住宅購入を考えたとき、悩ましいのが予算と叶えたい理想の住宅のバランスです。
コストを重視するなら建売、設計・デザインを重視するなら注文住宅、そして、両方のバランスを考えるなら、セミオーダー住宅、という選択肢に落ち着くでしょう。
このページでは、特にセミオーダー住宅についてピックアップし、その魅力や実際に建てた人の体験談。評判の高い人気ハウスメーカーの情報をまとめています。
目次
この記事がおすすめできる人
- セミオーダー住宅を建てようと考えている人
- 注文住宅を建てたいが、予算的に厳しいと感じている人
- 建売住宅では理想の住宅を見つけられなかった人
- これから住宅を建てようと考えており、情報収集をしている人
なお以下の記事でも注文住宅や戸建て住宅について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ 【注文住宅 VS建売】を徹底比較!建売の最新スタイルにも注目
・ 【決定版】マイホームの間取りで120%満足できるプラン作成のコツ!
・ 何をどうする?新築一戸建て購入パーフェクトガイド
セミオーダー住宅の基本知識
まずは、セミオーダー住宅とはどういうものなのかについて見ていきましょう。
そもそもセミオーダー住宅とは
セミオーダー住宅とは、ある程度決められたパターンの中から好きなものを組み合わせて設計を固めていくタイプの住宅です。
住宅タイプには、ほかに完成品を購入する建売住宅と、1から設計していく注文住宅があります。セミオーダー住宅は、その間に位置する住宅と言えるでしょう。
メリット
セミオーダー住宅のメリットは、注文住宅より安いコストで、建売住宅より設計自由度の高い住宅を建てられることにあります。
どのくらい融通が利くかは業者次第ですが、一般にベースとなる設計プランを100〜1000パターン用意していることが多く、よほど特殊な間取りを希望しない限り理想に近い設計を見つけることができるはずです。
また、外観デザインや設備なども複数のパターンが用意されており、自分たちで1から完成形を考えていく場合よりも、スムーズに家づくりを進めることができます。
デメリット
一方のデメリットは、選択肢が限られていることです。選ぶプラン次第ですが、素材や設計に独自のこだわりを反映したい場合は、その希望が叶えられるかどうかで選べる業者がかなり狭まってしまいます。
また、特殊な要望を叶える際は概ねコストが嵩むため、コストパフォーマンスが高いというセミオーダーの魅力が半減してしまう可能性も。
ほか、半規格化されているため、特殊な形をしている土地や狭すぎる土地には対応できない、というのもデメリットでしょう。
デザインについて
セミオーダー住宅の外観デザインは、用意されているパターンの中から選択することとなります。
デザインの幅はやはり業者によりますが、モダンデザイン、ナチュラル、南欧風、といった基本的なデザインスタイルは網羅されていることが多いです。
探しても探しても希望のスタイルに対応している業者が見つからない、ということはないでしょう。
また、場合によっては料金を上乗せすることで基本パターンにないテイストに対応してもらえる可能性もあります。
業者の選び方について
家づくりを依頼する業者を選ぶときに大切な条件は無数に考えられますが、もっとも重要なのは担当してくれるスタッフさんとの相性です。
理想の住宅を造る最も確実な方法は、自分たちで家を建てることです。しかし現実的にそれは不可能。
代案があるとすれば、自分たちと同じ価値観、感覚を持っている専門家に依頼することでしょう。
そういった意味で、顔合わせの際にフィーリングが合うかどうか、という感覚的な判断は意外に重要な意味を持ちます。
もちろん希望に適うプランが用意されていることが前提ですが、依頼する会社の社風やスタッフさんとの相性については、ぜひ抜かりなくチェックされることをおすすめします。
セミオーダー住宅を建てるまでの流れ
セミオーダー住宅を購入する際の大まかな流れを解説します。
あくまで一例ですので、この通りにしなければならないという訳ではありません。家づくりのイメージを膨らませる上で、参考にしていただければと思います。
不動産会社へ相談に行く
物件から先に探してしまう、というケースもありますが、多くの場合、不動産会社に相談してみる方が効率的に情報を集めることができます。
まず家を建てたいエリアで事業を行っている不動産会社をピックアップして、それぞれのプランを比較。良さそうなところに順番に相談を持ちかけてみましょう。
