マルっとわかる!家づくり超ガイド

マルっとわかる!家づくり超ガイド

家づくりは複雑です。

お金を出せばすぐに自分のものになるその他の消費財と違って、様々な手続きが必要ですし、購入を決めてから実際に住み始めるまでに、年単位の時間が掛かることもザラにあります。

知るべきことが多すぎて、何から手をつけたらいいのか途方にくれてしまう人も少なくないでしょう。

このページでは、そう言った家づくりのスタートラインに立っている人に向けて、住宅購入に関する基本的な知識を紹介するためのものです。

まず家づくりの流れを知ろう

カンバンの図

何を始めるにしても、最初に全体像を把握しておくとその後の作業がスムーズに進みます。まずは、家づくりの基本的な流れを見ていきましょう。

ケースバイケースで順序が入れ替わったり、そもそもステップが不要だったりすることもありますが、大まかな指針として知っておいて損はないはずです。

建てたい家のイメージを固める

家を建てる、あるいは購入する目的は、自分たちの理想の住まいを手に入れることです。

その目的を達成するためには、まず自分たちの頭の中にある理想像を、誰にでも伝わる形(特に住宅会社さんに伝わる形)に落とし込むことが大切です。

もちろん、最初は知識もありませんから、専門家から見れば非現実的な住宅となってしまうこともあるでしょう。

しかし、予算を決めるにせよ業者選びをするにせよ、形にしたい住宅のイメージがなければ先に進めません。後からいくらでも調整できますから、細かいことは考えず、とにかく自分たちの望みをありったけ詰め込んだ理想像を固めましょう。

スケッチを描いてもいいですし、条件を箇条書きにするのも、後から読み返した時にわかりやすいはずです。

予算を決める

次は、大まかな予算を固めます。たとえ資産があっても、現金で買うのは運用効率が悪いですから、住宅ローンを前提にまず頭金にいくらまで出せるのかを考えます。

金融機関から借り入れできる金額については、各金融機関がホームページ上で公開している住宅ローンシミュレーターを活用するのが良いでしょう。

年収や金利、月々の返済希望額などを入力すれば、いくらまで借りられそうか、大まかな金額を算出することができます。

家づくりのパートナーを決める

建てたい住宅のイメージと予算が大まかに決まったら、次は家づくりのパートナーを探します。

ハウスメーカーや工務店によって、得意としている工法、デザインなどが違いますから、自分たちが建てたい住宅を基準に、業者を絞っていきましょう。

手間と時間は掛かりますが、複数社を回って希望を伝え、相見積もりを取ると、相談の過程で基礎知識や相場感などが身についてタメになります。

注文住宅を建てるのではなく戸建てを購入する場合は、不動産会社を訪ね、足を使って自分たちにぴったりくる住宅を探していきます。

また、この段階でめぼしい金融機関に住宅ローンの審査を依頼しておくと、その後の本審査をスムーズに進めることができます。

土地を探す

業者探しをする前のタイミングでも構いませんが、最初に家づくりを依頼する業者を決めておいた方が、プロに土地探しを手伝ってもらえるため効率的です。

日当たりや方位はもちろん、周辺環境についても、家族が将来を過ごす上で不安要素がないかをしっかり検討しておきましょう。

設計を詰める

土地を購入したら、いよいよ家づくりの醍醐味である設計を詰めていきます。

予算と希望する内容を擦り合わせながら、アイディアを出し合いましょう。大切なのは、予算が足りないからと諦めず、代替案を検討することです。

100万円の価値があるものを10万円にすることは難しいですが、何らかのアイディアによって、10万円のものを100万円の価値があるものに見せることはさほど難しくありません。

少なくとも家づくりのプロフェッショナルは、知恵を絞ってそうした困難に立ち向かってくれるはずです。

設計が固まったら、工事請負契約を結んでいよいよ着工となります。新居に引っ越す準備をしながら住宅の完成を待ちましょう。

頼るべき会社を知ろう

職人

続いては、家づくりで頼れる業者の種類を見ていきましょう。

不動産会社

建売住宅(すでに建っている住宅)を購入する時や、土地探しをする時に頼る業者です。多くの場合、不動産の売主との間に入って、仲介料を取るという形で事業を行っています。

複数の不動産会社が同じ物件を仲介していることが多いですが、地域密着型の不動産会社の場合は、地元のネットワークを駆使して他社にない物件を抱え込んでいるケースも少なくありません。

一社にこだわらず、複数の会社を見て回られることをおすすめします。

ハウスメーカー

ハウスメーカーは、全国展開しているような規模の大きい住宅会社を指します。

規格化による大量生産、大量受注によってコストを下げており、低予算でも一定の品質以上の住宅を手に入れることができます。

ただ、規格化されている分、オリジナリティのある住宅を建てたい人にはあまり向きません。

工務店

地域密着型で家づくりを請け負っている住宅会社です。

設計、施工まで一貫対応しているところも多く、デザイン性の高い柔軟な家づくりが期待できます。

また、地域で長く経営している工務店は、地元の銀行とパイプを持っている可能性が高く、住宅ローンの審査に通りやすいというメリットもあります。

設計事務所

設計事務所は、設計のみに特化している会社です。施工会社と別々に依頼することになるため、コストは掛りますが、その分デザイン性の高い住宅を実現できる可能性が高まります。

