住宅を購入する際に住宅ローンを多くの人が利用しますが、その際に必ず必要になるのが住宅ローンの審査です。
たとえ仮審査で受かっても本審査に落ちては住宅ローンを通すことはできません。 そこでこの記事では
- 住宅ローン本審査の概要
- 本審査で多くの人が落ちてしまうポイント
- 審査を通すための4つのコツ
についてご紹介していきます。
ぜひこの記事を役立てて、あなた自身の住宅ローン本審査をスムーズに完了させてください。
まずは審査の流れをおさらいしておこう
具体的な本審査の話に入る前に、まずは審査の大きな流れをおさらいしておきましょう。
本審査は審査の申し込みからおよそ1週間から10日程度で結果がわかり、そこで住宅ローンの借り入れの有無が決まります。 では次に住宅ローン本審査の具体的な中身を見ていきましょう。
1 そもそも住宅ローンの本審査とは?
住宅ローン審査自体の内容は端的に言うと以下のようなものです。
審査の目的:本当に返済できる力(経済力)があるかどうかの審査
審査のタミング:不動産の契約前
審査の内容:返済の負担率(年収の対する住宅ローン支払い金額の比重)・他社などのローンの借入状況調査・個人信用情報などを踏まえて住宅ローンを組んで問題がないかの見極め
これらが基本的な住宅ローン審査の概要です。 本審査では融資を実行するにあたり仮審査ではチェックできていない細部まで銀行や保証会社のチェックを受けることになります。
ただ仮審査まで問題なく通っていれば一般的に本審査で落ちる割合は1割以下です。 しっかりとポイントを押さえていきましょう。
1-1 本審査の審査項目
具体的な本審査の内容はどこの金融機関でも以下の3点です。
–主な審査項目–
- 仮審査時に提出した書類のミスや問題はないかの審査
- 物件や土地の担保力・担保価値に関する審査
- 納税に未納がないかなど信用情報に関する詳細な審査
1つずつ見ていきましょう。
- 仮審査時に提出した書類のミスや問題はないかの審査
参考として三井住友銀行では住宅ローン本審査で以下の書類が審査の対象として必要になります。
本審査で必要なもの
銀行で入手する書類
- ローン保証委託申込書兼契約書
- 団体信用生命保険申込書兼告知書
申込者書類
- 免許証・パスポートなどの本人確認書類
健康保険証等
住民票
印鑑証明書
収入(年収)を確認できる書類
- 給与所得者の場合:源泉徴収票、所得証明書等
- 自営業者の場合:納税証明書、確定申告書(3期分)等
- 会社経営者の場合:源泉徴収票、法人決算書(3期分)等
勤続年数を確認できる書類
- 健康保険証等
物件に関する書類
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 土地・建物の登記簿謄本
- 物件概要書
- 公図、物件案内地図
- 間取り図、測量図、配置図等
※上記以外にも必要となる書類がある場合があります。
これらの書類に漏れやミス、信用情報の不備がないかがチェックされ、これから解説する物件の担保価値や納税状況を審査していきます。
事前審査を通過していれば、書類で本審査に落ちる可能性は低いですが、本審査は記載内容を非常に細かくチェックされますので不備がないようしっかりとチェックをしておきましょう。
- 物件や土地の担保力・担保価値に関する審査
仮審査と本審査の場合の大きな違いがこの物件審査です。 具体的にはローンを組むにあたってその物件が担保価値として本当に満たすような物件なのか・法的に違法性のないちゃんとした物件なのかの2つの視点でチェックを受けます。
例えば以下のようなケースは本審査で落ちる可能性が高いです。
- 土地の権利が借地扱いだった
- 土地名義が共有になっている
- 実は法律の基準に満たない違法建築物件だった
※まれに担保基準には不十分と判断された場合、条件付きの通過となる場合もあります。
- 納税に未納がないかの審査
住宅ローン審査において銀行はあなたに税金の未納や遅延がないのかを非常にシビアにチェックします。 税金の未納や遅延がある場合はまず通らない可能性が非常に高いでしょう。
先ほどの三井住友銀行の書類を例でみると以下の書類にて納税状況のチェックを受けることになります。
- 給与所得者の場合:源泉徴収票、所得証明書等
- 自営業者の場合:納税証明書、確定申告書(3期分)等
- 会社経営者の場合:源泉徴収票、法人決算書(3期分)等
1-2 仮審査を通って本審査で落ちやすいケース
ここまで具体的な本審査の項目を見てきましたが、ここからは実際に本審査の段階で多くの人が引っかかり落ちてしまうケースを見ていきましょう。
落ちてしまう人に共通して問題があるポイントは大きく以下4つです。
- 担保にする土地・物件に問題がある
- 仮審査の時からカードローンや信用情報に変更があった
