注文住宅を建てる際、間取りやデザインのことで頭がいっぱいで、ついつい後回しにしてしまいがちなのが「窓」です。
しかし窓は、私たちが生活する上で、とても大きな役割を担っていることをご存知でしょうか。
今回はそんな窓の役割から、窓選びのポイント、種類ごとのメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
目次
この記事がおすすめできる人
- 注文住宅の窓で悩んでいる人
- これから注文住宅を建てようと考えている人
- 部屋別の窓の選び方について知りたい人
- 窓にこだわった家づくりがしたい人
- 窓の種類について知りたい人
なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ マルっとわかる!家づくり超ガイド
・ 必要な予算がわかる!注文住宅の価格相場と5つの建築事例
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まず理解しておきたい窓の大切な役割とは
窓の役割について、改めておさらいしてみましょう。この役割をしっかり理解しておくことによって、どんな風に窓を設置すれば良いのかが自然と見えてくるはずです。
採光
まず最初に思い浮かぶ窓の役割といえば、採光です。毎朝目が覚めたらすぐにカーテンを開けて、窓から光を取り入れるという方も多いでしょう。
窓を設置する向きや窓の大きさによって、部屋全体のイメージも大きく変わってきます。
外は晴れているのに、光が入らず暗い部屋で過ごしていると、なんとなく気分も上がりません。特にリビングなどは、家族が集まる家の中心になる場所。やさしい光に包まれる部屋が理想的ですね。
建築基準法では、「住宅の居室には床面積の1/7以上の大きさの窓をつけなければいけない」と定められています。
換気・通風
採光と同じくらい大切なのが、換気と通風という役割。
最近は24時間換気設備を設置することが義務付けられていますが、窓を開けて外の新鮮な空気を部屋の中に取り入れることで、より快適に過ごすことができます。
また、室内に湿気がこもってしまうと、結露や壁紙の汚れなどが発生してしまうことも。そうならないためにも、定期的に換気を行い湿気を外へ逃すことが重要です。
しかし、ただ単に窓を設置すれば良いというわけではありません。窓の種類や設置する位置によっては、換気がうまく行えないものもあるため注意が必要です。
眺望
窓のない閉鎖的な空間は息苦しく感じてしまいますよね。特にあまりスペースが取れない部屋には、窓を設置して外の景色が視界に入ることで、開放感を感じることができます。
そのため、設置した窓からどんな景色が見えるかはぜひチェックしておきたいポイント。せっかく窓を設置しても、小さすぎて景色を楽しむことができなかったり、隣の家の壁しか見えなかったりしては意味がありません。
窓からの眺望を楽しむためには、窓の大きさや位置、形などにもこだわって選ぶ必要があります。
デザイン
採光や換気、眺望など住み心地の良さにも大きく関わるものですが、外から見た時のデザイン性も大切です。
窓は、家の形と同じように、家のデザインを決める重要な役割を担っています。
一口に窓といっても、色や形、使う素材はさまざま。どんなものを選ぶかによって家を外から見た時の印象がガラリと変わるため、全体的なバランスを考えて慎重に選ぶようにしましょう。
また、ステンドグラスなど、見て楽しむことができる窓もおすすめです。
防犯
防犯に関しても、窓は重要な役割を担っています。というのも、空き巣被害の大半は、窓から家の中に侵入されています。
玄関ドアは入念にセキュリティ対策をしている方も多いかもしれませんが、窓に関してはそこまで気を配っていないという方も少なくありません。
最近は防犯性能を高めたガラスやサッシなどが次々に開発されています。窓を設置する位置や形、種類を厳選することは、家や家族を守るための防犯対策にもなります。
設置場所で見る失敗しない窓選びのポイント
窓は設置する部屋ごとに選ぶべきタイプが異なります。各部屋ごとに、どんな窓を選べば良いかチェックしてみましょう。
リビング・ダイニング
リビング・ダイニングは、家族が集まり、食事をしたりくつろいだりする場所。そのため、家族みんなが居心地が良いと感じられる空間づくりが重要です。
