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借りる以外は当てはまる?意外と知らない持ち家の基準とは

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借りる以外は当てはまる?意外と知らない持ち家の基準とは

持ち家とは、文字通り自分たちが購入し、所有している住まいのことを指します。

家、というと戸建てのイメージがありますが、マンションであっても、所有権を持ち、そこで暮らしているなら、それは持ち家に該当します。

住宅系や金融系の雑誌で、持ち家が得か、賃貸が得か、という特集が組まれることも少なくありません。答えはその人が何を重要視するかで変わってきますが、戸建てにせよ、マンションにせよ、数千万単位の借金(住宅ローン)をして購入するわけですから、損得は慎重に検討したいですよね。

そこでこのページでは、持ち家に住んでいる人の特徴や、賃貸と比べた時のメリット、デメリットなどについて、専門用語を使わず、わかりやすく解説してみたいと思います。

持ち家に関する統計情報

統計データを示す図表

何かを調べるときは、なるべく具体的で、人の意見に左右されない情報を集めるのが効率的です。

まずは、持ち家に関する統計情報をチェックしてみましょう。

取得している人の年収

少し古い統計ですが、2008年に総務省統計局が行った調査によると、年収別に見たときの持ち家を持っている人の割合は、以下のようになっています。

年収持ち家比率
200万円未満60.9%
200〜300万円47.2%
300〜400万円56.8%
400〜500万円59.3%
500〜600万円63.3%
600〜700万円71.1%
700〜1000万円80.5%
1000〜1500万円86.0%
1500〜2000万円89.9%
2000万円以上90.2%

当然と言えば当然ですが、年収が高くなるほど、持ち家を持っている人の割合が高くなっていることが伺えます。

ちなみに、全体の平均は60.9%という結果でした。細かい内訳は出ていませんが、平成30年の調査結果では、持ち家比率が61.2%となっています。現在も、2008年と大まかな割合は変わっていないことが想像できます。

取得するタイミング

持ち家を取得している人の年齢の割合については、以下のような結果が出ています。

年齢持ち家世帯率
25歳未満 2.5%
25〜29歳11.5%
30〜34歳29.8%
35〜39歳46.0%
40〜44歳57.7%
45〜49歳66.7%
50〜54歳72.4%
55〜59歳75.9%
60〜64歳78.8%
65〜74歳80.0%
75歳以上80.9%

年代別の持ち家に住んでいる人の割合ですので、必ずしもその年齢で持ち家を取得しているとは限りません。

ただ比較的若い世代、20〜30代の数字を見てみると、30代に入った途端、急激に割合が増えていることが伺えます。

40代で過半数に達していることから、30代後半〜40代前半が、持ち家を取得する平均的なタイミングと言えそうです。

住宅の種類

2013年に統計局が発表した統計によると、住宅の種類別の割合は以下のようになっています。

種類割合(2860万戸中)
一戸建て54.9%
共同住宅42.4%
長屋建2.5%
その他0.2%

共同住宅はマンションやアパート。長屋建は、集合住宅の一種で、2つ以上の住宅を一棟にしたもの。つまり壁や屋根を共有しているような住宅を指します。

共同住宅が意外と多いですよね。じつは、戸建ての割合が年々減っているのに対して、共同住宅の割合は年々増えています。1978年の調査では24.7%だったそうですから、30年で倍近く伸びていることになります。

都心部の人口が増え続ける限り、この傾向は続くことでしょう。

主要エリアの持ち家比率

各都道府県の持ち家率の割合は、統計局が2018年に発表した新しい資料に記載があります。主要都市の数字を以下にピックアップしてみます。

都道府県名持ち家比率総住宅数
東京都45.5%767万2000戸
神奈川県59.1%450万4000戸
愛知県59.5%348万2000戸
大阪府54.7%468万戸
福岡県52.8%258万1000戸

全国平均は61.2%ですから、主要都市はいずれも平均を下回っていることとなります。

言い換えると、地方ほど持ち家比率が高い傾向にあることがわかります。ちなみに、もっとも持ち家比率が高かったのは秋田県で、住宅総数44万6000戸に対して77.3%という結果でした。

賃貸にない持ち家のメリット

カートに入った家の模型

続いて、持ち家を持つことのメリットを見ていきましょう。

将来的な資産となる

持ち家のもっとも大きなメリットと言えるのが、自分の資産として住宅を手に入れることができるという点。

家賃をいくら払い続けても、得られるのは所定の期間その部屋、ないし住宅に住める権利だけです。あくまで借り物であり、自分ものにはなりません。

家賃10万円の部屋に住んでいるとして、1年分で120万円、10年分で1200万円、家主に支払っているだけで終わってしまいます。

持ち家の場合、住宅ローンという負債はありますが、月々の返済負担は家賃とさほど変わりませんし、返済計画を慎重に練れば、家賃相場よりも低く抑えることも不可能ではないでしょう。

