1000万円台で注文住宅を建てた人の5つの体験談

1000万円台で注文住宅を建てた人の5つの体験談

注文住宅、というと、ある程度豊富な予算を持っている人しか手の出ないイメージがあるかと思います。

しかし中には、1000万円台の予算で理想の注文住宅を実現している人も。

このページでは、ローコストで注文住宅を建てた人の体験談をまとめ、建てるまでの経緯や、住み始めてからの満足度についてチェックしてみたいと思います。

この記事がおすすめできる人

  • 予算1000万円代で注文住宅を考えている人
  • コストは抑えたいが、間取りやデザインに妥協したくない人
  • ローコスト住宅を建てた人の体験談を読みたい人
  • ローコストな注文住宅を立てる際の流れや、お金に関する事柄を知りたい人

なお以下の記事でも注文住宅について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!

・ 絶対実現!建築費1000万円で建てる注文住宅のポイント
・ 注文住宅の予算はこう決める!押さえたい4つのチェックポイント
・ 30人の失敗談から学ぶ!マイホーム造りで後悔しないためのポイント

1000万円台で注文住宅を建てた人の体験談

マイク

ローコスト住宅を建てる際のノウハウを学ぶことももちろん大切ですが、それと並行してチェックしたいのが、実際に1000万円台で注文住宅を建てた人の体験談です。

ウェブで確認できた事例の中から、5つの体験談をピックアップしてご紹介します。

狭い土地でも大満足

1000万円弱で、木造の平屋を建てました。注文住宅です。

予算に余裕がなかったため、工務店探しに苦労しましたね。6社目でようやく納得できる見積もり返ってきて、その会社にお願いすることに。

特にキッチンにこだわりたかったのですが、デザインはもちろん、調理台の高さ広さ、収納に到るまで希望通りで、満足しています。

家族の人数も少ないので、多少狭くとも不便は感じません。それよりも、毎日好きな料理を理想のキッチンで楽しめることに喜びを感じています。

勝因はやっぱり、住宅会社選びに妥協しなかったところでしょうか。予算的な縛りももちろんありますが、最終的に決めた業者さんは、話が合うというか、最初から初対面という感じがしませんでした。

注文住宅づくりでは率直に意見交換をする必要があるので、パートナーとなる担当者との関係性がすごく大切だと思います。

3階建だけど最高に家事がしやすい注文住宅

子供が小学校に上がるときに、新居の購入を決意しました。

アクセスに便利な土地はどこも高く、当初の希望より狭くなってしまいましたが、自分たちで探し回った分、広さ以外は理想の場所に家を建てることができました。

土地が狭かったため、3階建てにして空間を確保。2階にリビング、キッチン、浴槽、洗面室などを集中的に配置して、上下に移動することなく家事をこなせるようにこだわりました。

洗面室からベランダに出られるので、洗濯物を干すのも、畳んで片付けるのも、スムーズです。

また、キッチンを対面式にしたので、食器の移動も楽チン。

10回前後の打ち合わせを重ねましたが、1000万円台の予算で、無駄のない最高の注文住宅を建てられたと思います。

1000万円代で庭付きの家

庭

このまま同じところに住み続けるなら、家賃を払うよりも購入した方が得だ、ということに気づいて、土地探しから始めました。

運よく同じ町内に空き地ができて、立地、日当たり等が申し分なかったことから売買契約。伝手のある工務店に家を建ててもらうことになりました。

建築予算は1000万円台でしたが、35坪の木造2階建て、しかも庭付きという立派な戸建てを手に入れることができ、家族一同満足しています。

ハウスメーカーをやめて大正解

予算が2000万円を切っていたので、最初はローコストなハウスメーカーの自由設計を考えていました。

ただそれだと私たちの要望がほとんど叶えられず、狭小住宅を得意としている工務店さんに相談。なんとか予算の範囲内でこだわりを形にできそうだったので、依頼することにしました。

予算は限られていましたが、安いっぽい住宅にはしたくなかったので、工務店の担当者さんと何度も打ち合わせして、落とし所を探しました。

既製品の建具を使わず、アンティーク調な風合いのものを独自にオーダーしたのが、自慢のポイントです。細かい部分ですが、建具が違うだけでグッとオシャレに、高級感が出ますよ。

