注文住宅の予算はこう決める!押さえたい4つのチェックポイント

注文住宅の予算はこう決める!押さえたい4つのチェックポイント

注文住宅を建てようと考えた時、避けて通れないのが予算の問題です。 どれくらいの金額を用意すべきなのか。また、そもそも予算内でどのようなことが実現できるのか。

自分から調べようと思わない限り、なかなかわからないものだと思います。 そこでこのページでは、注文住宅の予算を考える時に知っておきたいポイントについてまとめてみました。

これから注文住宅を建てようと考えている方は、ぜひ参考に目を通していてくださいね。
また、別ページ「【予算/年収別】注文住宅で実現できることの違いって? 」では、年収別の注文住宅の相場について解説していますので、あわせてチェックしてみてください。

月々いくらなら無理なく返済できるか

電卓と通帳

注文住宅を建てる際、現金一括で支払うという人はごく少数でしょう。

数千万円をポンと出せる人が少ない、というのもそうですが、仮に資金があっても、低金利時代の昨今は、借りられるお金は借りてしまった方が得のケースが多いです。手元に自由になる資金を残し、それを元手に住宅ローンの金利を上回るパフォーマンスで資産運用をすれば良いからです。

したがって、ほとんどの人が住宅ローンを利用すことになるかと思います。

簡単に考えれば、住宅ローンで借りられる金額=家づくりの予算と考えることができるのですが、注意したいのが、「いくら借りられるか」という視点で予算を考えない方がいい、ということ。

予算の確保ばかりを優先して限界まで借りてしまうと、返済負担によって生活が圧迫されてしまいます。いくら素敵な住まいを手に入れても、最長35年にもわたり余裕のない生活を送るのは、ちょっと嫌ですよね。

そのため、住宅ローンを組む際には、「月々いくらなら無理なく返済できるか」という視点で逆算して予算を考えていくことが重要となります。

まず返済負担率を考える

負担を感じない返済額は一体いくらなのか、いきなり考えろと言われても難しいかと思います。

一つの目安として考えられるのは、返済負担率というもの。返済負担率は、年収に対する年間返済額の割合で、住宅ローンの審査の検討材料にも使われている指標です。返済が滞らないであろうボーダーラインとも言えます。

例えばフラット35を提供している住宅金融支援機構では、年収400万円未満の場合は30%まで、それ以上は35%まで、という基準が設けられています。

住宅ローンの借入額を検討するときは、この返済負担率を一つの基準として考えられることをおすすめします。

シミュレータを使うのがオススメ

住宅ローンの借入額や返済額の計算は、意外に複雑です。細かい数字を扱いますし、金利や返済方法の種類によっても、式に採用する数字が微妙に変わってくるからです。

そうした費用項目をそれぞれ手計算していくのは、簡単ではありません。

そこでおすすめしたいのが、各金融機関がウェブ上に無料で公開している住宅ローンシミュレータです。初めて利用するときは入力項目の多さに怯んでしまうかもしれませんが、年収や金利等、わかる範囲で埋めていけば、とりあえずの結果は出ます。

月々の返済可能額や年収などから借入可能額を算出したり、その逆算をしたりといったことが手軽にできますので、触っているだけでもきっと勉強になるはずです。

押さえておきたい住宅ローンの基本

参考までに、住宅ローンの金額を左右する各項目について、基本的な知識を解説します。

住宅ローンの種類

まずは住宅ローンの種類についてです。

住宅ローンには、大きく公的ローンと民間ローンの2つの種類があります。

公的ローンの代表格は、住宅金融支援機構が銀行と提携して提供しているフラット35。民間ローンの代表格は、銀行が用意する各プランです。

フラット35は、金利こそ少し高めなものの、最長35年にわたり固定金利で住宅ローンを組むことが可能。また、物件さえしっかりしていれば、比較的審査に通りやすいというのが特徴です。

