注文住宅コストダウンの方法11個|予算オーバーを防ぐ節約のポイント

注文住宅コストダウンの方法11個|予算オーバーを防ぐ節約のポイント

「新築で家を建てるけど、コストダウンの方法が知りたい!」

注文住宅で家を建てる場合、かなり慎重になって予算配分に気をつけていないと、どんどん費用がかかって最終的に予算オーバーを招くことが非常に多いです。

とはいえ、せっかく自分だけの理想の家を作るのですから、予算の関係で、自分の希望を反映させることができなくなったら悲しいですよね。

そこで、希望をあきらめることなく、できる限りコストダウンができる方法を11個ご紹介します。

実はコストダウンをしてはいけない部分もありますので、そちらも同時に紹介します。また、コストダウンを行う場合の注意点もご紹介します。

ムダな費用は削りつつ、理想の家づくりをしましょう。

1.注文住宅のコストダウンの方法11個

間取り図

コストダウンをする方法の中でも、効果が大きい11個をコストダウン効果の高いものから順にご紹介します。

建築スペースやご家族の人数、ご家庭の状況を考慮しつつ、取り入れられそうなものはできるだけ取り入れることで、大きくコストダウンをすることが可能になります。

プロに設計をお願いする前に、これからご紹介する11個のコストダウンの方法から取り入れられそうなもの取り入れた、家の形や間取りを考えておくようにしておくといいでしょう。

設計の初期の段階で、コストダウンを考えた家づくりがしたいと意思表示をすることで、後から設計をし直すような手間が省けますから、設計担当者に「この部分をコストダウンしたい」とはっきりとオーダーして、設計をしてもらうようにしましょう。

1-1.延床面積を減らす

延床面積を減らすとコストダウンができます。延床面積が広くなればなるほど、建築費用が高くなるからです。

延床面積とは全ての階の面積の合計です。たとえば、1階の面積が20坪で2階が30坪の家なら、合計で延床面積は50坪ということです。廊下や階段は延床面積に含まれますが、吹き抜け、ロフトなどは延床面積に入りません。

ほとんどの施工会社は建築費用を延床面積で計算していますから、たとえば、坪単価50万円の場合で計算してみると、

延床面積については、以下の記事でより詳しく解説しています。

延床面積とは?建築面積と延床面積の違いを徹底解説!

●坪単価50万円の場合の建築費用
延床面積50坪の場合の建築費用 →  50×50=2,500万円
延床面積55坪の場合の建築費用 →  55×50=2,750万円

延床面積が5坪広くなっただけでも、250万円もの違いが出てしまいます。延床面積は、大きくし過ぎず、必要な面積にするようにしましょう。

1-2建物の形をシンプルにする

建物の形をできるだけシンプルにすることで、コストダウンができます。シンプルな形であれば、使用する資材の量も少なくて済み、建築にかかる人件費や工費を削減することができるからです。

同じ大きさの床面積だったとしても、凹凸した複雑な形の家は外壁の表面積が大きくなるので、下地材や仕上げ材が余計に必要になり、工事費も高くなります。 家の形は正方形、長方形にすると、建築費用が安価で済みますのでコストダウンできます。

建物の形

二階建ての場合は、1階と2階の面積が同じ面積になる「総二階建」と呼ばれる設計にすると、建物の形が凸凹しないのでコストが抑えられます。

 

1-3.シンプルな間取りにして部屋数を少なくする

間取りをシンプルにすることでコストを削減できます。部屋を増やすとたくさん壁を作らなくてはいけなくなり、壁を作るのに費用がかかるからです。

間取りの検討をして、本当にその部屋が必要なのかを考えましょう。たとえば、子供部屋は子供が成長した後のことも考えてみてください。子供たちが巣立った後にも使えるように大きく作っておき、小さい間はパーティションで仕切って使うなど、工夫をするようにしてみてはいかがでしょうか。

