土地なしで注文住宅を建てる時に知っておきたい6つのこと

土地なしで注文住宅を建てる時に知っておきたい6つのこと

すでにある土地に注文住宅を建てる場合と比べ、土地探しから家づくりをスタートするのは手間も費用も掛かります。

とは言えその分自由度が高く、理想の住まいを叶えられる可能性が高いのが大きな魅力。

このページでは、そうした土地なしで注文住宅を建てようと考える人向けに、家づくりの大まかな流れや予算の目安、土地探しのコツなどの基本情報を解説してみたいと思います。

土地なしで注文住宅を建てる時の流れ

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当然のことですが、土地なしで注文住宅を建てる場合は、まず土地探しからスタートする必要があります。

すでに土地を持っている場合と比べて多少の手間は掛かりますが、その分、より柔軟に理想の住まいを実現できる可能性が。

まずは、どういった流れで家づくりを進めていくのかを見ていきましょう。

理想の住宅イメージを固める

注文住宅は、様々な要素が複雑に組み合わさって造られていきます。その過程は選択の連続。その場その場で考えようとしても、十分検討する時間が取れないということも少なくありません。

家づくりにこうあるべき、という厳密なルールはありませんが、なるべくなら、最初にしっかりと、軸となる自分たちの望み、理想の住宅イメージを洗い出しておくことをおすすめします。

またその際は、家族全員の希望を書き出して形に残しておくと良いでしょう。家づくりの情報を仕入れるたびにブラッシュアップしていけば、予算を考える際や、業者と打ち合わせをする際などにも活用できます。役に立つはずです。

用意できる頭金から借入可能額を見積もる

頭金とは、住宅ローンを借入れる際に最初に支払うまとまったお金です。昨今は頭金なしでも住宅ローンを利用できるケースが増えていますが、その場合、金利は高くなりますし、審査も厳しくなります。

別途投資などをで資産運用していて、運用効率を高めるためにまとまったお金を手元に残しておきたい、という場合は別ですが、基本的には頭金を用意した方が無難と言えるでしょう。

借入可能額の目安ですが、頭金の3.3倍程度が相場です。注文住宅に限った話ではありませんが、新築の不動産は、入居者が入った瞬間に資産価値が3割下がると言われています。

金融機関は不動産を担保にお金を貸していますから、新築時の資産価値の3割程度を最初に支払ってもらえば、万が一支払いが滞っても大きな損失が出る心配はないわけです。

ちなみに国土交通省が行った統計によると、注文住宅の頭金は1000万円前後。借入額は3000万円前後という結果が出ており、概ね上記の割合に則った形となっています。

予算配分を考える

大まかに予算の目安を立てたら、次は資金計画を考えます。

まずは、土地と建物の割合を決めていきましょう。土地については、どのエリアを選ぶかによって必要な費用が大きく違ってきます。

最初に洗い出した自分たちの希望を参考に、理想の土地の地価相場を調べ、資金計画を詰めていきましょう。

また、建物の費用を考えるときは、建物本体に掛かる費用だけでなく、ライフラインや外構工事 の費用を見込んでおくことも大切です。

こうした工事は別途工事と呼ばれ、建築費用の2〜3割を占めます。多くの場合、チラシや見積もりなどに記載される坪単価には別途工事費が含まれていませんから、はじめからある程度余裕を見て建物に掛ける予算を考えておくことをおすすめします。

借入先を検討する

必要な予算の目処が立ったら、次はそれを手に入れるために借入先を検討します。

金利や加入する保険の補償範囲などを見ながら、自分たちの希望に適う金融機関を探してみましょう。このタイミングでは、まだ本格的に決めようと考えなくても大丈夫です。

自身の信用力を確かめておく意味でも、複数の金融機関に仮審査を依頼しておくことをおすすめします。

というのも、いざハウスメーカーや不動産会社と契約という段になって、住宅ローンの審査に通らないというケースも少なくないからです。

依頼する業者によっては、取引のある金融機関(審査に通りやすい金融機関)を仲介してくれることもありますが、必ずしも有利な条件で借り入れできるとは限りません。

自分で借入先を下調べしておけば、ある程度住宅ローンに関する知識も身につきます。損のない契約をするためにも、早め早めに行動されることをおすすめします。

土地探しをする

何かを探しているブタ

土地なしで注文住宅を建てる場合、土地探しの段階からハウスメーカーや工務店の担当さんに手伝ってもらった方が、その後の家づくりがスムーズに進みます。業者によっては、不動産会社との間に入って値下げ交渉などを行ってくれたりもします。

