家づくりの予算を検討するとき、まず気になるのは坪単価ではないでしょうか。
2019年10月には消費増税もありましたから、お金に関する情報はシビアにチェックして、要望を叶えるための本質的な部分に資金を集中したいものです。
しかし一口に坪単価と言っても、住宅を建てたいエリアやハウスメーカーによって、大きく違うことがほとんど。
そこでこのページでは、注文住宅の坪単価の平均や、全国のハウスメーカーの坪単価の大まかな相場をまとめてみました。
坪単価とはそもそもどういうものなのか、という基本的な情報についても解説していますので、これから注文住宅を建てようと考えている方はぜひ参考に目を通してみてくださいね。
目次
この記事がおすすめできる人
- 坪単価の基本知識が知りたい人
- 平均的な坪単価について知りたい人
- 有名ハウスメーカー各社の坪単価を知りたい人
- 注文住宅を建てたいと考えている人
なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ デザイナーズ住宅とは?知っておきたいポイントをわかりやすく解説
・ ハウスメーカーの選び方は?依頼するメリットや4つの選定ポイント
・ マイホーム計画を立て始めた方へ!流れ・資金・失敗しないためのポイントを解説
注文住宅の坪単価とは?
坪単価の相場をチェックする前に、そもそも坪単価とはどういうものなのかを押さえておきましょう。
坪単価、という名前から、1坪あたりの建築費だろう、というのは想像できるかと思います。
しかしこの「1坪あたり」の基準となる坪数が建物全体の敷地面積なのか、それとも建物だけの面積なのか、はたまた他の基準があるのか。正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。
坪単価の計算式は、以下のように表されます。
- 坪単価=建物の本体価格÷延床面積
延床面積というのは、建物の各フロアの床面積の合計を足したものです。
つまり坪単価は、敷地全体の面積でも建物だけの面積ではなく、フロアごとの面積の合計で、建物の本体価格を割った数字、というわけです。
施工面積で割るケースも
ただ注意したいのが、坪単価の算出方法については厳密なルールがないという点。
基本的には上記の「建物の本体価格÷延床面積」が使われますが、延床面積の代わりに施工面積を採用して坪単価を表示している業者も少なからず存在します。
延床面積は、床のない部分(吹き抜け等)やロフト、玄関ポーチ等、含めてはいけない部位が建築基準法で定められています。
一方の施工面積にはそうした基準がなく、延床面積には含められない部位も入れることができます。
つまり施工面積のほうが、延床面積より広くなります。
分母が大きくなるわけですから、延床面積ではなく施工面積を採用したほうが、坪単価を安く表現できる訳です。
繰り返しになりますが、坪単価の算出に延床面積と施工面積のどちらを用いるかは、とくにルールがありません。そのため、ハウスメーカーや工務店によって、同じような条件でも坪単価が違うことがあります。
坪単価を比較する場合は、その数字がどういう基準で算出されているかをまずチェックし、慎重に判断を下すことが大切となります。
坪単価と実際に掛かる費用が異なる理由
前述の通り、坪単価は建築費の目星をつける上での基準となるものです。
しかし実際に見積もりを依頼してみると、坪単価を元に算出したはずの予算を上回ってしまうことが少なくありません。
では、なぜそういった齟齬が出てしまうのでしょうか。
坪単価は、建物価格を延床面積(業者によっては施工面積)で割ったものです。つまり、含まれているのは建物の施工に掛かる費用だけ。
屋外の設備や施工費については、含まれていないのです。ケースバイケースですが、ライフラインや外構の工事代、照明代等を諸々含めると、費用は2〜3割ほど膨らむこととなります。
坪単価は建築費の目処をつける上では有用ですが、家づくり全体の予算を坪単価を基準に考えてしまうと、後になって予算が合わなくなる可能性があるわけです。
家づくりの予算を考えるときは、建物の本体価格だけでなく、それ以外の設備費、施工費についても、しっかり検討材料に含めておきましょう。
注文住宅坪単価の相場
続いては、全国の注文住宅の平均坪単価を見てみましょう。
