注文住宅を中古で検討すべき4つの理由とは?費用だけじゃない新築との比較

注文住宅を中古で検討すべき4つの理由とは?費用だけじゃない新築との比較

注文住宅の中古って、価格以外にメリットはあるんだろうか?

住宅を買うなら何がなんでも新築!という人以外にとっては、実は中古住宅は知らない強みが多くあるんです。

一般的にマイホームを考える人にとっては、まず新築で検討を始めるはず。
しかし、予算や立地の面でハードルが高いと感じることも多いのではないでしょうか。そんな中、最近ではしっかりした構造の注文住宅を中古で購入して、リフォームやリノベーションをして住むことを検討する人が増えていることをご存じですか?

この記事では、注文住宅を中古で購入する魅力と、新築と中古の住宅購入を比較したメリット・デメリットについて解説します。最後まで読み込むことで、中古で購入することの注意点をしっかりと理解することができ、現実的にマイホームに手が届くイメージを持つことができるようになるでしょう。

目次

注文住宅を中古で購入する魅力とは?

注文住宅を中古で購入すると、どのような面で嬉しいことがあるのでしょうか。注文住宅を中古で購入する魅力は、主に以下の4点にまとめられます。

  • 好立地の物件が見つかりやすい
  • 同じ金額ではるかに条件の良い物件が購入できる
  • 建売住宅よりも作りがしっかりしている場合が多い
  • リノベーションなどで新築同様の内装にできる

それぞれの魅力について、もう少し深く踏み込んで説明していきます。

好立地の物件が見つかりやすい

特に人口密度の多い土地で言えることなのですが、好立地はすでに住宅として利用されていることがほとんどです。新しく住宅を建てる土地はそうそう見つからず、好条件で広い土地は多くの場合は不動産屋が押さえてしまっていて、一般の人間が手に入れることは難しくなっています。

しかし、中古物件に目を向けてみると、好立地の物件が見つかりやすいのが現状です。総務省統計局が発表している平成25年版「住宅・土地統計調査」(※1)では、総住戸数に対する空き家率は調査のたびに上昇しており、平成25年で13.5%となっています。しかも、前回調査の平成20年から増加した空き家は、数にして63万戸、そのうち8割は一戸建ての住宅です。

空き家率の情報は今後も増えると見込まれており、立地に着目した場合に中古物件が狙い目だという状況はこれからも続いていくと予想されます。

※1:総務省統計局「平成25年版 住宅・土地統計調査 1-2 居住世帯の有無」より

同じ金額ではるかに条件の良い物件が購入できる

新築と中古の一戸建てを比較してみると、同じ金額ではるかに条件の良い物件が購入できる点が、中古物件の魅力です。新築から1年が経過して「新築」ではなくなると一気に価格が下がり、その後は緩やかに値下がりが続きます。築5年、10年など節目を迎えるタイミングで値段が下がりますが、その分リフォームやリノベーションの費用も多くかかることは計算に入れておく必要があります。

新築物件が高い理由は、不動産会社や建築業者の儲け分が上乗せされているためです。実際に人が住み始めると、販売者の上乗せ金額分はなくなり、建物と土地の価値を純粋に反映した価格になります。

都会で人気のエリアの場合は、中古物件でもなかなか値崩れしません。エリアと利便性、価格のバランスを確認しながら、条件の良い物件を見つける努力は必要です。ただ、根気よく時間をかけて探すことで、さらに良い中古物件に出会える確率は、空き家率の上昇とともに今後も高くなっていくことが予測されます。

建売住宅よりも作りがしっかりしている場合が多い

中古物件を探す場合は、建売住宅よりも注文住宅がおすすめです。注文住宅は持ち主がこだわって作っているというパターンが多く、高品質な住宅の可能性が高くなります。耐震性能、耐熱性能といった基本性能の部分で高性能の注文住宅は、特に魅力的な物件と言えるでしょう。