また、土地を購入したからといって、その土地に自由に建物を建てられる訳ではありません。法律や条例で細かく制限が課されていますから、購入前に家づくりを担当するその道のプロに土地を見てもらった方が安心でしょう。

業者探しをする

前述の通り、土地探しと業者探しは並行して行うことをおすすめします。

業者探しのコツですが、一番に考えたいのはフィーリングです。実績や評判ももちろんチェックすべきですが、それよりも担当スタッフさんとの相性が、家づくりの満足度を大きく左右する可能性が高いです。

フィーリングが合うということは、感性が近いことの裏返しとも言えます。自分たちの望みを一番よく理解しているのは、当然ながら自分たちですよね。フィーリングが合い、友人としても付き合えそうなパートナーを見つけられたら、家づくりが成功する可能性もグッと高まるはずです。

実際、注文住宅を建てた人のブログを覗いてみると、妥協せずに何店も周って理想のパートナーを探し出したという体験談が多く見つかります。楽しく家づくりを進めるためにも、パートナー選びは慎重に行いましょう。

土地を購入する

満足する土地が見つかったら、不動産会社に間に入ってもらって、売主と売買契約を結びます。

この時に支払うのは手付金で、全額ではありません。売買契約を結んだ後に、土地の所有権を自身に変更する手続き(所有権移転登記)を行い、その上で金融機関に住宅ローンを申し込みます。

住宅ローンは、その名の通り住宅を対象としたローンで、土地には使えません。

しかし、家づくりにおいては、土地購入や工務店、ハウスメーカーなどに支払う着手金、中間金など、大きな出費が段階的に発生します。

そのため多くの金融機関では、土地を担保にすることで完成前に借入額の7割ほどを融資してもらうことができます。

そうした対応をしていない金融機関は、つなぎ融資という形で、別途金利の高い借入れ枠を用意していることが多いです。土地購入に関連する費用をどう融通してもらうかについては、借入先を選ぶ際に確認しておくと良いでしょう。

プランを固める

見積もり時に提案してもらったプランをベースに、担当スタッフさんと細かいところを詰めていきます。

まず大まかな配置を決め、生活する上で不都合な点はないかを掘り下げて考えていきましょう。動線を決めるときは、毎朝必ず通るであろう通勤動線、トイレ、お風呂場へ向かう衛生動線、家事で通る家事動線、という3つの動線を軸に検討すると、考えをまとめやすいはずです。

