難しい説明は一切なし!ZEHの仕組みやメリットをわかりやすく解説

難しい説明は一切なし!ZEHの仕組みやメリットをわかりやすく解説

最近は自然エネルギーを利用したエコ住宅が増えています。その中でも特に耳にすることが多いのが「ZEH(ゼッチ)」。

Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を略してZEHと呼んでいますが、果たしてどのような性能を持った住宅のことなのか、きちんと理解していない方も多いでしょう。

今回はそんなZEHの基本について、わかりやすく解説していきたいと思います。

この記事がおすすめできる人

  • ZEH住宅とは何か知りたい人
  • ZEH住宅のメリット・デメリットが知りたい人
  • ZEH住宅に興味を持っている人
  • 環境に優しい家づくりがしたいと考えている人
  • これから注文住宅を建てようと考えている人

なお以下の記事でも「注文住宅」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!

・ 注文住宅コストダウンの方法11個|予算オーバーを防ぐ節約のポイント
・ 注文住宅の値引きはできる!最大10%引きも可能「成功する交渉術」
・ 住宅ローンは事前審査が重要!希望額を通すため押さえるべき4つの鉄則

そもそもZEHとは?わかりやすく解説

家

ZEHとは、一言で説明すると「年間のエネルギー収支がゼロ以下になる住宅」のことです。

家の断熱性を高めたり、省エネ機器を導入したりすることで使用するエネルギーを減らすと同時に、太陽光発電などでエネルギーを創り出すことによって、エネルギーの収支をゼロ、もしくは作り出すエネルギー量の方が多い状態を目指します。

国はこのZEH住宅を推奨しており、これから家を建てる人が導入しやすいように補助金を用意しています。

また、狭小地などで太陽光発電パネルが搭載しにくいなどの場合を考慮して「Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)」や「ZEH oriented(ゼッチオリエンテッド)」という新たな基準も設けられています。

ZEHを正しく理解するために知っておきたい3つのキーワード

パズルのピース

ZEHを理解するためには、欠かせない「断熱」「省エネ」「創エネ」という3つのキーワードについて解説します。

断熱

家の快適性を左右する断熱。夏は涼しく、冬は暖かい家を実現する上で、断熱はとても重要な役割を果たしています。

昔の住宅ではあまり断熱は重視されておらず、外が暑ければ家の中も暑く、寒ければ家の中も寒いという、外気の影響をもろに受けるというのが当たり前でした。

それによって快適に過ごすことができないだけでなく、冷暖房の効率が悪かったり、部屋の温度差によってヒートショックを起こしてしまったりすることも。

断熱をすることで、家の中は外気の影響を受けにくくなり、快適に過ごすことができるようになります。また、家全体の温度差が小さくなり、ヒートショックの心配も少なくなります。

高性能な断熱材や窓・サッシなどを取り入れることで、断熱性能を高めることができ、消費エネルギーを最小限に抑えることが可能です。

省エネ

エネルギー収支をゼロにするためには、消費エネルギーをどれだけ削減できるかが鍵となります。

そのためには、電気の消費を抑えることができるエアコンや冷蔵庫などの家電製品や、エコキュートなどの効率の良い給湯システム、寿命が長く消費電力が少ないLED照明を取り入れるなどの工夫が必要。

また、家庭内で使うエネルギーと創り出すエネルギーを管理し、効率化を図るための「HEMS」というシステムを導入する方も増えています。

創エネ

ZEHの条件の通り消費エネルギーをゼロ以下にするには、創エネ設備を導入して消費エネルギー以上の電力を創り出さなければいけません。

創エネに方法には、太陽光発電や家庭用燃料電池(エネファーム)などがあります。さらに、発電したエネルギーを蓄電池を使って貯めておけば、より効率的な電力の自給自足が可能です。

ZEH住宅のメリットとデメリットとは

メリットとデメリット

ZEHにはたくさんのメリットがある反面、いくつかデメリットもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット

まずは6つのメリットについてご紹介します。

光熱費を抑えることができる

1番のメリットは、光熱費を抑えることができることです。最近は電気料金の値上げなどの影響もあり、どうにかして光熱費を節約したいと考えている方も多いでしょう。

ZEH住宅なら、自家発電した電力で生活の中で使用する電力をまかなうことができるので、光熱費の節約につながります。

また、余った電力は売電し、食費などそのほかの費用に回すことができるため、生活費全体で見てもお得です。

電気代の節約のために、扇風機を使ったり服をたくさん着込んだりして冷暖房を我慢する必要もなくなり、1年を通して快適に過ごすことができるようになります。

環境に優しい

現在日本の電力は、主に火力発電によって供給されています。しかし火力発電には発電時に大量の温室効果ガスを発生させてしまうというデメリットがあり、問題視されています。

その電力を太陽光発電などの自然エネルギーに置き換えることができれば、温室効果ガスの発生を抑え、温暖化解消に貢献することが可能です。

環境に優しい生活をすることは、すぐに目に見える変化があるわけではないので実感が湧きにくいものですが、次の世代が住みやすい環境をつくるためにとても重要な役割を果たしています。

資産価値が高い

2016年4月、日本では「BELS(ベルス)」という住宅の省エネ性能を評価するための制度を導入しています。これは住宅の省エネに対する取り組みを評価するもので、この評価が高ければ高いほど住宅の資産価値も高くなります。

ZEH住宅は省エネに特化しているため、この制度で高い評価を得ることができます。将来、もし住宅の売却が必要になった場合、資産価値の高いZEH住宅ならより高値で売却できる可能性があります。

補助金を受け取ることができる

ZEH住宅を建てる際には、ZEHロードマップのZEHの定義を満たしていることと、ZEHビルダーと認められたハウスメーカーや工務店によって建てられた住宅であることを条件に、国から補助金を受け取ることができます。

補助金の金額は、70万円・115万円・125万円のいずれか。どの金額かは交付要件によって異なります。

また、蓄電システムに対しても補助金を受け取ることができる場合もあります。

ヒートショックを防ぐことができる

家の中の急激な温度変化によって、血圧が変動し、心筋梗塞や脳梗塞などを起こしてしまうことをヒートショックといいます。特に65歳以上の高齢の方に多い現象です。

ヒートショックの原因は、家の中の温度差が激しいこと。例えば暖房が効いた暖かいリビングから、暖房器具のないトイレに移動した際には、急激に体が冷えて心臓に負担がかかってしまいます。

ZEH住宅は断熱性能が高く、外気の影響を受けにくく、さらに家の中の温度差を小さくすることができるため、ヒートショックの予防にもつながります。

災害に強い

ZEHの必須条件ではありませんが、蓄電池を導入しておくことは災害対策にもつながります。

蓄電池は、昼間太陽光発電によって得た電力を溜めておくことができます。電気を溜めておくことができれば、急な停電が起きてしまった場合にも、蓄電池に切り替えて電気を使うことができるため安心です。

また、電気自動車をお持ちであれば、蓄電池から充電することもできます。

デメリット

次に4つのデメリットについてご紹介します。

コストがかかる

ZEH住宅を建てるためには、断熱・省エネ・創エネの3つの条件をクリアしなければいけません。断熱性能を高め、省エネ性能の高い設備を導入し、さらに太陽光発電など創エネ設備を設置するためには、費用がかかります。

そのため、一般的な住宅と比べると家を建てるのにかかるコストは上がってしまうでしょう。どれくらいの性能を求めるかによっても変わってきますが、100万円以上は追加費用がかかると考えておいたほうが良さそうです。

しかし実際に住み始めてからは、一般的な住宅に比べて光熱費を節約することができるため、長い目で見ればZEH住宅の方がお得ということになります。

設備のメンテナンスが必要

エネルギーを創り出す太陽光発電システムは、定期的なメンテナンスが必要です。

メンテナンスを怠っていると、故障の原因になったり、発電効率が悪くなったりしてしまいます。特に太陽光パネルは雨風にさらされているため、汚れやサビなどが発生する可能性も。また、破損などの心配もあります。