もちろん注文住宅すべてが良いとは限らず、建売住宅でも質の高い住宅はあります。しかし、中古物件を購入する1つの判断基準として注文住宅を優先すると嬉しいことが多い点は覚えておいてください。

リノベーションなどで新築同様の内装にできる

中古物件で一戸建てを購入する場合、多くはメンテナンスをしないまま引き渡しを受けることになります。多くの場合はそのまま居住せずに、住宅の状態を見ながらリフォームやリノベーションで住宅の改修を行います。改修を行った後は、新築同様の内装になって気持ちよく過ごせる点も中古物件の魅力です。

築5年程度の中古物件なら、ハウスクリーニング業者に掃除を頼む程度で即入居可能です。しかし、築15年、築20年と築年数が長くなってくると、水回りの交換やクロスの張替えなど、かなり大規模な修繕が必要になってきます。その分お金はかかってしまいますが、それでもトータルで見ると新築物件よりは安くなります。

生活のしやすさや満足度は内装の質による部分が大きいため、きれいに改修した中古の注文住宅は実際に住み始めると満足度が高くなる点もポイントです。新築を購入するよりも安い値段で満足できるコストパフォーマンスの高い住み心地が得られます。

中古住宅の購入にためらいを覚えている人は、古いまま住むというイメージが強いのかもしれません。中古住宅の購入に難色を示している家族がいるなら、リノベーションをすればきれいになることを伝えると、前向きに検討してもらえるのではないでしょうか。

中古 VS 新築!それぞれのメリット・デメリット

中古物件の魅力は分かったけれど、やはり新築も捨てがたいと迷っている方は、中古と新築それぞれのメリットとデメリットを確認してみましょう。マイホーム購入は大きな買い物ですから、あれこれ考えてしまうのも無理はありません。中古と新築の良い点、悪い点を読み進めつつ、自分は何を優先したいのかを考えてみてくださいね。

注文住宅を中古で購入するメリットとデメリット

まず、注文住宅を中古で購入するメリットとデメリットから見ていきましょう。

注文住宅を中古で購入するメリット

中古物件のメリットは、以下の通りです。

  • 同条件なら新築に比べてリフォーム込みでも2~3割安い
  • 都会でも駅から徒歩圏内など好立地の物件が見つかる
  • 住宅診断や地質調査で住宅の品質を診断してから購入できる
  • 内装を比較的自由にできる
  • 新築に比べて施工期間が短い

注文住宅を中古で購入するメリットをひとつひとつ順番に見ていきましょう。

同条件なら新築に比べてリフォーム込みでも2~3割安い

同じ広さ・同じ立地など、条件をできる限りそろえた状態で新築と中古物件を比較すると、リフォーム込みでも新築物件よりも2~3割安くなる点が、中古物件の大きな魅力です。

新築物件で4,000万円する物件があるとすると、同等条件の中古物件は2,800万~3,200万円とかなり違いがあります。もちろん、築年数やリフォームの有無などメンテナンスの良さなどに左右されますが、なかなか魅力的な価格差です。

この価格差で、生活資金を手元に残したり、家具を新調したりといったこともできます。今後も中古の注文住宅は増えていくことが予想されているため、中古物件購入とリフォームをセットで考える人はこれからも多くなっていきそうです。 

都会でも駅から徒歩圏内など好立地の物件が見つかる

新築と同じ価格で考えると、中古物件の方が好立地の物件が見つかる可能性が高いです。例えば、東京都心部に1時間以内で到着できる駅を希望して4,000万円程度の新築一戸建て、という条件で、大手の不動産検索サイトで探してみてください。新築の場合は徒歩30分やバス乗車が必要など、最寄り駅から歩いて通うことが難しい距離の物件が多く検索されます。しかし、中古物件の場合は、徒歩10分以内の物件が多く見つかります。