部屋数を減らすことで、採光や、風通しなどがよくなるというメリットもあります。

1-4.屋根の形をシンプルにする

屋根の形をシンプルにするとコストダウンすることができます。屋根は面積が広いので、複雑な形や凝ったデザインの屋根にしてしまうと、仕上がるまでに余計な時間がかかり、資材費や工費・人件費が高くなってしまうからです。

たとえば、傾斜のきつい屋根にしてしまった場合、屋根の設置のために特別な足場を組まなくてはいけなくなり、そのぶんの工費が高くなります。

コストダウンができる屋根の形は、切妻(きりづま)と片流れです。屋根の形は建物の形で決まってきますのが、できるだけこのふたつの形に近い、シンプルな形にすることを考えましょう。

屋根の形

注文住宅における屋根についての情報は、以下のページにまとめています。

注文住宅で知っておきたい「屋根」の種類&屋根選びのコツ

1-5.水周りをまとめる

水周りの設備を集中させるようにするとコストが削減できます。設備を集中させることによって、配管工事費の削減ができるからです。

キッチンやユニットバス、トイレ、洗面所など、水周りの設備をできるだけ集中させるように間取りの設計を考えましょう。たとえば、トイレと洗面所、ユニットバスは全て隣同士になるような間取りにします。キッチンの間取りも、水を使うシンクの位置をできるだけ洗面所やトイレに近くなるように設計しましょう。

1-6.窓の数を減らす、大きい窓を作らない

窓の数を減らして、大きい窓を作らないようにします。窓の数が多くなればそのぶん設置費用がかかりますし、窓の大きさも面積が広くなればコストが高くなるからです。

ただし、窓は通気・換気や採光の面で重要な役目があるので、設置する場所をよく考えて設計し、必要最低限の窓は作るようにしてください。

1-7.収納スペースを1箇所にまとめる

収納スペースはできるだけ1箇所にまとめるようにするとコストダウンできます。収納スペースを増やせば増やすほど、工費がかかるからです。

注文住宅では、住まい方に合わせた収納スペースを作ることができるのがうれしい反面、収納スペースをたくさんにしてしまうと、間取りの設計が複雑になるので、そのぶんコストが高くなってしまいます。収納スペースをできるだけ1箇所にまとめるようにすれば、コストカットできます。

1-8.収納スペースに扉をつけない

収納スペースの扉をつけないようにしましょう。扉の数も増やせば増やすだけ費用がかかるからです。

最近は、デザインの優れた安価な収納グッズがたくさん売っているので、扉はつけずに収納グッズをうまく利用してみましょう。収納スペース以外の場所であっても、扉がなくても不都合がない場所であれば、扉をつけないようにすることでコストダウンができます。

1-9.和室は作らない

和室は、どうしても必要な場合以外は作らないようにします。和室は造作材に白木を使用するなど、洋室に比べて使われる資材の価格が高いからです。また、本格的な和室を作る際には、複雑な工程が必要になるので、洋室よりも工費が余計にかかります。

畳や障子、ふすまなどは耐久性が低いので、定期的なメンテナンスにも費用がかかります。たとえば、畳の張替えにかかる費用は、6畳ほどの部屋であっても5〜10万円程度の出費になります(畳のグレードによって金額は変わる)それも、定期的に(4〜7年程度の間隔)張り替えが必要になるのです。

どうしても、和室が欲しい場合は、小上がりにするなど工夫しましょう。

1-10.トイレの数はひとつにする

家族の人数を考慮しなくてはいけませんが、トイレの数はひとつにする方がコスト削減ができます。

トイレはひとつ作るのに、最低でも30万円程度かかります。一階と二階にひとつずつトイレを作ると、二倍の費用がかかってしまうからです。

トイレをひとつにすれば、床面積を減らすことができ、設備費や工事費も削減することができます。

1-11.外構のいらないものを省く

外構部分のいらないものを省くのもコストダウンになります。外構部分には、フェンスや門、庭木、カーポートなどありますが、庭のデザインによっては高額になってしまいますので、必要のないものを省くことでコスト削減をしましょう。

