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あなたはどっち?持ち家VS賃貸のメリット・デメリットまとめ

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あなたはどっち?持ち家VS賃貸のメリット・デメリットまとめ

持ち家を選ぶか賃貸を選ぶかで、人生は大きく変わります。

昔は、選択できるなら持ち家を選ぶ、という人がほとんどでした。しかし昨今は、あえて賃貸物件で生涯を過ごす人も増えています。

持ち家を取得する場合、数千万円単位の借金を負う上、1つの土地に縛られることになります。そうしたリスクや不自由さから逃れたい、と考えるのも、無理のないことでしょう。

しかし、賃貸には賃貸のリスクがあり、どちらが良いと一概に判断することはできません。

このページでは、そうした持ち家と賃貸の違いについて、統計情報を交えながら解説していきたいと思います。

まず客観的な統計を知ろう

統計グラフのイラスト

総務省統計局は、5年おきに住宅・土地統計調査というものを行っています。この調査結果の中に持ち家と賃貸に関する言及がありますので、まずはこちらをチェックしていきましょう。

全国主要エリアの持ち家住宅率

平成30年住宅・土地統計調査の結果によると、全国主要エリアの持ち家比率は以下のようになっています。

都道府県居住世帯のある住宅数(1000戸)持ち家比率
東京都6,80645.0%
神奈川県4,00059.1%
大阪府3,95054.7%
愛知県3,06959.5%
埼玉県3,02365.7%

住宅数の多い順に5都府県を並べています。これ以降も、住宅数に反比例する形で持ち家比率は上がっていきます。

ちなみに、全都道府県で算出した持ち家比率は、61.2%でした。世帯数上位の都府県は、いずれも平均を下回っていますね。都市圏ほど持ち家比率が下がる傾向がある、と言えそうです。

これまでの比率の推移

平成20年住宅・土地統計調査では、昭和43年からの持ち家比率の推移がまとめられています。

結果は、以下の通りです。

調査年持ち家比率
昭和43年59.1%
48年58.4%
53年62.0%
58年61.1%
平成5年59.6%
10年60.0%
15年60.9%
20年60.9%

平成30年が61.2%ですから、50年近く、ほぼ横這いで推移していることが伺えます。

生涯賃貸で過ごす、という選択肢は目立っていますが、実際に賃貸を選んでいる人は、統計に出るほどは増えていないようです。

年収と持ち家比率の関係

こちらも平成20年住宅・土地統計調査のデータですが、収入が高いほど持ち家比率が高くなるという結果が出ています。

年収持ち家比率
200万円未満60.9%
200〜300万円47.2%
300〜400万円56.8%
400〜500万円59.3%
500〜600万円63.3%
600〜700万円71.1%
700〜1000万円80.5%
1000〜1500万円86.0%
1500〜2000万円89.9%
2000万円以上90.2%

年収と持ち家比率が見事に比例していますね。年収700万円以上に至っては8割以上が持ち家です。

これは、高収入の職業についているかどうかというよりも、年齢による収入の増減による結果と言えるでしょう。年代別で見てみても、年を重ねるほど持ち家比率が高くなっているからです。

いずれにせよ、令和を迎えた現在も、持ち家派が賃貸派よりも優勢であると考えられます。

持ち家のメリット・デメリット

住宅の外観

2020年現在、日本の持ち家比率は6割程度と見込まれています。過半数が持ち家を選ぶ理由を探るために、メリット、デメリットを比較してみましょう。

メリット

代表的な持ち家のメリットは、以下の3点です。

資産になる

もっとも大きいのは、住宅という大きな資産が手に入るということ。仮に年100万円(1ヶ月あたり8万3,333円)の家賃を支払っているとして、それを30年続けると合計は3000万円になります。

住宅を取得するのに掛かる平均的な費用は3000〜3500万円ですから、家賃分の負担でも家を建てることは十分にできそうです。

金利分が上乗せされるため、実際の支払額はもう少し大きいのですが、それでも家賃と同程度の負担で住宅という資産を手に入れられる、というのは大きな魅力ですよね。

もちろん自由に引っ越しできなくなるというデメリットもあるのですが、家族に残せる資産が得られる、というのは持ち家の大きなメリットと言えます。

住まいの満足度が高い

ウェブ上にある、持ち家で後悔している人の意見を見てみると、そのほとんどが立地や周辺環境、ランニングコスト等に関するものであることが伺えます。

コンセントの位置など、間取りで不満を抱えているという意見も見られますが、家を建てなければよかった、というような強い後悔をしている人はいません。

これは、住まい自体の満足度が高いことの裏返しであると言えるでしょう。

また、持ち家は自身の所有物です。その土地に定められた建築条件を満たしている限り、どのようなカスタマイズも自由にできます。

DIYはもちろん、予算に余裕があればリフォームやリノベーションという選択肢もあります。誰の目を気にすることもなく望む住まいを実現できる、というのは、持ち家ならではの利点です。