またその際は、物件やプランだけでなく、スタッフさんとの相性についてもしっかりチェックされることをおすすめします。
自分たちのライフスタイルにあった住宅を建てるには、自分たちと似ている、波長の合うスタッフさんに任せるのが一番だからです。
取り扱いのある土地を見せてもらう
セミオーダー住宅の場合、更地にプランが紐づいていることが多いです。
そのプランをベースに、自分たちの希望に沿って複数のパターンを絞り込んでいく訳です。
気に入った立地に、理想を叶えられそうなプランの土地があったら、契約をしましょう。
もちろん、ここだと思えなければ、他の業者さんを見てから決めてもOKです。
設計プランを固めていく
契約をしたら、具体的な設計を固めていきます。プランの内容にもよりますが、4〜5回打ち合わせを行い、外観から内装、水回り、動線、各種設備を詰めていきます。
大切なのは、希望を飲み込んでしまわないこと。たとえプランに含まれないことでも、プロならではの視点で代案を出してくれることが少なくありません。
本来予算オーバーのところを、知恵と工夫で予算内に納めていく、というのも、家づくりの醍醐味です。
そういった意味でも、遠慮なく希望を伝えられるような、気の合う業者さんを選ぶことが大切と言えるでしょう。
着工・竣工
設計が終わり、最終的な仕様が固まったら、建築が始まります。
この間に、上棟式(もし行う場合)や引っ越し等の準備を進めましょう。
家が完成したら、最終確認をして引渡しとなります。
セミオーダー住宅を建てた人の体験談
実際にセミオーダー住宅を建てた人の体験談を見ていきましょう。
建ててよかった、という人の声だけでなく、ここで失敗してしまった、という人の声もまとめてみました。
スムーズに住宅を手に入れることができた
図面を見て、土地を見て、購入を即決しました。妻にも友人にも驚かれましたが、直感でこれだ!と思えるくらい良い物件は、すぐに売れてしまうと思ったのです。
担当のスタッフさんが同年代で、非常に話しやすかったというのもありますね。
ある程度枠組みが決まっていたので、話も進めやすかったように思います。
インスピレーションだけで購入を決めたので、設計の自由が利くかわかりませんでしたが、ダメもとで屋上が作りたいと言ってみたところ、想像以上に良い形に仕上げてくれたり、収納ごとに奥行きを調整してもらえたり、叶えたい要望は概ね叶えられました。
意外と希望を聞いてもらうことができました
注文住宅のように1からすべてを決めるのは大変だろう、ということで、相談の末、セミオーダー住宅を建てることにしました。
間取りにこだわることができるのなら、よくある建売住宅のような家でも良いと思っていのですが、想像以上に選択肢が多くて驚きました。
希望を伝えて却下されることもなく、妥協せずに満足のいく住宅が建てられたと思います。
気に入っているのは、開放感のあるリビングですね。設計士さんに屋根の勾配について教えてもらいながら、住みやすく、かつ大空間を感じられる形を模索しました。
結果、設計士さんとしっかり相談して良かったと思える納得の仕上がりに。
予算についても想定の範囲内に収まって、セミオーダー住宅にして良かったと思います。
建売とほとんど変わらない値段で希望を叶えられました
出産を機に住宅購入を考えるようになりました。外観にこだわりはなかったのですが、間取りや設備にはこだわりたいと考え、それを叶えてくれる住宅メーカーを探していました。
いくつか住宅メーカーの情報を集める中で、間取りのパターンが豊富で、しかも希望通りの設備を採用している業者さんを発見。
保険として建売住宅も探していたのですが、ほとんど変わらない価格でセミオーダー住宅が建てられることがわかり、依頼することにしました。
打ち合わせでは要望をたくさん聞いてもらえたし、ショールームで設備のカラーや仕様を選ぶのはすごく楽しかったです。
担当さん達は嫌な顔一つせず私たちのわがままを聞いてくれて、本当に理想通りの住宅が叶えられました。
担当スタッフの技量がまちまちでした
リサーチをしていく中で、注文住宅では坪単価が70万円以上のところ、セミオーダー住宅であれば50万円前後で建てられることがわかりました。
セミオーダーでも希望を出せば可能な範囲で形にしてくれそうだったので、業界大手メーカーに依頼してみることに。
ただ、契約後何度か打ち合わせを重ねる中で、想像以上に希望をはねつけられて、担当スタッフさんに不信感を抱くようになってしまいました。