一方の銀行が用意する住宅ローンは、金利こそ安いものの、経済状況の影響を受けて金利が変動します。審査についても、フラット35より厳しくなるのが一般的です。

金利の種類

住宅ローンの金利には、変動金利、固定金利特約型、長期固定金利の3つの種類があります。

変動金利

まず変動金利ですが、これは経済状況を鑑みて、半年に1回金利が見直されるタイプの金利です。

返済の見通しをよくするため、返済額に反映されるのは5年ごととなっていますが、仮に金利が上昇してしまった場合は、その分返済額が膨らんでしまいます。

もちろん金利が減ればその逆になるわけですが、低金利が続いている日本で今後数十年にわたり金利が下がることを期待するのは、あまり現実的ではありません。

固定金利特約型

固定金利特約型は、変動金利の一種。

3年、5年、10年といった所定の期間は固定金利で、その後は金利状況を鑑みて変動金利にするか、その時点の金利で再び固定金利にするかを選択することができます。

変動金利と長期固定金利のいいとこ取りをしたようなタイプと言えるでしょう。

長期固定金利

返済開始から完済まで、金利が変わらないタイプです。金利が上昇した場合の不安がなく、借り入れた時点で、返済総額が決定します。

ちなみに、民間ローンは主に変動金利、フラット35系のローンは、主に長期固定金利となっています。

返済方法の種類

住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済という2つの種類があります。

元利均等返済

返済額の内訳は、元金(借りたお金)と利息(金利)です。

元利均等返済は、元金と利息の金額が常に一定になる返済方式

毎月の返済額がわかりやすいため、家計管理しやすいというメリットはあるのですが、返済開始時に利息の割合が多くなる分、元金が減るのに時間が掛かるというのがデメリット。たとえ同じ金額を借りていても、後述の元金均等返済より、返済総額が高くなってしまいます。

元金均等返済

元金均等返済は、文字通り元金を均等に返済していく方式。支払いはじめは利息額が多いため負担も掛かりますが、元金の減るスピードが早く、支払う利息の金額も徐々に減っていくため、元利均等返済方式よりも返済総額が低くなります。

ただ、返済開始当初の負担が大きくなるため、比較的信用のある人でないと審査に通るのが難しい、というデメリットも。

また、そもそも元金均等返済方式に対応していない金融機関もあるため、利用する場合は事前に問い合わせされることをおすすめします。

どのくらいの頭金を用意できるか

タンス

用意できる頭金=注文住宅の予算と考える人も多いのではないでしょうか。

しかし最近は、頭金ゼロでも住宅ローンが借りられるケースも増えており、一概に頭金=予算とは言えなくなってきました。

ここでは、頭金とはそもそもどういうお金なのか、相場はいくらなのか、基本的な知識を解説します。

そもそも頭金とは

頭金とは、分割払いをする時に、契約の最初に支払うまとまったお金のことです。いくら支払うかは状況によって異なりますが、住宅ローンの場合は任意で金額を設定することができます。

昔は物件価格の2〜3割を用意するのが一般的でしたが、現在はその人の信用(職業や年収、資産等)や物件の資産価値などの諸条件を満たせば、頭金ゼロでも住宅ローンを組めるようになりました。

ただ、頭金を入れない場合、金利も月々の返済額も高くなります。トータルで考えた時に本当に得なのはどちらか、ケースバイケースで慎重に検討することが大切です。

どう決めるのか

具体的にいくら頭金を用意するかですが、方法は無数に考えられます。ただ堅実に考えるなら、月々に無理なく返済できる額から逆算していくのがおすすめです。

一般論として、収入の30〜35%程度が、負担なく返せる金額のボーダーとされていますが、もし具体的にイメージできなければ、家賃で想像するとわかりやすいでしょう。

許容できる家賃×12ヶ月×35年を返済総額として、必要な頭金を逆算してみてください。

確保したい予算や、選択する住宅ローンの金利等によっても左右されますから、何パターンかを検討して範囲を絞っていきましょう。

ちなみに相場はどのくらいか

住宅・不動産購入のための情報サイト、スーモが調べた統計によると、頭金の相場は以下のように分布しています。

購入金額3000万円以上〜5000万円未満の頭金額

  • 100万円未満 10.1%
  • 500万円未満 26.8%
  • 1000万円未満 24.6%
  • 1500万円未満 16.7%
  • 1500万円以上 21.7%

※参考:頭金いくら・どうやって貯めた?マイホームを買った300人のデータ大公開

選ぶエリアやライフスタイルによっても違ってきますが、注文住宅の相場が3000万円以上であることを考えると、少なくとも500万円前後は頭金を用意しておくのが無難と言えるでしょう。

親からの援助は受けるべきか

住宅を購入する際、両親から資金援助を受けるのはよくあることです。

自立しているのに援助を受けるのは抵抗があるかもしれませんが、昨今の日本は、年齢が上がるほど多くの資産を保有している傾向があります。

国はそうした資産の偏りを是正しようと様々な施策を打ち出しており、中には住宅購入に関するものも。

通常、資産の贈与には税金が掛かりますが、住宅購入のための贈与であれば、一定の要件をクリアすることで非課税となります。

贈与や相続に関する税金は相当額に上りますから、節約できるタイミングで資産を受け取っておくのが賢い選択と言えます。

注文住宅の購入にいくらかかるか

ハンコとお金

注文住宅の予算を考える上では、そもそも建てたい物件の相場はどのくらいなのか、ということを把握しておくことも大切です。

注文住宅は、一般的な建売住宅よりも高いもの、というイメージがあるかと思います。

実際その通りなのですが、実は1000万円台からでも、建てようと思えば注文住宅を建てることは可能です。

もちろん制限はありますので、希望と予算の落とし所を探る必要はありますが、手持ち資金が少ないからといって必ずしも諦める必要はない、ということは知っておくと良いでしょう。

