土地を買うのは簡単じゃない?基本知識をやさしく解説

土地を買うのは簡単じゃない?基本知識をやさしく解説

大多数の人にとって、土地を買う機会というのは一生に一度あるかないかの大きな買い物でしょう。

しかし普段馴染みがないだけに、いざ土地を買おうとなった時に何をどうしたらいいのか戸惑ってしまうケースも少なくないかと思います。

そこでこのページでは、土地を買うときの大まかな流れや、頼れる業者の種類といった基本的な知識についての解説をまとめてみました。

これから家を建てようと考えている人は、ぜひ参考に目を通してみてください。

この記事がおすすめできる人

  • 土地を買うときの大まかな流れが知りたい人。
  • どういう業者に頼るべきか知りたい人。
  • 土地を選ぶときに見るべきポイントを知りたい人。
  • 土地購入に関係する法律について把握したい人。
  • 安い土地にはどういうものがあるのか知りたい人。

なお以下の記事でも「土地」や「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
・ 絶対に後悔しない土地の選び方
・ 【予算・土地・建物別】注文住宅のよくある失敗ポイントと対策
・ 【土地価格別】土地込み3000万の注文住宅10選と建てるポイント

まず土地を買う大まかな流れを知ろう

本 はじめに、土地を買う際の流れについて紹介します。

0. 希望に適う土地を見つける

個人間での土地取引もやろうと思えば可能ですが、ほとんどの場合は不動産売買の仲介会社を通して土地を買うこととなります。

いきなり不動産会社を訪れて希望を伝えるのも良いですが、事前に家づくりのパートナーを決めてしまい、土地探しから手伝ってもらうという方法もあります。

ちなみに土地探しに掛ける時間ですが、半年〜1年ほどが平均と言われています。参照するデータによっては1年以上掛けているというものも。

ただ、時間を掛けても完全に満足できる土地を見つけられるかどうかは千差万別。予算と要望の擦り合わせながら、腰を据えてじっくり吟味することが大切です。

1. 申込書の提出

希望の土地が見つかったら、必要事項を記入した買付申込書を不動産会社に提出します。

申込書には取引の金額も書き込むのですが、このタイミングで価格交渉をすることも可能。引き渡しのタイミング等の諸条件と併せて、仲介会社を通して(または売主同席のもと)、具体的な契約内容を詰めていくこととなります。

話無事話し合いが落着したら、次のステップへ進みます。

2. 住宅ローンの仮審査

仮審査を申し込むタイミングは基本的には自由ですが、できれば早い段階に済ませておいた方が無難です。

というのも、住宅ローンの審査で躓いてしまい、資金繰りできずに取引がご破算になるケースもあるから。なるべく早い段階に、複数の金融機関に仮審査を申し込んでおくことをおすすめします。

ちなみに、土地購入だけを目的に住宅ローンを組むことはできません。住宅購入を前提とした土地購入の場合に限り、住宅ローンを申し込むことができます。

そういった背景もあり、融資が実際に実行されるのは建物が完成した後。土地購入の資金等は、自己資金で立て替えるか、つなぎ融資を申し込んでやりくりすることとなります。

3. 重要事項説明

次のステップは、重要事項の説明です。

部屋を賃貸したことがある人は経験があるかと思いますが、建物の賃貸や売買をする場合、宅地建物取引士という資格を持つスタッフが物件や契約周りに関して口頭で説明をしなければならないという法律があります。

