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何にいくらかかるの?部位別に見る住宅修繕費の目安

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何にいくらかかるの?部位別に見る住宅修繕費の目安

何年、何十年と生活していくわけですから、住宅は頑丈に造られています。文字通り、雨にも負けず、風にも負けず、家族を守り続けてくれます。

しかし、いくらスケールが大きくとも、時間経過による劣化を止めることはできません。ちょっと見ただけでは気づかないレベルで、少しずつダメージは蓄積されていくものです。

長く快適に住み続けるためには、ある程度の期間が経過したタイミングで、しっかり点検・修繕してあげる必要があります。

このページでは、そんな住宅のメンテナンスを考える人向けに、部位別の修繕費や、点検すべき期間の目安などを紹介していきたいと思います。

この記事がおすすめできる人

  • 部位ごとの修繕費の目安を知りたい人
  • 住宅の修繕費が、総額どのくらいになるか知りたい人
  • 住宅のどの部位を、どれくらいの期間でメンテナンスすべきか知りたい人
  • 修繕費を低く抑える方法を知りたい人

部位別に見る住宅修繕費の目安

住宅は、さまざまな部材、設備の集合体です。一口に修繕といっても、部位別に劣化の具合や掛かる費用なども違ってきます。

まずは、主だった部位別に、作業内容や修繕費の目安などを見ていきましょう。

屋根

赤い屋根

屋根の修繕には、大まかに以下のような種類があります。

部分的な補修傷んだ屋根材や漆喰、雨樋などを交換・補修する。
屋根材の塗装日光や風雨によって屋根が傷まないよう、全体に専用塗料を塗装する。
重ね葺き古い屋根材に重ねる形で、新しい屋根を取り付ける工事。比較的低コスト。
葺き替え屋根材を下地から取り替える工事。規模が大きく、お金も掛かる。

屋根がどの程度傷んでいるのか、というのは、専門的な知識がなければ判断できません。

そのため、業者に現在の状況をチェックしてもらい、その上で修繕が必要な箇所と費用の見積もりを出してもらう必要があります。

ちなみに、他のどの部位もそうですが、住宅を建ててもらった業者でなければ修理できない、ということはありません。

屋根の修理・リフォームに特化した業者も存在するため、費用感や緊急度などで臨機応変に選ばれると良いでしょう。

修繕費用の目安

   部分的な補修であれば、**数万円〜30万円程度**で済ませることができます。

ただ、屋根全体を塗装したり、葺き替えるということになると、場合によっては100〜300万円掛かることも。

また屋根の修繕は、工事内容が同じであっても、広さや劣化具合、工事のしやすさ、移動距離など、細かい要因によって具体的な費用が違ってきます。

時間に余裕があるなら、複数の業者に見積もりをとって、じっくり選ばれることをおすすめします。

修繕を考えるタイミング

修繕を考えるタイミングですが、素材によって違ってきます。

スレート屋根ならば10年前後、金属屋根ならば20年前後、日本瓦ならば25年前後、といった具合です。

素材自体の耐用年数はもう少し長いのですが、寿命を伸ばすためには、限界がくる前にメンテナンスをすることが大切。

この期間に満たなくとも、色が褪せてきたり、屋根材が割れたり、ズレたりといった見た目にわかる変化があるなら、一度点検を依頼されてみることをおすすめします。

外壁

白い壁

外壁の修繕と聞いて、どこをなぜ修繕するのか、ピンと来る人は少ないのではないでしょうか。

外壁は、いわば住宅が纏っている鎧のようなもの。もしひび割れや塗装の剥離、タイルの剥落などがあると、そこから水が入り込んで、住宅の構造を組んでいる木材をダメにしてしまう可能性があるのです。

そのため外壁に劣化が見られたら、早めに塗装やひび割れの補修、隙間への充填材の注入などをすることが大切となります。

ちなみに、一般的な外壁の修繕工事は以下の通りです。

ひび割れの補修表面に専用の塗布剤で膜を張ったり、充填材を注入したり、ひび割れの幅や深さによって様々な方法がある。対象部位が高い位置にある時は、足場を組むことも。
外壁塗装日光や風雨、温度や湿度によるダメージを最小限に抑えるために、専用の塗料で塗装する工事。住宅の美観を保つ効果も。
重ね張り古い外壁に重ねる形で、新しい外壁を取り付ける工事。
張り替え外壁を下地から取り替える工事。

