我が家は大丈夫?大地震に耐える耐震基準を満たす建物の見分け方

我が家は大丈夫?大地震に耐える耐震基準を満たす建物の見分け方

我が家は大丈夫?大地震に耐える耐震基準を満たす建物の見分け方

「我が家の耐震性は大丈夫なのかなあ・・・」 あなたは今こんなことを考えていませんか?

東日本大震災、熊本大地震、北海道大地震など、いつどこで起こるのか予想がつかない震度6以上の大地震。 そんな大地震に備えて万全な準備を今のうちからしておきたいものです。

事実、記憶に新しい熊本大地震が発生したときには、震度6以上には耐えられる古い耐震基準である「旧耐震基準の家」は702棟中225棟の住宅(32%)が倒壊したことが国土交通省及び国立研究開発法人建築研究所の調査で分かっています。
参考:国土交通省国土技術政策総合研究所

それに対し、震度6以上の大地震に耐えられる耐震基準、「新耐震基準」を満たした住宅は1042棟中80棟(7.6%)の倒壊でした。

熊本地震の結果からも、これから大地震が起きた時、耐震基準が旧耐震基準である建物は新耐震基準の家よりも倒壊してしまう可能性が高いといえるでしょう。

自宅が「新耐震基準」と「旧耐震基準」のどちらなのかを見分けることができたら安心ですよね。

そこでこの記事では、「新耐震基準」と「旧耐震基準」の見分け方をご説明しました。 自宅がどちらの基準をクリアしているのかまずは確かめてみてください。 さらに、後半ではご自宅の耐震診断をする方法や、耐震工事にかかる費用、耐震工事をしてくれる業者の選び方まで解説しています。

この記事を読むことで、あなたの自宅が震度6以上の大地震に強い家かどうかがすぐに見分けることができ、耐震性の高い家にする方法を知ることができます。

是非参考にしてみてください。

1.新耐震基準を満たしている家の見分け方

耐震基準には、「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2種類があります。 この2つのうち、地震に強い方は、耐震等級2以上の条件をクリアしている「新耐震基準」です。 新耐震基準は震度6以上の大地震がきても耐えることができる基準です。 そんな新耐震基準を満たしている家の見分け方をこの章では解説してきます。

耐震等級とは・・耐震等級は地震に対する建物の強さのことをいいます。耐震等級には耐震等級1、耐震等級2、耐震等級3と3つの段階があります。等級があがるにつれて、地震が強いということです。 耐震等級それぞれの特徴は以下の通りです。

耐震等級1極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震に耐えられる強さ
耐震等級2等級1で想定される1.25倍の地震が来ても耐えることができる強さ
主に、学校や病院などの建物は耐震等級2を満たしている
耐震等級3耐震等級1で想定される1.5倍の地震が来ても耐えることができる強さ
主に、消防署や警察など災害の拠点となる建物は耐震等級3を満たしている

1-1.建物の着工日が1981年6月1日より後なら新耐震基準

新耐震基準は1981年の6月1日に制定されました。 そのため、それ以降に着工(建物を建て始めること)があった建物は全て、新耐震基準を満たしています。 それよりも前に、着工されたものは、「旧耐震基準」となります。

建物の着工日は公的な記録証明書である、「建築確認概要書」または「建築確認台帳 記載事項証明」で確認することができます。

「建築確認概要書」、「建築確認台帳 記載事項証明」は各都道府県庁または市町村区役所で閲覧することができます。(有料 数百円ほど) 各都道府県庁または市町村区役所の建設課、建築課に足を運び、窓口で確認してください。

注意したいのは、「竣工年」(建物が完成した年)ではないことです。 着工日を確認するようにしてください。

例えば1982年に建物が完成したとしても(竣工年が1982年)、着工日が1981年の6月以前であれば、着工日が1981年の6月以前になるので、旧耐震基準の建物となります。 確認するのは竣工年ではなく着工年であることに注意するようにしてください

「建築確認概要書」、「建築確認台帳 記載事項証明」に記述してある、着工日が1981年6月1日であれば、新耐震基準を満たしているといえます。心配な方は各都道府県庁、市町村に足を運び、確認するようにしましょう。

1-2.木造住宅の場合は着工年が2000年6月1日以上であると安心

木造住宅の場合は着工日が2000年の6月1日以降であれば、安心です。
なぜなら、木造住宅は1995年の阪神淡路大震災で多くの木造住宅の建物が倒れた影響で、新耐震基準のさらに上の基準が定められたからです。

具体的には、地盤に応じた基盤の設計や接合部の金具取り付け、偏りのない耐力壁の配置などが義務付けられました。(詳しくは国土交通省新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法(新耐震木造住宅検証法)
参考:新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法(新耐震木造住宅検証法)

木造住宅の場合は着工年が2000年6月1日以降であると、耐震性は安心であると言えます。
こちらも竣工年でないことに注意してください。

  • 建物の着工日が1981年6月1日より後なら新耐震基準
  • 木造住宅の場合は着工年が6月1日以降なら安心

以上2点が新耐震基準の見分け方になります。 自宅の耐震基準をぜひ確認してみてください。

2. 心配な方は耐震診断をし、建物の状況を確認してみよう!

