【推移の予想あり】初心者でもわかる住宅ローンの金利の基礎知識

【推移の予想あり】初心者でもわかる住宅ローンの金利の基礎知識

「少しでも住宅ローンの利息を減らせば、そのぶん家づくりにお金をかけられる」と考える人も多いはず。

住宅ローンの利息について考える時、避けては通れないのが「金利」の話です。
なんとなく知っているようで知らない住宅ローンの金利にまつわる情報を、初心者でもわかりやすいよう総合的に解説しています。

細かい知識や今後の金利動向についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

はじめての住宅ローン!「金利」ってなんのこと?

お金

憧れのマイホームと切っても切り離せない関係にあるのが住宅ローンです。

住宅ローンというと「家を買うために借りるためのお金」というイメージがありますが、お金を借りるためにはその対価として「利息」を支払わなければなりません。
支払う利息の金額は住宅ローンの金利によって決まり、「いくら借りればいくらの利息を支払う必要があるのか」を表した数値が金利なのです。

例えば、ほとんどの人が持っているであろう銀行の普通預金口座。
普通預金口座にも金利は設定されていて、預けている金額に応じて私たちは利息を受け取ることができます。
まあ、実際のところメガバンクの普通預金口座の金利は驚くほど低いので、普通に生活していればその恩恵を感じることはできませんが…

このように、金利というのは実は私たちの生活と身近な関係にある存在なのです。

住宅ローンの金利にはいくつかのタイプが存在する

説明する女性

金利の定義を理解したところで、次に住宅ローンの金利タイプについて知りましょう。

住宅ローンの金利タイプは金融機関ごとに異なるだけでなく、それぞれの金融機関が提供するプランによっても変わってきます。金利が低ければ低いほど支払う利息は少なくなり、私たちには得があります。しかし、住宅ローンはとにかく金利の低いものだけを選べばいいというものではないので注意が必要です。

住宅ローンの金利タイプを大きく分けると、2種類の金利タイプが存在しています。それは、「変動金利タイプ」と「固定金利タイプ」です。どちらにも特徴やメリット・デメリットがあるので、こちらの項目ではそれについて詳しく解説します。

半年ごとに金利が変わる!変動金利型(変動金利タイプ)

まず紹介するのは半年ごとに金利が見直される「変動金利型」の住宅ローンです。

変動金利型の住宅ローンは変動金利タイプに分類され、半年という短いスパンで金利が変動することが特徴です。
なにも「一度契約すればその時の金利で一定になる」というものではなく、返済途中でもどんどんと金利が変わっていきます。

これが意味するのは、住宅ローンを完済するまでは最終的にいくらの利息を払えばいいかが決まっていないということです。

変動金利型のメリット・デメリット

ここまでの説明でもわかるように、変動金利型の1番のデメリットは「金利が上昇し総返済額が大幅に増える可能性がある」というリスクにあります。

契約の段階で最終的にいくら支払えばいいのかわからないのは非常に不安ですよね。
例えば借入当初は1%だった金利が、10年後には5%に急騰することもあり得るのです。

もちろんそこまで極端な変動が起こることはまずないでしょうが、可能性があるというのは十分に不安要素になり得ます。
なぜなら、金利が上がれば支払う利息の金額が上がるため、借入時には「総返済額は3,500万円くらいだろう」と予測していても、最終的には4,000万円の総返済額になっていることもあります。

これこそが変動金利型の怖さです。

ただ、大きなリスクがある変動金利型の住宅ローンにはそれに見合うだけのメリットがあります。
それは、「とにかく変動金利型は金利が低い」というメリットです。固定金利タイプの住宅ローンより1%ほど低く設定されていることもあり、場合によっては固定金利タイプよりも利息の支払い額が数百万円少なくて済むこともあります。簡単に言えば、ハイリスクハイリターンな住宅ローンが変動金利型なのです。

一定期間は金利が固定!固定金利特約型(変動金利タイプ)

次に紹介するのは「固定金利特約型」の住宅ローンです。

固定金利特約型は2年、3年、5年、10年など定められた期間ごとに金利が変動していくタイプの住宅ローン。
固定期間が長くなればなるほどその性質は固定金利タイプに近づいていきますが、それでも分類は変動金利タイプとなります。