修繕費用の目安

外壁工事の修繕費の目安は、ひび割れ補修などの小さいものだと5〜10万円前後。住宅全体の外壁塗装となると、50〜150万円ほど掛かります。

また、ダメージが深刻で、新しい外壁を重ねたり、取り替えたりする必要がある場合は、50〜300万円ほど費用が掛かることがあります。

修繕を考えるタイミング

塗料の耐用年数などから、10年前後が目安とされていますが、ケースバイケースで異なります。

たとえばひび割れの場合、髪の毛程度の細さであれば、ホームセンターなどでシーリング材を購入し、DIYで修繕することも可能とされています。

一方、ひび割れの幅が1ミリを超えているような場合は、1度業者に点検してもらうのが賢明。早く補修しないと、下地や構造部分にまで雨水などが浸透してしまうリスクがあります。

水回り(キッチン・風呂・トイレ)

蛇口

水回りで行う主な修繕工事は、以下の通りです。

ひび割れやコーキングの補修浴室の床など、日常的に水が流れる部分のひび割れを修繕する工事。
設備交換主に、浴室、トイレ、キッチンの各種設備を交換する工事。

水回りの修繕を考える場合、ひび割れや充填材の補修といった部分的なものではなく、設備丸ごとを対象にしたリフォームを行うことが多いです。

掛かる費用も少なくありませんが、近年は補助金制度も充実しており、条件によっては手出しを抑えて工事費を賄える可能性も。

水漏れは住宅に深刻なダメージを与えますから、不具合の芽は可能な限り早く潰しておきたいところです。

修繕費用の目安

壁や床のひび割れであれば5〜15万円ほど。

設備の交換は、選ぶ商品のグレードや設置に必要な工事の度合いによって大幅に異なります。浴室であれば、30〜50万円。トイレであれば、10〜50万円。

キッチンは、安ければ20万円ほどで最低限のアップグレードはできますが、こだわればそれこそ青天井に費用が跳ね上がっていきます。

こだわりと予算の落とし所をどう判断するかで、必要な出費は変わってくるでしょう。

修繕を考えるタイミング

水回りは、住宅の中でも特に傷みやすい部位です。一般的には15年前後が修繕を考える目安とされていますが、早ければ5年前後で不具合が出てしまうケースも。

住宅を劣化させる最も大きな要因は、水です。木材を腐らせるのはもちろん、シロアリなどの害虫を呼び寄せるきっかけにもなります。

小さな不具合でも早め早めに対策をして、被害を最小限に食い止めましょう。

フローリング・床

木の床   新築時には床が劣化することなんて考えられないかもしれません。

しかし、水漏れや、湿度・気温の変化などによって床板が変形したり、床板を支えている土台の木材が腐ったりすると、上を歩く時に妙にフワフワした感触を覚えるようになります。

床が抜けてしまうようなケースは稀ですが、何の気なしに歩いていて床が沈み込み、転んでしまう可能性も。

早めに修繕するに越したことはありません。

フローリングや床を修繕する場合は、主に以下のような工事が考えられます。

部分的な補修傷んでいる一部の床板だけを取り替える工事。比較的安価で済む。
根太・大引き(土台部分の木材)の交換床板を支えている太い下地材に問題がある場合に、それを交換する工事。
重ね張り古いフローリングに重ねる形で、新しい床材を取り付ける工事。床下が傷んでいる場合は、その修繕をした上で施工する。
張り替え床材を全面的に張り替える工事。

修繕費用の目安

床板を張り替える場合は、一帖あたり1万5000〜2万円程度。根太や大引きを交換する場合は、3〜5万円前後が一般的です。

広さや素材にもよりますが、床全面を張り替える場合は、修繕費が数十万円に及ぶことも少なくありません。

修繕を考えるタイミング

床の修繕をする目安ですが、概ね築15〜20年程度が目安と考えていいでしょう。

実感できるような不具合や損傷箇所がなければこの限りではありませんが、水回りの床の塗装が剥げていたり、ズレていたりする場合、そこから水が入り込んで土台を腐らせてしまう可能性があります。

