【保存版】住宅ローン審査の流れを全解剖!借り換え手続きは有利?

【保存版】住宅ローン審査の流れを全解剖!借り換え手続きは有利?

一生のなかで一番高額な借金、住宅ローン。
ほとんどの人が当てはまると思います。ただ、すべての流れはもう理解できていますか?

この記事では、住宅業界に20年関わる著者が準備物や審査など、少しでも有利に借り入れできるような秘訣を徹底的に解説していきます。これから数十年付き合っていくことになる返済だからこそ、自分にとって最もよいものを選択できるよう、是非最後まで読み込んでみてください。

住宅ローンの申し込みから融資実行まで 基本的な流れ

マイホームは人生最大の買い物です。住宅は多額のローンを借りて購入するのですから、慎重になるのも無理のない話です。初めて住宅ローンを借りるなら、住宅ローンの全体像をおさえておくことが大事です。

住宅購入と住宅ローンの申込みは、同時進行で進みます。まずは、住宅ローンの申込みから、実際にお金が振り込まれるまでの一連の流れを把握しておきましょう。

住宅購入の流れスタート住宅ローンの流れ
1.物件探し1.住宅ローンの情報収集
2.物件の申し込み2.事前審査(仮審査)申込み
3.売買契約を結ぶ(手付金の支払い)
3.住宅ローン申込み・本審査
4.住宅ローンを契約
4.残金支払い(決済)ゴール5.融資実行

事前審査申し込み

上の表に記載されているように、物件の申し込みをするのと同時に、住宅ローンの事前審査(仮審査)を申し込みます。これには、申込書、本人確認書類(免許証やパスポートのコピーで可)や健康保険証、源泉徴収票(収入証明)が必要になります。審査期間は概ね3~4営業日程度です。

事前審査のOKがもらえれば、物件の売買契約を結びます。

申し込み・本審査

物件の売買契約を結んだら、住宅ローンの申し込み・本審査を行います。事前審査より詳しく審査が行われますので、審査期間も1週間程度かかります。

ただし、事前審査(仮審査)に通ったからといって100%本審査に通るわけではありません。後述しますが、本審査では、事前審査よりも多岐にわたる書類を提出しなければなりません。万が一住宅ローンの本審査に通らなければ、住宅ローンを借りることができません。すでに売買契約を締結しているので、残金の支払いができないと債務不履行になってしまいます。

しかし、このような場合に備えて、物件の売買契約には、「ローン特約」といわれるものが盛り込まれています。ローン特約とは、住宅ローン本審査に通らなかった場合に売買契約自体をなかったことにする制度です。この場合は、支払い済みの手付金も戻ってきますし、債務不履行や損害賠償の問題も発生しません。

住宅ローン契約

本審査に通れば、次は金融機関と住宅ローンの契約を行います。「金銭消費貸借契約兼抵当権設定契約」というのが正式名称です。

ローンを借りる契約のことを、法律上は「金銭消費貸借契約」といいます。そして、物件を担保に差し入れる契約が「抵当権設定契約」になります。具体的には、物件に金融機関を債権者とする抵当権の設定登記をすることの契約になります。

通常は金融機関の窓口で、金融機関の担当者の説明を聞きながら、契約書への記入や、必要な書類の提出を行います。最近は土日や夜間でも住宅ローンの契約ができる金融機関がほとんどですので、忙しい人でも安心です。

この住宅ローン契約の時に、後述する金利タイプや返済方法などを正式に決めます。また、いつお金を振り込んでもらうのかという融資実行日も決めます。

なお、住宅ローンの契約から融資実行までに1週間から10日程度かかることもありますので、物件の売買契約の残金支払い期限に間に合うようにスケジュールを組むようにしましょう。また、フラット35は融資実行日が指定されていますので、注意が必要です。

融資実行

通常は、融資実行日に住宅ローンを借りる金融機関で、売主、買主、抵当権設定を担当する司法書士が集まり、物件の引渡しと、残代金の支払い、抵当権設定手続きを同時に行います。

この日は、これまでの物件購入の流れや住宅ローンの流れの手続きとは異なり、必ず平日でなければなりませんので、スケジュール調整をしておきましょう。

お金の流れ

当日のお金の流れは、住宅ローンを借りる人の口座に一旦振り込まれます。そこから売主に残代金を支払ったり、司法書士へ登記費用を支払います。また、住宅ローンの保証料を一括で支払う方式にした場合は、あらかじめ保証料を引かれた金額が振り込まれますので注意が必要です。