固定金利特約型のメリット・デメリット

固定金利特約型の住宅ローンは、いわば変動金利と固定金利の中間的なポジションとなっています。

変動金利型ほどリスクは高くなく、かつ金利の設定値も中間程度です。
変動金利タイプの住宅ローンは金利が上がり始めたら固定金利タイプへ借り換えるのが一般的ですが、固定期間の長い固定金利特約型であれば準備期間が長いため、金利の上昇にも対応しやすくなります。これが固定金利特約型のメリットです。

デメリットとしては、やはり金利が変動することが挙げられます。
完全な固定ではないため、固定期間が終わり金利の見直しが行われると一気に返済額が増える可能性もあります。

全期間固定金利型(固定金利タイプ)

最後に紹介するのが「全期間固定金利型」の住宅ローンです。

全期間固定金利型の住宅ローンは唯一の固定金利タイプであり、借入当初から完済まで金利が一定となります。
もし金利が上昇しても影響を受けることはないので、総返済額が増えることなく安心して返済を続けていけるでしょう。

全期間固定金利型のメリット・デメリット

全期間固定金利型の1番のメリットは、なんといっても契約した段階で総返済額が決定することにあります。

最終的にいくら返せば住宅ローンが完済するのか見通しを立てやすいため、返済計画も立てやすいです。
また、金利が低い時期に全期間固定金利型を契約すれば、金利が高くなった時に変動金利タイプを選択するより総返済額を抑えられるかも。

ただし、全期間固定型のデメリットは変動金利タイプの住宅ローンより金利が高いことです。
おおよそ1%は高くなってしまうため、契約から数十年間金利に大きな変動がなければ総返済額は変動金利タイプより多くなる可能性もあります。
その差額は数十万円から数百万円になることもありますが、「お金で安心を買う」と思えば安いものなのかもしれません。

有名な「フラット35」はどのタイプ?

住宅ローンを検討している人もそうでない人も、ニュースなどで「フラット35」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

フラット35は住宅金融支援機構という団体が全国の金融機関と提携して行う住宅ローンのことで、固定金利タイプの全期間固定金利型に分類されます。

住宅ローンは慎重に選ぼう!変動金利タイプにはリスクがある

変動金利のリスク

先ほどの変動金利タイプの項目では変動金利タイプのリスクについて軽く触れました。
しかし、実は変動金利タイプはもう少し深く知識を得ておかなければいけないことがあるのです。

元金が減らない!?未払利息とは

変動金利タイプを借りる時に理解しておかなければならないのが「未払利息」に関する内容です。

変動金利タイプの住宅ローンには、金利の急激な上昇が起こると利息部分の金額が返済額を上回ってしまう事態になる可能性があります。
利息部分の金額が返済額を上回ると、元金部分の返済は全く行われないことになります。

例えば、月々の返済額が10万円であった場合について考えてみましょう。ある家庭は借入当初の返済額は 「元金6万円:利息4万円」であり、元金部分を毎月6万円返せると考えていました。

しかし、半年後に金利が上昇すると返済額の内訳が変わってしまい、その結果「元金0万円:利息10万円」になってしまいました。 これでは返しても返しても元金が減らないので、いつまでたっても元金は無くなりません。

また、金利がさらに上昇して毎月支払うべき利息が11万円になってしまったとします。
しかし、毎月の返済額は10万円が上限であるため、1万円の利息は返済できず翌月以降に繰り越されてしまうのです。
この繰り越されてしまう利息のことを、未払利息と呼びます。

変動金利型には「5年ルール」と「1.25倍ルール」がある

そして、次に理解したいのは変動金利型の住宅ローンに存在している「5年ルール」と「1.25倍ルール」についてです。
まず5年ルールについて説明すると、これは「半年ごとに金利が見直されても5年間は返済額が変わらない」というルールのこと。

変動金利型の住宅ローンは半年ごとに金利が変わることを特徴としていましたが、金利が変わるタイミングでは返済額は変わりません。それでは、半年ごとに何が変わるのか。それが先ほども説明した「返済額の内訳」なのです。

もう1つの1.25倍ルールは、「5年ごとに返済額の見直しが行われても、前の返済額の1.25倍までしか金額は上がらない」というルールのことです。
一見このルールは利用者に優しいものに思えますが、そんなことはありません。なぜなら、返済額の上限が定められるということは、未払利息の発生する可能性があるということだからです。

未払利息が発生したらどのように対処すればいい?

