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都会と田舎の良いとこ取り!デュアルライフ(二拠点生活)入門ガイド

都会と田舎の良いとこ取り!デュアルライフ(二拠点生活)入門ガイド

2018年末、リクルートホールディングスが発表した2019年のトレンド予測で、あるワードが注目を集めました。

二拠点生活を意味する、「デュアルライフ」という単語です 。主に、都会と田舎にそれぞれ住居を持ち、定期的に行き来する生活を指します。

昔は、時間的にもお金的にも余裕のある、一部の人が楽しむライフスタイルの1つでした。それが今、一大トレンドになろうとしています。

国土交通省も動いて、少子高齢化が進む地域振興のための対策として推進を図っている背景があり、官民が一体となって、今後さまざまな優遇措置が取られる可能性も。

このページでは、将来的に住宅購入を考えている人向けに、デュアルライフという選択肢についての基本的な情報をまとめています。

この記事がおすすめできる人

  • デュアルライフがどういうものか知りたい人
  • デュアルライフを始める場合、何から手をつけるべきか把握したい人
  • 失敗を避けるためのポイントが知りたい人
  • 二拠点生活を送っている人の体験談を読みたい人

まずはデュアルライフの基本を押さえよう

田舎の家

はじめに、デュアルライフとはそもそもどういう生活を指すのか。どういったメリット・デメリットがあるのか、基本的な知識を解説してみたいと思います。

デュアルライフとは

デュアルライフとは、都会と田舎、というように、離れた2つの土地に拠点持ち、定期的に行き来するというライフスタイルのこと。日本語では、二拠点生活や二拠点居住、二地域居住などとも言います。

これまでは、富裕層やリタイア世帯など、時間的、金銭的余裕のある人を中心に取り入れられていた生活様式でした。

しかし、テレワークの普及や少子高齢化の影響(空き家の増加など)もあって、今後は一般にもデュアルライフが浸透していくことが見込まれています。

ちなみに、国土交通省による2005年の報告では、2020年までに680万人。2030年には、1080万人もの人が、デュアルライフを送るだろうと予測されています。

※画像引用元:「二地域居住」の意義とその戦略的支援策の構想

メリット

デュアルライフ のメリットとしてよく挙げられるのは、以下のような項目です。
  • オン・オフで環境がガラリと変わるため、心身ともにリフレッシュできる
  • 子供を自然の多い環境で育てることができる
  • 豊かな交友関係を築くことができる
  • 自然に触れることで、自分の感性を解放できる
  • 都会では叶えられなかった趣味(野菜・果物作り等)を実現できる
  • 想像していなかったビジネスチャンスが転がっている

共通して言えるのは、生活環境を新たに増やすことで、人生の選択肢を増やせるということでしょう。選択肢の豊かさは、そのまま人生の豊かさに直結します。

住居は、ある意味では不自由なものです。1度購入したら、人生の大半をそこで過ごすことになるからです。

デュアルライフは、そういった定住に不自由さを感じる人に、特に適したライフスタイルであると言えます。

デメリット

続いて、デメリットについて見ていきましょう。

  • お金も時間も掛かる
  • 家賃が少なからず無駄になる
  • スケジュールが多忙になりやすい
  • 始めてから「自分には合わない」と気づくことも少なくない

まず考えられるのは、2つの拠点を持つことで発生する移動時間と金銭的な負担です。

ゆとりある生活を期待してデュアルライフを始めても、上手にお金や資金を割り振りしないと、ただ多忙さを増しただけに終わってしまう可能性も。

また、一度都会での暮らしに慣れてしまうと、田舎での生活に少なからず不便を感じることでしょう。

もちろん、その不便さを自分たちで解消していくことも田舎暮らしの楽しみの一つですが、いざ経験してみたら、理想と現実のギャップに打ちのめされてしまうかもしれません。

住めば都、と言いますが、時間やお金が掛かる割に、それが報われるとは限らない、というのは、デュアルライフの無視できないデメリットです。

実際にデュアルライフを実践している人の満足度

株式会社リクルート住まいカンパニーが2019年2月に発表したデータによると、デュアルライフを実践している人の実に8割が、生活満足度が上がったと答えているとのこと。

  • デュアルライフ実施者の属性は20~30代、世帯年収800万未満が5割を超える。家族構成では<既婚子あり>が4割と一番高い。
  • 移動時間は「1時間以上~1時間30分未満」と「1時間30分以上~2時間未満」で約4割を占め、移動手段としては 「電車」が7割弱、「自家用車」が6割弱で特に高い。

※引用元:デュアルライフ(二拠点生活)に関する意識・実態調査|リクルート住まいカンパニー

田舎暮らしのデメリットは無数に考えられますが、それでも今のところ、デュアルライフを楽しんでいる人が多数派であると言えそうです。

デュアルライフの主な種類

一口にデュアルライフといっても、どういったモチベーションで取り入れるかによって、いくつかの種類に分けられます。あくまで一般的な分類で、学問的な根拠はありませんが、参考までにチェックしてみてください。