とはいえ、防犯やセキュリティの面を考えるとコストダウンをし過ぎるのは、よくありません。

あくまでも、不要なものを省いてコストカットをするようにして、フェンスや門がない等、外部からの侵入を防げないような家にしないよう気をつけてください。

2.コストダウンしてはいけないところ

基礎工事

家づくりをしていくうえで、コストダウンをしてはいけない部分もいくつかあります。

家は日常生活を行う場であり、長期的に長時間過ごす場でもありますから、安心・安全に暮らせない脆弱な家にしてしまうことは避けなくてはいけないからです。

コストダウンをしてはいけない部分は、どちらかというと見えない部分が多いので、ついコストダウンしたくなりがちですが、安心と安全のために必要な見えない部分こそ、コストをかけておくようにしましょう。

2-1.耐震性・耐火性に関わる部分

耐震性・耐火性など、防災に関する部分のコストダウンは避けるようにしましょう。実際に大きな地震が起こったり、火事になったりした際に、あなたを含め、家族の生命を守ることができなくなってしまうからです。

耐震性や耐火性は、家の構造や使用する資材、工法などで変わってきます。「地震に強い家」や「燃えにくい家」をセールスポイントにしているハウスメーカーもあります。

災害は、いつ起こるかわかりませんから、万が一に備えておくことを忘れないようにしましょう。

注文住宅の耐久性については、以下のページで詳しく解説しています。

注文住宅の耐久性を高めるには?住まいの寿命を延ばす方法

2-2.防犯・セキュリティに関する部分

防犯やセキュリティに関する部分のコストダウンも避けるようにしましょう。あなたの大切な財産とともに、生命さえも危険な家になってしまい、安心して暮らせなくなってしまうからです。

鍵や扉、窓などは、安価なもので済ませたりせずに、その安全性もしっかり確認するようにしてください。

また、外構に費用をかけたくないからと、フェンスや門を作らなかったり、安価なもので済まそうと考える方もいますが、外から丸見えになっている家は狙われやすくなるので、外構工事の費用は最初にしっかり予算配分しておくようにしてください。

2-3.断熱材

断熱材のコストダウンをすることは避けましょう。安価な断熱材を使用すると、外部温度の影響を受けてしまい、夏暑く、冬寒い家になってしまうからです。

部屋の温度や湿度がうまく調整できないと、風邪をひきやすくなったりして健康被害が出てしまう恐れもあります。また、結露やカビも防げなくなり、家の劣化を早める原因にもなります。安価な断熱材は耐久性も低いので、将来的にメンテナンスコストがかかってしまうことになります。

2-4.屋根

屋根に関するコストダウンは避けましょう。安価な屋根材を使うと雨漏りのリスクが高まってしまうからです。また、雨や風に弱い屋根は建物自体にも影響して劣化を早めてしまいます。

屋根は雨や風から守ってくれる役目をしているので、屋根を軽視するようなデザインの家にすることは避けましょう。最近は、軒(のき)がない家もありますが、雨が家の中に入ってきやすくなり、日差しも遮ってくれないので、家の向きによっては日差しで暑い家になってしまいます。

土地が狭い都心などでは、建築基準法の点から軒を狭くせざるを得なくなってしまうこともありますが、屋根の役目を忘れず、コストダウンし過ぎないよう気をつけてください。

2-5.外壁

外壁も極端なコストダウンは避けるようにしましょう。安価な外壁材は、雨や風に脆く、家の劣化を早めてしまうからです。

外壁はある程度の年数が経てば必ず劣化するので、家が完成した後にメンテナンスが必要となります。 耐久性に優れた外壁材を使用すれば、メンテナンスも簡単で費用もそれほどかかりません。

外壁の資材の種類は豊富で、デザイン面の優れたものから耐久性の高いものまで、さまざまありますが、価格やデザインだけを重視することなく耐久性もチェックするようにしましょう。