家づくりについて調べているうちに特定の建築家のファンになり、お金を貯めてその人が在籍する設計事務所に依頼をする、というようなケースも少なくありません。

家づくりの費用の内訳を知ろう

お札

続いて、全体像が見えづらい家づくりの諸費用について見ていきましょう。

細かく分ければキリがないほどの項目がありますが、ざっくり見れば本体工事費、設計料、諸費用の3つに分けることができます。

本体工事費+別途工事費

  • 全体の75〜90%

本体工事費は、文字通り建物本体の工事にかかる費用のことです。工務店やハウスメーカーの広告で見かける坪単価いくら、という数字は、この本体工事費の坪あたりの価格と言えます。

また、建物以外に掛かる工事費は、別途工事費と呼ばれます。地盤改良工事費やエクステリア工事、その他ライフライン工事などの費用が含まれます。

これらの家づくり全体に掛かる工事費用は、全体の75〜90%を占めます。

設計料

  • 全体の5〜15%

設計料には、建物の設計や、工事を監理(設計通りに工事が進むかのチェック)する費用が含まれます。

設計料無料、というハウスメーカーや工務店もありますが、名目が違うだけで、本体工事費にその分が上乗せされていることも少なくありません。

通販サイトの送料無料などと同じように、一見お得に見えても、実際は別のところで相応の対価を支払っていることもあり得るわけです。

1つの費用項目で損得を判断するのではなく、トータルで見てコストパフォーマンスが高いかどうかをチェックしましょう。

諸費用

  • 全体の5〜10%

家づくりに掛かる費用の大部分は設計料と本体工事費ですが、それ以外の細々した出費も無視できません。

土地や不動産の登記に掛かる司法書士への報酬や税金、住宅ローンの手数料に保証料、保険料等々を総合すると、平均して全体の5〜10%もの出費が発生します。

住宅ローンについて知ろう

家を覆うお金

続いて、住宅ローンの種類について見ていきましょう。

住宅ローンの種類

住宅ローンは、借入先によって大きく2つの種類に分けられます。

フラット35

フラット35は、民間の金融機関と住宅金融支援機構という独立行政法人が提携して用意している住宅ローンで、借り入れから完済までの金利が常に一定であるという特徴があります。

民間の金融機関が窓口となっているため、一見金融機関の商品のようにも思えてしまいますが、債権を持っているのはあくまで独立行政法人。

国が望む、環境に優しく、耐久性の高い住宅の普及を目指しているため、民間ローンに比べて個人の信用よりも物件の諸条件の方が審査で重要視されます。

民間ローン

民間の金融機関が用意する住宅ローンです。

経済状況によって半年ごとに金利を見直す変動金利のプランが多く、金利変動のリスクがある反面、低めの利率が設定される傾向にあります。

ただ、昨今は固定期間選択型ローンというプランに加え、フラット35と同じ全期間固定金利型のプランも増えてきており、フラット35との違いは小さくなってきています。

金利について

金利には、変動金利と、固定金利選択型金利、固定金利という大きく3つの種類があります。

変動金利

前述の通り、変動金利は半年に1度、短期プライムレート(金融機関が優良企業に短期で貸し付ける時の金利)を基準に利率が見直される金利。

ただ、頻繁に返済額が変わると債務者の返済計画が立てづらくなるため、変動した金利の反映は5年に1回となっています。

また、上昇幅も、それまでの返済額の25%までに制限されており、金利変動によって大幅な負担が発生しないよう配慮されています。

とはいえ、はみ出た分の利息が免除されるわけではなく、支払いが先送りになるだけ。金利の上昇幅によっては未払い利息が発生するリスクもあり、慎重な検討が必要です。

固定金利選択型

固定金利選択型は、変動金利の一種で、所定の年数は金利を固定し、それ以後は、そのタイミングの金利を反映した上で、固定金利か変動金利かを選べるというタイプの金利。

金利変動のリスクを最小限に抑えつつ、変動金利の魅力である低金利も享受できる、バランス型の金利タイプといえます。

固定金利

固定金利は、別名全期間固定金利とも言われる、返済開始から完済までずっと金利が変わらないタイプの金利です。

返済額が常に一定のため返済計画が立てやすく、金利が上昇する局面で借り入れれば、相対的に得をするというメリットがあります。

ただ、金利変動のリスクがない分、金利は変動金利よりも高めに設定されます。

返済方式

住宅ローンには、元利均等返済方式と、元金均等返済方式という、2つの種類があります。

元利均等返済方式

元利均等返済方式は、返済額が常に一定となるように、元金と利息の割合を調整するタイプの返済方法です。

金融機関に支払う利息は、元金に金利を掛けた金額です。そのため元金が減れば減るほど、利息は小さくなっていきます。

とはいえ、それをそのまま反映してしまうと、返済額の見通しが立てづらくなってしまいます。そこで、元金と利息の合計が一定となるよう、元金と利息の割合を調整するわけです。

