「マイホームを目標に貯金しているけれど、頭金ってだいたいいくら必要なの?」 「頭金ゼロ円で家が買える! という広告をよく見るけれど、あれって大丈夫?」
自分の家が欲しいと考えたとき、そんな疑問や不安を抱く人も多いことでしょう。
確かに以前は、 「頭金は多ければ多いほどいい」 「住宅ローンで借りる金額は少なければ少ないほうがいい」 という考え方が主流でしたから、みんな必死で頭金を貯めたものでした。
しかし、超低金利時代といわれる昨今、事情は変わってきています。
一般的には頭金は、住宅の購入額の2割程度が理想といわれてきました。
が、賃貸の家賃を払いながら頭金を貯め続けるよりは、 頭金ゼロでも早めに家を買ったほうがいいと考える人も増えてきたのです。
そこでこの記事では、「頭金の平均額は?」といった現在の頭金事情を明かしつつ、 さらに頭金ゼロ円で家を買うことのメリットとデメリットも解説していきます。
読み終わったときにはきっと、「頭金を用意するかしないか」問題について、 あなたにぴったりの答えが見つかるでしょう!
1 マイホーム購入の頭金事情
マイホームを購入するときの資金繰りといえば、
- 全額自己資金から出す
- 親から援助を受けて、残りをローンで支払う
- 預貯金を頭金として、残りをローンで支払う
- 全額住宅ローンで借りる
など、さまざまな方法がありますよね。
中でも多くの人は、頭金 + 住宅ローン という組み合わせを選んでいます。
では、実際にはみんな、頭金をいくらくらい払っているのでしょうか?
1-1 頭金とは
そもそも頭金とはどんなお金のことでしょうか。
一般的には、高額のものを購入して分割払いの契約を結んだときに、最初に支払うお金を頭金と呼んでいます。
手付金、内金、保証金などと同じ意味を持つ場合も多いものです。
たいてい頭金は、分割払い1回分の金額に比べてある程度まとまった大きな金額が想定されています。 というのも、頭金を支払った時点で、購入した商品はあなたの手に引き渡されるからです。
1-2 頭金の平均は購入価格の約2割
住宅金融支援機構が、住宅ローン「フラット35」の利用者約7万8,000件についてまとめた 「2017年度 フラット35利用者調査」によると、 住宅購入資金の内訳の中で、手持ち金(=頭金)の全国平均額は682.3万円。
割合にすると、総額の20.6%だったそうです。
従来言われてきた「家を買うときの頭金は、購入額の2割が最適」という説と一致しています。
また、不動産情報サイトのSUUMOが300人を対象に行ったアンケートでは、 頭金の金額でいちばん多かったのは、「100万〜500万円未満」で24.6%。
一方で、「1,500万円以上」という大金を用意した人が23.6%、 反対に「100万円未満」の人も12.6%いて、頭金の額は二極化しているようです。
払える人は大きく払って、そうでない人は少額もしくは頭金なしで購入と、 資産状況やライフプランによってどちらも選べるお得な時代だといえるでしょう。
1-3 頭金以外にも現金が必要
といっても、ひとつだけ気をつけてほしいことがあります。
それは、住宅購入の初期費用として必要なお金は、頭金だけではないことです。 頭金ゼロで家を買うことはできますが、その場合でも最初にある程度のお金を用意しなければならないのです。
では、どんなお金が必要になるのか、主なものを見てみましょう。
1-3-1 契約前:申込金・手付金
希望の物件が見つかったときに、まず購入の申し込みをするために、申込金や手付金を支払います。
申込金とは、「この物件を買う意思があります」ということを示すもので、 10万円程度を支払う場合が多いようです。 もし後日、申し込みを取り下げた場合には、申込金の返金を請求できます。
手付金は、いわゆるキャンセル料を事前に支払っておく意味を持っていて、 だいたい物件価格の5〜10%が相場です。 正式に購入が決まれば、物件購入代金の一部として計算されますが、 申し込みを解約すると、手付金は戻ってこない場合が多いので要注意です。
1-3-2 契約〜決済:仲介手数料など
実際に購入契約を結ぶと、売買を仲介した不動産会社などの仲介業者に仲介手数料を支払います。
これがなかなか大きく、
(物件の売買価格 × 3% + 6万円)+ 消費税
といった計算式で算出します。
他にも、
- 不動産取得税
- 登記費用
- 印紙代
- ローン契約の事務手数料
- ローン保証料
- 団体信用生命保険特約料
- 火災保険料
などを支払いますので、ここで100万単位の金額が必要になります。
1-3-3 引き渡し後:引っ越し費用・固定資産税・修繕積立費など
実際に家が自分のものになったあとも、出費はいろいろあります。
入居の際には引っ越し費用、家具や家電の購入費用など。 その後は毎年固定資産税もかかりますし、 マンションなどだと修繕が必要になったときのために修繕積立金もプールしていきます。
申込金から積立金まで、これらすべてをあわせて「諸費用」と呼ばれています。 そのおおよその目安金額は、
- 新築なら物件価格の3~5%程度
- 中古なら5~10%程度
と考えてください。
2 頭金ゼロ円でのマイホーム購入
「頭金のつもりで貯金しているけれど、諸費用を支払ったら全部なくなってしまう……」
という人もいるでしょう。
でも安心してください! ここで「頭金ゼロ・フルローンでの住宅購入」を検討すればいいのです。