2-6.窓の質

窓の質も落とさないようにしましょう。窓を安価なものにすると、防犯・セキュリティの面から通気・断熱の面にまで、広範囲に影響が出てしまいます。

窓は、換気・通気のほか、採光の役目などもする重要な部分です。防犯の面と採光の面を同時に考えるなら、開かない窓(FIX窓)を高い位置に取り入れるなど工夫をしましょう。

窓ガラスだけでなく、窓枠やサッシ部分の質も断熱や通気面に影響しますので、大きさからデザインまで、窓に関する設計は慎重に行うようにしてください。

コストダウンできそうな箇所はイメージ湧いてきましたか?そうなるといよいよ実物での検討に入っていくことになります。 持ち家計画の資料請求なら、住んでいる地域で自分のわがままな夢をかなえてくれるハウスメーカーを検索でき、一括で資料請求まで行うことができます。
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3.コストダウンを行う際の注意点

コストダウン

コストダウンを行う際の注意点をご紹介します。

コストダウンを考えるときには、完成するまでにかかる費用のことだけでなく、完成した後にかかる費用のことを考えることも必要です。完成までのコストは削減できても、完成後に余計な費用がかかってしまえば、トータルでは損をすることになるからです。

また、コストダウンを考えるあまり、施工会社との関係を悪くしてしまわないように気をつけることも非常に大切です。

3-1.ランニングコストのことを考える

ランニングコストのことまで考えてコストダウンをするようにしましょう。ランニングコストとは、維持費のことを指します。初期費用のことはイニシャルコストと言います。

初期費用を削ったとしても維持費用が高ければ、結果的にコストダウンできたとは言えなくなってしまうからです。

たとえば、設置する電化製品をできるだけ安価なものを選んで、コストダウンが成功したと思ったとしても、毎月の電気代が高かったら意味がないですよね。グレードの高い製品を選んだほうが電気代が節約できたのかもしれません。

1章では、イニシャルコスト面(初期費用)のコストダウンの方法を中心に紹介してきましたが、設備などを選ぶ際には、必ず維持費用の面まで確認してから決めるようにしましょう。

3-2.メンテナンスや修理にかかる費用のことも考える

家のメンテナンスや修理にかかる費用のことも考えるようにしましょう。

家は建てたら終わりではなく、ある程度の年月が建てば必ずどこかしら不具合が起きて、修理や修繕を行わなくてはいけなくなるからです。

安価な資材や設備を使ってコストダウンをしたとしても、劣化が早くて、すぐに修理が必要になったりするようであれば、将来的にはコスト高となってしまいます。

メンテナンスの仕方が複雑だったり、費用が予想外にかかるものもありますので、資材や設備を選ぶ際には、メンテナンスの仕方とメンテナンスの費用を確認するようにしましょう。

3-3.無理なコストダウンの要求はしないようにする

施工してもらう会社に対して、無理なコストダウンの要求はしないようにしましょう。会社側との関係が悪くなってしまうからです。

無理なコストダウンとは、一般的に「値切る」という行為のことです。注文住宅には「定価」が存在しないので、全く値引きができないわけではありませんが、強引に値引きを迫るようなことをすると、施工会社側の心証が悪くなります。

場合によっては、素人では判別できない部分を、安価で質の低い資材に変更されてしまったりする恐れもありますから、強引な値引き交渉はしないようにして、適切なコストダウンを行うようにしてください。

4.まとめ

ご紹介した全てのコストダウンの方法を取り入れることはむずかしいかもしれません。

しかし、ひとつでも多く取り入れることで、確実にコストを削ることができます。特に、床面積と家の形は、コスト減の効果が高いのでぜひ取り入れてみてください。

コストダウンをすることだけを考えながら家づくりをしてもつまらなくなってしまいますから、自分たちの理想の家に必要のないものや省いても問題のない部分は思い切って削減し、こだわりたいところは思いっきりこだわった、あなただけの素敵な家を作ってくださいね。

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