外見はアパート、でも中身は…

1900万円で2階建てのツーバイフォー住宅を建てました。家の形が長方形であること、2階に家の幅分の広いベランダを付けたことから、一見するとアパートのようにも見えます。

ただ、中は大違い。木をふんだんに使っているため温かみがありますし、秘密基地のようなガレージにバーカウンターなど、こだわりを全部詰め込みました。

一般的な注文住宅ではなく、キットハウスというDIYのようなもので、外側を業者さん、その他を自分たちで造ったということもあり、思い入れもひとしおです。

空間を広くしようとするあまり、収納が狭くなってしまったのが反省点ですが、それもこれからDIYで調整していく予定でいます。

そもそも注文住宅の相場とは

教室

1000万円台で注文住宅、というのは、相場から見てどれくらいローコストなのでしょうか。

3000万円台が一般的

国土交通省がまとめた平成29年度の住宅経済関連データによると、ここ5年の注文住宅の建築費は以下のように推移しています。

年度2526272829
建築費2,9513,2062,9643,061.32,958
延床面積24.424.226.127.024.6

引用元:平成29年度 住宅経済関連データ - 国土交通省

もちろんエリアや依頼する住宅会社によって差はあるでしょうが、概ね3000万円前後が相場の範囲と言えそうです。

1000万円台の注文住宅は破格と言える

注文住宅の建築費相場が3000万円前後という事実を見る限り、1000万円台で注文住宅を叶えるのは、正攻法では難しいでしょう。

戦略的に家づくりを進めていく覚悟が不可欠と言えます。

また、その際は、ローコストの注文住宅を得意とする住宅メーカーを慎重に選ぶ必要があります。

大手ハウスメーカーの場合、規格化することでローコスト化を実現していますが、注文住宅というには自由度が限られており、希望に沿わないかもしれません。

もちろん、用意されるパターンの中に理想の組み合わせがあるかもしれませんが、世界に1つだけの住宅にしたい、というこだわりがあるなら、完全オーダーメイドで住宅づくりを請け負っている業者を探されることをおすすめします。

低予算で満足できる注文住宅を建てるには

前述の通り、1000万円で注文住宅を叶えるには、正攻法では難しいでしょう。

場合によっては、予算を膨らませるために資金繰りをしたり、自分たちで部材を持ち込んだり、積極的に行動する必要もあります。

ちなみに、コストダウンの定石としては、以下のようなポイントが考えられます。

  • 家の形をシンプルにする…四角四面の形が、最も部材を必要とせず、安上がりです。凹凸があると、その分の予算が膨らみますので、注意しましょう。

  • 安い素材で高級感を出す…100万円のものを10万円にすることはできなくとも、10万円のものを100万円に見せることは可能です。せっかくの注文住宅が変にチープにならないよう、担当の建築家と知恵を絞りましょう。

  • 土地選びに妥協しない…立地や形などは、その後の家づくりに大きく影響します。できれば土地選びの段階から、住宅会社と二人三脚で進めていくのが理想です。

  • 信頼できる業者を選ぶ…実績や技術力ももちろん重要ですが、それ以上に、自分たちと近い感性を持っていることが大切。初対面でも自然と会話が弾むような、相性のいい相手を探しましょう。

  • とにもかくにも考える…本来、予算内で理想を実現する知恵を絞るのはプロの仕事ですが、低予算の場合はより柔軟な要望の取捨選択が必要です。形ではなく、本質的に叶えたい事項は何なのか、何かで代替できないか、関係者全員で知恵を絞りましょう。

住宅ローンについて

銀行ローン

家を建てるなら、住宅ローンは避けて通れません。

早い段階から仮審査を申し込んでおく必要がありますから、住宅会社を探し始める前までに、基本的な知識は押さえておきたいところです。

頼れる金融機関の種類

住宅ローンの申し込みができる主な金融機関は、以下の通りです。

銀行住宅ローンの代表的な借り入れ先です。ネットバンク、都市銀行、地方銀行といった種類があり、それぞれ金利や審査の厳しさが異なります。
モーゲージバンク金融会社や住宅会社が主体となって設立される、住宅ローンだけを専門的に取り扱う金融機関です。自宅まで出張して手続きしてもらえたり、銀行より柔軟な対応が魅力です。
生命保険会社民間の金融機関で住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険への加入義務があります。生保会社が用意するプランは、保障の手厚いものが多い傾向があります。
信用金庫営業地域の個人・法人のための金融サービスを提供している金融機関。条件が合えば、審査や金利面で有利です。