心当たりがあるようなら、早めに業者に相談されることをおすすめします。

ベランダ

木のベランダ

ベランダも、屋根や外壁と同じように外に露出している部分です。

特に足場は水が溜まりやすく、排水や防水がしっかりできていないと、建物内に水が侵入してしまうリスクも。

放置すると雨漏りが発生したり、構造材が腐ってしまう可能性が考えられますから、ひび割れや塗膜の剥がれは可能な限り早めに修繕しておきたいところです。

ちなみに、主なベランダの補修工事は以下の通りです。

ひび割れの補修ベランダの表面に見られるひび割れを補修する工事。
塗装防水や耐久性向上のための塗装工事。
手すりの交換美観や安全性の向上のために、手すりを交換する工事。

修繕費用の目安

ひび割れの補修工事は、5〜20万円ほど。ひび割れの程度や数によって費用が増減します。

塗装工事は、使う塗料や塗装の劣化具合にもよりますが、概ね10〜20万円前後で施工してもらうことができるでしょう。

注意したいのが、築年数が浅くても、ベランダの塗装が剥げてしまうことがある、ということ。

保証期間内であれば無料で対応してもらえますので、心当たりがあるようなら問い合わせてみることをおすすめします。

手すりの交換などは、商品にもよりますが15〜20万円ほどは見ておくと良いでしょう。

ちなみに、足場の設置費用が工事費の多くを占めます。屋根や外壁など、別の足場が必要となる修繕と同じタイミングで行うことで、費用を節約できる可能性も。

もし将来的にそれらの修繕を考えているなら、前倒しするのも1つの手です。

修繕を考えるタイミング

ベランダに使われる塗料の耐用年数は、10〜15年程度のものが多いです。そのため、新築から7〜10年が経ったら、修繕を考えたいところ。

欲を言えば、5年程度を目安にこまめに塗り替えるのが理想です。修繕箇所が少なく済み、結果的に低コストで塗装を長持ちさせることができます。

修繕費は総額500〜800万?!

恐怖に震えるカップル

マンションを購入する場合、建物全体の修繕費を積み立てるために、毎月1万〜1万5000円前後のランニングコストが発生します。

この修繕費の積み立ては、マンションを購入する際のデメリットとして語られることも少なくありません。

しかし、戸建ての修繕費の総額は、30年で500〜800万円にのぼると言われています。

屋根の張り替えや、外壁塗装など、100万円単位の工事に加え、水回りの設備交換や外構などの細々したメンテナンスを考えれば、妥当な金額と言えるでしょう。

マンションの修繕費の積み立てが毎月1万5000円とすると、30年で540万円の出費となります。戸建ての修繕費と見比べると、大きな開きがあるとは言えませんよね。

もちろん、修繕は強制ではありませんし、DIYでメンテナンスをするなど、持ち家の方がより柔軟な対応も可能です。一概にどちらがいい、と判断することはできません。

とは言え、戸建てだからと言って修繕費が小さく済む、という訳ではないことは、知っておくと良いでしょう。

住宅の修繕で得をするためのポイント

天秤

住宅の修繕には、少なくないお金が掛かります。可能な限りコストを抑えたいと考えるのは人情でしょう。

ケースバイケースですが、修繕費を節約する方法としては、以下のようなものが考えられます。

保証を活用する

住宅には、引き渡しから10年間の、基本構造部分の瑕疵担保責任が義務付けられています。

瑕疵担保責任とは、引き渡された不動産に何らかの不備があった場合に、売主側が負う責任のこと。つまり住宅の基本構造部分には、少なくとも10年間の保証が付いているというわけです。

