比較チェック!民間ローンとフラット35の6つの違い

比較チェック!民間ローンとフラット35の6つの違い

住宅ローンを考えた時、必ずぶつかる壁が、民間ローンとフラット35、どちらを選ぶべきかということ。

金利だけを見れば民間ローンの方が得に思えますが、低金利が長く続く昨今、金利がいつ上昇に転じてもおかしくありません。

返済は長期にわたりますから、10年後、20年後の金利動向を見据えた、慎重な判断が必要です。

このページでは、そうした判断をお助けするための参考情報として、民間ローンとフラット35の違いについて解説しています。

興味がある方は、ぜひ参考に目を通してみてくださいね。

また、別ページ「【2019】人気のフラット35ベスト10!金利・審査まで徹底比較 」では、フラット35系の人気プランベスト10を紹介しています。

フラット35にどういうプランがあるのかを比較、検討したい人は、こちらも合わせてチェックしてみてください。

比較してみよう!民間ローンとフラット35の違い

民間ローンとフラット35には、いくつかの違いがあります。

ここでは、金利、借入先、借入可能額、審査の厳しさ、団信への加入義務、プランの幅、といった6つのポイントを軸に、それぞれを比較してみたいと思います。

金利

シーソー

まずは、金利についてです。

民間ローンとフラット35の最も大きな違いは、金利にあると言っても過言ではないでしょう。

単純に金利の高い、低いというのもありますが、それ以上に大きいのは、固定金利か変動金利か、という点です。

フラット35の場合

まずフラット35ですが、こちらは固定金利の住宅ローンとなっています。返済開始から完済まで金利が一定で、資金管理をしやすいというのが大きな特徴です。

変動金利と比べると金利は高めですが、現在の低金利がこの先数十年続く保証はどこにもありません。フラット35を選ぶ場合、金利が変わらないという安心感、返済額の見通しの良さが決め手となっているケースが多いです。

ちなみに、ひと口にフラット35と言っても、いくつか種類があります。主だったプランとその金利を以下に紹介します。

種類金利
フラット20返済期間15〜20年:1.250〜1.900%
フラット35 フラット35リフォーム一体型返済期間15〜20年:1.250〜1.900% 返済期間21〜35年:1.310〜1.960%
フラット50返済期間35〜50年:1.690〜2.190%
フラット35Sフラット35の金利から-0.25%引き下げ
フラット35子育て支援型・地域活性型同上。フラット35Sとの併用可能

引用元:商品ラインナップ:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

フラット20からフラット50までは、返済期間に応じて金利も変わっていきます。返済期間が短いほど金利は低く、長いほど金利は高くなっていくわけです。

また、特約として、地域の地方公共団体が住宅支援機構と連携していたり、省エネ性や耐震性に優れる住宅を購入する場合などであれば、一定期間金利が引き下げられる、お得なプランを利用することも可能。これには、子育て支援型・地域活性型、フラット35Sなどが該当します。

民間ローンの場合

民間ローンの場合、変動金利、または変動固定金利のどちらかを選ぶケースが多いです。

  • 変動金利…半年ごとに金利を見直し、その分を5年ごとに返済額に反映する金利タイプ。
  • 変動固定金利…3年、5年、10年といった期間を固定金利とし、その後は改めてそのタイミングの金利で固定金利にするか、変動金利にするかを選べるという金利タイプ。

いずれも、金利は固定金利より低めに設定されていますが、金利が上昇した場合は損をしてしまうこと。また、返済額が市況によって変動するため、教育資金や老後資金の貯蓄計画が立てづらいといったデメリットがあります。

固定金利、変動金利、変動固定金利を比較した時、最終的にどちらが得か、というのは、一概には言えません。

単純に金利だけを見れば固定金利が高く見えますが、細々した手数料を考えるとトータルでは固定金利が得、というケースも考えられます。

また、変動金利にする場合、得をするためには金利動向に気を配って、その時々で損のない選択をしていくことが肝要。そういったリサーチが苦手な方には、あまり向いていません。

昨今はフラット35と同等の長期固定金利の住宅ローンを用意している金融機関も増えており、以前よりはフラット35と民間ローンの間に大きな差はなくなってきました。

金利については、フラット35か民間ローンか、といった比較だけでなく、諸費用なども含めて、より負担の小さい方を選ぶことが大切です。

借入先

銀行

フラット35と民間ローンは、主体は違うのですが、実際には同じ窓口で取り扱われていることがほとんどです。

そのため、借入先がどこになるのか、混乱してしまう人も少なくないはず。続いては、それぞれの借入先についての基本知識を見ていきましょう。

フラット35の場合

フラット35は、住宅金融支援機構という独立行政法人が、民間の金融機関と提携して事業を運営しています。民間の金融機関で取り扱われますが、主体はあくまでも住宅金融支援機構です。