マンション等と注文住宅の住宅ローンの違い

一口に住宅を購入するといっても、新築マンション、中古マンション、中古戸建て、建売住宅、注文住宅と選択肢はいろいろあります。

注文住宅は、住宅購入の流れが、他と異なります。それにともない住宅ローンの流れも違ってきます。以下で住宅ローンの流れの違いを見ていきます。

マンションの場合

マンションや建売住宅の場合は、基本完成品を購入することになりますので、前述のような基本的な流れで進みます。マンションの場合は完成まで1年を超える期間があくことがありますので、いつ頃入居できるのか注意が必要です。

注文住宅の場合

注文住宅の場合の購入の流れは、購入者の意向に沿った建物の設計をすることから始まり、工務店やハウスメーカーと建築請負契約を結び、設計通りの住宅を建築してもらうことになります。

購入の流れが変われば、住宅ローンの流れも変わります。

マンションとの相違点

マンションや建売住宅は、建物の引渡し時に住宅ローンを実行してもらい支払いをします。

これに対し、注文住宅の場合は、工務店やハウスメーカーと建物の建築請負契約を結びます。この建築請負契約の場合の通常の支払いのタイミングは、契約時、上棟時(中間金)、竣工引渡時の3回になっています。概ね契約金額の30%、30%、40%です。注文住宅では工務店やハウスメーカーが、住宅建築に必要な建築資材や人件費などを立て替えてはくれないからです。

ところが住宅ローンは、融資対象の建物に抵当権を設定することができる状態でなければ、融資実行してくれません。融資実行のタイミングと、建築請負契約の支払いのタイミングがずれてしまいます。 そこで、「つなぎ融資」という方法を使って支払いのタイミングに合わせます。

つなぎ融資が必要

つなぎ融資とは、住宅ローンを申し込んだ金融機関から、融資が実行されるまでの間に一時的に借りる担保不要のローンのことをいいます。

つなぎ融資の借入期間は、概ね数ヶ月以内と短いです。しかし、たとえ借入期間が短くても、つなぎ融資には、融資手数料や印紙代、つなぎの期間に応じた利息がかかります。利息は一般的に住宅ローンよりも高めになりますので注意して予算組みをしましょう。

土地を購入して注文住宅を建てる場合

前述の注文住宅の場合の説明は、土地購入に触れていませんでした。しかし、多くの人は住宅を建築できる土地をあらかじめ所有していることは稀です。ここでは、土地を購入して注文住宅を建てる場合について解説します。

土地と建物の2本のローンが必要

理想は、まず気に入った土地を探して購入し、それからゆっくりと希望にあった設計をしてもらい、工務店やハウスメーカーと請負契約を結んで建築するという流れにしたいものです。

しかし、住宅ローンの観点からは難しくなります。

住宅ローンは、土地建物をセットで融資するのが基本です。住宅を建築することを前提にした土地購入に住宅ローンの融資をしてくれる金融機関もありますが、その場合は土地の住宅ローンと建物の住宅ローンと2本の住宅ローンの契約が必要になってきます。

住宅ローンを2本契約するということは、手続きを2回しなければならず、土地の分の融資は出たが、建物の分の融資は受けられないといったリスクがあります。また入居前から土地の分のローン支払いも始まってしまいます。

土地 建物 一本化できるローンもある

金融機関によっては、土地先行融資というシステムを用意しているところもあります。これはつなぎ融資と違い、金利も安いです。ただし土地に抵当権を設定しなければなりません。先に建物を建てる建築会社を決めて、土地を探す場合は、土地が決まった場合にプランと見積もりを作成して、住宅ローンを申し込み、つなぎ融資で対応できる場合があります。

また、建築会社が提携ローンを用意していると、支払いのタイミングに合わせて住宅ローンを分割実行してもらえるシステムもあります。

住宅ローンの審査とは

住宅ローンは申し込めば誰でも借りられるものではありません。前述したとおり、住宅ローンを申し込むと事前審査と本審査の2回の審査を通らなければなりません。

以下、住宅ローンの審査について解説していきます。

物件審査と属性(個人信用)審査

住宅ローンの審査は「借り手が確実に貸したお金を返してくれる人物かどうか」という属性(個人信用)、「万が一返してもらえなかったときに、担保に融資額相当の価値があるどうか」を調べるために行われます。