難しい単語がズラズラ出てくるため、聞き流してしまいたくなりますが、万が一自分たちに不都合な事項が含まれていた場合、後でトラブルに発展する可能性があります。

特に支払い方法や契約違約金、土地に課されている建築条件などについて問題がないか、コピー等を控えて事前にしっかり読み込んでおくことが大切です。

4. 売買契約&引き渡し

無事契約が締結されたら、契約書に定められた流れに沿って引き渡しとなります。

引き渡し時には、所有権移転の手続きを行うことになります。

司法書士に手続きを依頼したり、住民票や身分証明書等の必要書類を用意する必要がありますから、こちらも早め早めに準備を進めておくことをおすすめします。

以上が、大まかな土地購入の流れです。

土地を買う時に頼れる業者を知ろう

握手

土地を買おうと考えたとき、まず思い浮かぶのは不動産会社かと思います。

実際、不動産会社抜きで土地を売買することは稀なのですが、いきなり不動産会社を訪ねると損をしてしまう可能性も。

というのも、情報源を複数持つことで、よりお得に取引できることがあるからです。

土地売買に関連する業者の大まかな種類と特徴を見ていきましょう。

不動産仲介会社

土地を買う際に、多くの人が頼ることになる業者です。

不動産会社自身が所有する土地を販売しているケースもありますが、多くの場合、別に売主がいて、売買を仲介するという形で事業を行っています。

仲介会社を選ぶときに注意したいのが、知名度と売買実績が比例しないケースが少なからずあるという点です。

仲介会社は、賃貸と売買を両方手掛けていることが多く、賃貸だけの知名度で判断してしまうと、満足なサービスが得られない可能性があります。

購入候補の物件をその仲介会社が抱えている、という場合は別ですが、とりあえず相談したいという段階の時は、公開されている販売実績や取り扱い物件数の多い業者をなるべく選ばれることをおすすめします。

ハウスメーカー・工務店

すでに建築済みの住宅(建売住宅)を販売したり、依頼された土地に建物を建てるのが、ハウスメーカーや工務店といった住宅会社です。

グループ会社に仲介会社がある大手だったり、別に仲介事業を手掛けていたりすれば別ですが、通常は土地の取り扱いはしません。

しかし土地を購入して住宅を建てようと考えているなら、相談すれば土地探しを手伝ってもらうことができます。

仲介会社の場合、こちらの希望に適う土地かどうか、という点しかチェックしてもらえませんが、住宅会社に依頼すれば、その土地で希望に適う住宅が建てられるか、という点まで踏み込んで確認してもらうことが可能。

ほか、場合によっては値引き交渉を手伝ってもらったり、住宅ローンの話をまとめて進めてもらったりできるという点も、見逃せないメリットと言えるでしょう。

ポータルサイト

こちらは業者というわけではありませんが、自分のペースで手軽に土地を探すことができる強力なツールですから、ぜひ活用したいところです。

様々な仲介会社が取り扱っている土地情報を横断的に検索できる他、ポータルサイトならではの家づくりに関する統計情報がまとめられていたり、単純に土地を探すだけでなく、家づくりの知識を勉強する上でも役に立ちます。

特に大手のポータルサイトは、ネット上に土地情報を掲載するだけに留まらず、実店舗を展開して家づくりの相談を無料で受け付けていることも。

いきなり業者に土地探しを依頼するのは不安、というような場合は、こうしたサービスを利用してみるのも良いでしょう。

高コストな土地の見極め方を知ろう

goodとbadの付箋

どのような土地を魅力に感じるかは人それぞれですが、無駄なコストの掛かる土地は多くの人が避けたいところでしょう。

買わないほうがいい土地、というと言い過ぎですが、通常よりもコストが掛かる可能性の高い土地の特徴を以下に紹介します。

土地の高低差

まずコストが上振れする可能性の高い土地として挙げられるのは、高低差のある土地です。

傾斜していたり、隣接する道路や敷地との間に高低差がある場合、造成工事を行って土地を平坦にした上で建物を建てます。

盛り土や擁壁などの施工費が嵩むほか、玄関までのアプローチに高さが出てしまい、毎回階段を登り降りするのが地味に負担となります。

もちろん設計次第では、高低差を逆手に取った、ローコストかつ使い勝手に優れる住宅を実現できるかもしれません。

しかし依頼しようとしているのが規格住宅を得意としているハウスメーカーである場合、プラン通りの建築費に造成等に掛かるコストが上乗せされる可能性が高いです。

土地探しをされる際は、土地に高低差がないかどうかについても、しっかりチェックされることをおすすめします。

ライフラインの有無

ライフラインはあって当たり前、というように感じてしまいますが、必ずしもそうとは限りません。

土地によっては、購入時に引き込み工事をしなければならない可能性も十分考えられます。

想定外のことで予算が縮小しないよう、電気、ガス、上下水道については、引き込みの有無や可否。工事をしなければならない場合の費用等について、土地を買う前にしっかり確認しておきましょう。