推奨されているメンテナンスの目安は4年に一度。費用は数万円かかりますが、欠かさず行いましょう。

発電量が安定しないことも

太陽光発電は、ご存知の通り太陽光を使って電力を創り出します。そのため曇りや雨の日などが続くと、なかなか発電することができず、発電量が安定しないというデメリットがあります。

発電量が少なく、使用する電力がまかなえなくなってしまう場合には、不足分は赤字となってしまいます。天候の影響は避けることができないため、発電量が天候によって左右されるということは頭に入れておきましょう。

家の設計が制限される可能性がある

家を建てるなら日光がたくさん入るような大きな窓にしたい、と考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、家の断熱性や気密性には、窓やドアなどの開口部が大きく関わってきます。いくら高性能の断熱材を使ったとしても、大きな窓やドアを設置してしまうと、そこから熱が出入りしてしまい、あまり意味がありません。

そのため、窓やドアなどの開口部の大きさに制限があり、大きな窓を設置することができないという場合もあります。

ZEH住宅に住む方の声

家族

それでは、実際にZEH住宅に住む方がどんなメリットを享受しているのか、体験談でチェックしてみましょう。

光熱費がとてもお得になりました!

断熱性・気密性にこだわった住宅を建てました。軒や庇を設置することで夏の直射日光を遮ったり、家の周りの風向きや風速などがわかる風配図などを参考にして窓の配置も工夫しました。

そのおかげで真夏以外は夜エアコンをつけていませんが、とても快適に過ごすことができています。冬も1階だけエアコンをつけておけば、家全体が暖かく、温度差も感じません。

快適な上に、光熱費は年間20万円以上もお得になっているので、とても満足しています。

冬は暖かく、夏は涼しく快適です。

家を建てる際、施工会社の方にたくさんのメリットを聞き、ZEH住宅を建てることにしました。太陽光発電システムを搭載することで無理なくゼロエネルギーになり、環境にも優しい家ができたので満足しています。

夏は涼しく、冬は暖かいので1年中家の中は快適。常に節電を意識して過ごしているというわけではありませんが、結果的にゼロエネルギーになっていました。

電気代がかからない上に売電収入もあるため、大幅に光熱費を削減することができています。

売電によって得られる収益で家計が助かっています

新しく建てる家は、できるだけ光熱費を安く済ませられる家にしたいと考えてZEH住宅に決めました。

省エネ設備をできるだけ取り入れてみたものの、比較的広い家なので、それでもエネルギー消費量は多め。そのため大容量の太陽光発電システムと、エネファームを併用し、エネルギー生産量を増やしました。

そのおかげで光熱費はプラスに。売電によって得た収益は家計の足しになっていて、予想以上に満足度の高い家になりました。

夏場でもエアコンなしで過ごしています

ある日何気なくネットサーフィンをしていた時に、光熱費がかからなくなるZEH住宅というものがあることを知りました。当時住んでいた家は光熱費がとても高かったので早速住宅展示場へ。念願のZEH住宅を建てました。