立地の良さは、毎日通勤する会社勤めをしている人にとって非常に大きな魅力です。通勤が楽になるだけで、生活のクオリティはかなり向上します。逆に、いつも通勤で疲れるような立地に住んでいると、だんだんと疲れが蓄積してしまい、仕事へのパフォーマンスにも大きな影響が出かねません。立地の良い物件が見つかりやすい中古の注文住宅は、それだけでも十分魅力があります。

住宅診断や地盤調査で住宅の品質を診断してから購入できる

2018年4月より、宅地建物取引業法の一部が改正され、中古住宅を購入する際は、ホームインスペクションと呼ばれる住宅診断および地盤調査で住宅の品質を診断してからの購入がこれまでよりやりやすくなりました。(※1)そのため、「どういう状態かわからない」という不安な状態で、注文住宅を購入する不安は解消できる環境が整えられています。

従来、住宅診断および地盤調査は、不動産会社や売主から断られるケースがあったことも事実です。住宅の売主にとっては、診断の結果によって値引きの材料とされるという疑念や、売れないという心配がありました。しかし、住宅を購入する側としては、住宅の状態を把握できないまま購入することは不安でしかありません。空き家率が高くなる一方で中古住宅市場を活性化するため、国が政策として取り組み、法改正に至ったのです。

住宅診断および地盤調査を断ってくる不動産会社や売主に対しては、法改正になったはずだということを丁寧に伝えて、契約前の住宅診断や地盤調査を依頼するように交渉しましょう。

※1:国土交通省 報道発表資料「「宅地建物取引業法の一部を改正する法律案」を閣議決定」より

内装を比較的自由にできる

内装を比較的自由にできる点も、中古の注文住宅購入のメリットです。注文住宅は基本性能の部分などしっかり作り込まれている場合が多いので、基本性能や梁などはそのまま生かし、内装のデザインやシステムキッチンなどの設備は入れかえて、自分好みにリフォーム、あるいはリノベーションできます。

基礎の部分を生かせるため、改修工事の費用も一から建設するより節約可能です。新築同様自分好みのデザインで新築同様の住み心地が得られるため、良い物件が見つかれば非常に合理的で新築の良さも味わえます。

新築に比べて施工期間が短い

中古の注文住宅を購入してリノベーションする場合は、地盤や基礎部分、骨組みなどをそのまま流用して内装から入ります。そのため、一から注文住宅を建てていく新築物件よりも、施工期間が短くて済みます。中古住宅の購入とリノベーション費用を住宅ローンで借りていて、つなぎ融資が必要な場合には、施工時間が短いことでつなぎ融資の利息が節約できてお得です。

注文住宅を中古で購入するデメリット

注文住宅を中古で購入する場合のデメリットについても見てみましょう。

  • 基礎部分の大枠は変えられない
  • 以前住んでいた人がいると考えると気になる
  • 物件の状態によってはリフォーム費用がかさむ
  • 住宅ローンの審査や減税の条件が新築の場合より厳しい

それでは中古物件を購入する場合のデメリットもご確認ください。

基礎部分の大枠は変えられない

基礎部分の大枠も変更するような間取りの変更が必要な場合、結局梁などの流用ができずに建て直さざるを得ません。建て直しの場合、古い建物を撤去する費用も余分にかかることになり、費用の負担は増大します。

以前住んでいた人がいると考えると気になる

これは個人差がある問題ですが、「以前住んでいた人がいると考えるとどうしても気になる」という人は一定数います。自分の家族がそういうことにこだわる性格だと、中古の注文住宅を購入するという計画自体が難しいでしょう。

物件の状態によってはリフォーム費用がかさむ

欲しい中古物件が適切にメンテナンスされておらず、シロアリの被害に遭っていて柱や床の状態が悪化している、といったような状態の場合、リフォーム費用はかさみます。ここに挙げたシロアリの例は極端ですが、流用したいと思っている部分に傷みが生じている場合は、それだけリフォーム費用がかかることを覚悟しなくてはいけません。