審査基準の全てが明かされているわけではありませんし、金融機関によっても違います。一般的には、フラット35は物件審査が厳しく、その他の民間ローン(銀行ローン)は属性(個人信用)審査が厳しいと言われています。

フラット35の物件審査と属性(個人信用)審査の項目は以下のとおりです。

【フラット35の物件審査の項目】

  • 住宅の規模
  • 敷地
  • 前面道路
  • 住宅の規格
  • 耐熱構造
  • 配管設備の点検・区画・音の遮断構造
  • 住宅の管理・維持や耐久性 ※図面だけでなく実際に物件検査も必要です。

【フラット35の属性(個人信用)審査の項目】

  • 借入申込者の年齢
  • 住まいの状況
  • 勤務先
  • 雇用形態
  • 勤続年数
  • 年収
  • 預貯金等の資産
  • 頭金の割合
  • 返済負担率(比率)等

この中で一番重視されるのが属性審査項目の「返済負担率(比率)」です。返済負担率とは、年収に対する毎月の返済額の割合のことです。この上限を超えると住宅ローンを借りることができません。

具体的には以下の表のとおりです。

フラット35 ・年収400万円未満の場合は返済負担率30%以内 ・年収400万円以上は返済負担率35%以内
その他の民間ローン (銀行ローン) ・年収400万円未満の場合は返済負担率30%以内としているところが多い ・年収400万円以上は返済負担率40%以内としているところが多い

この場合の年収とは、実際の手取りではなく、税金や社会保険料を含めた給与の額面額をいいます。注意したいのは、返済負担率を計算するときに用いる金利がフラット35の場合は貸付金利で計算すれば良いのですが、銀行ローンの場合は貸付金利ではなく独自の金利を設定していることです。

これは、フラット35は全期間固定金利での貸付ですが、銀行ローンでは、変動金利型のローンもあるからです。つまり、借り入れたときの金利より上がっていくこともあるのでそこを考慮して計算します。具体的には3〜4%の金利設定をしている金融機関が多いです。

審査に必要なもの(書類等)

【必要な書類】

  • 住宅ローン申込書
  • 個人情報の取扱いに関する同意書
  • 団体信用生命保険申込書兼告知書
  • 源泉徴収票
  • 住民税決定通知書
  • 会社決算書3期分(会社役員の場合)
  • 確定申告書、納税証明書(個人事業主の場合)
  • 印鑑証明書
  • 住民票(家族全員)
  • 運転免許証またはパスポート
  • 健康保険証
  • 印鑑
  • 金融機関等取引状況表

【物件関係の必要書類(物件の種類によって異なります)】

  • 売買契約書
  • 工事請負契約書
  • 見積書
  • 重要事項説明書
  • パンフレット・チラシ等(間取図)
  • 案内図・住宅地図
  • 建築確認済証
  • 固定資産税評価証明書
  • 公図
  • 不動産登記簿謄本
  • マンションの価格表・建築概要書(新築の場合)

審査を通すために必要なこと、こんな人は審査に不利

前述の返済負担率をオーバーすると、まず審査には通りません。返済負担率の計算には、車のローンやカードローンなどの返済中のローンの返済額も合計して計算されます。これを考慮しても大丈夫か試算しておきましょう。もし足りない場合は、事前に返済しておくか、融資実行までに返済する旨を伝えましょう。

他にもクレジットカードの利用履歴や携帯電話料金の支払い状況なども調べられます。特に携帯電話は端末を分割支払いにしている場合は要注意です。

また、フラット35以外の民間ローンは、団体信用生命保険に加入が義務付けられているので、健康上の理由で保険加入ができなければ借りることはできません。

転職して日が浅い人も、審査では不利になります。申込時に職歴書を提出すると、職種に関係が深い転職であれば考慮してくれることもあります。

審査に落ちた場合の対処法

審査の基準は公表されていませんし、金融機関によっても異なりますので、一行だけで諦めずに他の金融機関にもあたることをお勧めします。

また、民間ローンに申し込んで審査に落ちたのなら、フラット35に変えてみるのも一つの方法です。前述したように、フラット35は、物件審査に比重をおいており、属性(個人信用)の審査はゆるい傾向があるからです。