趣味型サーフィンや釣り、家庭菜園など、都会では難しい趣味を目的にデュアルライフを行うタイプ
帰省型田舎の家族、友人を大切にしたい、という理由で、田舎にも生活拠点を残しておくタイプ
移住準備型将来的に田舎への移住を計画しており、その下準備として二拠点生活を行うタイプ。
子育て型職場は都会にあるものの、子供は自然が多く、祖父母もいる環境で育てたい、というタイプ。
自然志向型都会を息苦しく感じていて、自然の多い環境で穏やかに過ごしたい、というタイプ

デュアルライフに関するFAQ

色鉛筆とはてなマーク

続いて、デュラルライフを検討する上で気になるであろう疑問を、Q&A形式で紹介します。

やっぱり裕福じゃないと厳しい?

お金は少ないよりも多い方が、豊かなデュアルライフを送れる可能性は高まります。とは言え、それもやり方次第。エリアや移動手段を工夫することで、限られた資金内でデュアルライフを楽しむことは十分に可能。

じっさい、株式会社リクルート住まいカンパニーが行ったアンケートによると、二拠点生活を送っている世帯の過半数は、世帯年収800万円未満であるという結果が出ています。

デュアルライフを考える平均的な年齢は?

統計の取り方にもよりますが、2019年現在は、20代、30代の比較的若い層が中心であるとされています。

将来的な移住の下準備であったり、子育てであったり、目的は様々。ただいずれにせよ、都会ないし郊外に定住するという、これまで当然と考えられてきた選択肢に、デュアルライフ が浸透しつつあることは疑いのない事実と言えそうです。

人気の高いエリアはある?

第一拠点から近い距離にある、適度な地方が選ばれる傾向にあります。

また、同じ都道府県で探すよりも、隣接する別の行政区画へ移動する人の割合が高いというデータがあります。

関東圏なら静岡県や長野県。関西圏なら和歌山県や兵庫県、といった具合です。

生活時間はどう振り分ける?

個々人の生活により様々です。

「夏だけ田舎で過ごす」「平日は第一拠点のある都会で過ごし、週末は第二拠点のある田舎でリフレッシュする」 「働きに出ている方が都会で過ごし、家族は田舎で暮らす」といったように、家族ごとの状況や人生で重視するものによって、様々な選択肢が考えられます。

2つ目の拠点は買うべき、借りるべき?

こちらも、置かれている状況により様々です。

第二拠点を購入して、使わない時は宿泊施設として運用している人もいれば、ウィークリーマンションなどを利用している人もいます。親族の住居に間借りして滞在する、というケースも少なくありません。

小さくないお金の絡む事柄ですから、候補地や予算、家族の状況、資産の運用方針などによって、慎重に検討することが大切です。

何から始めればいい?

一番大切なのは、シミュレーションを入念に行うことです。というのも、理想と現実の差によって、デュアルライフを諦めてしまうケースが少なからずあるから。

新しいライフスタイルを始めるのは誰しもワクワクするものですが、リゾート感覚を捨て、現実をしっかり見据えておかないと、せっかく始めた新生活を負担に感じてしまうかもしれません。

一時の楽しみではなく、人生の少なからぬ時間を過ごす第二の拠点を、どこに、どういう形で確保するのか。いつから始め、将来的にはどうするつもりなのか。できるだけ具体的に、ライフプランなども踏まえながら検討しておくことをおすすめします。

失敗を避けるための3つのポイント

ポイントと書かれたノート

多かれ少なかれ、デュアルライフは人生を豊かにしてくれます。

しかし、デュアルライフはあくまで手段であって、目的ではありません。十分な準備なしに、形だけで始めてしまうと、失敗してしまう可能性が高いです。

続いては、デュアルライフ を満喫するために、注意したいポイントを解説します。

1.デュアルライフの目的をはっきりさせる

デュアルライフを成功させるためには、まず自分たちにとって一体どういったライフスタイルが成功と言えるのか、という点を明らかにする必要があります。

一口に二拠点で生活すると言っても、そのスタイルは千差万別。誰かの真似をすれば成功する、という種類のものではありません。

各シチュエーションに合わせて、最適な選択肢を組み合わせていく必要があります。

デュアルライフの目的は何で、いつ、どこで、どのように始めたいのか。なるべく具体的に希望を明らかにしましょう。

その上で、希望を実現するために必要な行動(情報収集や各種シミュレーション等)を取っていけば、実現可能な範囲で自分たちの望むライフスタイルを形にできるはずです。

2.発生する出費をシミュレーションしておく

デュアルライフには、少なくないお金が掛かります。単純に2つ目の拠点を確保するためのコストはもちろん、継続的に発生する移動費も、少なからず負担となります。

そのため、将来的な収入の状況や、資産運用の方針なども踏まえて、可能な限り多くのパターンをシミュレーションしておくことがおすすめ。

もちろんお金がなくとも二拠点生活は可能ですが、それは現状を踏まえて、シチュエーションに合わせた行動を取った場合の話です。場当たり的な資金繰りでは、いずれ必ず行き詰まってしまうでしょう。