もしも変動金利型の住宅ローンを借りていて、金利上昇に伴い未払利息が発生したならばどう対処すればいいのでしょうか。

それは、「繰り上げ返済」のシステムを利用することです。
毎月の返済額が一定になっていても、繰り上げ返済で追加の支払いをすれば未払利息は防ぐ・減らすことが可能になります。
また、未払利息を超えた分は元金に補填されるため、元金も減らすことができます。

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変動金利タイプと固定金利タイプのどっちがいい?

これまでに変動金利タイプのリスクを説明してきましたが、だからといって変動金利タイプの住宅ローンを借りてはいけないということではありません。
あくまでリスクを理解しつつ、うまく付き合っていけば変動金利タイプは総返済額を大幅に減らせる大きな武器となり得るのです。

変動金利タイプと固定金利タイプのどちらが優れているとは一概には言えませんが、住宅ローンを借り入れる人の状況によって適している種類は違います。
それでは、どんな人に変動金利タイプが適していて、どんな人に固定金利タイプが適しているのかを確認してみましょう。

資金計画に余裕があるなら!こんな人は変動金利タイプに向いている

変動金利タイプの住宅ローンを選ぶとメリットがあるのは、こういった状況にある人です。

貯金がたくさんある人

とにかく貯金があってお金には困らないという方なら、変動金利タイプの住宅ローンを借りるべきです。

なぜなら、ちょっとくらい金利が上がってしまっても繰り上げ返済などで対応できるからです。
金利が上がるまでは変動金利タイプで様子を見て、上がり始めたら固定金利タイプへ切り替えるのがおすすめです。

ただし、貯金がたくさんあるからといって頭金を払いすぎるのはやめましょう。将来の生活の変化で予想外の出費が発生した時に対応しにくくなってしまいます。

共働きでしばらく子供を作る予定のない人

共働きで夫婦ともにある程度の収入があり、かつしばらく子供を作る予定がないのであれば変動金利タイプで借りてみてもいいかもしれません。
夫婦の収入が多いうちに低い金利の住宅ローンを組んで、どんどん繰り上げ返済で返していくのが得策です。将来子供を作ることになったりどちらかが退職することになったりしたら、そのタイミングで固定金利タイプへ切り替えるのがいいでしょう。

当面は結婚する予定がない人

当面は結婚する予定がなく、独身を謳歌したい人は変動金利タイプの住宅ローンが適しています。

なぜなら、将来ライフプランが大きく変わる時までは金利の変化にも対応しやすいからです。ただし、独身のうちに家を買ってしまうと生活の変化に対応しにくい点はご注意を。

これから貯金するなら!こんな人は固定金利タイプに向いている

次に、固定金利タイプに向いている人の例を紹介します。

結婚費用や住宅ローンの頭金で貯金をたくさん使う人

これから結婚式を控えていたり、住宅ローンの頭金で貯金が大幅に減ってしまったりする人は、固定金利タイプが向いています。

資金に余裕がないのに変動金利タイプを選んでしまうと、急な金利上昇時に困ってしまいます。家計に負担をかけてしまわないよう、借入当初から返済額が一定の固定金利タイプを選ぶのがおすすめです。

小さな子供がいる・出産を控えている人

小さな子供がいたり、これから出産を控えていたりする人はまず固定金利タイプを選ぶべきでしょう。

なぜなら、子供の教育費には想定以上のお金がかかりがちだから。変動金利タイプの住宅ローンは返済額が上がる可能性もあり、家計が苦しくなるかもしれません。将来のライフイベントに備えて、堅実に固定金利タイプで返済していくのが得策です。

上がる?そのまま?2019年の金利動向を予測

ビジネスマン

今まさに住宅ローンを検討している人も、将来的にマイホームを購入する可能性のある人も、1番気になるのは今後の金利動向ですよね。

変動金利タイプを選びたいのであれば将来的に金利がどう動くかは常にチェックしていなければならないですし、固定金利タイプを選ぶにしてもなるべく低い金利の時に借りたいものです。

