人生のライフイベントの1つである、マイホームの購入。
いつもの「現金一括」「クレジットカード払い」などといった買い物とは違って、住宅ローンを組んで数十年という時間をかけて返済していくのが「家を買う」ということです。
マイホームの理想を叶えたいからといって「あれもこれも」と設備を豪華にしていると、ついつい住宅ローンの金額が膨れ上がってしまうことがあります。しかし、無理な資金計画での住宅ローンは失敗への布石になってしまっていることも。こちらの記事では住宅ローンの見通しを立てるために覚えておきたい計算方法や計算式、そして総返済額を知っておくことの大切さなどを解説しています。
目次
住宅ローンの計算式・計算方法を知って借入可能額を知ろう!
住宅ローンを検討する時には、事前にある程度の返済計画を立てたいもの。また、どれくらいの金額を借りられるかも把握しておきたいですよね。
申し込む前に計算して住宅ローンの総額を知ることが大切
幸せな日々を夢みる人にとって、マイホームは憧れの象徴です。
注文住宅でマイホームを建てれば「吹き抜けや中庭を作りたい」「アイランド型のキッチンで料理をしたい」など家族の理想を存分に詰め込むことができます。しかし、注文住宅はついつい細かい部分までこだわりすぎて予算をオーバーしがちであることも事実。
無理な返済計画を立てて住宅ローンを組んでみても、毎月の返済が生活を圧迫してゆとりがなくなってしまうかもしれません。最近では、住宅ローンを返しきれず住宅を手放してしまう家庭もあります。そうなってしまわないように、住宅ローンは申し込み前に総額を把握しておくことが大切です。
「返済負担率」から借入可能額の目安を知れる
みなさんは「返済負担率」という言葉をご存知でしょうか。返済負担率は返済比率とも呼ばれ、「年間の返済額÷額面年収×100」の計算式で求められる数値です。返済負担率が高いほど毎月の返済負担は大きくなり、この数値が高くなりすぎると返済額が生活を圧迫して家計に負担をかけてしまいます。
一般的に、無理のない範囲で住宅ローンを組もうと考えると、返済負担率は20〜25%程度に留めておくことが推奨されます。例えば、額面年収500万円の方が返済負担率を20%に設定しようと考えた時には、年間の返済額は100万円となります。仮に全期間固定金利1.5%の住宅ローンを35年で借りたとすると、2,300万円の融資を受けられます。これが、返済負担率から考える借入可能額の目安となります。
「いくら借りられるか」ではなく「毎月いくら返せるか」が重要
マイホームの購入を検討する際に注意したいのは、無理なく返済できる住宅ローンを組むことです。金融機関の審査に通ったとしても、必ずしもそれを手放しで喜ぶことはできません。なぜなら、金融機関の審査では先ほどの返済負担率が30〜40%程度までであれば合格するようになっているからです。
仮に希望通りの借入額で審査に通ったとしても、返済負担率を考えていなければ後から大変なことになってしまいます。住宅ローンを組む際には、「いくら借りられるか」よりも「毎月いくら返せるか」を重要視しなければなりません。
借入可能額の計算方法!住宅ローンの見通しを立てよう
それでは、借入可能額の計算方法を見てみましょう。住宅ローンの返済計画は各金融機関が利用するシミュレーションツールを用いるのが簡単ですが、基本的な計算式を知っておいて損はありません。まずは、先ほどの項目で説明した返済負担率を考えましょう。ここでは「返済負担率20%…①」として設定します。その場合、毎年の返済可能額は次の計算式で求められます。
毎年の返済可能額=額面年収÷100×①
額面年収とは保険料や税金などを引かれる前の収入のことであり、一般的に「年収」と呼ばれているものです。例えば年収600万円の人の場合、先ほどの計算式で毎年の返済可能額を求めると120万円ということになります。これを12で割ると、月々の返済可能額が計算できます。月々の返済可能額を求めたら、次に「100万円を借り入れた場合の月々の返済額」を計算しましょう。
「審査金利3%」「返済期間35年」「元利金等返済」の場合
⇒3,848円…②
金融機関では借入の審査をする際に「審査金利」と呼ばれる仮の金利を用いて計算を行います。審査金利は非公開とされていますが、おおよそ3〜4%が相場であるとされています。今回は審査金利を3%と仮定し、返済期間を一般的な35年に設定しています。そうすると、いよいよ借入可能額の計算式が登場します。
月々の返済可能額÷②×100万円=借入可能額
先ほどの年収600万円の人の例だと、月々の返済可能額は10万円でした。そのため、借入可能額は10万円÷3,848×100万円=2,598万円となります。
元利均等返済と元金均等返済の違いは?