相場別に見る注文住宅の特徴

以下に、大まかな相場別に、どのような注文住宅が建てられるのかをまとめてみます。

1000万円台

1000万円台で叶えられる注文住宅は、比較的シンプルな外観、内装のものが多いでしょう。

規格住宅に近い形で、いくつかの決まったパターンを組み合わせて設計を固めていくのが一般的です。

自由度は低い反面、自分たちの要望に近いプランを用意している業者を見つけることができれば、コストを抑えて理想の住宅を手に入れることができます。

2000万円台

2000万円台の予算があれば、選択と集中を行うことで、理想に近い住宅を手に入れることができるでしょう。

ただ、完全なオーダーメイドでの家づくりは、少々難しいものがあります。慎重にコスト管理を行いつつ、本当に叶えたい要望を厳選して予算を配分していくことが大切です。

3000万円台

3000万円台の予算を用意できれば、外観や内装のほか、素材の自由度も高まります。

注文住宅と聞いてまず思い浮かぶ住宅は、このラインのものが多いでしょう。要望の大部分は叶えることができるはずです。

4000万円台

4000万円以上の予算があれば、かなり高い水準の注文住宅を建てられます。

外観に内装、素材はもちろん、庭やエクステリアなどの細部にもこだわりを反映することができるはずです。

低予算で理想の住宅を叶えるには

低予算で理想の住宅を叶えるためには、業者探しに決して妥協しないことが大切です。

というのも、片方の業者では不可能と思われた要望が、別の業者のユニークなアイディアによって実現される、ということがよくあるからです。

こうした提案力というのは、外部からではわかりません。

予算と要望を伝えた上で、その業者が持っているノウハウで対処可能かどうかを聞き込む必要があります。

場合によっては、数十件もの住宅会社を回ることになるかもしれません。しかし正攻法では予算内に叶えられない要望を実現するには、これがもっとも効果的な方法です。

たった1つのアイディアで数百万円節約できることもありますから、石橋を叩いて慎重に業者選びを行いましょう。

物件以外にどのような費用が掛かるか

家の模型とチェックリスト

注文住宅を建てる場合の費用として、まず思い浮かぶのは土地代と建築代でしょう。実際費用の大部分はこの2つが占めますが、忘れてはならないのが、家づくりのそれぞれのステップに掛かる諸費用です。

以下に、住宅ローンを組む際と土地購入、物件建築という3つの括りに分け、必要となる主な支払い項目をまとめてみました。

住宅ローンにかかる諸費用

住宅ローンの費用=金利、というイメージがありますが、金利以外に100万円前後の諸費用が発生します。

状況にもよりますが、目安は物件購入費の0.3〜2%。決して安い金額ではありませんので、具体的にどういった費用項目があるのか、事前にしっかりチェックしておきましょう。

印紙代

住宅ローンを借入れる際の契約書(金銭消費貸借契約契約書)に添付する印紙代です。

契約金額によって細かく金額が分かれているのですが、多くの人は2万円(1,000〜5,000万円以下の場合)か6万円(5,000〜1億円以下の場合)の印紙代を支払うことなるでしょう。

詳細は国税庁の「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁」に掲載されていますので、興味がある方はこちらもぜひチェックしてみてください。

ローン保証料

万が一返済が滞った場合のために、保証会社に支払う料金です。

具体的な金額はケースバイケースですが、借入金の2%前後が相場。支払い方式には、一括で支払う外枠方式と、金利に含める内枠方式があり、どちらを選ぶかによって住宅購入のタイミングで必要になるお金が変わってきます。

余談ですが、保証会社は返済を立て替えるための会社で、債務を清算してくれるわけではありません。返済先が金融機関から保証会社に切り替わるだけです。

団体信用生命保険料

団体信用生命保険(団信)は、債務者が重度の障害を負ってしまったり、死亡してしまった場合に、残債を清算するための保険です。

住宅ローンを組む場合、ほとんどのケースで加入が求められます。支払い方法は、特約をつけるかどうかや、加入する団信によって違ってきますので、事前に確認されることをおすすめします。