住宅ローンの審査や減税の条件が新築の場合より厳しい

中古の注文住宅を購入したい場合は、住宅ローンの審査などの条件が、新築の場合と違い厳しめになっていることに注意しましょう。主に注意したいことは以下の2点です。

【注意点1】住宅ローンの審査が新築の場合に比べて低めの額になりがち 【注意点2】住宅ローン減税を受けるには、新築の場合に加えて以下いずれかの条件を満たす必要がある(※2)

  • 条件1:(木造)築20年以内 (鉄筋コンクリート造・鉄骨造)築25年以内
  • 条件2:耐震基準適合証明書を取得する
  • 条件3:既存住宅売買瑕疵保険に加入する

中古の注文住宅は建物部分の経年劣化があるため、担保価値が新築よりも低い評価になります。そのため新築に比べて住宅ローンとして認められる金額は少なくなる、と考えておきましょう。

借入先の金融機関によって異なりますが、リフォーム・リノベーション費用も併せて借りられることもあります。ただし、その場合は物件購入前にリフォーム・リノベーション費用の見積もりが必要な点に注意してください。

また、住宅ローン減税を受けるには、新築の場合に加えて条件が追加されていますので、その条件をクリアしなくてはなりません。購入する中古の注文住宅の築年数が条件の年数よりも古い場合は、耐震基準適合証明書を取得するか、既存住宅売買瑕疵保険に加入していなければなりません。

※2:国税庁「中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」より

注文住宅を新築で購入するメリットとデメリット

注文住宅を新築で購入する場合は、どのようなメリットとデメリットがあるのかについても確認しておきましょう。新築には新築の良さがあるため、中古との違いをよく理解して、どちらを選ぶか判断することが重要です。

注文住宅を新築で購入するメリット

注文住宅を新築で購入するメリットは、主に以下の5点にまとめられます。

  • すべてが自由!思い通りのマイホームをデザインできる
  • 以前住んでいた人のことを気にする必要がない
  • 断熱や耐震など基本性能にもこだわれる
  • 家ができていく過程を楽しめる
  • 住宅ローンを借りやすく住宅ローン減税も受けられる

それでは順番に確認してみましょう。

すべてが自由!思い通りのマイホームをデザインできる

新築ですので、住宅を建築する制約はありません。建築基準法など法律の制約はありますが、その点だけ注意していれば、後は自由自在です。こだわりたい部分にこだわったマイホームは、まさに自分の城として愛着が湧きます。新築の注文住宅は、こだわりを実現したいという強い思いを持っている人に向いていると言えるでしょう。

以前住んでいた人のことを気にする必要がない

自分が初めて入居するので単純に気持ちがよく、以前入居していた人のことを意識することもありません。まっさらの状態で居住する気持ちよさは、新築の注文住宅を建てた人だけが得られる特権です。

ヨーロッパのように、石造りの家を何百年と引き継いで暮らしていく生活スタイルとは違い、日本は木造住宅で建て替えることが前提で住宅を持つという習慣があります。そのため、新築志向がまだまだ根強く、以前住んでいた人がいることを気にする人は多いのが現状です。

断熱や耐震など基本性能にもこだわれる

断熱や耐震性能、太陽光発電やオール電化などなど、一から家を建てるため、基本性能の設計にもこだわれます。中古の注文住宅では、基本的に基本性能の部分は引き継いでそのまま使うので、こだわりたい基本性能があっても購入した住宅に取り入れられるとは限りません。新築の注文住宅を建てる場合は、基本性能に関しても制約がなく自由です。

家ができていく過程を楽しめる

新築の注文住宅は、家ができていく過程を節目ごとにチェックします。設計通りの建築が進んでいるかを確認するために重要な工程です。ただそれだけではなく、何もないところに自分の家ができていく過程を見届けることは、単純に楽しいものです。中古住宅の場合も、リノベーションのように大規模な改修を行う場合は、同じような感覚があるかもしれません。

