耐火性]
不燃材料・難燃材料を使用していたり、構造上の工夫がなされていたりすると、耐火性能が上がります。
[耐風性]
風の強い地域では、吹き上げにより屋根が持ち上がらないよう補強するなど、風速50m/秒を超える強風にも耐えられる構造であることが望ましいです。
後に補強することになると、追加費用がかかります。建築業者の説明が専門的内容であっても1つ1つ納得できるまで質問し、他の建築業者と比較しながら、十分な構造かどうか判断してください。
2-2.断熱性・遮音性を確かめる
断熱性・遮音性についても確かめましょう。
快適に暮らすためには、この2つが必要です。
[断熱性]
断熱性が悪いと冷暖房の効率が悪くなりエネルギーの無駄遣いになります。国土交通省が定めている省エネ基準を満たしているか確認しましょう。
[遮音性]
外部からの音の遮断と、階上の音の遮断の、両方が問題になります。前者は断熱材の厚みや窓のサッシの質、換気扇等からの音の侵入等に注意しましょう。後者は床の構造や厚みによって変わりますので、できればモデルハウスに行って、2階で歩く音が1階に響かないか試してみてください。
2-3.本体価格が何を含んでいるのか明確にする
建築業者が、注文住宅の本体価格を提示している場合、本体価格が何を含んでいるのか確認しましょう。
本体価格に含まれていないものが多いと、追加費用が多くかかり、結局は高くつきます。
建築業者ごとに本体価格に含まれているものは違います。付帯工事費まですべてコミコミという建築業者もあるかと思えば、照明やカーテンレールなどがオプションとなっている建築業者もあります。
また、モデルハウスやカタログで使用されている住宅設備のほとんどが、グレードアップしたオプションである場合もありますので、本体価格に含まれている標準仕様がどれで、オプションがどれなのかを明確にしてください。
<見積もりを比較するとき気をつけること>
見積もりを比較する際には、各建築業者に最終的に支払うことになる総額を聞いて、それを比較しましょう。条件を揃えないと、正しく比較することができないからです。
2-4.アフターサービスや保証期間を確認する
アフターサービスや保証期間がどのようになっているかも確認しましょう。
いくら安くても、アフターサービスがしっかりしていないと追加費用が発生します。
単に○年保証といっても、無料で修理してくれる期間なのか、定期的に検査とメンテナンスをすれば保証するということなのかは、建築業者ごとにさまざまです。
たとえば、建築後建て付け(戸や障子など建具の納まり具合)が悪くなった場合、何年後まで無料で修理してもらえるのかというようなことも確かめておきましょう。
アフターサービスの内容をよく比較して、良心的な建築業者を選んでください。
3.まとめ
注文住宅を安く建てるために、以下のことを順にやってみましょう。
- 総予算を立てる
- こだわりのある点をしぼる
- 家のコストを安くする方法をおさえておく
- 安く建ててくれる建築業者を選ぶ
- 建築業者の設計士と相談する
- DIYや自己調達の方が安い設備を削る
- 追加費用なく希望の家が建つことを確認してから契約する
また、注文住宅を安く建てる際には、4つのポイントに注意して、追加費用が発生しないようにしましょう。
少し手間のかかる部分もありますが、以上を実行すれば、注文住宅を安く建てることができ、さらに品質もある程度確保できるはずです。
どうぞこの記事を参考にして、安心快適に暮らせる夢のマイホームを実現してください。
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