そしてもう一つは、借入の条件を変えることです。

具体的には、

  • 借入期間を長くする。
  • 自己資金を増やして、借入金額を減らす。
  • 共働きの夫婦の場合は、収入合算やペアローンにする。

という方法が考えられます。

ちなみに、自己資金を増やすには、両親から資金を援助してもらえないか検討してみましょう。 「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」という制度(※1)があり、700万円までの贈与は無税です(2018年11月現在)。

※1:国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税より

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金利タイプ別の住宅ローン比較

住宅ローンには様々な種類がありますが、金利のタイプ別に整理すると分かりやすいです。

大別すると3つのタイプに分類できます。全期間固定金利型、変動金利型、一定期間固定金利型です。それぞれの金利型で金利の決まり方が違いますので、それも合わせて解説します。

金利の決まり方と金利タイプ

景気刺激策として導入されたマイナス金利政策は、金利に大きな影響を与えました。住宅ローンの金利も少なからず影響を受けています。現在は長期固定金利が1%にせまる超低金利になっています。

住宅ローンの金利には、後述のように「全期間固定金利型」、「変動金利型」、「一定期間固定型」の3種類があります。長期固定型の金利は、10年物国債の利回り(長期金利の指標)に影響を受けます。これに対し、変動型や一定期間固定型の金利は、短期プライムレート(短期金利の指標)に影響を受けます。

短期プライムレートとは、銀行が一流企業に1年以内の短期間に融資するときの優遇金利のことです。現在は短期プライムレート1.475%に1%上乗せした2.475%が変動型や一定期間固定型の基準金利になっています。

住宅ローンの金利には、店頭に表示される基準金利と優遇金利の2種類があります。通常、実際に借りたときに支払うのは優遇金利なります。

優遇金利とは、基準金利から一定の金利を差し引いたもの。何%の優遇が受けられるかは、借りる人の条件で決まります。優遇金利は、金融機関が「返してもらえないリスクが減るから、その分金利を優遇して安く貸します」というものです。

具体的な条件は、頭金が20%以上、勤続年数3年以上、給与振込口座にしている、公共料金の支払い口座にしている、大手企業勤務や公務員、医師等、各金融機関で独自にランクづけ基準を持っています。優遇金利には、最初に大きな優遇があるものと、全期間一定の優遇があるものがあります。

多くの人は、全期間固定金利型か、変動金利型か、はたまた一定期間固定型がいいのか迷うことでしょう。次章からは「3つの金利型のしくみ」と「どんな方にお勧めか?」を解説します。

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、ローンを借りた時から返済が終わるまで、金利がずっと変わらないタイプの住宅ローンです。金利変動のない全期間固定型は安心感が魅力です。ただ通常は、変動金利型の住宅ローンよりも金利が高めに設定されています。したがって、毎月の返済額が多めになってしまいます。

このタイプがお勧めの人は、年収が少なめの方、教育費の負担が大きい方など、返済額が増えることに対応しにくい人です。

変動金利型

変動金利型は、返済中に金利が見直されるタイプの住宅ローンです。目先の割安感があり、固定金利型より毎月の返済額が少なく済みますので、お得感があります。

金利は年2回見直されますが、その度に返済額が変わるのではありません。返済額の変更は5年ごとです。また、金利水準が上がっても返済額が一気に倍増するようなことがないように、前回の1.25倍までしか上昇しない制度になっています。

しかし、目に見えないところで金利負担が増えていて元本が少しも減っていないこともあります。極端なケースでは、負担すべき利息が毎月の返済額を超えてしまうこともあります。そうなると未払い利息が発生して、その分将来の返済が増すことになります。

このタイプに向いている人は、金利が上がっても無理なく支払っていける余裕のある人になります。また、共働きの人のように、早い段階で繰り上げ返済をしていける人にも向いています。

一定期間固定型

銀行のローンに多く見られるタイプです。あらかじめ指定した期間は固定金利で、その期間が終わるときに、次の金利タイプを固定にするか変動にするか選ぶことができるようになっています。 指定できる期間は、2年、3年、5年、10年が多いです。一般的には、固定期間が長くなるほど金利は高く設定されます。

一旦変動金利を選んでも、金融機関に申請すれば再度固定金利を選べます。注意したいのは、この選択を繰り返すことと、前述の優遇金利の取り扱いの関係を確認しておくことです。なぜなら、優遇金利の条件が変わることがあるからです。