住宅ローンを借りやすく住宅ローン減税も受けられる

新築の注文住宅は、中古の注文住宅を購入する場合に比べて住宅ローンの借入額が多めに認められます。住宅は時間が経過するにしたがって劣化していくという考え方なので、新築のタイミングが一番高く評価されるためです。また、築年数だけで住宅ローン減税の条件も自動的に満たされ、中古住宅のように条件の確認や耐震基準適合証明書を受けるなどの煩雑な手続きも不要です。

注文住宅を新築で購入するデメリット

注文住宅を新築で購入する際のデメリットは以下の4点です。

  • 予算オーバーになりがちで割高
  • 交通アクセスの良い土地が見つかりにくい
  • 地盤の悪い土地は地盤改良でもお金がかかる
  • 自由になり過ぎて手間と時間が非常に多くかかる

こちらも順番に解説します。

予算オーバーになりがちで割高

新築の注文住宅は、あまりにも自由で好きなことができてしまうため、家族の希望を盛り込んでいくうちにどうしても予算オーバーになりがちです。また、こだわりの間取りや特殊な設備など、通常ではあまりやらないことも設計に盛り込むと、当然建設に手間がかかり、建築費が割高になります。

何でも自由にできる点が最大のメリットである新築の注文住宅ですが、よく考えて優先順位を決めないと資金のコントロールが難しくなるので注意しましょう。

交通アクセスの良い土地が見つかりにくい

新築の注文住宅を購入したいと考える場合、特に都会では交通アクセスの良さが大きなネックになります。建築条件がなく、交通アクセスの良い土地はなかなか見つかりません。条件の良い土地は不動産会社が購入して建築条件付きの土地として売られていることも少なくありません。建築条件付きの土地とは、例えば「家を建てる場合はこの建築会社に依頼する」など、条件が付いている土地のことです。

地盤の悪い土地は地盤改良でもお金がかかる

新築の注文住宅を建てる場合は、地盤調査を実施して、地盤が悪いと判断された場合は地盤改良工事が必要です。地盤改良工事はかなりお金がかかります。中古の注文住宅の場合は、すでにその住宅が建てられる前に地盤改良工事をしているため、追加で工事をする必要がなく、その分リーズナブルです。

自由になり過ぎて手間と時間が非常に多くかかる

新築の注文住宅はあまりにも自由度が高すぎるため、あれこれと考えすぎてしまい、なかなか要望がまとまりきらないという場合もあります。結果として、注文住宅設計・建築時の要望をまとめる時間もかかり、要望の内容によっては設計や工事もかなり手間と時間がかかってしまうのです。

注文住宅を中古購入するのに向いているのはこんな人

注文住宅を中古で購入するのに向いている人は、ここまで解説してきた中古物件を購入するメリットをより大きく享受できる人です。具体的には、どのような特徴を持った人が注文住宅の中古購入に向いているかを確認してみましょう。。

土地の利便性を求める人

住む「場所」に強いこだわりがあり、土地の利便性を求める人は、中古物件を購入するのに向いている人です。土地の利便性は、交通アクセスに限った話ではありません。スーパーやコンビニなど、生活をするうえで欠かせない買い物ができるスポットの数や、子どもの教育に適した環境などさまざまです。

今は新婚で2人きりでも将来は子供を持ちたいと考えているなら、同じような若いファミリー層が多く住むエリアで生活したい、と考える場合もあるでしょう。住みたい街として人気のあるエリアは、なかなか新築の注文住宅を建てられる土地は見つかりません。中古の注文住宅の購入を検討する方が、希望にかなった場所に住める可能性が高まります。

まだ若いが少ない自己資金でマイホームを持ちたい人

若くて自己資金があまり貯まっていないがマイホームを持ちたい、と考えている人は、新築住宅を購入するハードルはなかなか高いです。さらに若いうちは年収も少ないために住宅ローンを組める金額も少なくなりがちです。それなら、中古の注文住宅で自分の予算に合った物件を探す方が、いい条件の家が見つかります。