リビング・ダイニングの窓には、光をたくさん取り込むことができる開放感のある窓がおすすめ。掃き出し窓と呼ばれる大きめの窓を設置すると、明るく風通しの良いリビングになります。
ただし、リビングやダイニングはテレビやソファ、ダイニングテーブルなど大きな家具を設置します。あまり大きな窓を設置すると家具の配置が難しくなるため注意が必要です。
キッチン
いつでも明るい雰囲気を保ちたいキッチン。採光に配慮した窓を設置するのがおすすめです。
また、キッチンは熱や湿気、においがこもりやすい場所でもあります。そのため、換気しながら料理ができる窓を選ぶと良いですね。
キッチンはスペースに限りがあるため、なかなか大きな窓を設置するのは難しいもの。広い壁面を確保できない場合は、縦長や横長の窓を検討してみてはいかがでしょうか。
寝室
寝室は1日の疲れを取るための大切な場所です。しかし窓の選び方によっては、安眠できず疲れが取れないこともあります。
気をつけなければいけないのは、窓の位置や大きさ。東向きの窓は早朝から光がサンサンと射し込み、眩しくて目が覚めてしまいます。
また、ベッドの近くに大きな窓があると、夏は暑く、冬は寒く感じます。
寝室の窓を選ぶ際は、ベッドを設置する場所も考慮して選ぶようにしましょう。
トイレ
トイレは比較的狭い空間なので、閉塞感を感じやすい場所。窓を設置して太陽光が射し込み、外の景色が見えることで、その閉塞感を和らげることができます。
一方、プライバシーにもしっかり配慮した窓選びをすることが重要。開口部が小さい窓を選ぶ、面格子を取り付けて目隠しをする、高所に設置するなどの工夫が必要です。
浴室・脱衣所
浴室や脱衣所は、熱気がこもり湿度が高くなりやすい場所。最も大切なのは換気がしやすいかどうかというポイントです。
多くの浴室には換気機能が搭載されていますが、入浴後は窓を開けて換気をすることで、より早く湿気を逃すことができ、カビなどの発生を防ぐことができます。
また、トイレと同じくプライバシーにも配慮した工夫が必要です。
子供部屋
子供部屋は、明るく開放的な雰囲気になるよう、光と風をたっぷり取り込める窓を選びましょう。また、防犯対策や事故を防ぐための工夫も必要です。
小さいお子さんの場合は、円窓や小窓など、デザイン性の高い窓を選んで楽しい雰囲気を演出するのもおすすめ。そのほか、集中して勉強に臨めるよう防音性や断熱性の高い窓も人気です。
廊下・階段
部屋と部屋をつなぐ廊下や階段。窓を設置することで家全体が明るくなるだけでなく、空気の通り道をつくることができます。
外に面している廊下や階段には、外の風を効果的に取り込むことができるすべり出し窓がおすすめ。家全体に気持ち良い風を行き渡らせることができます。
また、外に面していない廊下には天窓を設置すると、日中は照明器具に頼らずに過ごすことができるでしょう。
窓の種類別にメリット・デメリットを解説
たくさんある窓の種類。その種類別にメリットとデメリットを解説します。どの部屋にはどの窓を設置すれば良いのか、それを決める参考にしていただければ幸いです。
掃き出し窓
窓の最下部が床面に接している窓のことを、掃き出し窓といいます。ほうきを使って掃除をしていた時代、家の中のごみをこの窓から外に掃き出していたことから、この名前がつけられました。
掃き出し窓は、ベランダへと繋がる窓として設置されることが多いのが特徴。たくさんの太陽光を取り入れることができるだけでなく、風の通りも良いため、換気がしやすいのもメリットです。
一方、気になるのが防犯面。カーテンを開けていると外から部屋の中が見えてしまうため、防犯ガラスを選んだり、鍵を強化するなどの対策が必要です。
腰高窓
掃き出し窓の次によく設置されるのが腰高窓。名前の通り、大人が立った時の腰くらいの高さに位置する窓のことです。
腰高窓はある程度高さがあるため、掃き出し窓よりも小さなお子さんが落下してしまうなどの事故の危険性が低いのが特徴。また、窓の下にはスペースが空いているため、家具が設置しやすいというメリットもあります。
ただし、掃き出し窓と比べると開口部やガラスの面積が小さいため、太陽光や風は取り入れにくくなります。
出窓
家の外から見たときに、壁から飛び出るような作りになっている出窓。