もし、10年以内に何らかの不具合が発生した場合は、保証で賄うことができないかどうかをまず検討すると良いでしょう。

専門業者も選択肢に入れる

家を建てたのが大手のハウスメーカーや工務店の場合、修繕をそこに依頼すると、中間マージンが発生してその分費用が増えてしまいます。

保証や工事の内容などにもよるため一概には言えないのですが、専門業者に依頼することで費用を抑えられるケースも少なくありません。

業者探しには手間が掛かりますが、掛かるお金が大きいため、可能であれば複数の業者に見積もりを出してもらうことをおすすめします。

近い部位はまとめて施工してもらう

修繕費の中には、足場代など、工事自体とは別の費用が少なからず含まれています。

特に外壁や屋根といった部位は工事の規模も大きくなりますから、複数箇所をまとめて工事してもらう方がコストパフォーマンスは高くなるでしょう。

低コストかつ効率的に住宅の修繕を進めるためには、一箇所だけを見るのではなく、全体を視野に計画を立てておくことが大切です。

定期的に点検をしてもらう

予防が最高の治療、というような言葉がありますが、これは住宅にも当てはまります。

たとえ傷んだ箇所が1つであっても、そこから徐々にダメージが広がって、結局全面的に手を入れなければならなくなってしまう、というケースは少なくありません。

特に住宅の場合、人の身体のように放っておいて良くなるということはありませんから、定期的に点検を依頼し、ダメージが小さいうちに修繕をした方が、最終的に掛かるコストを小さくできます。

大規模な修繕はリフォームの補助金を検討する

現在の日本は、建てては壊す、スクラップ&ビルドの方針から、環境に優しく、耐久性の高い住宅に長く住むという方針への転換期にあります。

そういった住宅が増えるのを後押しするため、国も積極的に助成制度を設けているという背景が。

規模の大きいリフォームの場合、諸条件を満たすことでそうした補助金制度を活用できる可能性があります。

もし高コストな工事を考えているなら、依頼する業者さんや自治体などに1度相談されてみると良いでしょう。

修繕で失敗した人の声を参考にする

修繕の失敗としては、例えば以下のようなものが考えられます。

  • 時間がなかったせいで交換する備品・設備を吟味できなかった。
  • 雨漏りを放置したせいで大規模な修繕が必要になってしまった。
  • 依頼したのが悪徳業者で、高コストで質の悪い工事をされてしまった。
  • 見積もりは安かったのに請求額がかなり高くなった。

情報化が進んだこともあって、最近は少し検索すれば、失敗談が山のように出てきます。

どこを修繕するかにもよりますが、いずれにせよ経験者の失敗談を参考にすることで、無駄な出費を省き、掛けるべきところにお金を掛けられる可能性が高まります。

長期目線での積み立てを考える

節約、という訳ではありませんが、時間を武器に、無理のない範囲でコツコツ積み立てておくと、いざという時に家計に掛かる負担を最小限に抑えることができます。   例えば月に1万円ずつでも、10年で120万、20年で240万円の修繕費を確保することが可能。当たり前のようですが、こうしたシンプルな努力は、将来的な豊かさを大きく左右します。

貯蓄のコツは、収入のうちから、家計を圧迫しない程度の一定額を、初めからないものとして貯蓄に回すこと。修繕費を確保する方法としても、資産形成の1つの手段としても効果的ですから、意識的に貯蓄をされていない、というようであれば、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

  • 住宅の修繕を行うタイミングや費用は、部位によって異なる。
  • 大部分の修繕は、ひび割れによる水分の侵入を防ぐことを目的としている。
  • ひび割れが小さければDIYで補修することも可能だが、明らかに水が入り込んでしまうレベルであれば業者に相談する方が良い。
  • 修繕費の総額は、30年間で500万〜800万円にのぼるとされている。
  • こまめに修繕を行うことで、大きなダメージを避け、結果的に住宅の寿命を延ばし、修繕費を節約することが見込める。

住宅の修繕といっても、やることは無数にあり、また部位によって、依頼する業者も違ってきます。

お金も時間も掛かりますから、尻込みしてしまうのが人情でしょう。とは言え、放置していて直るものでもありません。

手を入れるのが遅くなればなるほど、ダメージも大きくなり、ひいては修繕費も増大してしまいます。できればまだ被害が出ていない段階から、計画的に修繕のタイミングを検討しておくことが大切と言えます。

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