先ほど、「元利均等返済」という耳慣れない言葉が出てきました。これは、元金と利息の合計金額、つまり毎月の支払い額が一定になっている返済方法です。月々の返済額がわかりやすいので返済計画を立てやすい一方、同じ借入金額であればもう1つの返済方法である「元金均等返済」よりも総返済額は多くなってしまいます。
元金均等返済は、毎月の返済額のうち元金の部分が一定になっている返済方法です。返済が進んでいくにつれて月々の返済額は少なくなり負担は軽くなっていきます。ただし、借入当初の返済額は終盤に比べると高めになるため、そのぶん借入時に必要な収入は高くなります。
住宅ローンの計算方法を知るとこんなメリットが
次に、住宅ローンの計算式や計算方法を知っておくことで得られるメリットについて解説します。
繰上げ返済による効果を把握しやすい
住宅ローンの計算方法を知っておくと、具体的な返済計画が把握できます。つまり、月々の返済額における元金と利息のバランスも理解しやすくなります。住宅ローンは35年などの返済計画で組みますが、繰上げ返済として前倒しでどんどん返していくのが一般的です。繰上げ返済をすると「返済期間が短くなる」「月々の返済額が少なくなる」などのメリットがあり、具体的な返済計画を把握しておくことでその効果を実感しやすくなります。
住宅ローンの繰上げ返済には主に2つの種類がある
- 返済額が軽減されるタイプ
住宅ローンの繰上げ返済には2つの種類があり、1つ目は「返済額が軽減されるタイプ」のものです。こちらは繰上げ返済を行ったぶん月々の返済額が少なくなっていきます。つまり、毎月必ず支払わなければならない金額が少なくなるので、将来の様々なリスクに備えることが可能です。例えば「収入が少なくなってしまった」「子供の進学で予想よりも多くのお金が必要になる」など、生活の変化に対応しやすいのはこちらのタイプです。
- 返済期間が短くなるタイプ
もう1つの繰り上げ返済の種類は「返済期間が短くなるタイプ」のものです。繰り上げ返済で返せば返すほど返済期間が短くなっていくので、繰り上げ返済の効果を実感しやすいです。支払い期間が短くなったぶんだけ利息の支払いが必要なくなるため、先ほどの返済額軽減タイプよりも利息軽減効果は高くなります。
毎月の返済額を知ることでライフプランを考えやすい
申し込み前に住宅ローンの見通しを立てて毎月の返済額を把握しておけば、より具体的なライフプランを立てやすくなります。「子供を何人作って、どういった教育を行って」のように将来像がはっきりしている場合には、教育へかける費用なども考えやすくなります。なにより、自分がこれから組むことになる住宅ローンの詳細は具体的に把握しておくことが大切です。
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住宅ローン計画を立てる際には総返済額を把握しよう
いつまでも快適で豊かな暮らしを送るために、住宅ローンの総返済額は必ず把握しておかなければならないものです。住宅ローンを検討していると借入希望額や借入可能額にばかり目がいってしまいがちですが、実は1番重要なのは元金に利息の支払い額を加えた総返済額です。当たり前といえば当たり前のことかもしれませんが、意外とこれを忘れてしまう人も多いのです。
具体的にいえば、住宅ローンを組む上で「毎月いくらプラスすればキッチンの設備を豪華にできる」と考えるのは得策ではありません。なぜなら、高額な住宅ローンに金銭感覚が麻痺してしまい、少し金額が上がったくらいではそれをなんとも思わなくなってしまうからです。無理のない返済計画を立てるためにも、「この設備を導入すれば総返済額はどれくらいになるのか」と考えることが大切です。
返済計画を明確化しやすい
総返済額を知っておけば、何年間でいくらぐらいの利息が必要になるのかを見通すことができます。そうすれば住宅ローンを完済するまでのイメージがより具体的になり、返済計画を明確化しやすくなるでしょう。「繰り上げ返済でどんどん返済していこう」と考えているのであれば、総返済額を知っておくことでどれくらい利息を減らせるのかを確認しやすくなります。