家賃だけで考えれば、20年、30年と住むなら、持ち家の方がトータルで得をする可能性が高いはずです。

自分の思い通りに住空間を演出できる

土地には、その土地がある市区町村によって、細かく建築条件が課されます。

そのため、住宅の大きさ、外観を100%自由に設計できるというわけではないのですが、それでも持ち家であれば、賃貸では絶対にできない、自分たちだけの住空間を演出できます。

実際に住んで納得できなければ、リフォームしたり、リノベーションしたりも思いのままです。

賃貸はあくまで借り物。原状復帰という、借りた物件は借りた状態のまま退去しなければならない、という制限がありますから、インテリアを工夫するくらいしかできません。

自分たちの住みやすいように空間を形作れるというのは、持ち家の大きなメリットと言えるでしょう。

保険の代わりになる

プランにもよりますが、住宅ローンを組むには、団体信用生命保険への加入がほとんど義務になっています。

団体信用生命保険とは、加入者が返済途中に重度の障害を負ったり、死亡してしまった場合に、その後の返済が免除されるという保険。一般的には、住宅ローンの金利に掛け金を上乗せする形で、月々の返済額に組み込まれます。

つまり住宅ローンを組むと、自動的にもしも時の備えができる(自分に万が一のことがあっても家族に住宅を残せる)わけです。

このことから、お金を無駄なく使うために、住宅を購入するタイミングで生命保険の見直しを行うケースもよく見られます。

社会的信用の証明になる

住宅ローンを組むためには、社会的な信用が不可欠です。頼る金融機関にもよりますが、民間の金融機関であれば、個人の信用を厳しく審査します。

どういう会社に何年くらい勤めていて、収入や蓄えがどれくらいあるのか。また、過去に借りたお金を踏み倒したり、クレジットカードの支払いが滞ったりしていないか。

住宅ローンを組めたということは、そういった審査に通るだけの社会的信用を持っていることの裏返しと言えるわけです。

助成制度が豊富に用意されている

住宅を購入する世帯向けに、国は数々の助成制度を用意しています。例えば以下のようなものです。

  • 住宅ローン減税…住宅ローンを組んで持ち家を取得した場合に、所定の金額を税金(所得税や住民税)から控除してもらえる制度。
  • 次世代住宅ポイント制度…所定の条件をクリアすると、1ポイント1円で使えるポイントが発行される制度。
  • 住まい給付金…令和3年12月まで実施されている、住宅購入時の増税負担を軽減するための給付金制度。
  • ZEH支援事業…太陽光発電などを設置した、エネルギー的に自立した住宅(ゼロ・エネルギー・ハウス)を建てる場合に、1戸あたり70万円が給付される制度。

賃貸の場合も、公共住宅を利用すれば、多少なりとも生活の負担を抑えることができます。ただこちらは応募倍率が高いうえ、希望にマッチした物件ばかりとも限りません。

国の手厚いサポートが受けられるのは、持ち家ならではのメリットと言えます。

知っておきたいデメリット

両手で顔を覆う男性

当然ながら、持ち家にもデメリットがあります。代表的な項目を以下にまとめます。

数千万単位の借金を負う事になる

住宅をキャッシュで買える人はほんの一握りでしょう。仮に買えたとしても、金利の低い今は、借りられるお金は借りて、手持ちのお金は資産運用に回した方が得をする可能性が高いです。

したがって、持ち家を取得する場合は、住宅ローンを組むのが当たり前になっています。

しかし、住宅ローンは借金です。それも、平均して3000万円前後の大きな負債です。

返済計画にもよりますが、ほとんどの人は30年以上掛けて、コツコツその借金を返していくことになります。万が一のことがあった場合は、自分はもちろん家族にも大きなリスクが及ぶことに。

住宅ローンを組む際は、団体信用生命保険に加入するため、重度障害や死亡に対しては保障されます。ただ、保障の範囲外の理由で働けなくなってしまうことも考えられます。

無理のない返済計画、無駄のない保障をしっかり検討しておかないと、返済負担に苦しめられる可能性がある、というのは、持ち家を取得する大きなデメリットと言えるでしょう。

周辺環境が変わっても簡単に住み替えできない

自分たちの持ち物である住宅に関しては、住みやすいように自由にカスタマイズすることができます。

ただ、立地はどうにもなりません。住み始めた時には利便性の高かった土地が、10年、20年と経つうちに様変わりして、住みやすさが損なわれてしまう可能性もあるわけです。

また、隣近所との人付き合いがうまくいかない、というケースも考えられます。

賃貸であれば引っ越してしまえば解決しますが、持ち家ではそう簡単にはいきません。売却するにしても相応の時間が掛かりますし、お金の面でも損失を覚悟する必要があります。