住宅ローンの金利動向を知るためには、直近の金利の推移を確認するのが1番です。「みずほ銀行」「楽天銀行」「イオン銀行」という3社の住宅ローン(新規借入)を例にして、2018年の金利動向を確認しましょう。

参考:住宅ローン比較(価格.com)

2018年はほとんど横ばい!変動金利型の動向

2018年の変動金利の推移を確認すると、ほぼ上昇も下降もない横ばいになっています。このことから、2019年もまだしばらくは同水準の金利が続くと考えていいでしょう。

  • みずほ銀行

みずほ銀行の変動金利型「全期間重視プラン」の上限金利は、2018年1月から12月まで一切の変動がありません。常に横ばいとなっていて、その金利は1.075%に設定されています。

  • 楽天銀行

楽天銀行の変動金利型「金利選択型」の上限金利は、2018年2月に前月の1.167%から0.01%引き上げられて以降変化がなく、2018年12月まで1.177%の横ばいとなっています。

  • イオン銀行

イオン銀行の変動金利型「手数料定率型」の上限金利は、2018年1月から9月までは0.57%で横ばいでしたが、10月に0.52%へ引き下げられてから11月も同水準となっています。

2018年は細かく動きつつ上方修正!固定金利特約型の場合

2018年の固定金利特約型の5年・10年の金利推移を確認すると、各社11月が最高水準となっています。年始と比べると、上方修正される結果となりました。今後の金利動向によって細かく上下する可能性はあるものの、大幅な動きは見られないでしょう。ただし、0.05%程度の小さな動きでも利息は変わってくるのでこまめなチェックが必要です。

  • みずほ銀行

みずほ銀行の固定金利特約型5年「全期間重視プラン」の上限金利は、2018年1月から8月まで1.15%の横ばいであり、9〜11月は1.2%に引き上げられたものの、12月には再度1.15%に落ち着いています。そして10年の場合、2018年1〜6月の間に4月のみ1.2%へ引き下げられたものの、それ以外の月は常に1.25%となっています。その後9月には1.35%まで上がりましたが、12月には1.3%へ引き下げられました。

  • 楽天銀行

楽天銀行の固定金利特約型5年「金利選択型」の上限金利は、2018年1月の1.568%を下回ることはなく、11月に最も高い1.662%を記録し12月には1.62%へ引き下げられています。10年の場合も2018年1月の1.748%を下回ることはなく、11月に最も高い1.892%を記録し12月には1.847%へ引き下げられました。

  • イオン銀行

イオン銀行の固定金利特約型当初5年固定「手数料定率型」の上限金利は、2018年1月から9月まで変動金利型よりも低い0.5%で横ばいになっています。しかし10月に0.55%へ引き上げられてから変動型と位置関係は逆転し、変動型より高い金利となりました。当初10年固定の場合は2019年1月から9月まで0.69%で横ばい、10月に0.74%へ引き上げられています。

全期間固定金利の場合(フラット35など)

全期間固定金利の代表的な住宅ローン「フラット35」の各社金利推移を見ると、0.1〜0.2%程度の動きがあることを確認できます。35年の住宅ローンを組む場合であればたった0.1〜0.2%の金利差は非常に大きなものとなります。よほど大きな経済情勢の変化がなければ2019年に急激な動きはないと考えられるものの、全期間固定金利の契約を検討するなら毎月の金利動向や経済状況などを細かくチェックする必要がありそうです。

  • みずほ銀行

みずほ銀行のフラット35(21〜35年)「全期間固定プラン」の上限金利は、2018年4月の1.65%が最も低い水準、11月まで徐々に上がり最も高い1.85%を記録しています。その後12月には1.79%へ引き下げられる結果となりました。

  • 楽天銀行

楽天銀行のフラット35(21〜35年)の上限金利は、2018年7月・8月の最も低い1.14%から11月の最も高い1.25%の間を上下する推移となっています。12月には下方修正し、1.21%となっています。

  • イオン銀行

イオン銀行のフラット35の金利推移は、信頼できるデータがありませんでしたので省略します。

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金利はなぜ動くのか?