そうはいうものの、新耐震基準を満たす、全ての住宅が大地震がきても崩壊しないというわけではありません。

前述でも書いたとおり、2016年の熊本地震では、熊本県益城町の新耐震基準を満たす住宅の1042棟中80棟(7.6%)は倒壊したことが国土交通省及び国立研究開発法人建築研究所の調査で分かっています。

参考:国土交通省国土技術政策総合研究所

新耐震基準でも完全に大地震を防げるというわけではありません。

そのため、自宅が新耐震基準を満たしている、かつ耐震性に優れているのかを判断する必要があります。 耐震性を判断するには、自分でする、専門家に相談するかの2つの方法があります。 1つずつ詳しく解説してきます。

2-1.自分で簡単に耐震診断をする場合

自分で耐震診断をする場合は、国土交通省が監修をし、一般財団法人日本建築防災協会が提供する「誰でもできるわが家の耐震診断」を利用してみましょう。

具体的にチェック項目としては、以下のような項目があります。

  • 家を建設したのはいつごろか?
  • いままでに大きな災害に見舞われたことはあるか?
  • 大きな吹き抜けがあるか?

この診断に答えていき、最終的に10点満点で建物の耐震度を測ることができます。
点数ごとの判定・対策は以下の通りになっています。

評点の合計判定・今後の対策
10点耐震性は安心ですが、念のため専門家に診てもらいましょう
8〜9点専門家に診てもらいましょう
7点以下心配ですので、早めに専門家に診てもらいましょう

「誰でもできるわが家の耐震診断」の目的はあくまでも“耐震性の向上を図るための耐震改修に向けて、より専門的な診断を行う際の参考“です。 上記の判定結果がどれも専門家に診てもらう行動を促しているように、国土交通省も専門家に耐震診断をしてもらうことを推奨しています。

「誰でもできるわが家の耐震診断」はあくまでも参考程度にして、耐震診断は専門家に依頼することが大切です。

2-2.専門家に耐震診断を依頼する場合

先ほど紹介したように、耐震診断は自分1人でも行うことができます。 しかし、専門家に耐震診断を相談したほうが明確に建物の耐震性がわかるため、安心です。

耐震診断は一般社団法人日本建築防災協会の耐震診断・改修の相談窓口一覧(自治体)に記載されている相談窓口で相談することができます。

参考:一般財団法人 日本建築防災協会

耐震診断にかかる費用の目安は以下の表の通りです。

 RC造(鉄筋コンクリート造)で延床面積が1,000 m²〜3,000 m²の建物S造(鉄骨造)で延床面積が1,000 m²〜3000 m²の建物木造住宅の延床面積が120 m²程の在来軸組構法の建物
費用約1,000円/ m²〜約2,500円/ m²約1,000円/ m²〜約3,000円/ m²20万円〜50万円

参考:一般財団法人 日本耐震診断協会

専門家に耐震診断を依頼すると、費用はかかるものの、正確な診断をしてもらうことができます。 自分でするよりも専門家に依頼したほうが、安心です。

いつくるかわからない大地震に備え、心配な方は耐震診断を必ずするようにしましょう。

3.耐震性が高い住宅にするために必要な耐震工事費用

ここからは耐震性が高い住宅にするための工事費用を解説していきます。

3-1木造住宅の耐震工事費用

全国約1,100社の工務店・リフォーム・設計事務所などから構成される、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の2014年度の調査によると全体の7割以上の人が耐震工事に100万円以上をかけている事がわかっています。

参考:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 耐震補強にかける金額の意識について

木造住宅の耐震工事にかかる費用は建物の状況、業者によってさまざまではあるものの、データと同じくおおよそ100万〜が一般的です。

また、築年数40年以上の住宅の方が、築年数19年以下の住宅よりも補強工事平均額が94万9,221円程安くなっていることからも、建物の築年数が古ければ古いほど、耐震工事にかかる費用が余計にかかるということががわかります。

参考:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 耐震補強工事費用と築年数・1階床面積の関係

木造住宅の費用をまとめた内容は以下のとおりです。

POINT! 木造住宅の耐震工事にかかる費用 木造住宅の補強工事の相場は業者、工事内容に違いはあるものの100万円〜が一般的。 築年数が古い家は工事費が高くなる。

3-2鉄筋コンクリート造りにかかる耐震工事費用

東京建設協会によると、鉄筋コンクリート造りの耐震工事にかかる費用の相場は総延べ面積に対し、15,000円/ m²〜50,000円/ m²です。

例えばあなたが鉄筋コンクリート造りで35坪、115.702 m²の建物の耐震工事をしようとした時の費用は、172万5千円〜575万円程の費用が必要になります。

木造住宅よりも耐震工事の費用が高くなるのが鉄筋コンクリート造りの特徴です。

耐震補強工事には自治体ごとに補助金を支給しているところもあります。 国土交通省の「地方公共団体における耐震改修促進計画の策定予定及び耐震改修等に対する補助制度の整備状況について」によると、平成29年度4月1日時点で、1,698の市町村が耐震改修の補助金を策定しています。