厳密に言えば、融資自体は金融機関から行われるのですが、その後すぐに、債権は住宅金融支援機構に売却されます。返済するお金も、金融機関を通して住宅支援機構に受け渡しされます。

ただ、主体は同じでも、フラット35の金利が金融機関によって違うことがあります。

実は、フラット35の金利には、窓口となる金融機関の手数料が含まれています。この手数料をいくらとするかは、金融機関が任意で決めることができるため、どの金融機関で申し込みを行うかによって、微妙に金利が変わってくるというわけです。

民間ローンの場合

民間ローンは、その名の通り民間の金融機関が各自で用意している住宅ローンのことです。

ひと口に金融機関といっても、メガバンク、都市銀行、地方銀行、信用金庫、モーゲージバンク、生命保険会社等々、その種類は様々。

また金融機関の中には、住宅会社と提携して窓口で扱わないような有利な住宅ローンを用意しているところもあり、その選択肢は膨大です。

金利や手数料といった金額面はもちろん、付帯している各種サービスもそれぞれ違うため、幅広く情報を集め、自分たちの要望と併せて比較・検討を行っていくことが大切と言えます。

借入可能金額

数字とペン

返済額の検討が疎かになるため、「いくら借りられるのか」という視点で住宅ローンを検討するのは注意が必要です。ただ、それでも借入可能額というのは気になるもの。

住宅づくりの資金計画を立てる上でも重要な検討材料ですから、民間ローンとフラット35の間にどういった違いがあるのか、あらかじめ押さえておきましょう。

フラット35の場合

フラット35の場合、借入可能額の範囲は、土地取得費を含めて100万円以上8000万円以下(1万円単位)と定められています。

借入対象となるのは、請負契約書や売買契約書に書かれている金額。土地や住宅、各種住宅設備に加え、物件の仲介手数料や登記、融資にかかる諸費用、保険料も含まれます。

年収に関する制限はないものの、年収に対する年間返済額の割合(返済比率)に上限が定められており、先の借入可能額の範囲であっても、返済比率が所定の基準以下だと住宅ローンを組むことは難しくなります。

自営業の方など、収入が変動しやすい人もいるため、一概に返済比率だけで借入可能額が決まるわけではありませんが、判断材料の1つとして知っておくことをおすすめします。

ちなみに、フラット35の返済比率の上限は以下のように定められています。

  • 年収400万円未満の場合:30%
  • 年収400万円以上の場合:35%

民間ローンの場合

民間ローンは種類が膨大なため、あくまで傾向の話となりますが、フラット35より借入可能額は低くなります。

フラット35の返済比率は30〜35%ですが、民間の金融機関の場合は、25%以下が目安。つまり5〜10%上限が下がるというわけです。

ただ、返済比率は収入対する返済額の割合です。収入が高ければ、借入可能額に上限のあるフラット35よりも、借入可能額が大きくなる可能性も。

ケースバイケースで変わってきますから、自身の借入可能額を知りたいときは、各金融機関がウェブ上で公開している無料シミュレータを利用されてみることをおすすめします。

審査の厳しさ

マルとバツ

いくら魅力的な住宅ローンであっても、借りられなければ絵に描いた餅です。

審査の厳しさや、どういった事項が重視されるのかについても、それぞれの違いを知っておきましょう。

フラット35の場合

フラット35の審査は、民間の審査に比べて比較的通りやすい傾向があります。

返済比率(年収に対する返済額の割合)に一定の条件はあるものの、年収が低いから融資が組めない、ということはありませんし、健康不安があるという理由で審査に落とされることもありません。

フラット35の主体は住宅金融機構という国の機関であり、国は日本に環境に優しく、長期にわたり住める住宅を増やしたいと考えています。

そのため、個人の信用より、建てようとしている物件の技術基準の方が重視される傾向にあります。

たとえば一戸建て住宅購入時には、主に以下のような基準項目が審査されます。

接道原則一般道に2メートル以上接すること。
住宅の規模70平方メートル以上であること。
断熱構造断熱等性能等級2レベル以上であること。
住宅の構造耐火構造、準耐火構造、耐久性基準に適合していること。
配管設備の点検点検等を設置すること。