老後にゆとりができる

税金の支払いやメンテナンスの費用などは掛かりますが、住宅ローンさえ完済してしまえば、住宅に関する支払いの負担は劇的に軽くなります。

最近は定年後に再就職をするケースも増えていますが、それでも現役時代より収入が目減りすることがほとんど。生活費はできるだけ多く確保したいですよね。

賃貸だと、収入の3〜4割を家賃で持っていかれることも少なくありません。

また、手持ちの住宅があるという安心感も、精神的なゆとりを与えてくれます。リタイア後の生活が、金銭的にも精神的にも楽になる、という点も、持ち家を手に入れる魅力と言えます。

デメリット

丸められた紙

もちろん、持ち家にも見逃せないデメリットがあります。代表的な項目は以下の通りです。

立地・周辺環境に何があっても逃げられない

持ち家を現金で購入する人は少数派です。ほぼ確実に住宅ローンを組むことになります。

そのため、入居時点では、土地も建物もまだ自分だけのものにはなりません。銀行の抵当権がついており、支払いが滞った場合には残額の弁済のために差し押さえられることもあります。

権利関係が複雑であるため、手軽に手放すことができません。

もし入居後に周辺環境や人間関係でトラブルがあっても、賃貸のように気軽に引っ越すという解決策が取れないわけです。

住宅ローンを完済していれば多少手間は減りますが、それでも思い立ったらすぐに売却、ということはできません。買い手が見つかるまでに年単位の時間が掛かることもあります。

この諸手続きに時間が掛かり、自由が制限される、という点が、持ち家の大きなデメリットです。

維持費・ランニングコストが嵩む

住宅は消耗品ですから、住み続けているうちに少なからず劣化してきます。それぞれの部位に耐用年数がありますから、長く快適に住み続けるためには、各部の定期的な点検や補修が不可欠です。

特に屋根や外壁といった範囲の広い部位は、補修に掛かる費用が100万円単位となることも。

また、住宅ローンの支払い以外に、固定資産税や都市計画税といった税金も毎年支払わなければなりません。

いずれも、負担を軽減するための助成制度が用意されているのですが、賃貸と同じような感覚で住宅関連の出費を捉えていると、戸惑ってしまう可能性が高いです。

初期費用が大きい

持ち家を手に入れるには、相応の蓄えが必要です。最近は頭金なしでも住宅ローンを組めるプランがありますが、金利面の負担が大きく、決して旨味があるとは言えません。

また、登記のための税金や行政書士への報酬、住宅ローンが下りるまでの繋ぎ資金、仮住まい、引越しの費用など、住宅本体以外にも様々な費用が発生します。

頭金も含めて、少なくとも500万円前後の蓄えがないと、スムーズに手続きを進めることはできないでしょう。

この初期費用というハードルも、持ち家のデメリットと言えます。

持ち家に向いた人の特徴

持ち家は、安定した生活を送りたい人に向いた住宅形式です。

1つの土地に長く住むことに抵抗がない、また、定住してもいいと思える土地を見つけたという場合には、賃貸よりも持ち家を選んだ方が豊かな人生を送れることでしょう。

一定以上の蓄えがあることが前提ですが、申請者の信用よりも物件価値を重視するフラット35であれば、年収に不安があっても住宅ローンを組める可能性は十分にあります。

返済計画を慎重に立てる必要がありますが、最初にフィナンシャルプランナーなどに相談して収支をシミュレーションして貰えば、後から返済に苦しめられるということもないはずです。

賃貸のメリット・デメリット

賃貸住宅の鍵

賃貸のメリット・デメリット

持ち家のメリットは数多いですが、数十年にわたって1つの土地に縛られることに抵抗を覚える人も少なくないことでしょう。

続いては、一生賃貸でいることのメリット、デメリットを紹介します。

メリット

賃貸の大きなメリットは、身軽さや手軽さにあります。たとえば以下のような項目が挙げられます。

周辺環境に問題があっても手軽に住み替えられる

どんなにいい物件に思えても、本当に過ごしやすいかどうかは住んでみなければわかりません。騒音や異臭、人間関係のトラブルなど、住みにくさを感じる要因は住宅以外にも無数に考えられます。

また、出産や子育てを経て、当初の見込みより住宅が手狭になる可能性もあります。

賃貸であれば、どうしても住みにくいと感じたら、引っ越してしまえば問題は解決します。

契約内容によっては違約金が発生しますが、せいぜい10〜20万円程度の負担です。持ち家を手放す場合に発生する権利関係の申請や売却手続きの煩わしさに比べたら、雲泥の差でしょう。

この気軽さが、賃貸物件に住み続けることの代表的なメリットと言えます。

必要設備のメンテナンスが不要

入居当初から備わっている設備であれば、不具合、故障があっても、管理会社に連絡すれば所定のメーカー、業者に連絡を取って、修理、交換等の話を進めてくれます。しかも、多くの場合無償です。