自分たちが望むデュアルライフを踏まえ、それを実現するためにはどのくらいのコストが掛かるのか、なるべく正確に予測を立てておくと、失敗する可能性を小さくできます。

自分たちだけでは難しい、というような場合は、フィナンシャルプランナーなど、お金の専門家に相談してみるのも良いでしょう。

3.希望地域にデュアルライフ支援制度がないか探す

地方創生の一環として、帰郷や移住を支援する制度を用意する自治体も増えています。

移住した場合の生活を体験できる短期滞在や、支援金の交付など、エリアによって制度の内容は様々ですが、多くの場合、少なからぬメリットを享受できます。

特に短期滞在は、自分たちの理想と現実に差がないかを知るためにも非常に有用。その地域の環境や、住民の傾向などを知る良い機会です。

望むエリアにデュアルライフの支援制度があるなら、ぜひ利用を検討してみることをおすすめします。

気になるみんなの体験談

耳に手を当てる女性

何かを始める際は、机上の知識だけではなく、経験者の声も参考にすると、より無駄のない準備ができます。最後に、実際にデュアルライフを始めている人の体験談をいくつかピックアップして紹介します。

地域住民の人柄に惚れて移住

旅行で訪れたことがきっかけで、地方への移住を決意しました。

観光地のようにわかりやすい魅力はない土地柄なのですが、自然が多く、触れ合った地域の人の明るい雰囲気がとても眩しく見えたのが理由です。

夫は比較的自由度の高い職場に勤めていたため、週の半分を田舎で、もう半分を都会で、という形で二拠点生活を送ることに。

もちろん、一朝一夕で決断したわけではありません。

夫が移住に協力的であったことや、地域の人が好意的にサポートしてくれたことが、大きな後押しになりました。

現在では、都会では家事、田舎では畑仕事をしたり、地域の人の手伝いなどをして過ごしています。もちろん移動は大変ですが、非常に充実していて、毎日が楽しいです。

とは言え、どうしてもどっちつかずになってしまう部分は出てきます。週の半分しかいないため、地域のイベントには参加できないことも。だた、そうした生活を送っていることを理解して、会費の徴収なども柔軟に対応してもらっています。

子供ができたら現在の生活は難しくなるかもしれませんが、それでも週末だけは田舎に来るなど、バランスを取りながら現在の生活を続けたいです。

願いは自然豊かな地方での子育て

少なくとも物心がつくまでは、自然豊かな環境で育てたいという思いがありました。

夫の職場が都会にあるため、すごく悩みましたが、保育園に入園というタイミングで地方に移住することを決意。

夫は、平日は都会の実家から会社に通い、週末になると私たちの元にやってくるという形で、デュアルライフを送っています。

私も夫も、都会での生活を少し息苦しく感じていたので、いいきっかけになりました。ただ、私たちはギリギリまで悩んだ分、移住先の選定や保育園探し、引っ越しなど、短期間に様々な作業をこなさねばならず、非常に苦労しました。

もしお子さんがいる場合、入園や入学などで選択肢が大きく制限されてしまう前に、余裕を持って準備を進められることをおすすめします。

準備不足で大失敗

見切り発車でデュアルライフを楽しもうとして失敗しました。

ウェブ関係のフリーランスをしており、仕事をするのに場所を問わない、ということもあって、気軽に始めたのが大きな理由です。

都会と田舎の行き来は、それだけでも精神的な負担になりますが、何より私の心を折ったのは田舎暮らしの不便さでした。自然は多いのですが、そもそも人口が少なく、望んでいたような地域との交流はほとんどなし。

近くに店もなく、交通手段も乏しくて、都会では3分で済む買い物が30分掛かったりもします。もっと慎重に拠点を選べばよかったと後悔することしきりでした。

移住先はフィーリングで決めず、しっかりと根拠を持って選ばれることをおすすめします。

まとめ

  • デュアルライフとは、都会と田舎、それぞれに拠点を持って、定期的に行き来する生活スタイル
  • 2つの全く違う生活環境に身を置くことで、人生を豊かにできるのが大きな魅力
  • 少子高齢化や都会への一極集中の対策方法として、行政も支援策を打ち出している
  • 生活の手間やコストが少なからず増えるため、勢いで始めると失敗しやすい
  • 失敗を避けるには、目的をはっきりさせた上で入念に実生活をシミュレーションし、実践する価値があるかどうかを判断することが大切

1つの場所に縛られない自由なライフスタイルは、一見すると魅力的です。

とはいえ、その自由を手に入れるためには、相応のリスクを覚悟する必要があります。もちろん、独身であれば失敗覚悟で飛び込むこともできますが、家族、特に子供がいる場合は、なかなかそうもいきませんよね。

このページで解説した内容が、そうした決断をする際の一助になれば幸いです。

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