以前の住まいと比べると、光熱費は約10分の1の額に。断熱性能が高いので、エアコンや暖房器具はほとんど使わなくても快適に過ごすことができています。

ZEH住宅対応の住宅メーカー8社

ZEH住宅を手がけている住宅メーカーを8社ご紹介します。

一条工務店

一条工務店

出典:超ZEH(ゼッチ)性能|テクノロジー|性能を追求する住宅メーカー【一条工務店】

「家は、性能。」をコンセプトに住宅づくりを行う一条工務店。エネルギー収支が「ゼロ」ではなく、「プラス」になる超ZEHの住まいを目指しています。

ZEHに対応しているのは、アイ・スマートとアイ・キューブ。機能性はもちろん、デザインにもこだわった人気のシリーズです。

クレバリーホーム

クレバリーホーム

出典:ZEH│住まい作りお役立ち情報│【公式】クレバリーホーム (cleverlyhome) 自由設計の住宅メーカー

クレバリーホームが手がけるZEH住宅は、スマートエブリZEROというシリーズ。最先端の技術を取り入れ、高いレベルでZEH基準をクリアすることを目指しています。

自然素材をふんだんに使い、外壁にはメンテナンス性に優れた外壁タイルが採用されていることも特徴です。

住友不動産

住友不動産

出典:ゼロエネルギーハウス - 住友不動産注文住宅

暮らしの快適さはそのままに、省エネで環境に配慮しながら、長く住み続けられる事を目指して家づくりを行う住友不動産。

家全体を高性能な断熱材で包み込んで断熱性能を高める、HEMSを導入して電力の見える化を行うなどの工夫で、スマートで質の高い暮らしを提案しています。

セキスイハイム

セキスイハイム

出典:未来基準の家|セキスイハイム

2030年度に向けてZEHの標準化を進めるセキスイハイム。注目は電力の見える化ができるスマートハイム・ナビ(HEMS)です。

最大46回路の電力をチェックすることができるため、省エネポイントを見つけやすいのがメリット。また、それぞれの用途に合わせて具体的な省エネのアドバイスをしてくれます。

積水ハウス

積水ハウス

出典:グリーンファースト ゼロ | 戸建住宅 | 積水ハウス

積水ハウスが提案しているZEH住宅は、「グリーンファースト ゼロ」。

快適な暮らしを維持しつつ、高い断熱性と省エネ設備によって消費エネルギーを削減。それと同時に太陽光発電などによってエネルギーを創り出して、収支ゼロを目指すというものです。

ダイワハウス

ダイワハウス

出典:スマ・エコ ゼロエナジー - 大和ハウス工業

ダイワハウスのZEH仕様住宅は「スマ・エコ ゼロエナジー」。外張り断熱通気外壁を採用し、断熱性能を高めることに成功しています。

また、省エネ機器には高効率給湯器やLED照明、高効率エアコンなどを採用。月々の電気代を抑え、家計に嬉しい暮らしの実現を目指しています。

パナソニックホームズ

パナソニックホームズ

出典:ゼロエコ - パナソニック ホームズ - Panasonic

ZEHを上回る住まいを目指すパナソニックホームズの「ゼロエコ」。エネルギー収支をゼロにすることが、環境への配慮、つまりエコに繋がるという想いが込められています。

ZEH対応だけでなく、心地よく暮らすことができ、さらに将来も安心して暮らせることを目指した家づくりを行っています。

ヘーベルハウス

ヘーベルハウス

出典:ロングライフ ZEH | へーベルハウス | 旭化成ホームズ

ヘーベルハウスが提案するZEH住宅は、快適なクラスを長く続けることができる「ロングライフZEH」。断熱材には、高い断熱性能を維持し続ける独自の素材を使用しています。

またARIOSという住環境シミュレーションシステムを使うことで、設計段階で住み心地を予測することが可能。それを活かした満足度の高い設計ができることが魅力です。

まとめ

  • ZEHとは「年間のエネルギー収支がゼロ以下になる住宅」のこと。
  • ZEHには、断熱・省エネ・創エネという3つの課題zをクリアしなければいけない。
  • 光熱費の抑制、環境に優しい、資産価値が高い、補助金を受け取ることができる、ヒートショック防止、災害対策というメリットがある。
  • 一方、コストがかかる、設備のメンテナンスが必要などのデメリットも。

家計にも環境にも優しいZEH住宅。いくつかデメリットもご紹介しましたが、長い目で見れば快適に、そして健康に暮らすことができるZEH住宅は賢い選択といえるでしょう。

実際にZEH住宅を建てた人の体験談では、光熱費が下がったり、季節問わず快適に過ごすことができるようになったりと、満足している方が多いことがわかりました。

これから家を建てようと考えている方は、ぜひ検討してみてください。

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