- 仕事が変わったり働けない環境に変化してしまった
- 返済プランを変更した
1つずつ見ていきましょう。
- 担保にする土地・物件に問題がある
住宅ローンが支払えなくなってしまった時の担保として出す土地や建物などの不動産における審査上の不備や問題で本審査に落ちてしまうケースは多いです。 例えばさきほども見たように以下のケースのような場合です。
- 土地の権利が借地扱い
- 土地名義が共有になっている
- 実は法律の基準に満たない違法建築物だった
- すでに他の銀行の担保になってしまっている
このようなケースは金融機関が担保能力に疑問を抱く要因になります。
- 仮審査の時からカードローンや信用情報に変更があった
これも本審査時に落ちてしまう大きな要素の一つですね。 仮審査の時には問題なくても本審査の段階でカードの信用情報が変更になっていたり、他に大きなローンを作ってしまっている様な場合は、銀行側もリスクが高まりますので敏感にチェックします。
- 仕事が変わったり、働けない環境に変化した
例えば、仮審査の時の職業から転職して仮審査時よりも収入が低い職種につ就いたり、一般的にみて安定性が見込めない職業などは審査に落ちるケースがあります。 また例えば、妊娠や病気によって働くことが難しい状況になり安定収入が見込めないようなケースも本審査の段階で落ちてしまうことがありますので注意が必要です。
- 返済プランを変更した
住宅ローンの返済プラン、具体的には金利や返済形態、返済期間に変更があれば本審査で弾かれる可能性が高まります。
住宅ローンは5年や10年でなく、多くが30年以上など非常に長期間の支払いとなりますので、この点は銀行側も非常に厳しく返済プランに問題がないかをチェックします。
ここで紹介した上記4ポイントは実際に多くの人が本審査落ちしてしまうところなのでしっかりと把握しておきましょう。
2 本審査を通すための4つのコツ
では次に本審査を1回で通すための4つのコツを見ていきましょう。
コツ1 3つ以上の住宅ローンに申し込んでおく
3つというのはあくまでも1例であり、要するに住宅ローンはたくさん申し込んでおくことが重要ということです。 本審査の大きな項目はどこの銀行も1章で解説したような部分ですが、銀行によって審査における比重のポイントや基準の高さ・審査項目は微妙に変わってきます。
例えば金利や審査時の銀行の貸し出し残高の状況などによっても変わってきたりします。 A銀行と B銀行は落ちたけど C銀行は通るようなケースもありますので3つは申し込んでおくと良いでしょう。
コツ2 住宅ローン以外の借り入れをコントール・調整しておく
本審査の前に無駄な借り入れが無いかを一度しっかりと明確にしておきましょう。 財布やタンスに眠ったままのクレジットカードの解約や携帯代金の支払いの見直し・学費のローンなど一度時間を作って見直すことで借り入れの無駄を省き審査を有利に進めることができます。
コツ3 提出書類は事前審査で一度通った書類をベースに2重チェックで丁寧に作る
一度事前審査に通っているということは概ね大きな問題は無いはずです。 事前審査の控え書類を傍らに置いて丁寧に作成しましょう。
コツ4 「個人の信用」・「担保不動産の信用」・「返済条件の信用」に不備が無いかを改めて最終チェックする
住宅ローンは膨大な金額を貸し出し、長い年月にわたり返済を行っていくものです。つまり銀行側も本審査で「個人の信用」・「担保不動産の信用」・「支払いに関する信用」の3つが揃わなければ貸し出しを行ってはくれません。 1-1でみた要素をしっかりとセルフチェックしておきましょう。
まとめ
ここまでお読みいただきましてありがとうございます。 いかがでしたでしょうか? 本審査自体の通過難易度は決して高いものではありませんが「落ちる原因や要素」をあらかじめ認識した上で書類準備や申請に気をつけることが重要です。
最後にポイントをおさらいしておきましょう。
本審査の主な審査項目
- 仮審査時に提出した書類のミスや問題はないかの審査
- 物件や土地の担保力・担保価値に関する審査
- 納税に未納がないかなど信用情報に関する詳細な審査
本審査で多くの人が落ちてしまうポイント
- 担保にする土地・物件に問題がある
- 仮審査の時からカードローンや信用情報に変更があった
- 仕事が変わったり働けない環境に変化した
- 返済プランを変更した
本審査を通すための4つのコツ
コツ1 3つ以上の住宅ローンに申し込んでおく
コツ2 住宅ローン以外の借り入れをコントール・調整しておく
コツ3 提出書類は事前審査で一度通った書類をベースに2重チェックで丁寧に作る
コツ4 個人・担保不動産・返済条件に不備が無いかを改めて最終チェックする
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