都会に住んでいてなかなか思い通りの土地が見つからない人

人口密度の高い都会、特に東京都内は人気があるためなかなか思い通りの土地が見つかりません。広さも思うように確保できず、交通アクセスも不便で暮らしにくそうな場所の土地ばかりが目に付くと感じる人もいるかもしれません。

しかし、新築にこだわらず中古の注文住宅を探すと、新築用の土地を探すよりも条件の良い土地が見つけやすくなります。住みたい場所が見つからないと嘆いている人ほど、一度中古住宅に目を向けてみてはいかがでしょうか。

注文住宅を中古で購入する際の注意点

注文住宅を中古で購入する場合は、新築の場合とは違った注意点があります。いずれも、注意していないと後から問題が発覚して後悔する事柄です。順番に確認して、実際に中古の注文住宅を購入する計画を結ぶ前に必ず問題がないかチェックしてください。

地盤調査と住宅診断することを契約の条件にする

本記事の「住宅診断や地盤調査で住宅の品質を診断してから購入できる」でも説明しましたが、2018年4月より宅地建物取引業法が一部改正されました。これにより、買主が中古住宅を購入する前に住宅診断および地盤調査を行えるように、告知とホームインスペクターの紹介、あっせんをすることは、不動産業者の義務となっています。

しかし、残念ながら、義務化しているにもかかわらず、売買契約締結前に住宅診断および地盤調査をしたいと求めても不動産業者や売主が応じない場合があります。このようば場合には、中古住宅の売買契約条件に住宅診断および地盤調査の実施を盛り込むことを交渉し、拒否される場合はその業者や売主らの住宅購入は避けましょう。

基本性能や間取り図を確認する

購入する中古住宅の基本性能や間取り図についても、必ず確認しましょう。どのような性能を持っているかを知らなければ、リノベーションをする際の見積もりが難しくなります。

中古住宅の瑕疵担保責任は必ず確認する

中古住宅の瑕疵担保責任とは、中古住宅を売買する際には表に出ていなかった住宅の傷みや不備などを、売主が責任をもって対応するという意味です。特に気をつけたいのが瑕疵担保責任を追う期間で、売主が個人の場合はおおよそ2~3ヵ月に設定されていることが多く、不動産業者の場合は2年に設定しているのが一般的です。

中には「売主の瑕疵担保責任を免除する」と書かれているものもありますが、それでは買主に取って不利になるので気を付けてこの項目を確認しておく必要があります。ただし、築年数が古すぎて土地だけの値段で売買していたり、購入後すぐ建て替えのため家を壊すのなら、売主の瑕疵担保責任を免除するとしていても問題ありません。

しかし、建物分の金額も払っていてその住宅を利用し続ける場合は、瑕疵担保責任の期間が免除されているということがないように確認してください。

建て替えができない中古住宅もあるので注意する

中古住宅の中には、いったん更地にしてしまうと建て替えが不可能な場合があります。そのような条件の土地を「再建築不可物件」と言います。例えば、「接道義務」と言って、幅4mの道路に2m以上接した土地でないと住宅が建築できないという場合、建て替えしようと更地にしてしまうともう住宅を建てられません。

リノベーションや建て替えをするつもりで購入したら、建て替えが不可能だった、という失敗をしないように、気になる物件があれば、その物件の所在地を管轄する役所の建築課で確認するようにしてください。

中古住宅の住宅ローン控除は築20年がポイント

中古の注文住宅を購入する際に住宅ローンを利用するなら、住宅ローンの特別控除を念頭に置いている人が多いのではないでしょうか。中古物件を購入した人が住宅ローンの特別控除を受ける場合は、新築の場合に比べていろいろと確認することが多いため注意しましょう。木造住宅なら築年数20年、その他の構造なら築25年が注意するべき築年数です。