ただ、この方式だと、最初のうちは返済額に対する元金の割合が小さくなります。後述の元金均等返済と比べると、元金の減りが遅くなり、結果的に返済期間が長引いて、返済総額が大きくなってしまうというデメリットがあります。

元金均等返済方式

元金均等返済方式は、返済額に対する元金の金額を常に一定にするという返済方式です。

最初のうちは返済額が大きくなりますが、支払い回数を重ねるたびに利息分が小さくなっていきます。

元利均等返済方式よりも元金の減りが早いため、支払い総額は小さくなります。

民間の金融機関では扱っていない銀行もありますが、フラット35では、2つの返済方式から自由に選択することができます。

間取りの考え方を知ろう

ペンと設計図

間取りの決め方にこうしなければならない、という厳密なルールはありませんが、比較的スムーズに作業が進められる方法論のようなものはあります。

家族の要望を洗い出す

まず最も大切なのは、家族各人の要望を反映すること。人生の大部分を過ごすわけですから、全員で家づくりを行いましょう。

それぞれが家の中で過ごす時間、場所を具体的にイメージして、要望を洗い出してみてください。またその際は、5年、10年、15年と、時系列に沿って将来像を想定しておくことも大切です。

ゾーニングを考える

要望を一通り洗い出したら、次はその要望を参考に、住宅内のレイアウトを決定していきます。

もちろん、最初から決め打ちではなく、相談しながら逐次調整していきましょう。この時は、家族だけでなく、設計を担当してもらうスタッフさんにも意見を尋ねてみることをおすすめします。

というのも、家づくりの希望でよく挙がるレイアウトが、実は使い勝手の悪いものであることも少なくないからです。

家族の要望を尊重しつつ、そこに落とし穴がないかどうか、プロの目線でしっかりレビューしてもらいましょう。

各ゾーンの使い勝手を掘り下げる

レイアウトが決まったら、次は各部位の詳細を掘り下げていきます。窓の位置や大きさ、壁の有無など、実生活をなるべく具体的にイメージして、使い勝手のいい仕上がりを模索しましょう。

みんなの失敗談を参考にしよう

顔を覆う子供

最後に、家づくりでありがちな失敗談を紹介します。今後プランニングを考える際の参考にしてみてください。

間取りで失敗!

動線にとことんこだわって、使い勝手のいい間取りを実現したつもりでした。

しかし予想外の落とし穴が…。

何を失敗したかというと、照明スイッチの位置です。ドアの蝶番側にスイッチがあって、部屋を出る際にワンアクション余分に必要なのが地味にストレスです。

またコンセントの配置も、もっと考えればよかったと思います。ちょっとくらい足りなくても延長コードで伸ばせばいい、と考えていたのですが、部屋に延長コードが伸びていると不恰好で、せっかくこだわったインテリアの魅力を邪魔してしまっています。

会社選びで失敗!

複数社に見積もりを投げて、一番コストパフォーマンスが高そうだった工務店に依頼しました。

しかし、電話した時の態度が悪い(いつもタバコを吸う音、吐く音が聞こえる)ですし、一番こだわりたいと伝えていた箇所を予算が足りないからと修正しようとするなど、いちいち対応が引っ掛かります。

技術はしっかりしているのかもしれませんが、こちらの要望を十分に汲み取らずに作業を進めようとする業者に家づくりを任せるのは、すごく不安です。

資金繰りで失敗!

建物の工事費や土地代だけしか想定していなかったせいで予算をオーバーしてしまい、エクステリアの工事を1年先送りにしました。

結果、不完全な状態の住宅に入居することに。

こんなことになってしまった原因は、登記や住宅ローン等の細々した諸費用を軽く考えていたこと。また、地盤改良工事に思いのほか費用が掛かってしまったことにあります。

ちょっとしたことで100万、200万と増えるので、予算にはある程度余裕を持たせておいたほうがいいと思います。

まとめ

  • 家づくりでまず行うべきことは、自分たちが建てたい住宅の理想像を固めること。
  • 次に大まかな予算を検討し、理想像を形にしてくれそうな業者を探す。
  • 予算は、用意できる頭金を元に、金融機関の住宅ローンシミュレーターなどを活用して割り出す。
  • 家づくりの費用は、土地や建物にかかる費用の他に、諸費用が全体の10%前後掛かる。そのため、予算に余裕を持たせておくことが大切。
  • 間取りを考えるときは、まず家族の要望を洗い出した上で、専門家にそれを確認してもらい、ブラッシュアップしていくとスムーズ。

家づくりでもっとも大切なのは、家族全員で楽しむことです。夢中になればなるほど想像力が働きますし、想像力が働くほど、現実を理想に近づけることができます。

業者を選ぶ際も、自分たちに似た価値観、感性を持っているかどうか。つまり、一緒に家づくりを楽しんでくれるかどうか、という点に重心を置いて比較・検討すれば、きっと失敗することはないでしょう。

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