このままではとても満足のいく住宅は建てられないと思い、ダメもとで店長さんに担当を変えてもらうように打診。
希望が通って新しい担当さんになった途端、それまでが嘘のようにスムーズに話が進んでいきました。
新しい担当さんは、単純にこちらの希望を否定するのではなくて、代案や全く別の切り口の解決策を提案してくれて、真剣にこちらが住み始めた時のことを考えてくれていることが伝わってきました。
最終的に満足できる住宅が建ったので良かったのですが、大手でもスタッフさんの技量によってここまで対応力が違うのかと驚きましたね。
見栄えの良さに騙されました
そこそこ名前の知れた輸入住宅を得意とするメーカーで家を建てました。
見栄えがすごく気に入っていて、家を建てるならここしかないと思い入れを持っていたのですが、最悪の形で裏切られてしまいました。
具体的には、出した要望の大部分が無視されていたのです。結局、実際に家が建った後に、未対応の部分を自分たちでリストアップして修正をお願いすることになりました。
プロジェクトマネージャーのようなスタッフがおらず、言った言わないのトラブルが多かったです。
一生に一度の楽しい家づくりになるはずが、クレーマーのような気分で何度も交渉する羽目になり、すごく悲しかったです。
表面的な実績だけでなく、口コミもしっかり確かめてから依頼先を決めるべきだったと後悔しています。
評判の高いセミオーダー住宅メーカー5選
セミオーダー住宅を手掛ける会社は無数に存在するため、まずは実績豊富な大手企業のプランをチェックし、それを基準に各社を比較・検討していくのがスムーズでしょう。
ここでは、全国規模で名前が知られている、セミオーダー住宅に強い住宅メーカーを5社ピックアップして紹介します。
三井ハウス
引用:〈公式〉三井ホーム(注文住宅、賃貸・土地活用、医院・施設建築、リフォーム)
40年以上もの実績を持つ国内有数の住宅メーカー三井ハウス。
自然派や南欧風、スパニッシュ風、英国風などなど、プロがこだわって設計した多彩なプランをベースに、4種類のインテリアスタイルと6種類の外観スタイルを柔軟に組み合わせられるセミオーダー住宅を提供しています。
公式ページには、各プランの参考イメージがふんだんに紹介されており、住宅カタログのように楽しみながら家づくりのイメージを膨らませていくことが可能。
プレミアム・モノコック構法という独自構法によって、耐震性・耐久性の高い家づくりを行なっている点も見逃せません。
全国各地にモデルハウスを展開しているので、気になったプランがあれば実際に目で見て細部を確認することもできます。
ユニバーサルホーム
引用:注文住宅、一戸建てならユニバーサルホーム
ユニバーサルホームは、フランチャイズシステムを採り入れることで、大手住宅メーカーが持つ商品開発力と、地元工務店が持つスピーディで柔軟な対応力を実現したハウスメーカー。
自社独自の仕入れ・販売システムを確立して効率化を測っており、コストパフォーマンスの高い家づくりに定評があります。
セミオーダー住宅としては、1000のひらめきと銘打って、100の間取りプランと10の外観デザインを提案。
シミュレーションがウェブで簡単にできるようになっており、玄関の方向や坪数、外観のデザインスタイルといった各項目ごとに希望の選択肢をクリックしていくだけで、要望に適うプランをピックアップすることができます。
下請けなしの直接施工を行っているほか、フランチャイズならではの知見を集約した現場管理チェックリストを導入し、品質を高めているとのこと。その商品力は折り紙つきと言えそうです。
積水ハウス
引用:積水ハウス(セキスイハウス)|住宅メーカー(ハウスメーカー)
高品質な木造住宅ブランド、シャーウッドで知られる積水ハウスですが、シャーウッドのほかに鉄骨1・2階建て構法、鉄骨3・4階建て構法に対応しており、幅広い要望に対応してもらうことができます。
また、関東・中部・関西・九州の4つのエリア限定で生活を遊ぶ家というコンセプトシリーズも提案。こちらはアクタスというインテリアショップとコラボレーションしたプランで、目で見ても楽しめる素敵な住空間が形にされています。
店舗併用住宅や賃貸併用住宅といった変則的な住宅づくりにも豊富な実績を持っており、そのプランニング力には定評があります。
住友不動産
日本有数の不動産デベロッパーである住友不動産。
オフィスビルや投資用マンションなど規模の大きい不動産のイメージがありますが、個人向けの戸建て住宅やリフォームなども手がけています。
