建築条件付き土地(じょうけんつきとち) とは、その名の通り「建築を行う上で、一定の条件が付いた土地」のことです。
具体的には「土地を買った後、一定の期間中に特定の業者で家を建てることが条件になった土地」を建築条件付き土地と呼んでいます。
土地売却の広告には、こうした「建築条件付き土地」の表示をよく見かけます。建築条件付き土地は、建てられる家がある程度決まっているため建売に近い性質を持っています。
本記事では「建築条件付き土地」とは、どのような土地なのか。建築条件付き土地の価格や購入する上で、どのような点に注意すれば良いのか説明します。
目次
建築条件付き土地とは?
建築条件付き土地は、建設できる「住まいの条件」があらかじめ決まっています。通常土地を購入したら、自分の好きなハウスメーカーを選んで家を建てますが、土地売買の契約では、一定の期間中に指定の業者で、家を建てることが条件として決まっています。
通常の土地購入と建築条件付き土地の違い
区分 | 特徴 |
---|---|
通常の土地売買 | 好きなハウスメーカーを選んで、好きな家が建てられる | 建築条件付き土地 | 一定の期間に、指定された業者の家を建てる必要がある |
とはいえ、建築条件付き土地の建物と、建て売りで販売される建物には明確な違いがあります。建築条件付き土地はハウスメーカーの指定はあるものの、ある程度施工主の意見を取り入れて、自由度の高い家づくりが行えます。
一方、建て売りの場合は既に家が建っているので、施工主の側で出来ることは限られています。
建売よりも良い条件で、安く住まいを持つのに建築条件付きの土地はおすすめできます。
建築条件付きの「売り建て」って何?
建築条件付き土地は、先に土地を買って家を建てることから「売り建て」と呼ばれています。建て売りと似ていますが、売り立ては土地を買うのが「先」で、建物を建てるのは「後」という違いがあります。
売り建てと建て売りの違い
区分 | 特徴 |
---|---|
売り建て | 土地を購入した後、指定の業者で住まいをを建てる | 建て売り | 既に建物が建った状態で土地と住まいがセットで販売される |
建築条件付き土地の場合は、「売り建て」 になるので間違えないようにしましょう。
農地転用で建てられた、建築条件付き土地とは?
農地法と呼ばれる法律があり、建築業者が農地を購入した場合には、土地の売買はできません。
また、農地を購入した場合は、宅地を造成し「建売分譲物件」としての販売は認められているものの、土地だけを販売することは法律違反にあたります。
ただし、購入した農地に関しては一部、建築条件付き土地としての販売を認めており、平成31年4月1日には、新たな「建築条件付き土地」に関するガイドラインが発表されました。
参考資料:【国土交通省】建築条件付売買予定地に係る農地転用許可の取扱いについて
上の発表では、業者が申請を行えば一部、購入した農地が条件付き土地として販売できることが記されています。
私たち購入する側には。関係のないニュースかもしれませんが、今後購入する土地がどのような経緯を経て、売買されているのか知ることは「世帯主」にとって大切なことです。
建築条件付き土地、値引きしてもらえる?
建築条件のない土地は、全体的に「割高な価格」で販売されています。一方、建築条件付き土地は「建築の条件」がある程度決まっているものの、土地が格安で販売される点に違いがあります。
なぜ、このような状況が生まれたのでしょうか? もともと土地販売には、建築条件を付けず、自由に販売が行われていました。
しかし現在では、土地に建築条件を付けて売り出すケースが大半を占め、建築条件の無い土地は少なくなっています。
建築条件付きの付いた土地は、建物の価格とトータルで「利益が出れば良い」と考えているため、土地代を値引きして「買いやすい価格」を設定しています。
一方、建築条件の無い土地は(売り手が)「土地価格だけで利益を出したい」と考えるため、値段が高く設定されるのです。
実際に不動産売買のサイトを見てみると、建築条件付きのついた土地は全体的に価格が安く、建築条件の無い土地は、価格が高めに設定されています。
建築条件付き土地のメリット
建築条件付き土地のメリット は、安く土地が購入できることです。また建て売りとは違い、一定条件(例:メーカーが決まっている、建築する日付に期限がある)はあるものの、建物の間取りやデザインなどは自由に選択できるケースがほとんどです。
建築条件付き土地のデメリット
建築条件付き土地のデメリットは、建築業者を自分で選べないことです。どんなに気に入った土地であっても、自分の希望する建築業者やハウスメーカーの家が建てられないのは残念なことです。
もちろん、自分の好みの業者と交渉し建築条件付き土地を購入すれば、こうしたデメリットは吹き飛ぶのですが、自由度の高い建築を望む方に(建築条件付き土地の購入は)おすすめできません。
建築条件付きの契約書で注意したいポイント
建築条件付きの契約書で注意したい点ですが、土地と建物を同時契約するのはNGです!
実は宅建法では、建築条件付きの土地を販売する際、建物と同時に契約することを禁じており、顧客と十分な協議のないまま同時契約をした業者には監督処分にするなど厳しく罰せられています。
建築条件付き土地で契約書を交わす際には、同時契約を結ばないようにしてください。また契約を急がせる業者については「信頼できない」業者と判断してください。
建築条件付きの外構工事はどうなるの?
建築条件付きの土地でも、外構工事の条件は(土地を購入する)業者によって異なります。外構が建物価格に含まれている業者もあれば、外構費用が別途必要な場合もあります。
建築条件付き土地を購入する前には、建物だけでなく外構工事の費用や建築条件も合わせて「どのような契約内容なのか」確認を行ってください。
まとめ|建築条件付きはデメリットを理解した上で契約しよう
現在、建築条件付き土地の売買は当たり前になっていますが、建築条件付き土地は「売り建て」と呼ばれるように、土地購入の後一定期間内に家を建てるなど一定の制約があります。
土地が安く購入でき、建売住宅よりも自由度が高いというメリットはありますが、ハウスメーカーや家のデザインが自由に選べる訳ではないので注意しましょう。
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