都道府県 | 木造 | 鉄骨造 | RC造 |
---|---|---|---|
北海道 | 57.8 | 76.9 | 95.7 |
青森県 | 53.1 | 74.9 | 71.6 |
岩手県 | 57.8 | 75.2 | 77.2 |
宮城県 | 58.9 | 75.6 | 77.6 |
秋田県 | 52.8 | 74.3 | - |
山形県 | 55.8 | 76.6 | 63.0 |
福島県 | 60.1 | 79.9 | 95.0 |
茨城県 | 56.8 | 74.6 | 123.1 |
栃木県 | 57.4 | 75.6 | 84.8 |
群馬県 | 57.8 | 75.6 | 71.6 |
埼玉県 | 57.8 | 84.2 | 85.8 |
千葉県 | 60.4 | 81.6 | 92.1 |
東京都 | 63.0 | 96.4 | 116.9 |
神奈川県 | 63.0 | 92.8 | 94.7 |
新潟県 | 57.1 | 77.6 | 79.2 |
富山県 | 58.1 | 73.3 | 117.5 |
石川県 | 57.4 | 74.2 | 106.6 |
福井県 | 54.8 | 75.2 | 73.6 |
山梨県 | 58.8 | 74.9 | 117.2 |
長野県 | 61.8 | 73.3 | 94.4 |
岐阜県 | 59.1 | 81.2 | 101.7 |
静岡県 | 60.1 | 79.9 | 73.6 |
愛知県 | 61.4 | 80.9 | 90.4 |
三重県 | 60.7 | 77.6 | 88.8 |
滋賀県 | 54.1 | 81.8 | 94.1 |
京都府 | 57.1 | 81.2 | 139.3 |
大阪府 | 56.4 | 79.2 | 88.4 |
兵庫県 | 57.1 | 78.2 | 105.9 |
奈良県 | 56.8 | 75.2 | 79.5 |
和歌山県 | 54.8 | 78.6 | 98.7 |
鳥取県 | 57.4 | 72.3 | 83.8 |
島根県 | 58.1 | 70.6 | 70.6 |
岡山県 | 62.4 | 75.6 | 84.2 |
広島県 | 58.9 | 78.2 | 81.5 |
山口県 | 57.5 | 77.6 | 79.9 |
徳島県 | 52.1 | 66.7 | 94.4 |
香川県 | 56.4 | 71.6 | 70.0 |
愛媛県 | 54.1 | 72.3 | 69.6 |
高知県 | 57.4 | 71.3 | 62.0 |
福岡県 | 54.9 | 75.2 | 83.8 |
佐賀県 | 54.1 | 71.0 | - |
長崎県 | 53.5 | 72.6 | 71.6 |
熊本県 | 53.1 | 71.6 | 74.6 |
大分県 | 53.1 | 75.6 | 68.3 |
宮崎県 | 49.1 | 74.6 | 72.6 |
鹿児島県 | 54.1 | 68.3 | 62.0 |
沖縄県 | 58.1 | 74.9 | 68.0 |
引用元:注文住宅の平均的な坪単価と平均延べ床面積を都道府県別で公開!
当たり前と言えば当たり前のことですが、エリアと構造によって坪単価が違ってくることがお分りいただけると思います。
木造であれば50〜60万、鉄骨造りであれば70〜80万、RC(鉄筋コンクリート)造りであれば70万円以上、といった具合です。
また、都心に近いエリアとそうでないエリアでは、おおよそ5〜10万円ほど都心に近いエリアの方が高い傾向にあります。
こういった傾向は、スケールを小さくしていっても変わりません。たとえば同じ県内であっても、一般に人口が多い土地の方が坪単価は高くなり、過疎が進んでいる土地ほど低くなります(もちろん離島など、建材の移動にコストが掛かる場合はこの限りではありません)。
押さえておきたい主な住宅の構造
前述の通り、注文住宅の坪単価に影響を与える大きな要因の1つとして、建物の構造が挙げられます。
それぞれの違いについて、簡単に押さえておきましょう。
木造
文字通り木材を構造材に使った住宅です。
工法にはいくつかの種類がありますが、代表的なのは柱や梁、筋交いで骨組みを作っていく木造軸組工法(在来工法)と、木材で作ったパネルで箱状の六面体を造る木造枠組壁工法(ツーバイフォー、ツーバイシックス等)。