住宅ローンの借り換え

住宅ローンは住宅の購入資金を借りることがゴールではありません。住宅ローンを借りることはスタートです。完済するまで様々な制度や仕組みを活用して、上手に返済していくのが大事です。まずは住宅ローンの借り換えから考えてみましょう。

住宅ローンの借り換えは、現在借りている住宅ローンを見直すことです。例えば、現在変動金利型の住宅ローンを借りているなら、固定金利と変動金利の差が著しく縮まっている現在こそ、固定金利へ借り換えるには絶好のタイミングです。

住宅ローンの借り換えとは

住宅ローンの借り換えとは、現在借りている住宅ローンから、有利な条件の住宅ローンに切り替えることです。

具体的には、

  1. 現在の住宅ローンの残高金額を、新たに住宅ローンを借りる。
  2. 新たに借り受けた住宅ローンの融資金で現在の住宅ローンの残高を返済する。
  3. 新たな住宅ローンを毎月返済する。

という流れになります。

やさしい住宅ローン比較ガイドの借り換えのしくみ 引用:やさしい住宅ローン比較ガイド「借り換えのしくみ」より

借り換えのメリットとデメリット

まず、住宅ローンの借り換えのメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリットデメリット
・金利の低い住宅ローンに借り換えることで、月々の返済額を抑えて、返済総額を少なくできる。
・変動金利型から全期間固定型や一定期間固定型に切り替えることにより、現在支払い中のローンの金利と同程度で完済するまで確定できる。
・返済中に切り替えられない団体新生命保険を、借り換えることで新しいタイプ(八大疾病保証付きや介護保障付き)に切り替えることができる。
・住宅ローンを新たに組むことになるので、住宅ローン控除が新たに受けられる。
・新たに住宅ローンを組むので、リフォーム資金も一体化して借り入れることができる。
・新たに住宅ローンを組むので、以前に借りたときと同様の費用がかかる。 (ローンの保証料は数十万円、抵当権設定費用や事務手数料、印紙代もかかる。また、既存の住宅ローンの一括繰り上げ返済する費用もかかる。)
・新たに住宅ローンを組むので、もう一度ローンの手続きが必要になる。

デメリットにある費用負担を考慮すると、借り換えを検討した方がよい人の条件は、一般的以下の3つといわれています。

  • ローンの残金が1000万円以上ある
  • 返済期間が10年以上残っている
  • 1%以上金利が低いローンに借り換えができる

しかし、最近は金融機関の新規顧客獲得競争で、保証料を無料とする銀行も登場してきました。借り換えの手数料が安くなったため、上記の条件にあてはまらなくても、借り換えの効果がでる場合が多くなりました。

気になる方は、金融機関に相談してみるのもよいでしょう。

借り換えのタイミング

それでは、住宅ローンの借り換えのベストタイミングはいつでしょうか?理論上は、「最も金利が低いとき」になります。しかしそれを見通すのは難しいことです。

何年も前から「今が金利の底です。早晩金利上昇局面になるので、住宅ローンを借りるなら固定金利にしましょう。」といわれてきました。しかし一向に金利は上昇しませんでした。多くの方が変動金利型の住宅ローンを利用しています。

先程も述べましたが、変動金利型の住宅ローンを利用している人は、今が固定金利型に借り換えるチャンスです。

理由は、長期の固定金利が1%前後まで下がって変動と固定の金利差が縮まっているからです。金利上昇のリスクに備えて、今のうちに固定金利にしておくと返済額が増えないという安心できるメリットがあります。

以下に具体例をあげながら詳しく説明します。

現在(2018年11月)フラット35の金利は「1.120%」(※2)で、民間ローンの10年固定の金利は「0.850%」(※3)です。

2010年頃に変動金利型の住宅ローンを組まれた人の金利は、1.475%ではないでしょうか?このように言うと「変動金利型の住宅ローンだから、現在の低金利が反映されているのではないのか」と反論が出ると思います。

ここで、前述の金利の決まり方で触れました変動金利の基準金利と優遇金利を思い出して下さい。

1.475%の金利で変動金利型の住宅ローンを借りた人は

「基準金利:2.475% - 優遇金利:1% = 1.475%」

という計算で金利が決まっています。そして元になる短期プライムレートは、2009年1月から変わっていません(※4)。そのため、1.475%の金利で変動金利型の住宅ローンを借りた人は、短期プライムレートが変わらなければ、ずっと1.475%の金利のまま変動していないのです。