窓口は金融機関ですが、住宅ローンにはその金融機関が独自に用意しているプランと、独立行政法人である住宅支援機構と提携しているプラン(フラット35)の2種類があります。

独自プランは変動金利タイプが多く、金利が安くて審査が厳しめ。フラット35系のプランはその名の通り固定金利タイプで、金利が高く審査が緩め、というのが特徴です。

一概にどちらがいいとは言えませんが、金利がいつ上昇しないとも知れない昨今は、固定金利タイプの住宅ローンを選ぶのが無難でしょう。

いくら借りられるか

住宅ローンがいくらまで借りられるかは、年収や頭金、購入する物件の担保評価など、様々な条件によって変わってきます。

そのため一概には言えないのですが、金融機関が審査の基準としている返済負担率から逆算することで、大まかな目安を割り出すことは可能。

返済負担率とは、年収に対する年間返済総額の割合のことで、たとえばフラット35であれば、年収400万円未満で30%以下。400万円以上であれば35%以上、というのが基準となっています。

この基準を元に、希望の返済期間や金利を組み入れて計算すれば、借入可能額の目安を算出することができます。

手計算で算出するのは大変ですから、各行がウェブで公開しているシミュレーションツールを活用されると良いでしょう。

シミュレーションツールについては、こちらのページ(「基本はこれ!住宅ローンの計算方法ガイド」)で詳しく紹介していますので、興味がある人はぜひこちらも併せて読んでみてください。

金利について

住宅ローンの金利には、変動金利と固定金利の2種類があります。

変動金利について

変動金利とは、半年ごとに金利が見直され、5年ごとにそれが返済額に反映されるタイプ。

少しややこしいのですが、5年毎の反映となっている理由は、返済額の見通しをよくするためです。

金利上昇リスクがある分、次に説明する固定金利より利率が低いのが魅力となっています。

ただ、仮に大幅に上昇した場合、5年毎の反映が仇となって、月々の返済額を利息が上回ってしまう可能性も。

こうなると返せど返せど残債が増えていくこととなってしまうため、十分にリスクを検討した上で選択することが大切です。

固定金利について

固定金利は、返済開始から完済まで金利が変わらないというのが大きなメリットです。

ただその分、変動金利より金利が高めとなっており、低金利時代の恩恵を十分に受けられないのがネック。

固定金利を選ぶ人は、全体の3割程度という統計もあり、人気で言えば圧倒的に変動金利に劣っています。

ただ、10年以内に金利上昇が見込まれているだけあって、今後は固定金利を選ぶ人が少しずつ増えていくことが予想されます。

返済期間について

返済期間を長くするか短くするか、というのは、専門家の間でも意見の分かれる難しい問題です。

ただ原則として、月々の返済額が生活費を圧迫しない程度に設定することが大切です。

返済期間は、短いほど金利が低くなり、したがって返済総額も小さく済みます。

ただ、返済期間を短縮するには、月々の返済額をその分多くしなければなりません。それで生活に負担が発生してしまっては、本末転倒。

楽しく人生を過ごすための住宅なのに、住宅のために生活を犠牲にしなくてはならなくなってしまいます。

返済期間を短縮する手段には、繰り上げ返済という方法もあります。むやみに返済額を大きくするのは、避けたほうが無難でしょう。

家を建てる流れ

図面

注文住宅を建てる場合、すでに建っている住宅を購入する時とは違った手順を踏みます。

細かい部分はケースバイケースで異なりますが、大まかな流れだけでも知っておくと、住宅会社との話し合いもスムーズに進むことでしょう。

心を決める

まず行いたいのが、自分たちが住みたい家をイメージすること。

住宅というのは、多くの人にとって人生で最も大きな買い物となります。一生の大半をその中で過ごすことになるわけですから、行き当たりばったりで決断をするのはNG。

まずは想像の翼をはためかせて、予算を度外視して住みたい住宅のイメージを固めていきましょう。

住宅カタログを購入してもいいですし、有名メーカーの施工実績を覗いてみるのも良いでしょう。とにかく、要望を余すところなく洗い出すことが重要です。

そうして洗い出した希望を、予算的な縛りや専門家の意見を元に取捨選択していくわけです。

また、イメージを固めるのと併せて、用意できる予算についても考えておくことをおすすめします。

昨今は金融機関の公式ページに、住宅ローンの無料シミュレータが用意されていることがほとんど。年収や借入希望額、返済額等を入力すれば、様々な切り口の数字を簡単に参照することができます。