引用元:【フラット35】 新築住宅の技術基準の概要:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

上記はフラット35の審査項目ですが、技術基準のレベルが高ければ高いほど、金利の優遇されたプランを選ぶことができるようになります。

設計や現場の検査は第三者機関が行うため、基準をクリアしているからといって必ずしも希望に沿ったプランを利用できるわけではありませんが、個人の信用より物件が重視される傾向にあることは間違いありません。

年収等に不安があり、民間ローンが組めるか不安という場合は、まずフラット35を検討されてみることをおすすめします。

民間ローンの場合

前述の通り、民間ローンの審査はフラット35より厳しい傾向があります。

債務者の信用と物件の両面が審査される点は同じですが、フラット35と比べて、個人の信用がより重視されます。

民間ローンで審査される主な項目は、以下の通りです。

年収月々の返済額に対して、収入が低すぎないか。
年齢高齢すぎないか。
職業安定した収入が見込める職業についているか。
信用情報返済事故の有無や、その他ローンの借入額の妥当性等、長期返済の信用に足る人物か。
健康状態団信の加入条件をクリアしているか。
物件の資産価値物件に担保とするだけの資産価値があるか。

住宅ローンの審査は、長期にわたり安定的に返済できるかどうか、という点が非常に重視されます。

知っておきたいのは、審査は相対的に判断される、ということです。

たとえば年収は多いに越したことはありませんが、借入額が大きすぎれば審査には通らないでしょう。

また、若い方が審査に通りやすい傾向にありますが、収入に対して極端に返済額を大きくする(返済期間を短くする)と、不利になります。

物件の審査には絶対的な基準のあることがほとんどですが、個人の審査は各審査項目のバランスによって相対的に基準が変わる、ということは知っておくと良いでしょう。

ちなみに、ひと口に民間の金融機関といっても、その種類によって審査の厳しさは変わります。一般に、金利の低い金融機関ほど審査に厳しくなります。

たとえば新興のネットバンクなどは審査に厳しく、次いでメガバンク、地銀、といった具合に度合いが緩くなっていきます。

金利の高さだけで住宅ローンを絞ってしまうと、後になって審査に通らず慌ててしまわないとも限りません。住宅ローンを比較する際は、審査の通りやすさも検討材料の一つに組み込んでおきましょう。

団信への加入義務の有無

家と人型

団信(団体信用保険)は、債務者にもしものことがあった場合に親族に負担が行かないよう、残債を清算するための保険です。

住宅ローンや、投資不動産用のローンを組む場合に加入が義務付けられているケースが多いのですが、この団信についても、フラット35と民間ローンの間で違いがあります。

フラット35の場合

フラット35には、団信への加入義務はありません。

そのため、たとえば何らかの疾病があり保険が組めないようなケースでも、購入する物件さえ所定の条件をクリアしていれば、住宅ローンを組める可能性があります。

ただ、だからといってフラット35に団信が付いていないかというと、そういうわけでもありません。基本的には団信付きとなっており、ローンの返済額と保険料をまとめて支払っていくこととなります。

一般の団信は、特約をつけない限り保障範囲は高度障害と死亡保障に限られますが、フラット35の場合は高度障害保障が身体障害保障に拡大されており、コストパフォーマンスは良好。特約付きの機構団信を選択すれば、さらに疾病保障もカバーすることが可能です。