困ったときに相談できる窓口、それも様々な事柄をワンストップでカバーしてくれる窓口があるというのは、心強く、便利なもの。

もちろんそうした対応に関する費用は家賃や共益費に含まれているわけですが、そもそも賃貸物件の備品は、共同住宅を管理、運営する法人が一括で依頼して設置しています。

管理会社の関連会社や提携会社が対応することが多く、個人で依頼する場合に比べて、コストも安上がりでしょう。

初期費用が小さい

手軽に引っ越しできることともつながりますが、初期費用が小さいというのも賃貸物件の魅力。新居へ引っ越しをするには、50〜100万円もあれば十分です。

最近は頭金ゼロの住宅ローンも増えていますが、住宅を購入するには、住宅本体以外にもさまざまな支払い項目が発生します。また、入居後に支払う固定資産税、不動産取得税も用意しておく必要があります。

少なくとも500万円前後の蓄えがなければ、スムーズに話を進めることは難しいでしょう。

蓄えにそれほど余裕がなくとも、快適な住まいを手に入れられる、というのは、賃貸のメリットと言えそうです。

デメリット

三角座りする女性

続いて、賃貸のデメリットを見ていきましょう。

いくら家賃を払っても資産にならない

たとえば家賃10万円の部屋に住んでいると仮定しましょう。5年分の家賃を合計すると600万円、10年では1200万円になります。

決して小さい金額とは言えませんよね。安い中古マンションを購入していれば、すでに住宅ローンも払い終わっていることでしょう。

持ち家と賃貸との大きな差は、ここにあります。賃貸は気楽で自由ですが、10年、20年と住み続けた場合、1000万円単位のお金をただ消費するだけで終わってしまいます。

一方、持ち家であれば、購入時点ほどの資産価値は望めないにせよ、数百万、数千万円の不動産を手に入れることが可能。住み続ける自由も、売却してお金に変える自由もあります。

最終的に残るものがない、という点は、賃貸の大きなデメリットと言えるでしょう。

住まいの自由度が低い

賃貸物件の所有者は、あくまでオーナーです。退去するときは、住居内を借りた状態のまま返さなければならない、原状復帰という義務が発生します。

そのため、住まいを住みやすく改造しようにも、できることが大幅に制限されてしまいます。壁紙を貼ったり、インテリアのレイアウトを工夫したり、決められた枠組みの中で試行錯誤するしかありません。

また、設備面に関しても、後から自由に追加できるとは限りません。「食洗機や浴室乾燥が欲しい」「太陽光発電を設置したい」「犬が飼いたい」というように、住まいに対する要望は多種多様。

賃貸の場合、そうした要望を実現できるかどうかは、オーナーの意向や物件の状況により変わってきます。最初から用意されているものを手間を掛けて探す必要があり、また仮に要望に叶う物件が見つかったとしても、100%自分たちの自由にはできません。

高齢者になったときに生活が困窮する

それまでの備えにもよりますが、老後と現役世代では、賃貸での過ごしやすさに大きな差が出ます。

毎月継続的に出ていく家賃は地味な負担となりますし、より安いところに引っ越そうにも、現役の時に比べ入居審査に通りづらくなります。じっさい、2020年現在でも、高齢者の審査落ちは社会問題となっています。

オーナーからすれば、収入が低いうえ、万が一のことがあったら物件に瑕疵がついてしまうわけですから、ある意味では仕方がないことでしょう。

さらなる高齢化が見込まれる10年後、20年後に、状況が改善しているとは思えません。

独立行政法人が提供する賃貸住宅など、最低限の社会的なセーフティネットはありますが、選択できる住環境は限られます。

持ち家と比べ、自由度の高い賃貸ですが、リタイア後を想定して備えておかないと、人生の最後に苦労するリスクがあるわけです。

賃貸に向いた人の特徴

家賃というのは、現役世代であっても、収入の2〜3割を占める大きな負担ですよね。賃貸の大きなリスクは、リタイア後にも家賃の支払いが続くことです。

したがって、このリスクに対して十分な備えができるかどうか、という点が、一生賃貸でいるのに向いているかどうかの大きな判断基準となります。

単純に、身軽だから、出費が抑えられるから、といった基準で判断すると、老後に苦労する可能性が高いです。賃貸のメリットを享受するなら、ライフプランを明確にし、生涯にわたって厳しい経済状況に陥らないという根拠を、まず手に入れることをおすすめします。

まとめ

持ち家と賃貸のどちらを選ぶかという問題に、正解はありません。個人の価値観によるところが大きいからです。

しかし、資産状況や将来的な環境の変化などを考慮せずに感覚で選択してしまうと、あとで苦労をする可能性が。

持ち家か賃貸かを検討するときは、本ページで引用したような客観的なデータをできるだけ集めて、自身が生涯にわたり理想の生活が送れるかを、しっかりシミュレーションされることをおすすめします。

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