後から立地や周辺環境の問題に気づいても対処が難しい、というのも、見逃してはいけない持ち家のデメリットです。

相応のランニングコストが掛かる

賃貸と持ち家を比べるとき、家賃と月々の住宅ローン返済額がよく比べられますが、持ち家に発生する出費は住宅ローンの返済だけではありません。

毎年固定資産税や都市計画税(市区町村による)の支払いが発生しますし、設備の不具合や故障、部材の破損などに対する修理費も掛かります。

賃貸であれば、基本的には家賃と共益費、隔年で更新料を支払うだけ。設備に問題があっても、管理会社に話せば、大抵のことは無償で対応してもらえます。

住宅ローン減税制度など、利用できる助成制度が多いためトータルでは得をする可能性が高いのですが、住宅絡みの出費は賃貸よりも増えることでしょう。

管理する手間がバカにならない

持ち家が戸建ての場合、こまめな清掃、点検、メンテナンスの手間を惜しむと、それは住宅の外観に表れてきます。

どんなに大きく、凝った造りの住宅でも、枯れ葉まみれだったり、庭の木々や草花が伸び放題だったりすると、だらしない印象を持ちますよね。

せっかく自分たちだけの住宅を手に入れたのですから、きれいな状態をできるだけ長く保ちたい、と考えるのは人情でしょう。

ただ、そのためには自分たちの手を動かすか、ハウスキーパーのように、お金を払ってメンテナンスしてくれる人を探す必要があります。

管理する手間が掛かるというのも、持ち家のデメリットと言えるでしょう。

資産価値は年々下がる

これまで、日本の住宅業界では30〜40年のサイクルで建てて壊す、スクラップアンドビルドという考え方が主流でした。

住宅を後世に住み継ぐという意識もほとんどなく、住宅の寿命を伸ばすために点検やメンテナンスを行う人も少数派です。

そうした背景もあって、日本の中古住宅市場には活気がありません。人口の減少や都心への一極集中によって空き家も増えていますし、よほど恵まれた立地にない限り、資産価値は年々下がり続けます。

持っていて損になる可能性は小さいですが、お金のように普遍的な価値を持つ資産ではない、という点は知っておくことが大切です。

持ち家で後悔しないための注意点

黒板に書かれた「Never Give Up」の文字

どんな選択肢を選んでも、後悔するポイントは必ずと言っていいほどあります。

ただ、その後悔が心からのものになるか、許せる範囲に収まるかは心掛け次第。最後に、持ち家を取得する上で知っておきたい注意点を解説します。

事前にライフプランを練っておく

住宅購入において、お金に関係する事柄で後悔する人は少なくありません。特に避けたいのは、住宅ローンの返済負担が重すぎて、生活の質を犠牲にしなければらない事態です。

これは、事前に丁寧にライフプランを練っておくことで、効果的に予防することができます。

現在、どの程度の資産があり、これからどれくらい増える見込みがあるのか。

また、何歳で子供を設け、どのような教育を施すのか。家族が入院した場合や、介護が必要になった場合に、どのくらいのお金を捻出できるのか。

なるべく具体的に複数のシナリオを考え、それをもとに住宅購入の資金計画を練ることが大切です。

専門知識がないと難しい部分もありますから、できれば無料のフィナンシャルプランナー窓口なども活用されてみると良いでしょう。

理想の住まいを入念に検討する

すでに建てられている住宅を購入するにせよ、オーダーメイドの住宅を建ててもらうにせよ、業者に相談する前に、自分たちの理想の住まいをしっかりイメージしておきましょう。

残念ながら、施主のことを最優先に考えてくれる業者ばかりではありません。自分たちの中に判断基準を持っていないと、表面的な営業トークで本来望まない方向に誘導されてしまうかもしれません。

優良な業者は、依頼主が出した要望を漏らさず拾い上げ、その上でプラスアルファ、ないし予算に合わせた代替案を提案してくれるものです。

そうした業者を見極めるためにも、あらかじめ理想の住まいを家族で話し合っておくことをおすすめします。

数十年先の生活も見越して立地を決める

立地は、住宅の外観や内装に比べて妥協しやすく、後悔しやすいポイントです。

土地の利便性というのは、意外に移ろいやすいものです。10年程度のスケールで考えると、15年後に予想もしない形で周辺環境が変化しているかもしれません。

家族全員の1日のスケジュールを、年単位で想像していき、生活に不都合な点が出てこないかを丁寧にチェックしましょう。

また、魅力的と思える土地を見つけたら、その土地を魅力的に見せているポイントをしっかり洗い出して、それが20年先、30年先にも維持されているかどうかを想像してみてください。厳密に想像できなくても構いません。

ただ、その土地を選ぶ根拠が、時間が経ったら失われてしまうものである場合は、慎重に慎重を重ねて検討されることをおすすめします。

まとめ

持ち家とは、戸建てやマンションなど、自分が所有し、住んでいる住宅を差す言葉です。

統計局による2018年度の全国調査では、持ち家比率は61.2%。国民の過半数は、持ち家を取得していることになります。

賃貸で家賃を20年、30年と支払い続けることを考えれば、持ち家の住宅ローンと負担はほとんど変わりません。しかも、持ち家を購入する際には、国の様々な助成制度が利用できます。

金銭的には、得をする可能性の方が高いです。

ただし、立地、周辺環境に難があった場合、そう簡単には引っ越せませんし、資金計画を間違えると月々の返済負担に苦しめられるというリスクも。

持ち家の取得を検討するときは、ライフプラン、フィナンシャルプランを組んで、根拠を持って選択できるよう心掛けることが大切です。

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