金利の動き

住宅ローンに限らず、あらゆる金利は世の中の情勢に伴って変動します。
景気が良くなれば金利は上がりますし、逆に景気が悪くなれば金利は下がります。バブル崩壊以降、日本の景気は低迷しているので、それと同様に金利も低い水準となっています。銀行にお金を預けても増えないのは困りものですが、家を買うには適した時代であるとも考えられます。

ただし、これはあくまで一般論での話。実際の金利は様々な要素が絡み合い、もっと複雑な動きをしています。例えば、景気は低迷していても物価だけが上がると金利が上昇することもあります。このように様々な影響を受けて発表される「無担保コール翌日物金利」や「10年国債の利回り」を指標の1つとして、それぞれの金融機関が毎月住宅ローンの金利を決めているのです。

住宅ローン金利の過去と未来

日本の住宅ローン金利の歴史を見てみると、1990年代までの金利は高い水準となっています。

いっときは変動金利が8.5%という水準にまで上りましたが、バブルが崩壊してからは金融緩和などの影響もあってか低い水準で安定しています。

先ほどの金融機関大手3社の金利推移の比較でもわかるように、2018年は変動金利にほとんど動きがありません。
固定金利のものはほんのわずかですが動きが見られます。変動金利を借りている人はもう少し様子を見る段階が続くということでしょうか。

また、住宅金融支援機構が行なった「2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査 【民間住宅ローン利用者編】(第1回)」では、住宅ローンを借りている人が今後1年間どのように金利が動くかの予想についての調査が行われています。

それによれば変動型を借りている人の56.5%が「ほとんど変わらない」と答えたのに対して、全期間固定型を借りている人は55.6%が「現状よりも上昇する」と答えています。そして、固定期間特約型を借りている人は44.3%が「現状よりも上昇する」、43.3%が「ほとんど変わらない」と回答する結果となりました。

もしかすると、変動金利型を選んだ人の「まだ変わらないでほしい」という思いと、全期間固定金利型を選んだ人の「自分が借りた金利が低い水準であってほしい」という思いが現れているのかもしれませんね。いずれにしても、「これ以上金利が下がる」と考えている人は少ないようです。

参考:2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査 【民間住宅ローン利用者編】(第1回)

今後の金利動向について新生銀行が予想

2018年7月末に日銀は、「長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.2%程度」まで拡大する」と発表しました。

この「プラスマイナス0.2%程度」というのはこれまでの水準の2倍程度の数値となっていて、この発表は実質的な金利上昇の容認であるとも考えられています。

これまでには日銀のイールドカーブコントロールという政策によって、10年国債の利回りはおよそ「プラスマイナス0.1%」という水準に抑えられていました。しかし、この発表で10年国債の利回りの拡大が容認された形となり、一時的に10年国債の利回りは上昇しました。

10年国債の利回りは長期金利の指標となっているので、今後の金利の変化が気になるところです。今後の金利の動向について、新生銀行の予想は次の通りです。

金利の上昇は容認できないものの、一段の金利低下にも注意を払っていく、という感じでしょうか。金利はさらに下がる可能性は低いものの、これからどんどん上昇していくこともなさそうだ、と見ておくのがベターではないでしょうか。

参考:住宅ローン金利が上昇したら、どう対処する?

今すぐに金利上昇へ過度な警戒をする必要はないものの、金利の動向からは目を離すことはできなさそうです。

もし上がっても焦らず対応しよう!金利上昇時の対処法

すでに住宅ローンを借りている人は「もし上がったらどうしよう」と不安でしょうし、これから借りようと考えている人は「早めに借りなければ」と考えていることでしょう。しかし、金利が上がり始めた時の対処法を知っておけば、焦る必要はありません。

変動金利型を借りているなら全期間固定金利型への借り換えを

もしあなたが変動金利型の住宅ローンを借りているのであれば、「金利が上がり始めた」と感じたら一刻も早く全期間固定金利型への借り換えを検討しましょう。

「もう少し様子を見てから…」と思っているとどんどん金利が上がってしまうかもしれないので、上昇気配を感じたら待ったなしです。どうしてもまだ様子を見たい場合は、少しでも繰り上げ返済を行いリスクの軽減を図りましょう。

固定金利特約型を借りているならタイミングを逃さないよう注意

5年や10年など、一定期間金利が固定になる固定金利特約型を借りているなら、金利が上がり始めても焦る必要はありません。固定期間が終わって金利が見直される前に、全期間固定金利型へ借り換えましょう。ただし、全期間固定金利型の金利も上がっているはずですから、タイミングを逃すと返済額が増えてしまうかもしれません。

全期間固定金利型を借りているなら特に対処は不要

契約時から完済時まで金利の変わらない全期間固定金利型を借りている人は、金利が上がり始めても特に対処は必要ありません。むしろ「早めに借りておいてよかった」と胸をなでおろすはず。
ちなみに、金利が下がり始めたら全期間固定金利型も借り換えを検討すべきです。

これから住宅ローンを借りるなら変動金利型は避けたほうが無難?

