住宅を購入・取得する際にもらえる「すまい給付金」という制度をご存知ですか。住宅ローン減税の方が有名な制度ではありますが、すまい給付金もうまく活用すればかなりの金額を受け取れる給付金制度なのです。こちらの記事ではすまい給付金について総合的な内容を詳しく解説しています。給付額の計算方法や消費税増税後の拡充内容についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
住宅購入時にもらえる!すまい給付金とは
消費税率が増加することにより、住宅を購入する人への負担を軽減するために作られた制度がすまい給付金です。住宅購入を支援するための制度として一般的に知られているのが「住宅ローン減税」ですが、住宅ローン減税は所得税から控除されるという性質上収入が少なければあまり効果は大きくなりません。
一方、すまい給付金は住宅ローン減税だけではそれほど住宅購入負担を軽減できない収入の人を対象として支援を行ってくれる制度です。そのため、対象者であっても収入に応じて給付額は変わってきます。ちなみに、すまい給付金は住宅ローン減税と併用できる制度である点は知っておきたいポイントです。
条件を確認しよう!すまい給付金の対象者
それでは、すまい給付金の対象者となる人の条件を確認しましょう。次の4つが主な条件となります。
- 不動産登記における持分を保有していること
- 住民票により取得した住宅へ住んでいることがわかること
- 収入額が一定以下であること
- 住宅ローンを利用しないのであれば、年齢が50歳以上であること
なお、すまい給付金において住宅ローンの定義があります。
- 自分が住む住宅を購入するための借り入れであること
- 住宅ローンの借入期間が5年以上であること
- 金融機関を利用した住宅ローンであること
つまり、自分の子供が住む住宅を購入する場合やセカンドハウスとしての住宅ローンには適用されません。また、家族や知人などから借り入れる場合は住宅ローンとして見なされないので注意しましょう。
対象となる住宅の条件(新築)
すまい給付金の対象となる新築住宅は、原則として「人間が住むために利用されたことがなく、工事が完了してから1年以内」というものでなければなりません。また、新築住宅を取得する際にすまい給付金を利用するために必要となる条件は以下の通りです。
住宅ローンを利用する場合
- 住宅の床面積が50㎡以上であること
最初の条件は住宅の床面積に関する内容です。この場合における床面積とは不動産登記における床面積のことであり、共同住宅などでは契約書に書かれている「壁芯寸法」ではなく「内法寸法」による面積となります。
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施行中に第三者から検査を受けて、一定の品質があるとみなされる次の3つのいずれかに該当していること
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住宅瑕疵担保責任保険(住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)へ加入していること
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建設住宅性能表示を用いていること
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住宅瑕疵担保責任保険法人により保険と同等の検査が実施されていること
住宅ローンを利用しない場合
住宅ローンを利用せず現金で取得する場合は、住宅ローンを利用する場合の条件に加えて、先述した「50歳以上であること」と以下の条件を満たす必要があります。
- 住宅金融支援機構の「フラット35S」と同等の基準を満たすこと
住宅ローンについて知識のある人であれば「フラット35」という全期間固定金利型住宅ローンの存在を知っている人も多いはず。フラット35には優れた住宅に対して金利を引き下げる「フラット35S」というプランが存在しています。すまい給付金を現金取得の際に利用したいのであれば、フラット35Sと同等の性能を持った住宅でなければなりません。フラット35Sの基準とは、次の4つのうちのいずれかに当てはまる住宅となります。
- 住宅の「耐震等級」が2以上または「免震建築物」であること
- 「一次エネルギー消費量等級」が4以上または「断熱等性能等級」が4であること
- 「高齢者等配慮対策等級」が3以上であること
- 「劣化対策等級」が3であり、かつ「維持管理対策等級」が2等であること
対象となる住宅の条件(中古)
次に、中古住宅を取得する際にすまい給付金の制度を利用するための条件について解説します。まず前提として、すまい給付金の対象となる中古住宅は売主が宅地建物取引業者であるものに限定されています。中古住宅を売買する際には個人が売主となっているケースもありますが、個人間取引の場合は消費税が課税されないことになるので対象外です。中古住宅を取得する際の条件は次の通りです。
住宅ローンを利用する場合
- 住宅の床面積が50㎡以上であること
最初の条件は住宅の床面積に関する内容です。この場合における床面積とは不動産登記における床面積のことであり、共同住宅などでは契約書に書かれている「壁芯寸法」ではなく「内法寸法」による面積となります。
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売買時などに第三者による検査を受けて、一定以上の耐震基準や品質があるとみなされる次の3つの条件のいずれかに当てはまること
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既存住宅売買瑕疵保険に加入していること
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既存住宅性能表示制度を用いた「耐震等級」1以上の住宅
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建設後10年以内であり、住宅瑕疵担保責任保険(住宅瑕疵担保責任任意保険を含む)に加入するまたは建設住宅性能表示を用いていること