計算やシミュレーションの際にチェックしよう
住宅ローンの総返済額を知るためには、シミュレーションをする際にチェックするのが最も簡単です。「いくら借りれば何年でどれくらいの利息が必要になるか」を知っておけば、予算計画も立てやすくなります。また、予算の調整をしたい時にも総返済額で比較するのは非常に重要です。
自分に適した金利タイプを見つけやすい
住宅ローンを組む時に考えなければならないのが「変動金利か固定金利か」という金利タイプについてです。自分に適した金利タイプを考えるためにも、総返済額を把握しておけば比較しやすくなります。「変動金利を選んで金利が上がったらどの程度の支払いが必要になるのか」「固定金利と比べたら利息はどれくらい違うか」など細かい比較も実施しやすいです。
どの金融機関を選ぶべきか考えやすい
金利タイプの他に決めなければならないのは、どの金融機関を利用するかということです。もちろん審査に通ることが前提にはなってしまいますが、同じ借入金額でも金融機関によって総返済額は変わってきます。金利を比較することも大切ですが、総返済額を比較すればそれぞれの金融機関ごとにどんな違いがあるかを理解しやすいです。
計算を楽にする!おすすめのシミュレーションツール
それでは最後に、住宅ローンの計算を非常に簡単にしてくれるシミュレーションツールを紹介します。金融機関や団体ごとに独自のシミュレーションツールを提供してくれていて、それぞれできることや機能が少しずつ違っています。
住宅保証機構株式会社
住宅保証機構株式会社は、国土交通大臣から「住宅瑕疵担保責任保険法人」の指定を受けている会社です。このシミュレーションツールを使えば「借入可能額」や「月々の返済額」、「総返済額」はもちろん「繰上げ返済」や「複数ローンの組み合わせ」など様々なシミュレーションを行うことができます。
【できること】
- 返済額の試算
- 借入可能額の試算
- ローンの繰上げ返済
- 返済プランの比較
- 複数ローンの組み合わせ
- 住宅取得 諸費用の試算
楽天銀行
ネット銀行の大手である楽天銀行。楽天銀行のシミュレーションツールを使えば年収や月々の返済額、借入希望額などから借入可能額を試算することができます。また、現在の金利や月々の返済額から借り換えによるメリットを計算することも可能です。
【できること】
- 借入可能額の試算
- 借り換えによるメリットを試算
住信SBIネット銀行
特許を取得しているセキュリティ専用のアプリ「スマート認証」が特徴的な住信SBIネット銀行。住信SBIネット銀行のシミュレーションツールでは借入可能額や借り換えの試算はもちろん、ミックスローンやペアローンの試算も行えます。
【できること】
- 借入可能額の試算
- 借り換えによるメリットを試算
- ミックスローンやペアローンの試算
住宅金融支援機構
全国の金融機関が住宅金融支援機構と提携して実施している住宅ローンが「フラット35」です。住宅金融支援機構のシミュレーションツールならフラット35の簡単なシミュレーションや、「資金計画」「返済プラン」「借り換え」などの試算や、「災害復興住宅融資シミュレーション」も行えます。
【できること】
- フラット35の簡単なシミュレーション
- ライフイベントを考慮した資金計画のシミュレーション
- 諸費用を含めた総返済額などを3つのプランで比較するシミュレーション
まとめ
いかがでしたか。
住宅ローンの計算方法や総返済額を知っておくことの重要性について解説しました。
生涯で最も大きな買い物になるかもしれないマイホーム。数年後、数十年後に後悔しないためにも綿密な返済計画を立てて住宅ローンを組むことが大切です。
また、住宅ローンの見通しを立てておけば大体どれくらいの予算を用意できるかもわかってきます。それこそが自分の叶えたい理想のマイホームを手にいれるための大きな一歩。憧れのマイホームを建てるため、まずは住宅ローンの計算から始めてみてはいかがでしょうか。
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