高級感あふれるデザインが特徴的なPREMIUM・Jシリーズや、モダンデザインを特徴とするJ・URBANシリーズ。
水平に近い屋根の勾配が目を引くJ・RESIDENCEシリーズに、世界各国のトラディショナルなデザインを採り入れた邸宅型住宅シリーズ、といった4つのシリーズをラインナップ。資産価値の高い住宅づくりを行っています。
中でもJ・URBANシリーズはグッドデザイン賞を複数回受賞しており、暮らしやすさとデザイン性を両立した都市型住宅として定評が。
大手デベロッパーだけに、将来的なリフォームまで含めてワンストップで相談できるというのも魅力でしょう。
押さえておきたいその他の住宅タイプの特徴
住宅には、セミオーダー住宅以外にも種類があります。
予算や自分たちの望みによっては、セミオーダー住宅以外の住宅でも理想の住まいが叶えられるかもしれません。
以下に、主な住宅の種類を簡単にまとめてみます。言葉自体に明確な定義はありませんが、住宅タイプの大枠を知っておくことで、家づくりのプランニングをよりスムーズに行うことができるはずです。
建売住宅
建売住宅は、実際に建物を建ててから売るタイプの住宅。
メリットは、土地と建物がセットになっており、それぞれを個別に検討する必要がない点。定められた規格に基づいて建てられることが多く、低コストである点などが挙げられるでしょう。
既製品を購入するイメージになるため、業者さんと細々した打ち合わせをする必要もなく、手に入れるまでの手間も比較的小さく済みます。
一方のデメリットは、間取りや設備に自由度がない点。たとえばデベロッパーが手がけた建売住宅の場合、広大な分譲地に並ぶ画一的なデザインの住宅から一棟を選ぶこととなります。
もちろん整然と並ぶ住宅地は美しいですのですが、自分たちの個性を表現したい、自分たちのためだけの住宅が欲しい、と考えているなら、建売住宅は向かないでしょう。
規格住宅
規格住宅は、あらかじめ定められた仕様・間取りなどの中から、気に入った選択肢を選んで建ててもらうタイプの住宅です。
ただ自由度はそこまで高くなく、ほとんどは住宅メーカーが組んだプランを微調整する形となります。
売ってもらってから建てるため、売建住宅と表現されることもあります。
自由設計住宅
規格が定まっている、という点は規格住宅と同じですが、組み合わせられるパターンが多く、自由度が高いのが特徴です。
セミオーダー住宅も、この自由設計タイプの住宅に該当するでしょう。
注文住宅と同じ、という解釈をしている業者もありますが、多くの場合、完全オーダーメイドの注文住宅とは区別されます。
注文住宅ではコストが掛かり過ぎたり、自由度が高過ぎて何をどうしたらいいのかわからない場合などには、自由設計の方が要望を満たしてくれる可能性が高いはずです。
注文住宅
フルオーダーメイドの住宅を指します。予算や法律などによる制限はありますが、ゼロから希望を形にすることができます。
外観や間取りはもちろん、キッチンやお風呂、トイレなどの各種設備も自由に選ぶことが可能。
規格がない分、高コストですが、世界に1つだけの住宅を叶えたいなら、注文住宅が第1の選択肢となるでしょう。
ただ、完成品がまだこの世に存在しない分、依頼前に業者をしっかり見極めることが大切。
自分たちの要望を100%間違いのない形で業者に伝える必要があり、コストだけでなく手間も掛かります。
家づくりに強いこだわりを持っており、必要十分な予算を持っている場合に向いた住宅タイプと言えます。
まとめ
記事の内容まとめ
- セミオーダー住宅は、コストを押さえつつ、一部のこだわりを形にしたい人におすすめの住宅タイプ。
- 選択肢が用意されているため、スムーズに家づくりを進められる。また、プランを選べば、細かいこだわりも形にできる、といった評価が多い。
- ベースのプランの豊富さで考えると、大手ハウスメーカーをまず検討するのが無難。
- 業者選びの際は、プランはもちろん、スタッフ陣と自分たちの相性をチェックすることが大切。
セミオーダー住宅は、戸建て住宅と注文住宅のいいとこ取りができる住宅タイプです。
一部の設計を規格化し、その組み合わせを複数作ることで、コストを押さえつつ相当数のパターンへの対応を可能にしているからです。
戸建て住宅では理想が叶わず、注文住宅ではコストが掛かりすぎる、という場合は、ぜひ第3の選択肢としてセミオーダー住宅を検討されてみると良いでしょう。
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