住宅ローンを利用しない場合
住宅ローンを利用せず現金で住宅を取得する場合は、住宅ローンを利用する場合の条件に加えて先述した「50歳以上であること」という条件を満たせばすまい給付金を利用できます。
いつまで利用できる?すまい給付金の実施期間について
すまい給付金の実施期間は、「平成26年4月以降から平成33年12月まで」と定められています。なお、この期間中に引き渡しと入居が完了していなければ対象とはならないので注意しましょう。また、すまい給付金の対象となるのは原則として増税後の消費税率が適用となっている必要があります。つまり、消費税率5%が適用された住宅は対象外となってしまいます。
すまい給付金の給付額と収入との関係
こちらの項目では、すまい給付金を利用すれば具体的にいくらぐらいの給付額をもらえるのかを解説します。
いくらもらえる?すまい給付金の給付額の計算方法
住宅を取得する人の収入と不動産登記における持分の割合によって計算されたものが、すまい給付金の給付額となります。持分保有者1名の場合の給付額が「給付基礎額」となり、給付基礎額は収入によって決められます。その給付基礎額に対して持分割合をかけた金額(千円未満は切り捨て)がすまい給付金の給付額です。消費税8%の際、収入ごとに決められる給付基礎額は次の通りです。
- 収入額425万円以下:基礎給付額30万円
- 収入額425万円超475万円以下:基礎給付額20万円
- 収入額475万円超510万円以下:基礎給付額10万円
なお、収入額とはサラリーマンの「額面収入」とは異なり、「都道府県民税の所得割額」に基づいて決められる数値です。そのため、すまい給付金の申請を行う際には引越しをする前の住所がある市区町村が発行する「個人住民税の課税証明書」を手に入れ、「都道府県民税の所得割額」を確認する必要があります。
個人住民税の課税証明書は毎年5月から6月ごろに発行されるため、すまい給付金においては住宅引き渡しのタイミングにより個人住民税の課税証明書の年度が決められています。
都道府県民税の所得割額とは
都道府県民税の所得割額とは、住民税のうち前年の所得に応じて決定される税額のことです。住民税には所得割額と均等割額という2つの要素があり、均等割額は住民に対して一律で課税される税額です。都道府県民税の所得割額は、発行された住民税の課税証明書に記載されています。
自分の給付額を計算してみよう!シミュレーション
すまい給付金の給付額を計算するには、ホームページに用意されたシミュレーションツールを用いるのが簡単です。「かんたんシミュレーション」と「しっかりシミュレーション」という2つのツールが用意されていて、しっかりシミュレーションの方がより詳しく計算を行うことが可能です。しっかりシミュレーションをしたい場合まず、サラリーマンの方は源泉徴収票を、事業主の方は確定申告書の控えを用意しましょう。
参考:すまい給付金シミュレーションについて(すまい給付金/国土交通省)
すまい給付金の申請方法・受け取り方法
すまい給付金は住宅を取得して持分を保有している人がそれぞれ申請を行う仕組みとなっています。つまり、住宅の持分を夫婦で分けて保有している場合、夫と妻がそれぞれ申請を行う必要があります。申請方法には窓口での申請と郵送での申請との2種類が用意されています。なお、基本的に住宅取得者本人の申請となっていますが、住宅事業者などによる代理手続きと代理受け取りも可能となっています。
申請の際の必要書類リスト(一覧)
次に、すまい給付金の申請の際に必要となる書類一覧をリスト形式で紹介します。どの場合においてもすまい給付金の申請書が必要となり、それに加えて必要となる書類を以下にリストアップしました。
新築住宅を住宅ローンで取得する場合
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住民票の写し(原本)
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不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本(原本)
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個人住民税の課税証明書または非課税証明書(原本)
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工事請負契約書又は不動産売買契約書(コピー)
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住宅ローンの金銭消費貸借契約書(コピー)
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振込先口座が確認できる書類(コピー)
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施工中等の検査実施が確認できる書類(次の1〜3のいずれか)
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住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書(コピー)
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建設住宅性能評価書(コピー)
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住宅瑕疵担保責任保険法人検査実施確認書(原本)
新築住宅を現金で取得する場合
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住宅ローンを利用して取得する場合の「住宅ローンの金銭消費貸借契約書」を除いた全ての書類
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フラット35Sへの適合が確認できる書類(次の1〜6のいずれか)
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フラット35S適合証明書(コピー)