地盤の強さ

高低差のある土地と同じように、地盤が弱いと余分な工事が必要になります。

例えば水源が近くにある土地などは、地盤の表層を固めたり、基礎を支える杭を地盤深くまで打ち込んだりしないと、十分な耐震性・耐久性を確保できません。

具体的にどういった工事を行うかは、その土地の地盤の状況により様々ですが、コストの面、安全性の面からも、地盤の弱い土地は避けたいところ。

昨今はネットで少し検索すれば、地震が起きやすいエリアや地盤の弱いエリアを簡単に知ることができます。国土交通省が運営するハザードマップのポータルサイトなどもありますから、万全を期したい人はこうしたサイトを活用されてみると良いでしょう。

土地の法規制について知ろう

リーガルorイリーガルの付箋

土地は、購入すれば自由に建物を建てられる、というものではありません。その土地のあるエリアや、隣接する道路・敷地などによって、建築できる建物が決められています。

例えば広い土地を買って大きな土地を建てようと思ったのに、蓋を開けてみたら敷地の30%までしか建物に使えなかった、ということも考えられるわけです。

厳密に詳しくなる必要はありませんが、必要なタイミングで業者さん等に尋ねられるよう、土地購入に絡んでくる法律の概要は知っておくと良いでしょう。

都市計画法について

無秩序に建物が乱立したら、使い勝手の悪い、住みにくい街になってしまいます。

都市が将来にわたって持続的に発展するためには、秩序立って土地の整備や開発を行うことが不可欠。都市計画法は、そうした都市全体の発展を支えるために作られた法律です。

土地を買う際、用途地域という単語を目にすることが少なからずあるかと思います。

用途地域とは、都市計画法によって定められている13種類の地域のことで、購入する土地が用途地域の何に該当するかによって、その土地に課される建築条件(こちらは建築基準法で規定されます)が変わってきます。

例えば敷地面積に対する建築面積の割合(=建ぺい率)の上限であったり、敷地面積に対する延床面積の割合(=容積率)の上限であったりといった事項です。

詳しい条文は、e-Govの都市計画法の項に記載がありますので、興味がある方は目を通してみると良いでしょう。

建築基準法について

土地購入時や、建築時などに深く関わってくる法律です。

欠陥住宅などで取り沙汰されることも少なくありませんので、名前に聞き覚えのある人も多いかと思います。

その名の通り建築物の基準を定めるための法律で、住居が最低限安全に住めるものであることや、隣接する敷地の権利を侵害しないための条文で構成されています。

以下の通り、大きく集団規定と単体規定に分類されます。

  • 集団規定…周辺環境のために定められる規定です。上述した用途制限や容積率、建ぺい率等は、集団規定に該当します。
  • 単体規定…主に建物に住む人のために定められる規定です。採光や防火、耐震、換気等に関する事項は、単体規定に該当します。

余談ですが、土地探しをする上で知っておきたい単語に接道義務があります。

これは、建築基準法が定める、「建物を建てるためには、その土地に幅4m以上の道路が2m以上接していなければならない」と言うもの。

ケースバイケースで例外(幅4m未満の場合でも、道路の中心から2mの位置まで空間を開けていればOKなど)があるため一概には言えないのですが、土地選びの際はこの接道義務をクリアしているかどうかで土地の価格が大きく変わることもあり、知っておいて損のない知識と言えます。

こちらも詳細はe-Govにまとめられている建築基準法の条文を参照されてみると良いでしょう。

安く買える?特殊な土地を知ろう

干からびた土地

何を重視するかにもよりますが、土地探しをする過程で、「買いたい物件はそこそこ見つかるけど高すぎて買えない…」という事態に直面する人も少なくありません。

そういった場合に検討したいのが、相場よりも安い価格で購入できる傾向にある、特殊な土地です。

もちろん相応の知識と入念な準備をしないと損をしてしまう可能性があるため、一概におすすめはできませんが、選択肢の1つとして知っておく価値はあるでしょう。

旗竿地

旗竿地とは、上から見た時に、土地とその土地までの通路の関係がちょうど旗と竿のように見える土地のことを指します。

通路はほとんどの場合、通路としか使えず、多くの場合日当たりや風通しも悪い、というのがデメリットですが、安く買える上、固定資産税も低く押さえられるというメリットがあります。