現在インターネット上の比較サイトで表示されているような0.457%(※5)は、基準金利から2.018%の優遇金利を適用したものなのです。この金利が適用されるのは新規の住宅ローンを借りた人だけです。

ザイ・オンラインの住宅ローンおすすめ比較【2018年】

引用:ザイ・オンライン「住宅ローンおすすめ比較【2018年】より

したがって、現在の低金利の恩恵を受けるには住宅ローンを借り換えるしかないということになります。

変動金利型で金利が上昇するリスクを負いながら、1.475%の金利で返済を続けるより、変動金利型から1.210%の固定金利型の住宅ローンに借り換えると、返済額上昇のリスクがなくなるうえに、金利も若干さがるというメリットがあります。

また、変動金利型どうしを比べると、既存のローンの金利は1.475%、新規のローンの金利は0.457%です。 金利差は1%を超えます。そうすると、変動金利型の住宅ローンから変動金利型の住宅ローンへの借り換えも充分検討に値することになります。

1%を超えた金利で住宅ローンを借り入れた方は住宅ローンの借り換えを検討してみましょう。

※2:価格.com ARUHIスーパーフラット借換より
※3:価格.com 三菱UFJ銀行 ネット専用住宅ローン固定10年プレミアム住宅ローン(借り換え)より
※4:日本銀行 長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降より
※5:やさしい住宅ローン比較ガイド じぶん銀行の住宅ローンより

借り換えできない場合もある

メリットの多い住宅ローンの借り換えですが、新規に住宅ローンを申し込む場合と同様に審査があります。この審査を通らないと、これまで述べてきたメリットを受けることができません。

それは、以下のようなときです。

  • 持病があって団体信用生命保険に加入できない場合 民間ローンでは、ローン申し込み者に団体信用生命保険(団信)への加入を義務付けているからです。

  • 借り換え後の住宅ローンの返済負担率が基準をオーバーしている場合 住宅購入後に自動車や教育資金のローンを組んだ場合や、転職して収入が下がった場合には、これらも合計して返済負担率を計算されるからです。

  • 過去に住宅ローンの滞納履歴がある場合 住宅購入後に状況の変化や、うっかりミスなどで、滞納してしまったことがあると審査に落ちてしまいます。

  • 住宅の価値が下がって担保割れしている場合 担保となる住宅の価値が大幅に下がっていると、既存の住宅ローンを一括返済できる金額を新たな住宅ローンで借りることができなくなります。

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その他 入居から完済までの手続き

住宅ローンの借り換え以外にも、住宅ローン完済までの様々なステージで利用できる制度があります。住宅ローン控除、住宅ローンの繰り上げ返済、一括繰り上げ返済について解説します。

これらも活用して、住宅ローンと上手に付き合っていきましょう。

住宅ローン控除の手続き

住宅ローン控除(※6)は、住宅ローンを借入りて住宅を購入すると所得税や住民税が控除される減税制度です。

適用期日 平成26年4月~平成33年12月
最大控除額(10年間合計) 400万円(40万円×10年)
控除率、控除期間 1%、10年間
住民税からの控除上限額 13.65万円/年(前年課税所得×7%)
主な要件 ①床面積が50m2以上であること ②借入金の償還期間が10年以上であること

出典:国土交通省 住宅ローン減税制度の概要

具体的には、住宅ローン残高(最高4,000万円)の1%の金額(最高40万円/年)が、10年間にわたり納めた所得税・住民税から控除されて、戻ってくるのです。

正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。40年以上の長い歴史を持つ減税制度で、一定期間を区切って適用されます。現在は平成33年12月までとなっています。

しかし景気対策に有効なので、期間と条件を変えながらずっと継続されています。確か私がマンションを購入した1993年は、残高1%は同じですが、住宅ローン残高に土地代は含まれず、最高2,000万円まででした。控除される期間も6年間だったと思います。

毎年最高40万円の現金が10年間も還付されるのは、非常に嬉しいことです。また、1%以下の金利で借りることができたなら、負担する利息より、還付される税金のほうが大きくなることもあります。忘れずに手続きしましょう。

住宅ローン控除を受けるには、入居した翌年に確定申告をしなければなりません。手続きの場所は最寄りの管轄税務署です。

住宅ローン控除の手続きに必要な書類は以下のとおりです。

  • 借入金の年末残高証明書
  • 住民票
  • 登記簿謄本
  • 不動産売買契約書(請負契約書)
  • 源泉徴収票

確定申告は、インターネットや郵送でもできますが、直接窓口に出向くことをお勧めします。係りの人に書類一式を確認してもらえて、不備のある点を指摘してもらえるからです。所得税の還付金は、指定した口座に後日振り込まれます。