火災保険料

文字通り、住宅が火事になってしまった場合に降りる保険です。

住宅ローンは、支払いが滞った時のために物件を担保としていますから、それを丸ごと失う可能性のある火災についても、保険を打っておく必要があるわけです。

金額は保険会社によって異なりますし、支払い方法も、一括を選ぶか分割を選ぶかで変わってきます。総額数十万円の買い物となりますから、慎重に吟味して必要十分な保証が受けられるプランに加入することが大切です。

抵当権設定登記費用

住宅ローンを組んだ金融機関の抵当権設定に掛かる費用です。

登録免許税(借入額の0.4%)と、手続きを代行してもらう司法書士への報酬(3〜5万円)が発生します。

ちなみに登録免許税については、条件によって軽減税率が適用されるケースも。詳細は国税庁の公式ページ(No.7191 登録免許税の税額表 | 印紙税その他国税 | 国税庁)に紹介されていますので、興味がある方はこちらをチェックされてみてください。

土地契約にかかる諸費用

続いて、土地契約に掛かる諸費用をみていきましょう。

売買手付金

土地購入の契約をする際に支払う手付金です。

最終的な請求額からは差し引かれますが、土地代の10%前後が相場となっていますので、あらかじめ予算に組み込んで備えておくことをおすすめします。

仲介手数料

文字通り、仲介してくれた不動産会社に支払う仲介手数料です。

仲介手数料については法律で上限が「物件価格の3%+6万円(税別)」までと定められており、ほとんどの不動産会社がその上限金額で請求を行っています。

印紙代

売買契約書に添付する印紙代です。住宅ローンの場合と同じ税率が適用されるため、多くの人は2万円(1,000〜5,000万円以下の場合)に当てはまるでしょう。

所有権の移転登記費用

所有権の移転登録をするための登録免許税(物件価格の2%)が掛かります。また、抵当権の登記と同じく、別途司法書士への報酬も発生します。

建築にかかる諸費用

最後に、建物の建築に掛かる諸費用を見ていきましょう。

設計料

注文住宅の設計を施工会社とは別に依頼する場合、設計料が別途発生します。工事費の10〜15%が目安です。

ちなみに、工務店やハウスメーカーの設計料の相場は、2〜3%と言われています。一見すると大きく費用が違うようにも思えますが、ハウスメーカーなどの場合、設計は規格化されていることが多いため、ほとんど名目上の費用となっているケースもあります。

独自性の強い要望を形にするためには、依頼先の設計がどういう形で行われているのか、事前にしっかり確認することが大切です。

印紙代

工事請負契約書に添付する印紙代です。先の2つの契約書と同じく、ほとんどの場合2万円分となります。

地鎮祭・上棟式用の諸費用

地域にもよりますが、もし地鎮祭や上棟式を行う場合は、それぞれ5〜10万円の費用が発生します。

建物表示登記、及び所有権保存登記費用

建物表示登記とは、新築した不動産の登記簿を作成する手続きです。所在地や物件の種類、構造や登録日などを記載します。建物を建ててから1ヶ月以内に手続きを行わないと、10万円以下の過料が発生するため、注意が必要です。

所有権保存登記は、登記簿に物件の所有権を誰が持っているのかを登録する手続きです。この手続きは任意ですが、登記していないと住宅ローンを組むことができませんので、こちらも併せて注意しておきましょう。

ケースバイケースですが、表示登記は家屋調査士、保存登記は司法書士に依頼するのが一般的。相場は、10〜20万円ほどです。

まとめ

注文住宅の予算を考えるときに押さえておきたいポイントは、以下の4つです。

  • 借入可能額ではなく、無理なく返済できる金額を元に予算を組み立てる。
  • 頭金は入れる前提でシミュレーションを行う。
  • 建てたい注文住宅を実現するのにいくら必要か、目処をつけておく。
  • 物件以外に掛かる諸費用についても把握し、予算に組み込んでおく。

また、予算を考える際は、各費用項目は流動的なものである、ということを前提にしておくことが大切。

たとえばいくら建てたい住宅の相場に目処をつけても、借入可能額がそれを下回っている場合、その他の費用項目をやりくりして帳尻を合わせたり、望みの一部を妥協したり、何らかの調整が必要となります。

注文住宅はオーダメイドである分、設計作業を始めてみないと、何にいくら掛かるのか見通しが立てづらいもの。予算の帳尻合わせを頻繁に行うこととなります。

妥協できないボーダーを明確にした上で、俯瞰的かつ柔軟にお金をやりくりしていくことが大切です。

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