また、建物を建てる部分自体は形が四角形に近いことが多く、土地の形のせいで間取りが制限される、という可能性も低いでしょう。

ただ注意したいのが、土地の価格は安くとも、別の部分でコストがかさむ可能性があるということです。

例えばライフラインが通っていなければ引き込み工事が必要ですし、通路が狭すぎて正攻法では家を建てられない場合は、建築費が割高になってしまう可能性も考えられます。

旗竿地に限らず、不整形地を購入する場合は、家づくりを依頼するハウスメーカーや工務店のスタッフに同行してもらい、ざっくりでも建築費の見積もりを出してもらうこととをおすすめします。

借地権付きの土地

借地権付きの土地というのは、文字通り土地を借りる権利のついた土地です。

厳密には土地を購入できるわけではありませんが、借りた土地に建物を建てることは可能。建てた建物の所有権も施主に属します。

ただ、その土地に定められている借地権の存続期間が満了したら、更新するか更地にして土地を返還しなければなりません。

地代を支払い続けても土地が自分のものになることはないため、子供に資産を残すことも不可能。初期費用は抑えられたり、固定資産税や都市計画税といった税金が掛からなかったり、メリットもありますが、きちんとシミュレーションを行った上で決断しないと、損をしてしまうことも考えられます。

競売物件

競売物件とは、裁判所によって差し押さえられた物件のことです。

物件を内覧できず、また仮に物件に瑕疵があっても、売主に責任を求めることができない、というデメリットはありますが、通常の相場より3割以上安い価格で購入することができます。

ただ注意したいのが、その物件がゴミ屋敷だったり、まだ元居住者が住み続けている場合などは、全て購入後に購入者が対応する必要があるという点。

入札する際は、定められている期間内に可能な限り情報収集を行って、本当に損のない買い物かどうかを慎重に判断しなければなりません。

再建築不可

その土地に建物を建てた後に、法律や周辺の道路環境が変わってしまうと、例え更地にしても新たに住宅を建てることができなくなってしまうケースがあります。

再建築不可物件とは、そうした理由によって文字通り再建築ができない土地のことを指します。

そのため、再建築不可物件はいくら安くても手を出すのはやめておいた方が無難です。

もちろん、中古物件をメンテナンスして住み続けるつもりだったり、再建築不可を解除する方法(専門的な手続きが必要です)を詳しく知っていたりする場合は別ですが、ほとんどの人にとって、特をするより損をする可能性の方が高い不動産と言えるでしょう。

まとめ

  • 土地購入の進め方は任意だが、最初に家づくりのパートナーを決めておくと、後の話し合いがスムーズに進む。
  • 高低差のある土地や、ライフラインが引き込まれていない土地、地盤の弱い土地などは地盤改良や造成のためのコストが嵩むため、購入には注意が必要。
  • その土地にどういった建物が建てられるかは、都市計画法と建築基準法によって定められている。
  • 旗竿地や借地権付きの土地、競売物件など、特殊な事情から安い価格で買える土地もある。ただし別の部分でコストが嵩む可能性もあり、ケースバイケースで慎重に判断する必要がある。

土地を買うときに最も重要なのは、自分たちが一生の大部分を過ごす理想の住宅像をしっかり持っておくことです。

土地探しの過程で、様々な人の話を聞いたり、打ち合わせをしたりしている内に、自分たちが考えていた理想を置き去りにしてしまうことがあります。

土地購入はあくまで手段であり、目的ではありません。絶対に妥協したくないポイントは、シンプルなチェックリストにまとめるなどして、整理しておきましょう。

家づくりは複雑ですが、考えるべきことは、常に自分たちの望みに適うかどうかです。業者さんに相談するにしても、何をどうしたいのかが明確でなければ、的確な助言はもらえないでしょう。

安くないお金を掛けるわけですから、最大限わがままを言えるよう、準備を整えておかれることをおすすめします。

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