会社員の方は、2年目以降は確定申告をしなくても、年末調整で住宅ローン控除を受けられます。2年目以降の年末調整で住宅ローン控除の手続きを行うには、勤務先に以下を提出すればOKです。

  • 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
  • 年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

他に「すまい給付金」(※7)という制度もあります。

住宅ローン減税は、支払った税金が戻ってくるしくみですので、収入が少なくてもともとの納税額が少額であれば、制度拡大の恩恵を十分受けることはできません。そこで、こうした収入層の方に対しても消費税増税による税負担の軽減を図るため、創設されたのが「すまい給付金」です。

2014年4月以降、2021年12月までに引き渡たされ入居が完了した住宅に対して、一定の条件を満たせば、申請により最大30万円のすまい給付金が受けられます。住宅ローン減税との併用も可能です。

※6:国土交通省 住宅ローン減税制度の概要より
※7:国土交通省 すまい給付金とはより

住宅ローンの繰り上げ返済

手元に余裕資金ができたら繰り上げ返済を検討してみましょう。

繰り上げ返済は、「内入れ」ともいわれ通常のローン返済とは別に、まとまった資金を一時金として支払い元本を減らすことです。元本が減りますので、本来かかるはずだった利息が不要になり、返済すべき総額を大きく減らす効果があります。また、保証料も一部戻ります。

繰り上げ返済には、2つの方法があります。

  • 期間短縮型:返済期間を短くします。
  • 返済額軽減型:返済期間は変わらず、毎月の返済額を少なくします。

利息の軽減効果が大きいのは、期間短縮型になります。少しでも支払い総額を抑えたい人にお勧めです。これに対し返済額軽減型は、家計の負担を軽くします。例えば、住宅ローンの返済と子供の進学による教育費の増大が重なるときに助かります。

また、変動金利型のローンを組んでいる人は、金利上昇による返済額のアップに対応できます。

繰り上げ返済は、早い時期にすればするほど効果的です。なので、まとまったお金がたまるまで待つより、こまめに繰り上げする方がお得です。金融機関も繰り上げできる金額を引き下げたり、手数料を無料か安価にしたり、また、あらかじめ口座が一定金額以上になったら自動で繰り上げ返済できる仕組みを用意しているところもあります。

ローン支払中でも住宅を売却することは可能(一括繰り上げ返済)

住宅ローンの支払い中でも、必ず最後まで支払い続ける必要はありません。定年で退職金が入ったり、相続により多額の資金が入ったりしたときに、住宅ローンを一気に返済してしまうことができます。

これを一括繰り上げ返済といいます。

この制度を利用して、現在の住宅を売却して、新たに住宅を購入する「買い替え」も可能になります。ただ、売却できる金額の方が、住宅ローン残高より下回っている場合は、少し問題があります。この場合は、通常は売却額で不足する分を自己の預貯金などで補完して一括繰り上げ返済を行います。

もし、自己資金で補完できない場合には、「買い替えローン」という便利なローンがあります。このローンは、現在返済中の住宅ローンを完済するための資金と、新たに購入する住宅の購入資金を合わせて融資してくれる住宅ローンです。

住宅を買い替える場合には、このようなローンがあることも踏まえて、慎重に資金繰り計画を立てましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?住宅ローンの申込みから実行までの手続きの流れをお伝えしました。そして、住宅ローンが実行されて以降に、住宅ローンと向き合っていくのに欠かせない制度もお伝えしました。

住宅ローンを組む流れや審査基準、金利タイプを押さえておけば、ご自身にとって有利な住宅ローンを組むことができます。何も分からずに勧められるままに提携ローンを申し込むことのないようにしてください。

たくさんの種類があって難しそうな住宅ローンですが、興味を持っていれば、住宅ローンを借り換えたり、繰り上げ返済をしたりして、何十万円、何百万円も得することがあります。住宅ローンと上手に付き合ってほしいです。

住宅ローンの全体をイメージしていただいて、安心して住宅ローンを申し込んでいただければ幸いです。
以上、「【保存版】これが住宅ローン審査の流れだ!借り換え手続きは有利?」でした。

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