そうしたツールを活用しながら、現実的な範囲の予算を絞り込んでおきましょう。

土地探し&契約

注文住宅を建てる場合、まず土地を探す必要があります。土地に割り振れる予算と相談しながら、理想の立地を検討しましょう。

土地によって建築できる住宅に縛りがあることもありますから、もし不安なようなら、先に住宅会社、ないし建築家に相談してしまうのも手。

依頼するかどうか迷っている段階でも、見積もりのための調査やアドバイスをしてもらうことができます。

もちろん、焦って決めなくてもOK。じっくり時間を掛けて、自分たちがストレスなく暮らせる住環境を探してみてください。

家づくりのパートナー探し&見積もり

土地を探すのと並行して(あるいは先に)、家づくりを依頼するハウスメーカー、工務店を探します。

デザイン性の高い住宅を建てたい場合は、デザイン・設計を専門的に行う建築家に別途依頼することも。

依頼先が増える分、費用も嵩みますが、きちんと下請けを監理してくれるパートナーを見つけることができれば、トータルで見れば費用対効果の高い家づくりを行うことができはずです。

また、業者を探す際は、相見積もりを取るのがおすすめ。できるだけ詳細に希望を伝え、フィードバックされるプランの精度や見積もりを比較しましょう。

時間も手間も掛かりますが、業者選びは住宅ローンの審査と並ぶ、家づくりの重要なステップの1つです。

自分たちが気持ちよく家づくりを任せられるパートナーを見つけるまで、根気よく頑張りましょう。

また、このタイミングまでに、住宅ローンの仮審査を申し込んでおくと、後の手続きがスムーズです。

最終見積もり&契約

信頼できるパートナーが見つかったら、契約をして見積もり時に提案してもらったプランの詳細を詰めていきます。

最初に思い描いた理想の住宅をベースに、優先度の高いものからプランに落とし込んでいきましょう。

またその際は、素材や設備のグレード、構造、断熱についてなど、専門知識がないと検討が難しい部分についても、抜かりなく踏み込んで確認していくことが大切です。

予算内で叶えられる理想のプランが固まったら、請負契約を結ぶこととなります。

住宅ローン申し込み&着工&引き渡し

プランが固まったら、確定した金額を元に借り入れ金額を決定し、住宅ローンの本審査を申し込みます。審査が無事に通ったら、いよいよ着工です。

ちなみに、住宅ローンを申し込む金融機関によっては、融資のタイミングが住宅会社への支払いに間に合わないケースがあります。

そういった場合はつなぎ融資を利用する必要があるため、予算的に問題がないかどうか、つなぎ融資の有無も含めて事前にしっかり検討しておくことが大切です。

物件が完成したら、竣工検査を行い、引き渡しとなります。

まとめ

記事の内容まとめ

  • 1000万円台でも、手間と時間を掛けて知恵を絞れば、理想の注文住宅を実現することができる。
  • コストを削減するためには、土地の形や建物の形をシンプルにしたり、重要度の低い設備(後から交換の利く設備)のグレードを下げるなど、様々な工夫が考えられる。
  • コスト削減方法は、要望によっても大きく変わってくる。そのためセオリーを踏襲するだけでなく、自分たちと設計担当で知恵を絞ることも重要。
  • コスト削減だけでなく、無理のない範囲で予算を確保できるよう、借り入れ先についても慎重に検討しておくことが大切。

1000万円台で注文住宅を建てることは可能です。ただ予算が限られる分、理想を形にするためには相応の労力を掛ける必要があります。

具体的な方法については、別ページ(「絶対実現!建築費1000万円で建てる注文住宅のポイント」)でも詳しくまとめていますので、興味がある人はぜひこちらにも目を通してみてくださいね。

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