頭金ゼロで家を買う場合のメリットとデメリットを挙げていきますので、 自分の資産状況やライフプランとあわせて考えてみてください。
2-1 メリット
2-1-1 低金利と住宅ローン減税の恩恵を受けられる
今は超低金利時代で、住宅ローンの金利も非常に低くなっています。 そのため、家などの大きな買い物は今が買い時と言われています。
といっても、この状態が永遠に続くわけではありません。 のんきに頭金を貯めている間に、金利が上昇してしまう可能性もあります。
ですので、低金利の恩恵に浴したければ、 頭金がなくても今のタイミングで家を買うというのもオススメなのです。
さらに、住宅ローン減税の問題もあります。
住宅ローン減税とは、住宅を購入した年から10年間、 毎年のローン残高の1%分が所得税から控除される制度です。
ローン額が多ければ、控除額も大きくなりますので、 同じ価格の家を購入しても、頭金があってローンが少ない人より、 頭金なしでローンが多い人の方がお得というわけです。
2-1-2 賃貸の家賃分を節約できる
例えばいま家賃8万円の賃貸物件に住んでいて、 マイホームのために月々5万円ずつ貯金し始めるとしましょう。
マイホーム資金の目標を仮に500万円だとすると、それが貯まるまで8.3年以上。 その間に支払う家賃は、
8万円 × 12ヶ月 × 8.3年 = 796万8,000円
およそ800万円にもなります。 しかも、この大金は消費されるだけで、物件は自分のものにはなりません。
もし最初に頭金なしで家を買っていたと仮定すると、単純計算で8.3年の間に、
貯めるはずの500万円 + 使わなかった家賃800万円 = 1,300万円
の住宅ローンを返済できて、なおかつずっと持ち家に住めるわけです。
2-1-3 少ない預貯金をキープ・運用できる
せっかく貯めた預貯金を頭金として吐き出してしまうと、またお金を貯める苦労が待っています。
それよりも、その預貯金には手をつけず、万が一の備えとしてキープしておいたり、 運用して資産を効率的に増やしていく方が、生きたお金の使い方だという考え方もあります。
2-2 デメリット
2-2-1 住宅ローン審査のハードルが上がる?
住宅ローンを借りる際には、金融機関からの審査があり、これに通らなければローン契約は結べません。
この審査で重視されるポイントの一つが、年収と物件価格の兼ね合いです。
- 年収に対して「住宅ローンの返済に当てる金額の比率(=返済負担率)」:25〜40%以内が目安
- 年収に対して「住宅ローンの総借入額の倍率」:年収の5倍以内が目安
という2点をチェックされ、借り入れの割合が目安を超えていると審査に通りにくくなります。
フルローンは借入額が大きいため、審査落ちの可能性も上がってしまうのです。
2-2-2 月々の返済額が高めに・完済までの期間が長くなる?
例えば同じ4000万円の物件を購入する場合でも、
- 頭金500万円 + 住宅ローン3500万円
- 頭金なし + 住宅ローン4000万円
を比べると、借りる金額が違ってきますから、当然返済計画も異なります。
頭金なしの場合は、頭金ありの場合に比べて、毎月の返済額を高くするか、 返済期間を長くしないと完済できません。
2-2-3 返済できなくなったら担保割れの危険がある?
もしも住宅ローンを完済する前に、返済が困難になってしまったらどうなるでしょうか?
最悪の場合、家を売却してローンの残債を支払うことになります。
といっても、残念ながら家の価値は年々下がっていきますよね。 残債を下回る金額でしか売れず、住宅ローンの借金が残ってしまう場合があるのです。
これを「担保割れ」といいます。
担保割れすると、家を失った上に、さらに返済しきれなかった借金も残ってしまいます。
これを避けるためには、最初に頭金をできるだけ多く入れて、 借りる住宅ローンの金額をなるべく抑えることが必要です。
逆にいえば、頭金なしで住宅ローンを最大限に利用すると、担保割れの危険は高くなるのです。
3 まとめ
いかがでしたか? 住宅ローンの頭金の基礎知識と、頭金なしでの住宅購入のメリット・デメリットについて、 よくおわかりいただけたかと思います。
もう一度まとめてみましょう。
●頭金の平均は購入価格の約2割
●住宅購入の際には、頭金以外に諸費用が現金で必要
- 申込金、手付金
- 仲介手数料
- 不動産取得税
- 登記費用
- 印紙代
- ローン契約の事務手数料
- ローン保証料
- 団体信用生命保険特約料
- 火災保険料 など
●諸費用の目安は、
- 新築なら物件価格の3~5%程度
- 中古なら5~10%程度
●頭金ゼロで住宅購入する場合、メリットとデメリットがある
<メリット>
- 低金利と住宅ローン減税の恩恵を受けられる
- 賃貸の家賃分を節約できる
- 預貯金をキープ・運用できる
<デメリット>
- 住宅ローン審査のハードルが上がる
- 月々の返済額が高めに・完済までの期間が長くなる
- 返済できなくなったら担保割れの危険がある
これらのメリット・デメリットを比較して、自分のライフプランを踏まえて考えると、 頭金なしでも早く家を買った方がよいか、頭金を貯めてからの方がよいかが見えてくることでしょう。
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