部屋の中では、壁を一部へこませて窓を設置するため、部屋が広く感じるというメリットがあります。また、へこんだ部分はおしゃれなインテリアスペースとして活用することができます。日が当たりやすいので、植物を育てるのも良いですね。
出窓のデメリットは、強風の際、風の音がうるさいということ。風向きによっては、出窓が風切り音を発生させる原因になってしまうため、寝室に出窓を設置する場合は注意が必要です。
引き違い窓
一般的な住宅で多く取り入れられているのが引き違い窓。2枚の窓を左右に動かすだけで開け閉めができるので、窓辺にものを置いていても支障がありません。
また、風の強さや気温などに応じて、窓の開き幅を好きなように調節することができます。
左右に窓を動かして開け閉めするため、気密性はそれほど高くありません。寒い地域にお住いの方の場合は、気密性を高めるための工夫が必要です。
両開き窓
左右の窓を開閉することができる両開き窓。家の外側に開く外開き窓と、内側に開く内開き窓があります。
窓全体が開口部となるため、風通しが良いのがメリット。また、ガラスの面積が多いことで、たっぷりの採光が期待できるでしょう。
開閉時には、窓の外側もしくは内側にスペースが必要です。隣の家との距離が近かったり、窓辺に家具を置きたいという場合には向いていません。
折りたたみ窓
複数枚の窓を折りたたむようにして開ける窓を、折りたたみ窓といいます。窓全面が開口部となるため、風通し・採光ともに良好です。
ただし、窓を開けている間は、折りたたんだ窓がかさばるということを覚えておきましょう。折りたたんだ窓は厚みが増して邪魔になってしまうこともあります。
また、特殊な構造をしているため、一般的な窓よりも設置やメンテナンスに費用がかかります。
オーニング窓
ブラインドのような複数枚の小窓を、ひとつのハンドル操作で開閉するオーニング窓。開口部が狭くプライバシーを守ることができるため、浴室やトイレなどに設置されることが多いタイプです。
多くの場合外開きになっているので、もし急な雨が降っても雨が入りにくいのが特徴です。しかし外に向かって開くため、網戸を取り付けにくいというデメリットがあります。
上げ下げ窓
縦方向に2枚のガラスが並ぶ上げ下げ窓。引き違い窓を縦にしたようなイメージです。
多くの場合窓の形は縦長で横幅が狭いことから、防犯性に優れているのがメリット。他の窓と比べても、外部からの侵入は難しいといえるでしょう。また、そのデザイン性の高さも魅力のひとつです。
しかしデメリットとなるのが、掃除のしにくさ。2階以上の部屋に設置した場合、無理に内側から掃除をしようとすると危険なため、設置場所は十分考慮しなければいけません。
FIX窓
別名「はめ殺し窓」ともいわれる窓。一般的な窓は開閉できますが、FIX窓は開閉できないように固定されています。
多くの場合、採光のために高い位置に設置されることが多い窓です。
開閉しないことによって、大きな窓や小さな窓、丸い窓など、凝ったデザインの窓をつくることができます。
しかし窓が開閉できないことで、外からしか掃除ができません。設置する場所によっては業者にメンテナンスを依頼する必要があります。
スリット窓
玄関や廊下などの取り付けられることの多いスリット窓。
切れ目や隙間を意味する「スリット」の名前の通り、細長い形が特徴で、主に縦スリット(縦長)と横スリット(横長)という2つの種類があります。
主な目的は、採光や換気。外からは家の中が見えづらく、部屋の内側からはそのデザインがおしゃれに見えるというメリットがあります。
ただし設置する場所によっては、太陽光や風が入りづらい場合があるため、設置前にしっかりシミュレーションしておくのがおすすめです。
まとめ
後回しにしてしまいがちな窓選び。しかしどんな窓を選ぶかによって、生活が大きく変わるということがおわかりいただけたのではないでしょうか。
注文住宅を建てる際には、決めなければいけないことがたくさんありますが、ぜひ窓についてもじっくり考えて、最適なものを選んでみてください。
記事の内容まとめ
- 窓には、採光、通風・換気、眺望、デザイン、防犯という役割がある。
- 窓は設置する部屋ごとに選ぶべきタイプが異なる。
- 種類によってメリット・デメリットがあるため、設置場所やその窓に求めることに応じて最適なものを選ぶ。
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