動線はなるべくシンプルに、収納は、大物家具の一時的な保存なども考えて、ある程度余裕を持って確保しておくのがセオリーです。

間取りや設備、内装デザインが固まったら、基本設計を出してもらい、そこから幾度かのブラッシュアップを経て、最終的な図面を固めていきます。

本契約を結ぶ

建物のプランが固まったら、いよいよ工事請負契約を結び、工事が始まることになります。

なお、この時に契約書に記載されている内容や代金を確認しておかないと、後々トラブルに発展してしまう可能性が。

契約書には必ず見積書を添付してもらい、曖昧な部分がないかしっかり確かめておくことをおすすめします。

土地なしで注文住宅を建てる時の総額の相場

建築資金の推移

引用元:平成30年度住宅市場動向調査

続いては、国土交通省が発表した平成30年度住宅市場動向調査を参考に、土地なしで注文住宅を建てる場合の費用相場をチェックしてみたいと思います。

同資料の資金調達に関する事項によると、土地なしで注文住宅を新築した場合の購入資金の平均は3,971万円。このうち自己資金は31.2%という結果が出ています。

全国平均ですので、都市部の平均はこれより上振れし、地方の平均は下振れすることが考えれます。3000〜5000万円の範囲が現実的なところでしょう。

購入する土地を探すときに知っておきたいこと

本を読む模型

インターネットが発達したことで、昔より格段に手軽に土地情報を仕入れることができるようになりました。とは言え、ただ闇雲に土地を探すのは禁物。

基本的な知識を押さえ、戦略的に情報収集を行うことで、優良物件に出会える確率はグッと高くなるはずです。

自分で探すべきか業者を頼るべきか

土地探しをする場合、相談先としてまず不動産会社を思い浮かべる人が大半でしょう。不動産会社にめぼしい物件をピックアップしてもらいつつ、ネットを使って自分でも土地探しを行えば、効率がいいように思えます。

しかし気をつけたいのは、不動産会社はあくまで仲介会社であって、建築に関する知見を持っている訳ではないということ。

ピックアップしてもらった土地に、自分の建てたい住宅が建てられるかどうかまでは、判断してもらうことができないのです。

その後の家づくりをスムーズに進めるためには、土地探しの時点で、パートナーとなる工務店やハウスメーカーを見繕っておき、一緒に土地探しを手伝ってもらうのがベターな選択肢と言えます。

いい土地とそうでない土地の見極め方

何をいい土地とするかは、個人の重視するものによって大きく違ってきます。ただ一般的には、以下のようなポイントをチェックするのがセオリーです。

  • 地盤…地盤改良が必要な土地だとコストが嵩んでしまいますし、耐震性の不安も残ります。過去にどういう土地だったか。周辺の土地と高さが違ったり、傾斜がついていたりしないかなど、住宅を建てる上での懸念事項がないか事前に確認することが大切です。
  • 周辺環境…今後何十年と住むことになるわけですから、土地だけを見て判断するのは禁物。周辺にどのような施設があるのか。治安に不安はないかなど、実際に歩いて確かめることをおすすめします。
  • 建築条件…土地には、都市計画法が定める地域ごとに、建築基準法で様々な制限が課されます。その土地で自分たちの望む注文住宅が建てられるかどうか、入念に確認しておきましょう。
  • ライフラインの有無…土地によっては、電気、ガス、水道などのライフラインが引き込まれていないことがあります。工事が必要な場合はその分の費用も考えなければいけませんから、あらかじめしっかりチェックしておくと良いでしょう。

土地の良し悪しは、相応の知識がないと判断するのが難しい部分が多々あります。専門家の相談窓口なども活用しながら、慎重に判断されることをおすすめします。

ハウスメーカー・工務店選びのポイント

設計図を持ったスタッフ

土地なしの場合も土地ありの場合も、パートナー選びは家づくりの分水嶺とも言える重要な工程です。依頼業者を選ぶ上でのポイントも、ぜひ知っておきましょう。

ハウスメーカーと工務店の違いを知る

まず知っておきたいのが、ハウスメーカーと工務店の違いです。

全国規模で名前が知られている住宅会社の多くはハウスメーカーと呼ばれるタイプの業者で、規格化による大量生産によって家づくりに掛かるコストを押さえています。

ハウスメーカーが言う注文住宅は、厳密なオーダーメイド住宅ではなく、複数の規格化された選択肢を組み合わせて形作る住宅であることが多いです。

一方、工務店はハウスメーカーの反対。規格化路線は取らず、オーダーメイドに近い形で注文住宅を手がけている傾向にあります。

最近は徐々にこの境界も曖昧になっていますが、ローコストで注文住宅を建てるならハウスメーカー、理想を重視するなら工務店、という住み分けは、知っておいて損はないでしょう。

具体的な実績をチェックする

工務店やハウスメーカーは、公式サイトや大手不動産情報サイトにこれまでの建築事例を掲載していることがほとんどです。

また、「業者の名称 口コミ」などのキーワードで検索すれば、少なからずその業者で注文住宅を建てた人の口コミが見つかります。

規模が大きいところは展示場を持っていますし、そうでなくとも、オープンハウスなどで手がけた住宅を公開しているケースは少なくありません。

こうした具体的な実績は、家づくりのパートナーを選ぶ上での大きな指針となるはずです。

見積もり時にヒアリング力を見極める

業者を選ぶ際には、1度打ち合わせを行い、見積もりを出してもらうのが一般的です。

この時、最初の打ち合わせで伝えた内容がきちんと反映されているか。また、その上で、こちらの要望を組んだ提案がされているか、という点は、業者を選ぶ上での非常に重要なポイントになります。

