注文住宅で失敗しないコツは、住まいに「快適な動線」を意識し、間取りを配置することです。日常生活に沿った動線をイメージし設計すれば、間取りや収納、コンセントの位置などの失敗は無くなります。

本記事では、注文住宅で家を建てる際、注意したい「動線のポイント」を紹介します。また注文住宅で失敗しない間取りを「動線」を中心に考えてみたいとおもいます。

注文住宅の間取りは動線で決まる！

注文住宅の善し悪しを決めるのは、動線（どうせん）です。動線に沿った間取りを設計すれば、日常生活で不便を感じる機会は少なくなります。

反対に動線を無視した間取りでは、部屋の行き来がしにくい、出入りが不便、家事がしにくい、肝心な場所にコンセントや照明がない、換気や室温調整ができていない…などのトラブルが生まれます。

そもそも動線とは？

動線（どうせん）とは、「生活動線」のことを指しています。生活動線とはキッチンやリビング、風呂やトイレなどの水回り、二階への上り下りなど、日常生活で生じる「動き」を示しています。

なお、生活動線のほかにも家事動線（かじどうせん）と呼んで区別することもあります。生活動線と家事動線は、互いにぶつからないよう間取りを設計することです。

動線と間取り、設計上注意したいポイント

ここからは、住まいの間取りを決める上で、注意したい「動線の設計ポイント」を紹介します。

動線の注意ポイント①　生活動線と家事動線は近づけない

前項でも説明をしましたが、生活動線と家事動線はたがいに交わらないよう、間取りや家の設計を工夫してください。例えば、家事をする方と家事をしない家族の生活動線が同じであれば、出入り口や室内の狭い場所でぶつかる可能性が高くなります。

また、家事動線と生活動線が重複してしまうと、料理や掃除、洗濯の途中で「生活動線」に沿って行動している人とぶつかる恐れがあり「いつも人が邪魔をするので不便…」といった不満が募ります。

動線の注意ポイント②　家事動線を優先する

生活動線より、負担の大きい家事動線を優先して間取りを決めましょう。特に、洗濯や掃除は家事の中でも重労働なので、洗濯の場所と干す場所を近くに設け家事の負担を軽減してください。

また家事動線が生活動線にぶつかり、家事を妨げないよう、リビングや廊下の位置、キッチンや洗面所、水回りの配置に注意しましょう。

動線の注意ポイント③　キッチンの形を工夫する

料理は家事の中でも、負担の大きな作業です。料理の時間を快適なものにするため、キッチンの形にも工夫をしましょう。例えばI型のキッチンであれば、シンプルな動線で家事が行えます。またL型キッチンは作業スペースと調理スペースが分けられるので便利です。

最近流行のアイランドキッチンは、家族と一緒に料理をするのに向いています。

生活動線・家事動線以外の動線

ここからは、生活動線・家事動線以外の「動線」について説明します。

通勤動線

通勤動線（つうきんどうせん）とは、学校や会社に出かける子どもや親が使う動線のことです。生活動線と共通しますが、朝の身支度を行う洗面所、クローゼット、ダイニングなどの間取りを中心に動線を考えます。

衛生動線

衛生動線（えいせいどうせん）は、風呂場や洗面所、トイレなどの水回りを指します。衛生動線は外から見えない場所に設けることと、リビングやダイニングから見えないよう、廊下を挟んで設置するなどの工夫が必要です。

来客動線

来客動線（らくきゃくどうせん）とは、外からのお客様が通る動線のことです。玄関〜廊下〜客間まで、お客様がどの場所を移動するのか動線を工夫しましょう。

生活動線と来客動線が近すぎると、家族のプライバシーが守られません。また客間、リビングまでの移動途中にキッチンや水回り、クローゼット、パントリーなどが見えるのも良くありません。

住まいの設計はどうしても、生活動線や家事動線を中心に考えてしまうのですが、来客動線を考えなければプライバシーの無い「落ち着かない家」になってしまいます。設計の段階から常に「お客様の目線」に立って、来客動線を考えるようにしてください

なお、ここまで紹介した動線は、専用のスマートフォンのアプリやPCソフト3Dを使うことで「快適な動線かどうか」立体的画像を介してイメージできます。iPhoneの方はApp Storeで、Androidをお使いの方はGoogle Playで「3Dインテリア」と入力し検索してください。

まとめ

今回は注文住宅で忘れがちな生活動線、家事動線、通勤動線、衛生動線、来客動線について説明をしました。図面だけでイメージしにくい場合は、3Dで住まいの状況が確認できるスマートフォンアプリやPCの専用ソフトを使ってみると良いでしょう。