これから住宅ローンを借りようと考えている人なら、金利が上昇傾向にあるうちは変動金利型を避けたほうが無難かもしれません。

金利が上がっているのなら全期間固定金利型の金利も高い水準になっているため、変動金利型にするかどうか迷ってしまうことでしょう。しかし、後々金利が下がったのであればそのタイミングで借り換えを検討すればいいだけなので、やはり金利が上昇傾向にあるターンでは変動金利型は避けるのが賢明です。

後悔しないために!住宅ローンの金利にまつわる注意点

止まれの標識

それでは最後に、住宅ローンで後悔しないために「金利にまつわる注意点」をいくつか紹介します。
住宅ローンは契約してしまえばそれで終わりではなく、返済している途中にも気を抜いてはいけません。

金利が低いからといって必要以上に借入額を増額してはいけない

現代が過去に例を見ない低金利時代だからといって、必要以上に借入額を増やすのはやめましょう。
金利が低い恩恵にあずかって住宅設備をグレードアップしたくなる気持ちはわかりますが、あまりにも住宅購入へ予算をかけすぎると後々生活が苦しくなるかもしれません。
先の見通しを立て、適正な金額で住宅ローンを組みましょう。

金利が上がる前に借りたい!でも頭金なしは危険

「今後金利が上がってしまうのなら、金利が低い今のうちに住宅ローンを組みたい」と考える人もいるのではないでしょうか。

しかし、一刻も早く家を買いたいからといって安易に頭金なしの住宅ローンを組むのは危険です。
なぜなら、頭金なしであればそのぶん金利が高くなってしまいますし、将来の負担も頭金がある場合に比べて増えてしまうからです。

頭金なしの住宅ローンも便利ではありますが、返済計画をきちんと立ててから慎重に借りるようにしましょう。

油断は禁物!変動金利タイプで借りたら常に金利の確認を

今は金利の低い時代だからといって、油断して金利動向のチェックを怠ってはいけません。

半年ごとに金利が見直される変動金利タイプは、常に金利上昇の可能性があると考えておきましょう。
「チェックを忘れていた」では済まされないので、いつも金利の動きに対するアンテナを張っておくことが大切です。

「最初に変動金利で借りて後から固定金利へ変更」はNGなときも

変動金利タイプの金利の低さは非常に魅力的です。

多くの人は「まず変動金利タイプで借りておいて、金利が上がり始めたら固定金利へ変更しよう」と考えるのではないでしょうか。確かに理論上は間違いではないものの、その方法が命取りになってしまうこともあります。

なぜなら、いざ借り換えをしようと思った時に必ず借り換えが成立する保証はないからです。
借り換えのためには改めて住宅ローンの審査を受ける必要があり、この時まで多くの貯金をしておかなければ審査に落ちてしまうかもしれません。また、一般的に新規借入よりも借り換えのタイミングの方が審査基準は厳しくなる傾向にあります。

もし変動金利タイプのまま審査に落ち続けていたら、その間にどんどん金利が上がってしまいます。後悔してからでは遅いので、慎重に考えて決断しましょう。

借入前に確認しよう!金利が確定している期間

固定金利特約型の住宅ローンを借りるなら、借入前に「どれくらいの期間金利が固定されるのか」を確認しましょう。契約内容をきちんと確認して住宅ローンを借りるのは当然ですが、固定金利特約型の場合は固定期間を過ぎると金利が変わってしまう可能性があるため、絶対に確認を怠ってはいけません。

まとめ

いかがでしたか。
住宅ローンにおける金利について、総合的な情報をまとめました。

金利について正しく知ることは、住宅ローンについて正しく知ることに他なりません。勘違いや知識不足により住宅ローンで後悔してしまわないためにも、金利についての勉強はしっかり行いましょう。

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