素材が安価な上、技術者も多いため、ローコストで注文住宅を建てるならまず検討したい構造と言えます。
鉄骨造り
木材の代わりに、鉄骨を使って骨組みを造る住宅を鉄骨造りと言います。
鉄骨の鋼材の厚さが6ミリ以下の場合は軽量鉄骨、それ以上の場合は重量鉄骨と呼んで区別します。
住宅に用いられるのは主に軽量鉄骨ですが、物件の規模によっては重量鉄骨が用いられるケースもあります。
強度があり、柱が少なくて住むため、比較的デザインの自由度が高いという点がメリットです。
RC造り
RCは、Reinforced Concreteの略で、鉄筋コンクリートのこと。
形を自由に整形でき、耐火性、耐久性ともに高いのが特徴で、高級住宅に多く見られる構造です。
デザイン性に優れ、資産価値の落ちづらい住宅を形にできますが、施工できる住宅会社が木造や鉄骨造りに比べて少ない上、コストも高いというデメリットも。
ある程度予算に余裕がある場合に検討したい構造であると言えるでしょう。
全国ハウスメーカーの坪単価を徹底比較
主だったハウスメーカーの坪単価は以下のようになっています。
ハウスメーカー | 坪単価(万円) | 採用構法 |
---|---|---|
アイダ設計 | 23~30 | 木造 |
アイフルホーム | 25~55 | 木造 |
アエラホーム | 20~50 | 木造 |
アキュラホーム | 35~50 | 木造 |
アルネットホーム | 50~70 | 木造 |
R+house | 50~60 | 木質パネル |
飯田産業 | 39~60 | 木造 |
イザットハウス | 55~65 | 木造 |
イシンホーム | 40~55 | 鉄筋コンクリート (RC造) |
一条工務店 | 55~70 | 木造 |
ウィザースホーム | 30~50 | 2×4 2×6 |
エースホーム | 30~40 | 木造 |
オーガニックハウス | 60~90 | 木造 |
菊池建設 | 58~90 | 木造 |
木下工務店 | 35~70 | 木造 2×4 |
クレバリーホーム | 30~50 | 木造 |
三交ホーム | 53~60 | 木造 |
サンヨーホームズ | 55~75 | 軽量鉄骨造 |
GLホーム | 40~50 | 2×4 |
住宅情報館 | 40~60 | 木造 木質パネル |
スウェーデンハウス | 65~100 | 木質プレハブ |
住友不動産 | 38~80 | 2×4 |
積水ハウス | 50~80 | 木造 鉄骨系プレハブ |
セキスイハイム | 65~75 | 2×4 鉄骨系ユニット |
セルコホーム | 30~60 | 2×4 |
ベツダイホーム | 33~50 | 2×4 |
泉北ホーム | 40~50 | 2×4 |
ダイケンホーム | 45~55 | 2×4 |
大成建設ハウジング | 75~85 | RC系プレハブ |
ダイワハウス | 40~80 | 木造 鉄骨系プレハブ |
タマホーム | 25.8~60 | 木造 |
土屋ホーム | 65~75 | 木造 2×4 |
東急ホームズ | 50~100 | 2×4 |
トヨタホーム | 40~70 | 鉄骨軸組 鉄骨系ユニット |
パナソニックホームズ | 50~80 | 重量、軽量鉄骨 大型パネル |
東日本ハウス | 55~65 | 木造 木質パネル |
桧家住宅 | 30~60 | 木造 2×4 |
フィアスホーム | 45~70 | 木造 耐震パネル |
富士住建 | 40~60 | 木造 2×4 |
フジ住宅 | 50~60 | 木造 2×4 |
ブルースホーム | 38~60 | 2×4 2×6 |
へーベルハウス | 65~90 | 重量鉄骨 鉄骨系プレハブ |
ミサワホーム | 65~75 | 木質パネル 鉄骨系ユニット |
三井ホーム | 55~80 | 木造 |
三菱地所ホーム | 60~90 | 2×4 鉄筋コンクリート (RC造) |
ヤマダエスバイエル | 55~65 | 木造 木質パネル |
ヤマト住建 | 40~60 | 木造 |
ユニバーサルホーム | 40~50 | 木造 |
レオハウス | 25.8〜45 | 木造 |
レスコハウス | 50~90 | 鉄筋コンクリート (RC造) |
ロイヤルハウス | 30~50 | 木造 |