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現金取得者向け新築対象住宅証明書(原本)
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長期優良住宅建築等計画認定通知書(コピー)
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設計住宅性能評価書または建設住宅性能評価書(コピー)
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低炭素建築物新築等計画認定通知書(コピー)
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☆2以上のBELS評価書(コピー)
中古住宅を取得する場合
中古住宅を取得する場合は、「住宅ローンの金銭消費貸借契約書」を除き住宅ローンの有無にかかわらず必要書類は共通となります。
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住民票の写し(原本)
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不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本(原本)
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個人住民税の課税証明書または非課税証明書(原本)
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不動産売買契約書(コピー)
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中古住宅販売証明書(原本)
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住宅ローンの金銭消費貸借契約書(コピー)
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振込先口座が確認できる書類(コピー)
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売買時等の検査実施が確認できる書類(次の1〜4のいずれか)
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既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書(コピー)
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耐震等級1以上の既存住宅性能評価書(コピー)
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住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書(コピー)
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建設住宅性能評価書(コピー)
消費税が10%に増税後はすまい給付金の拡充制度あり
2019年10月から予定されている消費税率10%への引き上げに伴い、すまい給付金の内容が拡充されると決定しています。10%増税後の方がすまい給付金を受けられる収入額が引き上げられていて、かつ基礎給付額も増額になっています。これをうまく活用すれば、消費税増税後に住宅を購入した方が得をする可能性もあります。
ところで、予算内で満足のいく家づくりを計画できていますか?
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一生に一度となる大きな買い物、妥協せずにたくさんの会社を検討するようにしましょう。
消費税10%なら基礎給付額が最大50万円!8%の時との違いを解説
消費税10%への増税後の具体的な拡充内容は次の通りとなっています。
- 収入額450万円以下:基礎給付額50万円
- 収入額450万円超525万円以下:基礎給付額40万円
- 収入額525万円超600万円以下:基礎給付額30万円
- 収入額600万円超675万円以下:基礎給付額20万円
- 収入額675万円超775万円以下:基礎給付額10万円
その他住宅購入時にもらえる給付金・補助金リスト(一覧)
最後に、すまい給付金以外に住宅を購入する際にもらえる給付金や補助金を紹介します。
ZEH(ゼッチ)支援事業による補助金
皆さんはZEHという住宅をご存知でしょうか。ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称であり、省エネルギー性に優れた住宅のことを指します。対応ハウスメーカーでZEH住宅を建てれば、補助金が受け取れます。
地域型住宅グリーン化事業による長期優良住宅に関する補助金
省エネルギー性や耐震性などに優れた性能を持つ住宅に対して認定されるのが「長期優良住宅」という制度です。長期優良住宅を建てれば、地域型グリーン化事業による補助金を受け取ることが可能です。
家庭用燃料電池システム導入支援事業による補助金
通称エネファームと呼ばれる家庭用燃料電池システムを導入する際にもらえる補助金です。6年以上の使用など条件はありますが、ZEH補助金とも併用できる制度です。
自治体ごとにもらえる給付金・補助金
お住まいの都道府県や市町村によっては、自治体ごとに独自の給付金や補助金を設けている場合があります。これを活用すればより住宅購入の負担を軽減することが可能になります。
まとめ
いかがでしたか。住宅を購入・取得する際にもらえるすまい給付金について詳しく解説しました。すまい給付金は、消費税8%時はもちろん消費税10%に増税された後にも大きな効果を発揮する給付金制度です。住宅ローン減税と併せてチェックし、少しでも費用負担を軽減して賢くマイホームを手に入れましょう。
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