例えば横浜市は木造住宅の耐震工事の補助金として一般世帯に75万円、非課税世帯に115万円の補助金を定めています。
参考:ウッドピタ事業本部

他にも、千葉市は上限100万円として耐震工事にかかる費用の5分の4を補助するといった、制度を定めています。
参考:千葉市役所
*補助金には期限があるので申請する際には期限を過ぎないように気をつけましょう。

耐震工事の補助金は各自治体のHPで確認することができます。

4. 耐震工事の期間は1週間〜2週間かかるのが一般的

耐震工事の期間の目安は工事の内容にもよりますが、おおよそ1週間から2週間ほどかかることが一般的です。 ただし、それも工事内容によって異なります。 例えば耐震性が弱いと判定された範囲を決めた工事を行う場合は1〜2日ほどで終わります。 それに対し、内装を大きく解体し、耐震工事に伴う間取り変更の工事などは1〜2週間以上工事がかかることを覚悟しなくてはいけません。

耐震的に弱い箇所だけに有効な補強を施すのであれば住みながらの工事も可能ですが、大規模な耐震工事となると工事の間、仮住まいをしなくてはいけない可能性もでてきます。

工事の内容によって、期間は変わってきます。 詳しくは自分の担当の専門業者に工事が始まる前に必ず確認するようにしましょう。 また、工事期間が長く、仮住まいが面倒だからという理由で耐震工事を諦めることは避けましょう。

5. 耐震工事の業者を選ぶ2つのポイント

最後に、耐震工事をしてくれる業者の選び方を紹介していきます。 業者の中には、耐震診断をしないまま、無理やり工事を進めてくる業者や、見積もりを正確に出さない業者もあります。

今から紹介する2つのポイントを理解して、安全に、正確な耐震工事をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

5-1.資格を保有しているかを確かめる

その業者が耐震診断・耐震改修技術者として資格を保有しているかを確認するようにしましょう。

耐震診断・耐震改修技術者として資格をもっていれば、業者としての信頼が高いといえるからです。

実際に、耐震診断・耐震改修技術者として資格を保有しているかどうかは一般財団法人日本建築防災協会が提供する相談窓口一覧に電話をすることで確認をすることができます。

参考:一般財団法人 日本建築防災協会

47都道府県全ての相談先一覧が掲載されています。 相談窓口では業者が資格を保有しているか確かめるだけでなく、耐震工事をしてくれる業者を紹介してもらうこともできます。

相談窓口を参考に、その業者が資格を保有しているのか、確かめるようにしましょう。 また、信頼のおける一般財団法人日本建築防災協会から業者を紹介してもらえると安心です。

5-2.過去に耐震工事の実績があるか確認する

その業者が過去に耐震工事の実績があるかも確認するようにしましょう。

工事業者には過去に耐震工事の実績がないのにも関わらず、耐震工事をすすめてくる、契約を急がしてくるような業者もあります。

実績の確認には、業者のホームページを見たり、先程紹介した、日本建築防災協会の相談窓口を活用すると良いです。

参考:一般財団法人 日本建築防災協会

また、地域の口コミも活用すると良いでしょう。 その地域で実際に周りの人の家の耐震工事をしていれば安心です。

過去に耐震工事をしたことがあるか、周りにその業者に耐震工事をしてもらった人はいるかなど、業者を選ぶ時には確認しておくようにしましょう。

以上2点を参考に業者を選ぶようにしましょう。

  • 資格を保有しているかを一般財団法人日本建築防災協会が提供する相談窓口一覧に電話をして確かめる
  • 過去に耐震工事の実績があるか確認する

6.まとめ

いかがだったでしょうか。 新耐震基準を満たしている条件は以下の通りでした。

  • 建物の着工日が1981年6月1日より後
  • 木造住宅の場合は2000年6月1日より後

新耐震基準を満たしているといって全ての住宅が安心であるとはいえません。 少しでも不安であれば耐震診断を専門家に依頼をするようにしましょう。

そして耐震診断に異常があるのであれば、耐震工事をしてもらうようにしましょう。 費用、期間は以下の通りでしたね。

<費用>

  • 木造住宅の補強工事の相場は業者、工事内容に違いはあるものの100万円〜が一般的。
  • 築年数が古い家は工事費が高くなる。
  • 鉄筋コンクリート造りの耐震工事にかかる費用の相場は総延べ面積に対し、15,000円/ m²〜50,000円/ m²。

<期間>

  • 工事内容によって幅はあるものの1〜2週間が一般的。

そして実際に耐震工事を頼む際には業者を選ぶ2つのポイントを参考に、判断をするようにしましょう。

  • 資格を保有しているかを一般財団法人日本建築防災協会が提供する相談窓口一覧に電話をして確かめる
  • 過去に耐震工事の実績があるか確認する

あなたの自宅が大地震に強い住宅になることを祈っています。 この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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