これらの築年数の住宅を購入する際は、一定の基準を満たさないと住宅ローンの特別控除が受けられません。この条件を満たす古い住宅は「要耐震改修住宅」とみなされ、住宅ローンの特別控除を受けるためには耐震改修を行う必要があります。住宅ローン特別控除を受けるには、住宅の取得日までに耐震改修を行い、耐震基準に適合したことを示す耐震基準適合証明書を受けなくてはなりません。

耐震基準適合証明書以外には、住宅診断や地盤調査を受けて既存住宅売買瑕疵保険に加入しても、住宅ローンの特別控除を受ける資格を得られます。(※3)

ちなみに、2009年10月1日以降に建てられた住宅に関しては、10年間の瑕疵担保責任保証が義務付けられるようになりました。(※4)瑕疵担保責任保証を受けるためには、住宅診断や地盤調査で一定の評価を得なければなりません。そのため、建築日が2009年10月1日以降の住宅は、一定の品質が保たれています。

※3:国税庁「中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」より
※4:住宅瑕疵担保責任保険協会「よくある質問|住宅瑕疵担保履行法について」より

注文住宅を中古で購入した後の選択肢は4つ

注文住宅を中古で購入した後は、そのまま住むか手を加えるか、という選択肢があります。それぞれの特徴について紹介しますので、中古の注文住宅入手後にどうするのかについても検討しておきましょう。

リフォーム済なのでそのまま入居

築年数が5年程度と浅い場合や、数年前に全面リフォームした中古の注文住宅は、ホームクリーニングをすれば住める状態です。この場合、リフォーム関連に費用が不要ですので、初期費用は中古の注文住宅の土地と建物の購入代金と諸費用のみです。ただし、状態が良い建物のため、購入代金自体は高めになります。

リフォームしてから入居

一部が老朽化しているため、改修工事をして新築のときの状態に戻すことをリフォームと言います。大きく間取りを変えるまでには至らず、システムキッチンを変えたり、室内のクロスを張り替えるといったレベルの改修工事を行います。現状の住宅を生かして、改変しない場合はリフォームの範疇です。

リノベーションしてから入居

リノベーションとは、既存の仕様を大きく改善して、より過ごしやすくするという大きなレベルの改修を行います。例えば、大きく間取りを変更したり、ホームエレベーターを設置したりといった改修はリノベーションに当たります。外装も和風から洋風に変え、サンルームを作るなど、住宅に以前にはなかった機能を持たせる点は、以前の機能に「戻す」目的で回収するリフォームと全く異なる部分です。

リノベーションではかなり大規模な改修を行いますが、基礎部分や梁などの基本構造は以前の住宅のものを引き続ぐ点も大きな特徴です。例えば、京都の町家の骨組みだけを生かして、内装は大きく改修してフレンチレストランとする、といった事例はリノベーションと呼びます。

建て替えしてから入居

もっとも大規模な工事が建て替えです。築年数がかなり古く老朽化が激しい場合、この方式を採用します。家を取り壊す費用と新しく建築する費用の両方が必要なため、紹介している中ではもっともお金が必要な選択肢です。

まとめ

注文住宅を中古物件として購入することは、注意点に気をつければとてもメリットの多いマイホームの入手方法です。中古物件は、新築に比べると調べること、確認することが多くなりますが、努力に見合うだけの価値は得られます。

前の居住者がいる段階で売買交渉を進めていくことが多いため、住宅の性能調査などで気遣いが必要なこともありますが、購入後に後悔しないために可能な限り調査や確認ができるように交渉を進めましょう。また、建て替えなどを考えていたのに、土地の制約上無理だという場合もあります。中古物件を購入する際は、都市計画法などを調べて、中古物件の購入前には問題がないことを確認するように注意してください。

いくつかの注意点に気をつけつつ、リーズナブルにマイホームを手に入れて、自分好みに手を加えてみてはいかがでしょうか。
以上、「注文住宅を中古で検討すべき4つの理由とは?費用だけじゃない新築との比較」でした。

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