以前はフラット35と民間の保険を組み合わせるのが主流でしたが、保障が充実した現在では、機構団信で保障を賄うケースも増えています。

民間ローンの場合

民間ローンの場合、団信への加入が必須となっています。つまり、金利には原則団信の料金も含まれている、ということです。

住宅ローンを選ぶ場合、多くの人が金利を気にするかと思いますが、その金利は団信の保障内容によっても変わってきます。

金利が低かったり、団信の保険料が無料だったり、といったポイントは、必ずしも得とは限りません。

金利で住宅ローンのコストパフォーマンスを判断する場合は、利率と保障内容をセットで考え、それぞれの良し悪しを比較していくことが大切です。

口コミから見るフラット35を選んだ決め手

コーヒーと吹き出し

住宅ローンでフラット35を選んだ人は、一体何を決め手にしたのでしょうか。口コミを参考に、そのエッセンスをまとめてみました。

見通しが立てやすい

人生設計に則って資金管理をしたかったため、フラット35を選びました。現在の生活レベルが将来的にどこまで上がっていくのか。

また、子育てのどのタイミングでまとまった資金需要が発生するのかなど、細かいことを考えていくと、変動金利だと先行きが全く読めません。

返済総額で比較した場合、どちらが安くなるのかはわかりませんが、きちんと計画を立てて将来に備える方が、私の性に合っているように思いました。

今のところ、全期間固定金利を選んで後悔していることはありません。

借り換えの手間が小さそうだった

自分なりに変動金利と全期間固定金利を比較してみたのですが、変動金利はデメリットが多いように感じたのでフラット35を選びました。

変動金利の場合、文字通り金利が常に変動していくわけですから、気の小さい私にはちょっとツラいのではないかと思いました。

また、仮に金利が上がってしまった場合、借り換えを検討しなければならないというのがネックです。市況の先行きをチェックして、現在の住宅ローンより有利なプランを探して、などと手間を掛けるのは、あまり現実的ではないと思いました。

結局、手間を惜しんで損を受け入れてしまうという懸念が残ります。全期間固定金利であればそういったストレスとは無縁でいられますから、私はフラット35を選びました。

過去の金利推移を見てお得に感じた

金利推移を辿ってみると、現在が明らかに低金利であることがわかりました。変動金利は一見金利が低いように思えますが、上昇の幅を予測してみるとあまり魅力的ではないように思いました。

10年の変動固定金利で様子を見ようかとも思いましたが、先進諸国で金利上昇の動きがあるようで、日本も近い将来追随するのではないかと予想しフラット35を選びました。

もういい年で何があるのかわからないので、支払い総額が見通せるという点でもこちらを選んでよかったと感じています。

購入物件がフラット35Sの対象だった

フラット35には、省エネ住宅や耐震性能の優れた住宅を購入する場合に、所定の期間金利を引き下げるフラット35Sという制度があります。

実は最初は金利の安い変動金利の住宅ローンを検討していたのですが、購入しようとしている物件がフラット35Sの条件をクリアしていることを知り、再検討。

家族会議の結果、フラット35Sを選びました。なんだか得をした気分でいます。

公的機関の融資という安心感

住宅ローンを検討している折、ひょんなことから、それまで聞いたことのなかったモーゲージバンクという種類の会社に相談することとなりました。

ちょっと不安だったのですが、住宅金融支援機構と提携しており、仲介窓口としてプランを紹介しているとのことで、安心して契約。大きなお金の絡むことですから、やはり公的機関は安心感があります。

繰り上げ返済の手数料が無料だった

借金は早く返した方が得、と考えていたので、繰り上げ返済手数料が無料のフラット35を選んだ大きな理由となりました。

最近は繰り上げ返済の手数料が無料という民間の金融機関も増えているようですが、私たちがローンを組んだ時は、繰り上げ返済に手数料が掛かるところがほとんどだったのです。

また自営業ということもあり、先の見通しやすい全期間固定金利型が魅力に思えたというのもあります。

あえて変動金利を選ぶ理由はないかと

低金利の昨今、あえて変動金利を選ぶメリットは小さいと考えました。未来のことはわかりませんが、返済途中で金利が上がり始めると思います。

それに、もし仮に変動金利の方が得だったとしても、いつまでにいくら必要なのかをはっきりさせた方が、貯金も計画的にできるし、趣味やレジャーに使えるお金の管理も楽になると考えました。

まとめ

民間ローンとフラット35を比較してみると、以下のような違いがあることがわかります。

比較項目フラット35民間ローン
金利完済まで固定。 資金計画が立てやすい。 低リスクな分、利率は高め。定期的に変更。最近は完済まで固定タイプも増えている。 資金計画が立てにくい。 上昇するリスクがある分、利率は低め。
借入先住宅金融支援機構(独立行政法人)。民間の金融機関。
借入可能額100〜8,000万円。 返済負担率は年収400万円未満が30%、それ以上が35%。金融機関による。 返済負担率は25%前後が目安。
審査の厳しさ比較的通りやすい。 物件の技術基準が重視される。比較的厳しい。 個人の信用力が重視される。
団信への加入義務原則加入だが、保険の審査に通らない場合でも借入可能。原則加入。

どちらを選ぶべきか、というのは、ケースバイケースで違ってきます。

ただ選択肢によって、総支払額が数十万〜数百万単位で違ってくることも。自分たちでリサーチすることも大切ですが、できれば専門家に相談して、自身のケースに最適な住宅ローンはどういうものか、助言を仰がれてみることをおすすめします。

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