一生に一度の家づくりで、言った、言わないで揉めるのは絶対に避けたいところですよね。ヒアリング力が優れているから優秀な業者、とは一概には言えませんが、優秀な業者はほぼ確実にヒアリング力に優れているもの。

見積もり時の対応力には、もっとも注目しておきたいところです。

注文住宅を建てる時のコストダウンのセオリー

家の模型とコイン

土地なしで注文住宅を建てる場合、すでに土地がある場合と比べてシビアにコストダウンを考えておく必要があります。

最後に、家づくりにおけるコストダウンの定番手段を見ていきましょう。

建物は四角形を目指す

一般に、建物の形が複雑になればなるほど(角が多ければ多いほど)、コストが嵩んでいきます。

そのため、土地なしで注文住宅を建てるなど、予算に限りがある場合は、建物が四角形になるように各階の形を揃えるのがセオリー。

外観に掛かるコストを抑え、住空間に予算を集中することで、快適な住まいの実現が目指せます。

仕切りを減らす

仕切りが多いと、当然ながらその分コストも増えてしまいます。また、開口部を上手に作らないと圧迫感が出てしまい、住みやすさを損なう要因に。

そこで検討したいのが、仕切りをあえて作らないという選択肢です。微妙に角度をつけたり、スキップフロアを作るなどすれば、仕切りがなくとも、プライベートな空間を確保することは可能。

明るさや開放感も演出できますから、予算や建坪に制限がある場合はぜひ検討されてみると良いでしょう。

設備選びに妥協しない

コストダウンとは違いますが、設備を妥協せずに選ぶと、先々のランニングコストを節約できる可能性があります。

初期費用は大きくなりますが、省エネに優れるなど、将来的な節約が見込め、かつ生活の利便性を高めてくれるような設備は、投資と考えて積極的に導入してみるのも手です。

使う素材を統一する

家づくりに使う素材や規格は、幅があればあるほどコストも増えてしまいます。そのため、揃えられる素材はなるべく揃え、ここぞというポイントに予算を投下するのがおすすめ。

たとえば壁紙などは極力安いもので統一し、玄関ホールの目立つ箇所にビンテージのインテリアを据える、といったように、選択と集中を行うことで、コストを抑えつつお洒落な雰囲気を演出することができます。

外構は後回しでも可

建物本体に気を取られていて、外構の予算が足りなくなってしまった、というケースは意外にあります。

そういった場合の最終手段として、いっそ外構工事を先送りにしてしまうという手も考えられます。外構工事は、ハウスメーカーや工務店の下請け業者が工事をすることが多く、必ずしも家づくりの費用に含まれているものではありません。

外構工事の依頼をお金が貯まるまで見送るか、いっそ入居後に自分たちで作ってしまう、という選択肢も、検討してみる価値はあると言えるでしょう。

まとめ

  • 家づくりをする際は、一番最初に建てたい注文住宅のイメージを固め、それを予算決めや土地探し、設計など、様々な選択をする際の指針とする。
  • あらかじめ依頼業者を見繕っておき、土地探しから手伝ってもらうと、その後の家づくりがスムーズに進む。
  • 土地なしで注文住宅を建てる場合、頭金は1000万円前後。借入額は3000万円前後というのが平均。
  • 依頼業者を選ぶときは、実績や評判だけでなく、自分たちの感性にマッチしているかどうかも、判断基準の1つとするのがおすすめ。

家づくりで何よりも大切なのは、自分たちが愛着を持って長く過ごせる住まいを形にできるかどうかです。

予算や時間をはじめ、家づくりには様々な制限が付きまといますから、要望を100%そのまま叶えることは難しいかもしれません。しかし、アイディア次第でそれに近い状態に持っていくことは十分に可能。

このサイトに限らず、積極的に情報収集を行い、自分たちだけの理想の住宅を叶えていただけたらと思います。

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